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<東京怪談・PCゲームノベル>


魔女の家に遊びに行こう〜肝晒し編〜










 その日、雑貨屋『ワールズエンド』の店主である魔女ルーリィは、”わくわく”していた。
一日中陽気に鼻歌を口ずさみ、始終スキップで移動し、ふわふわと浮き立つ気持ちをまるで抑える気はないようだった。
 そんな母の心配そうに眺めていたリネアは、玄関先から呼び鈴が鳴ったような気がして、急いで店の玄関へと向かった。
「はーい、いらっしゃいませ〜…あっ、亜真知ねーさん!」
 玄関先でにこやかに佇む少女を見、リネアは嬉しそうに顔をほころばせた。
榊船亜真知。外見はまだ高校生ほどに見えるが、その外見の若さに反した物腰や佇まいから、
”只者ではない”と思わせるオーラを纏っている少女である。
リネアにとっては知らぬ顔ではない。
 亜真知は手に提げた平べったい長方形の箱をリネアに手渡し、にっこりと微笑む。
「お久しぶりです。ご機嫌如何でしょうか?」
「わたしは元気だよ! 亜真知姉さんは夏バテ…してなさそうだね」
 リネアは箱を受け取り、そう言った。
確かに亜真知は生来のものなのか、外界の暑さをものともせず、如何にも涼やかな顔をしていた。
まるで彼女の周囲に冷気の壁でもあるようだ。
「ええ、お蔭様で」
 ふふっ、と亜真知は首を傾げて微笑んでみせた。
私には夏バテなんて無縁ですよ…と言いたげに。
 リネアはそんな亜真知を羨ましそうに見上げ、ハッと自分が抱えている箱に気がつく。
「そういえば姉さん、これなぁに?」
「手製のレアチーズケーキです。冷蔵庫で冷してから頂くと美味しいですわよ」
「わっ、ありがとう! 母さんに渡しておくね。あっ…」
 リネアはぱぁっと顔を輝かせたが、すぐに視線を逸らして言いにくそうに口ごもる。
亜真知はそんなリネアの様子に、首を傾げて訝しそうにした。
「? どうかしましたか?」
「あ…ええとね、その…」
 右往左往するリネア。だがリネアが口を開く前に、玄関に付けられたドアベルが再度からん、からんと鳴った。
リネアと亜真知が同時にドアのほうを振り向くと、似たような年頃の少女が二人立っていた。
「こんにちはっ。お邪魔しまーす」
「こんにちは。…ええと、お邪魔します」
 一人は無邪気に、一人は少しばかり不安げに。
無邪気なほうは、亜真知と同じ高校生に見える少女だった。
ココア色の長い髪を背にたゆたせ、裏表のない笑みを浮かべている様子は、歳相応な可愛らしさがある。
 もう一人は、対照的に深い蒼の髪を持つ少女だ。開け放たれた扉から差し込む光で、時折青くきらめく。その髪はやはり長い。
ココア色の少女よりも少しばかり幼く、中学生ぐらいだろうか。
 リネアは自分よりも年上な少女たちに見覚えはなかったが、少女たちのほうはこの店が初めてというわけでもないようだった。
ココア色の少女は目の前に立っている亜真知とリネアを見、ぺこんと頭をさげた。
「はじめまして! 私、樋口真帆といいます。以前こちらにお世話になって…」
「初めまして、どうもご丁寧に。私は榊船亜真知と申します」
 そう自己紹介しあう少女たち。自然とその場の視線は、残る青髪の少女へと注がれる。
その視線に気づき、不安げな表情を取って、ぱっと顔を上げる少女。
「あっ、あたしは海原みなもです。今日は何故かお呼ばれされまして…」
「さっきこのお店の前で会ったんです。お互い用があるみたいだったんで」
 えへへ、と笑ってみなもと名乗った少女の補足をする真帆。
ひょっとしたら真帆も”呼ばれた”クチなのだろうか。それにしては二人の対照的な表情が気になる。
リネアは暫し考え、じっと亜真知を見上げてみた。
(…もしかしたら、亜真知姉さんも…)
 だが亜真知はリネアの物言いたげな表情に気づいても、”私に何か?”と言う様に微笑んでみせるだけだった。
多分母親の企みごとに付き合わされることになるだろう三人に、リネアは心の中で謝罪しながら言った。
「えと、初めましてといらっしゃいませ! わたしはリネアっていって、ここの店主の娘です」
 そう言うと、リネアのことを知っている亜真知以外の少女、真帆とみなもは、驚いたように目をぱちくりさせた。
「わっ、例の娘さん? こんなおっきな子がいたんだぁ」
「まぁ、ルーリィさんとそっくりですね」
「えへへ、ありがとうございます。あのー、皆さん」
 正確に言うとルーリィとは血が繋がっていないのだが、リネアは褒められたような気になって照れ笑いを浮かべた。
だがすぐに現状を思い出し、皆に問いかける。
「…母さんに会いますか?」
 リネアの言葉に、三人の少女は思わず顔を見合わせた。









「きゃーっ、いらっしゃーい!」
 普段よりも5割増しなテンションで黄色い声をあげた魔女ルーリィ。
しっちゃかめっちゃかになっている作業室の真ん中で、手を大きく広げて出迎える。
三人を案内してきたリネアは、心底不安そうな表情で、作業室の扉を閉めた。
「亜真知さんに、真帆さんに、みなもさん! とっても嬉しいわ、いらっしゃってくれて!」
 ルーリィは高いテンションで三人の手を順に取り、ぶんぶんと振っていく。
唯一そのテンションに圧倒されなかった亜真知が、微笑を浮かべながら問いかけた。
「ルーリィ様、また何か考えておられるのでしょうか?」
 亜真知はあえて”企み”という言葉を使わなかった。
だがその裏にひしひしと同じような意味が込められていることを、その場にいるルーリィ以外の全員が察していた。
普段より高いテンションと同様、鈍感度も5割増しなルーリィは、おうとも、とグッと親指を立てて見せた。
「あのね、今ね、これこれこういうことをね…」
 ぺらぺらぺ〜ら、と口早に語るルーリィ。
はじめは不安げだった少女らの顔は、徐々に訝しさが取れ、ルーリィの話が終わるころには、成る程、と各自が頷いていた。
「つまりは、魔法を使って驚かして、そのホラーパーティの予行演習をするってことですよね?」
 みなもがそう尋ねると、ルーリィは大きく頷いた。
「そうなの! でね、リックの情報によると、今夜その肝試し連中がやってくるんですって。
うちの家は幸いにも隠れ場所は色々あるから、皆さんにはそこらへんにいててもらって、
やってきた人たちを驚かしてもらおうかな、って」
「はぁい、ルーリィさん、質問」
 そのとき、真帆が片手を軽く上げた。
ルーリィが首を傾げると、真帆はきょとん、としながら言う。
「ルーリィさんたちはどうするんですか? 驚かすとこ、見てないと実験にはなりませんよね」
「大丈夫! 皆さんにはこれをつけてもらおうと思ってるの」
 そう言ってルーリィは、人数分のマイクつきイヤホンを見せた。
「この作業室と繋がってるから、音声は拾えるの。やって来た人たちの様子は、あとで皆さんにレポートしてもらうわ」
「成る程ぉ」
 ふむふむ、と真帆はイヤホンを受け取り、早速耳にかけた。
何だかスパイみたい、とうきうきしている。どうやらやる気は十分のようだ。
「あの、ルーリィさん」
 今度手をあげたのはみなもだった。
「思ったんですけど、驚かす相手によって、手段や対策を考えたほうがいいと思います。
ホラーパーティの予行演習ってことですけど、魔女じゃない一般の人と、
ルーリィさんたちみたいな魔女の人たちじゃあ、”怖さの基準”が違うんじゃないかな、って」
「……」
 ルーリィはみなもの言葉に、一瞬呆けたように目を丸くしていた。
すぐに我に返り、慌てて手近にあったメモ用紙に書き付ける。
「なーるほどね! みなもさん、それで?」
 きらん、と目が光るルーリィに少しばかり慄きながら、それでもみなもはハッキリした口調で続ける。
「…で、怖さにも、想像できる恐怖と、未知の恐怖がありますよね。
想像できるものなら、知己のもの―…誰もが知っているものでないと怖がらないだろうし、
未知のものなら、じわじわと心に染み入る恐怖があるかな、って」
「ふむふむふむ…。そうねー、想像できるもの、っていうか、既存のオバケの類は良くやったのよね、魔女の村でも。
特にホラーパーティってなると魔女の腕の見せ所って意識が強いから、
最近は皆奇抜なアイディアのほうに偏ってるし…。うーん、その未知の恐怖って、例えば?」
 興味津々でルーリィはペンを片手に尋ねる。
みなもは暫し考えるように首をかしげたあと、
「真の”闇”とか、聞こえるかどうかの声や音とか―…」
「和製ホラーで良くあるモノだよね。こう、一度振り向いても誰もいなくて、ホッとしてから前を向いたら、いきなり幽霊がいてたり」
「……そんなのあるの!? …日本って怖いのね…」
 みなもの言葉に続いて言ったのは真帆だ。
人差し指を振りつつ、明るい口調で言う真帆に、ルーリィは驚いたように目を丸くしている。
イギリス人であるルーリィにとって、和製ホラーの怖さは想定外だったようだ。
ひとしきり驚いたあと、開眼したようにメモ用紙にペンを走らせている。
「良いアイディアをありがとう! とりあえずそうね、魔女の村の連中はオバケの類には慣れてるから、
その未知の恐怖ってやつを織り交ぜると中々良いモノが出来そう。
そのあたりは皆さんのほうが詳しそうだし、お任せするわ!」
 よぅし、と意気込むルーリィ。これから肝試しの連中がやってくる深夜までに、
各々のアイディアを含めた道具を作成しなければならない。
メモとペンを掲げ、早速少女たちから意見を聞き出している。
 そんな母親を半ば唖然としながら見つめていたリネアは、ずっと穏やかな笑みを湛えて
皆の様子を眺めていた亜真知に気がついた。
「…ねえ、亜真知姉さん?」
「どうかしましたか?」
 問いかけたリネアに気づき、亜真知は首を傾げる。
「亜真知姉さんも、その…やる気なの?」
「そうですわね…折角ですから、参加させて頂くつもりですよ。面白そうですし」
「…そうなんだ」
 リネアはそう呟き、他の少女らには聞こえない程度の声の大きさで亜真知に囁く。
「母さんや他の人たちが無茶しないように、見ててくれる?」
 亜真知はその言葉を聞き、一瞬だけ微かに目を大きくした。
だがすぐに笑みに戻し、ぱちん、とウインクしてみせた。
「お任せ下さいませ」












 雑貨屋『ワールズエンド』の一階は、主なスペースを占める店舗部分と、
カーテンに仕切られたリビング、ダイニングキッチンとなっている。
 もう日付が変わっただろう深夜、その店舗部分の明かりは落とされていた。
窓から差し込む月明かりのみが頼りだが、いかんせん今夜は新月である。
そんな真っ暗な店内に潜むのは、真帆だった。
ルーリィに借りた真っ黒なローブと三角帽子、というレトロな魔女スタイルで、
カウンターの裏に潜んでいる。
(あ〜、どきどきするなあ)
 真帆は高鳴る鼓動を抑えながら、そう心の中で呟いた。
玄関の外では、会話の中身までは聞こえないが、先ほどから複数人の声が響いていた。
こんな深夜に訪れる客はいないだろうから、きっとルーリィの言う”侵入者”なのだろう。
(私が先陣だもんね。頑張らなきゃ!)
 玄関から一番先に入るのは店舗部分だ。故にそこに潜む真帆が一番手である。
真帆は緊張を抑えるべく、手順を確かめ始めた。
(まずここあが先に、お面を被って出て行くの。そのあとにすふれが長靴を履いて、巨大化)
(私は裏方っ。二人のサポート役ね。いい?)
 そうぼそぼそと、目の前で敬礼のポーズを取っている二つのウサギのぬいぐるみに囁く。
体毛が黒く、首元に白い大きなリボンを巻いているのが”ここあ”。
体毛が白く、首元に黒い大きなリボンを巻いているのが”すふれ”。
どちらも真帆の使い魔である。真帆の指示通りに動く。
 今回真帆が使用する道具は二つ。どちらも真帆がアイディアを出し、ルーリィが急遽作成したものだ。
”ここあ”用に、『バグベアのお面』。被ると毛むくじゃらのオバケ姿になる仮面である。
”すふれ”用には『ケット・シーの長靴』を。猫妖精の長靴であり、履くと巨大化することができる。
外見が可愛らしいうさぎのぬいぐるみが巨大化しても…とも思ったが、
深夜の誰もいない店の中で、突然巨大なぬいぐるみが出現したら、それだけで驚くだろう。きっと。多分。
(それにすふれは真っ白だもんね。闇の中でも映えるし)
 侵入者たちが自分の想像通りに驚く様を期待して、真帆はうんうん、と頷いた。

 そして準備の終えた真帆の様子を伺うように、玄関のドアがぎぃっと開かれた。


(きたっ)
 真帆はカウンターの裏から首を伸ばして玄関を見つめていたが、
人影がいくつか入ってきたのを見て、ぴゅっと首を引っ込めた。
一瞬だが確認した人影は3つ。どれも大人のものだった。
(えーっ、来るのって子供じゃないの?)
 ルーリィならびに彼女の使い魔であるリックからは、”侵入者”は小学生と聞いていたのに。
(大人の人かあ…驚いてくれるかなあ)
 やってきたのが複数の大人とみて、急に不安を感じる真帆。
だがここまで来たら引っ込むわけにもいかない。それに侵入者たちの気分を自分が煽らなければ、
次に潜んでいる脅かし役たちのためにもならない。
(よぉーっし。じゃあここあ、ゴー!)
 真帆がそう指示を出すと、『バグベアのお面』を被り、イギリス版なまはげと化した黒うさぎの”ここあ”は、
バッと毛むくじゃらのオバケの姿で店内に飛び出して行った。
間もなく響く、複数の叫び声。
(よーしよし、ここあ、上手いっ)
 真帆の居る場所からは、”ここあ”がどのように侵入者を驚かしているかは見えない。
だがその声で何となく状況は伝わった。
…だが。
(…あれぇ? 大人にしては声が甲高いなぁ…。やっぱり子供も居るのかな?)
『真帆さん、状況はどう?』
 耳にかけたイヤホンから、ルーリィの声が届いた。
ルーリィは急遽司令室と化した作業室から、真帆のイヤホンに声を送っているはずである。
真帆は小型マイクを口に近づけ、ぼそぼそっと囁いた。
「こちら、真帆。なかなか上手いこといってるみたい。
…でもルーリィさん、侵入者って子供だけじゃないみたいですよ?」
 真帆の言葉に、ルーリィは『あら』と意外そうな声を出した。だがすぐに声色を戻し、
『まぁ、魔女の村の連中は皆いい年した大人だし、そっちのほうが好都合よ。
真帆さん、がんばってねーっ』
 一方的にそういうと、ぶつっと通信が途切れた。
(…そういうもんなのかなあ?)
 真帆は一人、首をかしげた。
そしてローブの裾をくいっと引かれる感覚を感じ、そちらを振り向く。
すると自分の出番を今か今かと待っている”すふれ”がいた。
「そーだよね、早くしないと」
 真帆は”すふれ”に笑いかけ、心の中から”ここあ”に伝令を飛ばす。
(ここあ、戻っていいよ。次にすふれ、ゴー!)
 心の中でそう叫ぶと、待ってましたとばかりに長靴片手に”すふれ”が飛び出していく。
カウンターの横で巨大化した”すふれ”は、ずしん、ずしんと足音を響かせ、中央に向かって歩いていく。
(うわあ…圧巻だなあ)
 カウンターの裏から、天井に耳が届くほどの大きさとなった”すふれ”を見上げ、真帆はしみじみとそう思った。
すると、店内からふらふらと戻ってきた”ここあ”に気づく。
”ここあ”は既に仮面を取り、元の黒ウサギの姿であった。
何故か薄汚れて、疲れ果てた様子である。
「ここあっ、どうしたの? 何かされたの?」
 ルーリィとの通信に意識を集中していた真帆は、”ここあ”の奮闘ぶりを見ていなかった。
何か侵入者にされたのでは、と危ぶみ、慌ててカウンターから首を伸ばし、”すふれ”の様子を伺った。
すぐに真帆の目は真ん丸く見開かれ、その場に硬直する。
(なっ、何あれーっ!?)
 真帆がぎょっとしたのも無理はない。
何故か店内の中央付近では、巨大化した白うさぎの”すふれ”と、
これまた巨大化している黒髪の人形とが対峙していたのである。
 黒髪の人形は初め大人の背丈ほどであったが、真帆があんぐりと見つめている間にも、
ずんずんと巨大化していき、最終的には”すふれ”と同じサイズまでなった。
 二つの巨大人形は、怪獣映画さながらポーズを取って対峙している。
今にもどちらともなく動き出し、あんぎゃあと暴れだしそうだ。
 真帆はいやな予感を察し、慌ててカウンターから飛び出した。
「ちょっ、ちょっとまってーっ。乱闘はダメよっ、店が壊れちゃう!」
 レトロな魔女スタイルで飛び出した真帆は、巨大黒髪人形の背後に居た侵入者たちの視線をあつめた。
その数4つ。まだ若い年頃の男女と、10歳程度の小学生の男女。
その中の青年が真帆をびっと指差し、叫ぶ。
「ややっ! あそこにおわすのは悪しき魔女! さあレイジングアリー、やっつけてしまいなさい!」
「えーっ、またやるの!? もう勘弁してよ!」
(悪しき魔女って…わたしのこと!?)
 やけに裾の長いローブのようなものを羽織った男に名指しで叫ばれ、真帆は混乱した。
確かに自分は魔女だし、今は驚かし役なのでそう言われても仕方はないが。
(何でこんなに、なりきってるの、このひとたちっ)
 明らかにおかしい事態についていけない。
そんな真帆の心中の叫びなど知ったことではない、というように男が再度叫ぶ。
「さあ、やっておしまいです!」
 どちらが悪なのだ、と思いたくなるほど冷徹に、真帆に向かって指差す。
真帆はその態度に思わず抗議の声を上げようとしたが、その一瞬前に目の前がぴかっと光り、
その衝撃で床に倒れてしまった。




 真帆が倒れていた時間はほんの数分だったが、それでも驚かし役としては致命傷だった。
ふらつく頭を抱えて起き上がると、元の可愛らしいうさぎの姿に戻った”ここあ”と”すふれ”が、
心配そうに真帆を見つめていた。
「大丈夫だよ、うん、大丈夫……あーっ」
 真帆は突然声を上げた。
そういえば今自分は驚かせていた途中なのに!
 気がつくと店内には誰もおらず、かわりにどやどやと二階に上がっている音が聞こえた。
「あー…うぅ、行かせちゃったぁ」
 真帆はそう悔しそうに呟いた。ハンカチでも噛みたい気分だ。
「もう、悪い魔女呼ばわりするなんて! あとで激辛クッキー進呈してあげるんだから」
 まあでも、自分のあとにもまだ2人控えている。
きっと彼女らが更なる恐怖を彼らに味合わせてくれるだろう。
 と思いつつ、やはり自分の恨みは激辛クッキーに託してプレゼントしてやろう、と心に決める真帆であった。
















 階段をどやどやと上がってくる声を聞き、亜真知は準備を整え始めた。
亜真知の担当区分は2階の階段上がり口である。
(真帆様は大丈夫でしょうか)
 先ほど階下から響いた騒ぎ声に、亜真知は真帆の身体を案じた。
だが耳にかけたイヤホンからは、真帆の身体に何かがあったというようなことは聞こえなかった。
(…逆に驚かされでもしたのでしょうか)
 ならば気をつけなければならない。
”侵入者”はただの小学生ではない。
 亜真知はふぅ、と息を付くと、ルーリィから預かった道具を作動させた。
彼女の持つ道具は『ウィル・オー・ウィスプの灯』である。
これは鬼火の一種で、触っても熱くはないし焼けどもしないが、脱力感に見舞われてしまう。
この灯を幾つか借り、亜真知はそれを自分の周囲に漂わせた。
こうしていると、侵入者からは自分の周りに火の玉が浮いているように見えるだろう。
おまけに、亜真知は自分の能力である『理力変換』を用い、自分の容姿も弄ることにした。
(…火の玉を回せているのですから。おどろおどろしくしたほうが宜しいですね)
 ふむ、と考えたあと、さっと一瞬で自分の容姿を変化させる。


 そこで、侵入者の第一陣が階段を上りきるのを感じた。
上がり口の壁に身を潜ませていた亜真知は、さっと灯の一つを階段の上に舞わせる。
さらに効果的に盛り上げるよう、BGMと背景も忘れない。
 かくして、『ワールズエンド』二階入り口は、即席墓場となったのであった。

 ひゅ〜どろどろ… という音が聞こえてきそうな雰囲気である。
どこからともなく、冷気も吹きかけてくる。
 階段のあたりからは、灯を舞わせたころから、緊張に満ちた空気が漂っていた。
(…効果大、ですわね)
 やはりオーソドックスなものはなかなか強い。
ルーリィには和風のホラーを勧めてみよう、と亜真知は心の中でチェックをいれた。
無論、全ての事が終わったあと、彼女にレポートするためだ。
(そろそろ、でしょうか)
 頃合を見て、亜真知はゆっくりと姿を現す。
意図的に、自分の足元は霧に隠し、見せない。
 理力で容姿を弄ったので、今自分は侵入者たちからは、和服を纏った妙齢の女性に見えているだろう。
長い黒髪を一房、唇にくわえているので、その演出もバッチリだ。
 亜真知は伏せていた目を僅かに開け、ふぅ、と紅を差した唇から一息吐いた。
その息に乗せ、無数の灯が階段を飛び回る。
「…主の許しも無く、この地に足を踏み入れるとは…」
 ゆっくりと、”それっぽく”、亜真知は語りかける。
殆ど目を伏せている亜真知からは、はっきりと侵入者の顔は見えない。
だが、「きゃーっ」という絹を裂くような悲鳴が聞こえ、亜真知は(ふむ)と思った。
(この路線もなかなかイケるようですわね)
 さらに続けようか、と思ったところで、悲鳴がぴたりとやむ。
その場の雰囲気を敏感に察し、亜真知はゆっくり目を空けた。そして「あら」と固まる。

 階段の上がり口に足をかけたポーズで固まっていたのは、見知らぬ小学生の二人組だった。
きっと彼らが”侵入者”を呼んできたのだろう。
そう亜真知は察したが、一つ不思議なことがあった。―…何故彼らは石化しているのだろう?
無論、そんな術を使った覚えはない。
 幽霊の振りも忘れ、亜真知は侵入者の一行を見渡してみた。
まず石化している小学生の二人組、その背後には20歳前後の男女。
男性のほうは爽やかな笑みを顔に湛え、女性のほうはかすかに険しい目で自分を見つめている。
そしてその背後には、やたら大きな人形と、その肩にのっている同じような小さい人形。
大きなほうはやたら横に大きく、全体の造作は荒く、目に至ってはゴマ粒のような丸い点がついているのみ。
逆に肩に乗っている少女の人形は、サイズこそ小さくはあったが、まるで生きている人形のようなリアルさを伴っていた。
(…なかなか個性的な面々ですわね)
 こんな侵入者たちへのレポートが、果たしてホラーパーティに役に立つのだろうか。
そう亜真知は考えてしまったが、女性が口を開いたので、そちらに意識を集中させる。
「……この場はこれで幕引き、ということで宜しいでしょうか?
わたくし、あかり様たちの石化を早く解かなくてはなりませんの」
「…あら」
 亜真知はかすかに首をかしげた。
ということは、彼女のがこの小学生たちを石化させたということか。
詳しい事情は分からなかったものの、亜真知はやるべきことはやったので、
「ええ、どうぞ。私の出番は終わりましたから」 
 と優雅に微笑んで見せた。
女性はふぅ、と息を吐き、手をさぁっと振って小学生たちを生身に戻す。
その技を見、亜真知は「あら」と声をかけた。
「もしや…デルフェス様でしょうか?」
「あら?」
 小学生二人の気を確かめていたデルフェスは、声をかけられ顔を上げる。
「あの―…」
「ああ、失礼致しました。私、榊船亜真知です」
 さっと容姿を元に戻し、にっこりと微笑む。
デルフェスと声をかけた女性は、漸く亜真知に気がつき、驚いたように目を丸くする。
一度縁があり、顔を合わせたことのある二人は、久しぶりの再会を懐かしがった。
「亜真知様は何故ここに?」
「ええ、少しばかりルーリィ様に頼まれまして―…ルーリィ様はあちらでお待ちですわよ」
 そう言って、亜真知は二階の突き当りを指した。
ごくり、と侵入者の一行から、息を呑む声が響く。
「あと一度だけ、”試練”に耐えなくてはなりませんの。
皆様、がんばってらしてね」
 もう幽霊の振りをするつもりのない亜真知は、愛想をこめた笑みで手を振った。
事情を何となく掴んでいるのだろうデルフェス以外の侵入者たちは、
首をかしげながら、二階の廊下を進んでいく。
その背を見送り、亜真知はぼそっと小型マイクに囁いた。
「…亜真知です。こちらは終了しました。みなも様、ラストです」
『…は、はいっ』
 ルーリィに預けられたイヤホンは、音声が皆に伝わる。
亜真知は、作業室の前で待ち構えているであろうみなもに、激励の言葉を送った。
















 三番手、トリを努めるのは海原みなもである。彼女は既に姿を変えスタンバっていた。
先ほど、二番手である亜真知から連絡がはいった。
すぐにでもここへやってくるのだそうだ。
「あのう、リースさん…。あたし、怖いですか?」
「えー怖い怖い! 傍にいるだけでもブルブルしてくるわよ」
 小声で囁きあうのは、みなもとこの店の居候魔女、リースである。
みなもは結局道具は使わず、変化術の使い手であるリースに変化を頼んだ。
面白がったリースもみなもに付き合い、結局この場は二人が担当、ということになったのである。
「…ホントですか? 確かに、気持ち悪いとは思うんですけど」
 みなもは自分が羽織っている長いマントのなかをちらりと見て、ふぅ、と息を吐いた。
隣にいるリースもまた、同じような格好をしている。
二人とも上半身は普段のままだが、マントにかくれた下半身は、やけに膨らんでいる。
のみならず、みなもの下半身からは、時折はーっと荒い息が吐く音も聞こえる。
「それにみなもちゃんが希望したんだからね。半人半獣って」
「…そうなんですけど。だってラストでしょう?
なら最後らしく、大仰に行きたいじゃないですか」
「まーねえ。でも似合ってるわよ、なかなか。扉を守る番人って感じね」
 リースが面白がって揶揄する。
だがリースの言葉の通りなのだった。
彼女らの背には、二階の突き当たりのドアがある。いわずもがな、ルーリィが待つ作業室である。
用はこのドアの前で最後に侵入者たちを驚かせ、頃合を見計ってネタばらしをし、
作業室へ案内しよう、というわけだ。
「まあ…とにかく、頑張ります。驚いてくれなくっても!」
「だーいじょうぶだって。…ああ、そろそろ来るかしら」
 意気込むみなもをけらけら笑い、リースは前方の闇に目を向けた。
廊下がぎし、ぎしと鳴っている。





 自分たちを確認できる位置まで侵入者たちがやってきたことを知り、みなもとリースは揃って侵入者たちに背を向けた。
ご丁寧に泣き真似まではじめる。
(…とても古風なやり方ですけど…)
(ある意味、これが一番吃驚するんですよね)
 作戦を立てたみなもは、その通りに実行する。


 侵入者の一人から、彼女らの背に声がかかる。
泣いている自分たちを訝しむ声だ。
無論、ここに来るまでに真帆、亜真知と驚かされたのだから、不審がるのも当然だろう。
 みなもはたっぷり余韻を聞かせ、ゆっくり振り向く。
傍らのリースも同じようにする。
 みなもは侵入者たちを見て、安堵の表情を浮かべつつ、その数を確認した。
小学生が二人、20歳前後の男女が一人ずつ、そしてその背後に何故か巨大な人形が一体。
(……アレは何?)
 みなもは思わずきょとん、としたかったが、”演技”をしている最中なのでそうもいかない。
みなもは薄幸の美少女になったつもりで、目を拭う。
「ああ、よかった…。普通の人たちで…。
あたしたち、この館の魔女に囚われて、やっとのことで逃げ出してきたんです」
 およよ、とみなもは演技を続ける。
だが同じように顔を伏せるはずのリースが、こそこそとマントで顔を隠しているのに気がついた。
(……リースさん?)
 こそこそ、と囁く。
リースは慌てながら、
(ま、まずいわ。知ってる顔が二人もいるの)
(…へ?)
 みなもは思わず目が点になった。
ならば、この家がどういう家か―…店主がどういう魔女なのか、知っているということじゃないか。
(ど、どうするんですか。作戦が成り立ちませんよ!)
(どーするって言われたって! あたしに言わないでよーっ)
「…あのー、お姉さん?」
 小学生らしき少女が、訝しげにみなもに問いかけた。
みなもは内心困惑しつつも、
「ああ、あの…この家は危険なんです! 危険な魔女が…あの、逃げ…」
「……あ、リースさんなのです」
「っ!」
 突然、件の巨大な人形から可愛らしい声が響いた。
かと思うと、人形の肩から小さい人形が下ろされる。
だがそれが小さい人形だと思ったのは目の錯覚だったようで、
みなもたちのいるあたりまで駆け寄ってきた頃には、10に満たない可愛らしい少女だということが分かった。
「…リースさん、です? 何でリースさんがここにいるですか?」
 黒髪の美少女は、ちょこん、と首を傾げてリースを除きこむ。
あちゃあ、とリースは舌打ちした。
「もう…夜闇ちゃんがいるならいるって言ってよね」
 全く、と肩をすくめながら振り返る。
(…リースさん…)
 恨みがましくみなもがリースを見つめると、リースは舌を出して手を合わせた。
(ごめん、ごめん。まさか知ってる子がいるとは…ね)
(もう)
 みなもはハァ、と息を吐いた。こうなったらもう台無しだ。
―…だがみなもは忘れていたのである。自分の下半身が、まだ変化したままである、ということを。
「ええと…皆さん、ごめんなさい。ちょっとした事情で、皆さんのことを驚かせるつもりだったんです」
 オバケごっこは終わりだと察したみなもは、マントを羽織ったまま、ぺこりを一同に頭を下げた。
一同はホッとした顔を浮かべ、みなもたちに近寄ってくる。
「あーよかった! じゃあ終わりなの? もうオバケっていない?」
 先ほどの小学生の女の子が、みなもにそう問いかける。
みなもは苦笑を浮かべ、
「ええ、もうこれで終わりです。こっちの部屋にこの店の店主がいるので―…」
 そういってみなもが作業室の扉を指したとき、はずみでみなものマントが、ばさ、と床に落ちた。
となると、当然、みなもの下半身が露になる。
「…あ」
 みなもの呟きは、皆には聞こえなかった。
マントから解き放たれた6つの頭を12本の足を持つ獰猛な犬が、ばらばらに吼えたからである。
 そして、さらには。
ほぼ同時にマントを脱いだリースの下半身に生えている巨大な蛇とあわせ、
侵入者のほぼ全員が、盛大な絶叫をあげた―…からでもある。












                          ■■■










「あははー。ごめんなさいね! 実はねー、今度魔女の村でホラーパーティを行うことになって。
その予行演習をしてたの」
 文字通り”全て”が終わり。
脅かし役の樋口真帆、榊船亜真知、海原みなも。
そして”脅かされ”役の伊吹夜闇、東雲緑田、鹿沼デルフェスの6人は、
少々手狭に感じつつ、ルーリィの作業室で深夜のお茶をご馳走になっていた。
お茶請けとして、デルフェスが差し入れたアイスクリーム、亜真知が持参したレアチーズケーキをはさんで。
ちなみに小学生コンビはラストの半人半獣で気を失い、今現在は部屋の隅で、
ルーリィの使い魔である銀埜とリックの介抱を受けていた。
「…ということで! まず真帆さんから、感想をどうぞ」
 ルーリィは意気揚々とメモ用紙を抱え、ペンを構える。
その様子に、驚かされ役の三人は、事の次第をすべて察した。
「要は実験台ってわけですねえ」
「…ルーリィ様…」
「うぅ、怖かったですぅ」
「ごめんなさい! でも、私だって怖かったんですよー」
 真帆は頬を膨らませつつ、店内での出来事を語った。
それを聞き、ルーリィは目を丸くする。
「へ? 魔法少女に撃退されて? そんでもってうさぎと人形の怪獣合戦?」
 愕然としつつ、我に返ったように、ちぃっと舌打ちをする。
「…ビデオ設置しとけばよかった…!」
 無論、その言葉のすぐあとに、四方八方から冷たい視線が注がれたことは言うまでもない。
「じ、じゃあ、亜真知さん!どーだった?」
 気を取り直して、今度は亜真知にペンを向ける。
「そうですわね。やはりオーソドックスな幽霊モノというのは効くのだな、と思いましたわ」
 優雅に分析をしてくれる亜真知様なのであった。
「ふぅん、なるほど」
「ただ…」
 ぽつり、と亜真知は付け加える。
「やはりお顔が分かっている分、緊張感は薄れてしまいますわね」
「ふんふん。じゃあ変装しなきゃいけないわね。
みなもさん…は、多分一番の成果だったんじゃない?」
 みなもにペンを向け、ルーリィは思わず笑った。
みなもの下半身では、未だに6匹の犬の頭と12本の足がくっついていたのである。
リースの変化術が解けるのは、最低でも6時間は待たなくてはならない。
明るい部屋の中で見た半人半獣―…スキュラの姿はなんとも間抜けであり、
そしてその犬の頭が6頭とも全て、大人しく寝息を立てているからなおさらだ。
 ちなみにリースもいまだに蛇の下半身をもてあましている。
「…何だか、作戦とは大分違っちゃって…。
上手くいったんだか、いかなかったんだか、って感じです」
 とほほ、とみなもはため息を洩らした。
でも結局は三人に絶叫をあげさせることに成功したのだから、由とするべきなのだろうか。
「まあでも、私の勉強にはなったわ! 油断させて近づかせて、そして驚かせるっていうのは有効なのね」
 といいつつメモするルーリィ。
あくまで研究のためと言い張っているが、その実はどうなのか、それは誰にも分からない。
「あ、そうだ。私、皆さんにお土産があるんですよー」
 そうパン、と手を叩いたのは真帆である。
作業室においてあった自分の鞄から、ピンクと赤の二種類のリボンで包まれたクッキーを取り出す。
「はい、どうぞ!」
 ピンクは同じく驚かし役の亜真知とみなもへ、
そして赤色は驚かされ役の夜闇、デルフェス、緑田へ。
「へえ。開けてもいいですか、お嬢さん?」
 そう緑田が尋ねると、真帆は笑顔で首を振った。
「だめですよー。絶対、おうちで開けてくださいね。あと、それから―…」
 真帆は首をかしげ、にっこりと笑って付け加えた。
「ちょおっとばかり、お水が欲しくなるかもしれませんけど」
「?」
 無論、ハテナマークを浮かべた彼らに、説明はしない。
…赤色のリボンで包まれたクッキーが、真帆特製激辛クッキーであることは言うまでもない。
「あはは、まあとりあえず、皆さんお疲れ様! ねえ、どーだった?」
 ルーリィが立ち上がって、驚かされた三人に尋ねる。
三人は顔を見合わせ、三者三様でこう言った。
「…こ、怖かったですぅ…」
「ルーリィ様、何事も程ほどに、ですわよ」
「ハッハッハ、なかなか楽しかったですねえ」
 そんな三人の言葉を聞き、ルーリィは暫くきょとん、と首を傾げていた。





 この日以降、暫くの間、『ワールズエンド』から、
夜になると絶叫が響くという噂が立ったのも―…ほぼ全ての参加者が予想したとおりであったという。











                        おわり。








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▼ 登場人物 * この物語に登場した人物の一覧
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【整理番号|PC名|性別|年齢|職業】

【1593|榊船・亜真知|女性|999歳|超高位次元知的生命体・・・神さま!?】
【6458|樋口・真帆|女性|17歳|高校生/見習い魔女】
【1252|海原・みなも|女性|13歳|中学生】


【5655|伊吹・夜闇|女性|467歳|闇の子】
【2181|鹿沼・デルフェス|女性|463歳|アンティークショップ・レンの店員】
【6591|東雲・緑田|男性|22歳|魔法の斡旋業兼ラーメン屋台の情報屋さん】


■NPC■

・あかり/あきら(小学生)
・ルーリィ/リース/リネア(『ワールズエンド』店長+店員)

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▼ ライター通信
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 こんにちは、このたびは「肝晒し編」へのご参加、誠にありがとうございました!
そしてお届けが遅くなってしまい、誠に申し訳ありません;

 楽しいプレイングを数多く頂き、楽しみながら書かせて頂きました。
如何だったでしょうか。
少しでも楽しんで頂ければ、幸いです。

 もしお時間おありでしたが、「肝冷し編」も合わせてお読み頂くと、
背景も良くお分かりになるのではないか、と思います。


 それでは、またどこかでお会いできることを祈って。