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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


竜田姫の綾錦


  秋深まり、山々は朱に染まり、まるで竜田姫の綾錦のようだ。
 都心でもそんな秋の風情は、街路樹のイチョウや公園内で朱に染まった木々を見ることで感じられる。
 草間興信所にも、そんな秋の風情がやってきていた。
「最近は芋も高くなったなぁ…美味いけど」
 近所を通りかかった焼き芋屋を条件反射で呼び止めてしまったことに、ハードボイルドから遠ざかっているなと切なくなる草間武彦、三十歳。
「いい香りですね」
「ん? 翡翠じゃないか。 また何かあったのか?」
 時折興信所にやってきては何かしら依頼をしていく、人形工房幽艶堂の着付師・翡翠は、開けっ放しの戸口に立ってクスクス笑っている。
「いえ、本日は天気もよく行楽日和だと思いましてね。 せっかくですから何人か誘って紅葉の美しい場所へ少しばかり遠出しませんか?」
 仕事ばかりでは精神的にもきつかろうと、翡翠は重箱持参で草間に微笑む。
 誘い、といってもそんな出来上がった状況でこちらの都合など聞く気があるのだろうか?
 しかしまぁ、翡翠の言うとおり、夏は忙しすぎて季節を楽しむ余裕もなかった気がする。
 ここらで少しばかり息ぬきはしといた方がいいかもしれない。
「―――そうだな…それもいいかもな。 よし、それじゃあこれから暇な奴に声かけてみるか。 ただし…急なことだから集まりはよくないかもしれんぞ?」
「それは承知の上ですよ」
 最悪草間と自分だけでもいいらしい。 だが草間的には何が楽しくて男二人で紅葉狩りにいかにゃならんのだというところだ。
「ところで―――…なんでそんなモン持ってんだ?」
 草間の視線は翡翠の手元。
 重箱とは逆の腕の中に納まっているのは、真っ白な振袖姿の市松人形。
 合わせは普通のままなので、白装束と言うわけでもなさそうだ。
「ああ、こちらはね、うちの姫です。 せっかくの紅葉ですので姫も連れて行こうと思いましてね」
「………」
 翡翠の職業柄、人形に対する愛情というものがあるのはわからなくもない。
 だが傍目に見ればちょっと危ない奴にしか見えない。 しかし別に何があるわけでもない…と思うので、それ以上は突っ込まないでおいた。
「えーと…とりあえず暇そうな奴の連絡先を…」
 受話器を片手にメモ帳や名刺をあさっている草間。
 応接室のソファーに腰掛け、その様子を眺めている翡翠は、ポツリと人形に向かって呟いた。
「今年の錦は美しいものになりそうですね、姫」

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  人が集まらねば男二人の紅葉狩り。
 なんとしてでもそれだけは避けたい草間は、次々と予定に空きのある者に声をかけていく。
「そんなに必死にならなくても」
 ソファーに腰掛け、デスクにへばりつく草間を見て翡翠は苦笑した。
 そこへタイミングよく帰ってきた事務員、シュライン・エマ。
「ただいま――…って、ちょっと武彦さん!? まさかそれ焼き芋屋で買ったの?」
 テーブルの上に置かれた新聞紙に包まれた香ばしい香りを放つ焼き芋を見て、シュラインは絶叫せんばかりの表情で草間に問うた。
「ん? ああ、美味そうだったんでついな。 お前もどうだ?」
「どうだ、じゃないわよ! も〜〜〜…武彦さんったら焼き芋屋で買うなんて! ぼったくってるのよ、ああいう屋台って」
 焼き芋の相場など知る由もない草間は、帳簿をつけるシュラインに対して頭が上がらない。
 そんな様子を傍観していた翡翠にシュラインが気づいたのもそんなやりとりの後だ。
「あ、っと…御免なさい。 今日はどういった御用で?」
 気まずい様子で翡翠に会釈して、そう尋ねると、脇に置いていた重箱の入った風呂敷包みをテーブルに乗せ、草間を紅葉狩りに誘ったと翡翠は言った。
「紅葉狩り? じゃあその隣にいる市松さんはもしかして竜田姫に着物を染めてもらうとか?」
「それは現地でのお楽しみです」
 詳しくはまだ秘密と、にこやかに告げる翡翠。
「あら残念。 まぁいいわ、武彦さんが他の人にも声かけてるみたいだし…私は人が集まるまで何か持っていけそうな物見繕っておくわね」
 そう言って零と共に冷蔵庫の中身を見てから手早く作れそうな物を考え始めた。
「よし! 菊坂、樋口、氷室、桐嶋…あとはついでに善も押さえた。 こんだけいりゃあ十分だろ」
 普通に考えれば十分も何もないのだが、たった四人で行くよりも大勢で行った方が楽しいのも事実だ。
「楽しい散策になりそうですね」



  「――で、人が集まらなかったら二人で紅葉狩りに行く予定だったの?」
 調理をしながら事の経緯を聞いたシュラインは、何故草間があんなにも躍起になって人を集めていたのかようやく合点がいった。
 何か面倒な依頼でも持ち込まれたのだろうかと少々心配していたこともあったが、そういう理由ならばなかなかに微笑ましい。
「考えてもみろ。 何が悲しゅうて野郎二人で山に紅葉狩りにいかにゃならんのだ」
 しかも市松人形を抱えた男と。
「まぁいいじゃない。季節を楽しむ余裕も最近なかったわけだし…こんな風にのんびり季節を感じるのもいいんじゃない?」
「そうですよ、お兄さん。 それに山ですから煙草もなしですし、体を休めるのにいい機会ですよ」
「げっ…そうか! しまったぁ〜〜…」
 山へ行くということは煙草は厳禁。
「ちゃんと携帯灰皿持っていくから安心して、武彦さん。 ああでも、本数はいつもより制限して何処で吸うかもちゃんと気を配ってね?」
「……へいへい」
 そんな台所付近でのやり取りの最中、興信所の扉をノックする音が一つ。
 出入り口に近かった翡翠が応対すると、扉の置くからひょっこりと顔を出したのは可愛らしい少女。
「あっ…初めまして、樋口真帆(ひぐち・まほ)といいます。 今日はお誘い有難う御座います」
 一瞬草間かと思って挨拶しようとしたが、見知らぬ人物が対応した為、真帆は慌ててお辞儀をする。
 状況から紅葉狩りに同行するメンバーの一人だと判断したからだ。
「初めまして、樋口さん。 人形工房幽艶堂の着付師をしております、翡翠と申します。 本日はお忙しい所ご足労願いましてまことに有難う御座います」
 にっこりと微笑むと、真帆もそれにつられて微笑み返す。
「お、来たが樋口。 急な誘いですまんな」
「いえ、こっちも暇だったのでとても嬉しかったです。 あ、それでお弁当とか用意してきちゃったんですけど…」
 両手のうちにある大きなバスケットには、サンドウィッチと紅茶入りの水筒がきっちりと納められている。
 いらなかったですか? とやや不安そうな表情の真帆に、翡翠はそんなことはないと笑顔で返す。
「樋口さんいらっしゃい。 今日は急なお誘いでごめんなさいね。 あら、お弁当用意してきてくれたのね」
「あ、シュラインさん…こんにちは。 あの、必要なかったですか、ね?」
「ううん、そんなことないわ。 むしろ助かっちゃう。 翡翠さんは純和風だし、樋口さんは…サンドウィッチ? バリエーションが沢山ある方が華やかでいいもの」
 そういって作りかけのおにぎりを零と共にちゃっちゃと仕上げていく。
 さすがに全員が何かしら持ち寄ってくるということもないだろうし、メンバーを聞く限りでも女性四人の男性五人。 余りはしないだろう。
 そしてそうこうしている内に続々とメンバーが興信所に集まってきた。
「ちゃっす! たまにはこーゆーのもいいやね〜」
 そう言いながら顔を出したのは氷室・浩介(ひむろ・こうすけ)だ。
 妙にでかいリュックを背負った彼は、中身を見せて快活に言う。
「親父が珍しく良い酒仕入れたんで」
 中には一升瓶と燗酒用具一式。
 春の花見じゃあるまいし、山で酒盛りをする気だろうか。
「お♪ いいねぇ、ちゃんとコンロ持ってきてる辺り、実は慣れてるだろ?」
 入り口前で荷物を広げる浩介の背後から北城・善(きたしろ・ぜん)が覗き込み、やや弾んだ声でそう言った。
「いやぁ、やっぱ春とか秋ってまだ寒いじゃん? カセットコンロは必需品っしょ」
 いける口? などと手振りで尋ねれば勿論だと答える辺り酒飲みの会話だ。
 といっても浩介は二十歳。 妙に慣れたところが一年やそこらで身についてる訳もないのは言わずと知れたトコだろう。
「これで全員か?」
「まだいますよぅ! こんにちは♪北城さん草間さんシュラインさん。 他の方は初めまして、桐嶋といいます」
 ポンッと善の背中を叩き、横からひょっこり顔を出したのは桐嶋・秋良(きりしま・あきら)、それに続いて菊坂・静(きっさか・しずか)も顔を出した。
「こんにちは、翡翠さん。 ひな祭り以来ですね」
 にっこりとあどけなく微笑む静の印象は、ひな祭りの時よりも幾分穏やかに見えた。
「こんにちは菊坂さん、お久しぶりです。 お元気そうで何より」
「面子は揃ったな?」
 人数を数える草間がそういうと、それぞれ顔を見合わせる。
「今シュラインが適当に見繕ってるが、氷室や樋口以外で何か持ってきてる奴はいるか?」
「芋羊羹作ってきました! ……ちょっと型崩れしちゃいましたけど。 あとはポットに温かいお茶を」
 苦笑交じりに紙袋に入ったタッパを見せる秋良。
 それを見て善は、こりゃ意外だな、と秋良を見やる。
「善は?」
 草間がそう尋ねるのは善が普段がベーグルの店を開いているからである。
「…行きの運転手にそんなことまで要求するかッ……まぁ適当に見繕ってはきたぞ。 多分他にも弁当用意してる奴いるだろうからそんなに持ってこなかったが」
 そういって紙袋の中から取り出すのは店で持ち帰り用に用意している内側が加工された箱。
 中身はポークパストラミ&キャラメライズドオニオンのベーグルと人数分のデザート。
「わ♪ デザートつきだぁ〜」
「可愛い…」
 秋良と真帆はデザートを見つめて目を輝かせる。
 やはり女性として目がないところだろうか。
「行楽にゃあサンドウィッチ持ってきてる奴もいると思ったからな、ベーグルは食いたりねぇ奴用に二、三個。デザートだけ人数分用意してきた」
 見かけによらずマメな男である。
「だからさっき人数聞いたのか」
「ま、デザートは作りおきだがな。 近々店で試験的に出そうと思ってた奴だから感想も頼む」
「…お前最近店に重点置いてないか…?」
 草間の問いに、裏の仕事が少ないから仕方がないとため息混じりに呟く善。
「皆お待たせ。 あら、善さんもお弁当持参?」
 準備の整ったシュラインと零が、出来たててまだ温かい弁当を抱えながら台所から出てきた。
「氷室君はカセットコンロまで?」
「おぅよ、ついでにコッヘルとか登山用の備品も一部持ってきてるぜ!」
 換えのガスボンベも一つ持ってきていると、何とも準備のいいことだ。
「それじゃあ後はこちらで紙皿や布巾、敷布とか身の回りの物を準備しないとね」
 十人ほどがゆったりと寛げるブルーシートを一枚引っ張り出し、善の車にそれを積んだ。
「ちょっと…さすがにきつそう」
 人数と荷物を数える秋良がそう呟くと、荷物を積みながら善が苦笑する。
「九人だろ? 多少窮屈だが我慢してくれ」
 もともと八人乗りの車な為、一人はクーラーボックスが座席になりそうだ。
「行きは運転手やってやるが、帰りはお前やれよ」
「わかってる」
 善が草間を横目で睨むと、草間は苦笑交じりに了承する。



 「―――わぁ、きれーい!」
 鮮やかな赤や黄色に染まった木々にあたり一面の楓の木。
「ホント…綺麗ね」
 感嘆のため息と共に呟かれた言葉は心の底からの感想。
 誰もが暫しその風景に魅入られた。
「いいところでしょう? 車でここまで入ってこれる上に私有地だから滅多に人もこない」
「え、ここ私有地なんですか?」
 無断でここまで車で来てしまって大丈夫なのだろうかと、真帆は不安げに翡翠を見つめる。
「ご心配なく。 私有地といってもうちのお得意様の土地なので、事前に許可を頂いてありますから」
 京人形の制作と修繕を請け負う翡翠たちの仕事は、取り扱う物の性質上、稀にとんでもなく高価な代物が混じってくる。
 定期的な手入れなどもしている為、自然と依頼主たちとも親密になっていく。
「まぁ、師匠方は商売で培った縁を別の目的に使用することを嫌う節があるので…あまり公にはできませんけどね」
 本日もただ知人と行楽に行ってくるとしか告げていないのである。
「ばれたら大目玉だ」
 クスクス笑う静。
 その表情もまとう雰囲気も、以前のそれとは違うとても穏やで自然な、屈託のない表情。
 精神的な安定以外にもまた別の要素があるようだが、どうやら本人はそれに気づいていないらしい。
「さぁ、まずは拠点を作っちゃいましょう」
 パンッと拍手を打ち、各自に指示をするシュラインは、車からブルーシートを引っ張り出し、見晴らしのいい丘の上にそれを広げた。
「風あんまりねぇし、重石はいらねっかな?」
 シートの隅で持参したカセットコンロや水、一升瓶、コッヘルなどなど、熱燗をする為の浩介は準備を着々と進めていく。
 真帆も自分で持ってきたバスケットの中身を広げ、食事の準備を始める。
 ギンガムチェックのロングスカートにベージュのブラウス。ショートブーツにベレー帽といった秋らしい装いで臨んだ真帆。
 秋の空と周囲を飾る楓が、その装いを寄り引き立てる。
 しかし足元がブルーシートというのは少々味気ない気もした。
「皆さんしっかり準備してきてるんですね―…」
 手作り芋羊羹とお茶だけというのは少々心もとない気がしてしまって、なかなか出しづらい。
 しかしまごついている秋良の手元からお茶の入ったポットを取り、突っ立ってないで早く来いと促すのは善なりの優しさか。
 結局のところ、こういった気遣いこそしてくれるが善の気持ちは未だはっきりしない。
 というかはっきり聞いていないだけなのだが。
「(…友達以上…か。 我ながら大胆なことを言ってしまったもんだわ)」
 今になって二月の出来事を思い出す。
 しかも反芻すればするほど恥ずかしい。
「どーした桐嶋」
「ふぇっ!? あ、いえ、その…何でもないデス」
「…?」
 ぎこちない態度に首を傾げるも、それ以上の追求はせず、食事の準備を続けた。

「――さて、こんなモンかしらね?」
 一通りセッティングができたところで、お待ちかけのランチタイム。
 各自で持ち寄った品を中央に、九人はそれぞれ座り込む。
「おお! 超美味そー! いっただっきまーす」
 一番手に浩介が重箱へ箸を伸ばし、紙コップに注いだ酒をキューッと一杯。
「っか〜〜! たまんねー!」
「オイオイ、のっけから飛ばすとすぐにダウンするぞ?」
 隣で苦笑する善は、浩介に進められた酒をちびちびやっている。
「そーいえば、翡翠さん? その綺麗なお人形、何のために連れてきたんですか?」
 料理をつまみながら秋良が尋ねる。
「ああ、そうそう。 私もそれ気になってたのよ。 竜田姫に染めてもらうのかなーって思ってるんだけど…?」
「……竜田姫って、あれですよね。 歳時記の。 秋を司り、平城京の西方を守る女神」
 秋良の一言で、シュラインや真帆も翡翠の連れてきた人形に再び興味を抱いた。
「なんだ、人形好きだから連れてきてるってわけじゃないのか」
 草間の言葉を苦笑気味に否定し、来る前からもったいぶっている理由を少しだけ明かす。
「人形は好きですが、いくらなんでも好きだからといって連れまわすようなことはしませんよ。 本日は秋の仕上げをしに来たのです」
 秋の仕上げとは何ぞや? と、一同首をかしげる。
 その様子に翡翠はくすりと笑い、後ほど興味のある方々にお見せしますよ、と言う。



 「あらら。 やっぱりあっという間になくなっちゃったわね」
 途中で何か購入すればよかったかな、とシュラインは空になった容器を片付けながら呟いた。
「…デザート、すぐ食べちゃうのはもったいない感じしますね。 少しおなかを休ませてから後で食べてはどうでしょうか?」
 真帆の提案を各自了承し、まだ聊か食べたりない浩介は食材を探しにふらりとその辺を歩きに出た。
「さて…それじゃそろそろ出してやっかな」
 立ち上がって大きく背伸びをした善は、自分の中にいる妖獣・彩臥を表に出した。
「…使い魔?」
 首をかしげる真帆に、彩はお初にお目にかかりますと会釈する。
 見た目は二メートル近い大型の狼。
「わぁ、おりこうさんですね。 うちのここあとすふれも連れてくれば良かった」
 『ここあ』と『すふれ』というのは、黒うさぎと白うさぎのぬいぐるみの姿をした真帆の使い魔のことだ。
 魔女の血をくむ家系の生まれである真帆。 今はまだ見習いな為に使える魔法も極僅か。
「ん〜〜…まぁ、説明すっと小難しくなるからなぁ…だいたいそんな感じだと思ってくれりゃいいさ」
 善と彩臥は契約によって結ばれた主従関係により成り立っている。
 ただ、その契約というのが遠い昔から血を媒介とすることで連綿と受け継がれてきた為、直接の契約者が善というわけでもない。
 深く仕事に関わってくる相手ならともかく、こういった行楽の折に同席した相手にそこまで自分の能力やら何やら説明するのもおかしな話だ。
「そんじゃ、俺もその辺ウロチョロしてくるわ」
「あ! 私も行きます」
 善の後に続く秋良の姿を見て、シュラインは微笑ましいわね、と呟きお茶を飲む。
「桐嶋さんは北城さんのことがお好きなんですね」
 零の言葉に、草間もシュラインも苦笑する。
「……アイツもどーしたいんだかなぁ…さっぱりわからん」
「全くね」
 遠くなる二人の背中を眺めつつ、シュラインもちょっと歩いてくるといって席を立つ。
「草間さんもご一緒されては如何です? 荷物番は私がしていますので」
「私も、翡翠さんのお話聞きたいので残ってます」
「どうぞ遠慮なく行ってきて下さい」
 翡翠や真帆、零の言葉に、それじゃ遠慮なくと言って草間もシュラインと共に散策することにした。
「それじゃあ僕もちょっと歩いてきます」
 そういって静もまた別の方向へと足を進める。
 各自自由行動で席を離れると、途端にその場は静かになり、遠くに聞こえる川のせせらぎや、空を舞う鳶の声が耳に響く。
「―――穏やかですねぇ…」
 温かな、心地よい日差しのもとで真帆は目を閉じて気持ちよさそうに、緩やかに吹く風を肌で感じる。
「こういう場所で飲むお茶は格別ですね」
 秋良の持ってきた煎茶入りのポットからお茶を注ぎ、少し口にしてホッとため息をつく零。
 こうしていると日頃の忙しさも、殺伐とした依頼の事なども嘘のようだ。
「本当に―――よい日だ」
 空と眼前に広がる紅葉を眺め、翡翠もぽつりとそう呟いた。




 「は〜〜…いい気分だな〜〜〜っと」
 酒も入っているせいか、普段の浩介以上に陽気になっており、頬も幾分赤い。
 釣具も持ってくれば良かったと残念そうに、水の綺麗な沢の中を泳ぐ魚を見つめる。
「…おぉ?」
 木の根元に立派な茸を発見。
「この木、赤松…? てことは松茸!? ラッキー!」
 これを焼いて酒の肴にしよう。 浩介は軽やかな足取りで荷物のある丘まで戻っていった。
 …それが本当に松茸かどうかろくすっぽ確かめもせずに。



 「彩クン、元気そうで安心しました」
「まぁアイツが消耗したならその分負荷は俺にまわってくるからな。 数日は動けなかった」
 それプラス道なき道を走り回ったせいか、筋肉痛のおまけつき。
 緩和されるまでの間、当然店は閉めるしかなかった。
「なーんだ〜言ってくれればお手伝いに行ったのに…」
「…そんな介護されるような状態を人目に曝せるかってーの」
 軽くチョップでツッコミ入れられ、介護な様子を想像してしまった秋良は思わず噴いてしまう。
「―――彩くんや北城さんも一緒に紅葉狩りって、なんか楽しいですね。 ていうか北城さんサングラスかけたままで紅葉見えますか?」
 笑い混じりのその言葉に、善は見えないこともないと、微妙な返事。
「せーっかくの見事な紅葉なのに…サングラスかけてちゃ楽しめないですよ」
「……まぁ街中じゃないし、別に外してもいいんだがな」
 サングラスの奥の瞳は獣の色。
 彩臥と繋がっているせいかのか、善の瞳は人のそれと異なる。
 獣のごとく遠い先の標的を捕捉することも出来る。
 それゆえ日常生活では見えすぎる目は様々な物を反射的に捕らえようとする為、すぐに疲れてしまう。
 サングラスはその防止策。
 はじめから見えにくければ裸眼の常人と大差ない程度にまで抑え込めるらしい。
「このイチョウの葉みたいな、鮮やかな色ですよね」
 舞い散るイチョウの葉を一枚手に取り、善の方へ差し向ける。
「……あのな」
「はい?」
「そーやってあんまりにも無防備だと――」
 サングラスを外した善と秋良の視線が重なる。
「―――――あ。 えっと…その…」
 善の意図に気づいた秋良は、急に顔を赤らめ視線をそらす。
 そしてその場に暫しの沈黙が…というわけにはいかなかった。
「……ぶはっ」
「!?」
 善が噴出し、更に動揺する秋良。
「き、きたしろさん? …まーさーかー…」
「何度も同じ展開に引っかかるよなぁ、お前って」
「北城さん!」
 またからかわれた。
 それに気づいた秋良は善の肩やら背中やらバシバシと叩きまくる。
 恥ずかしいやら情けないやら、というか先日の姫抱っこ以上に恥ずかしい。
 その気持ちもあいまって、振り上げた拳にも力が入る。
「っと、あぶねぇ」
 それを予測したかのように善がひらりとかわすと、秋良はムキになって後を追いかける。
 端から見れば十分バカップルのように見えるのだが、秋良も善もそこには気づいていなかった。



 「―――いい気持ち…」
 散策の最中、腰掛けるにちょうどいい岩とその傍に生える木を発見し、そこに腰掛け木にもたれ、シュラインは自然の流れに身を任せていた。
 目を閉じ周囲の音耳澄ますと、自然の音や落ち葉を踏む草間の足音。
 視覚情報があると気付かない事も感じれたりして楽しいものだ。
 そんな彼女の様子を見ながら、草間は近くをゆっくり歩いて木々に触れ、落ち葉を拾う。
 たしかに、こんな風景の中で煙草は無粋というものだ。
 吸いたい欲求はあるものの、丘に戻るまでにこのまま季節を肌に感じて新鮮な空気を取り込めばいいか、と妙に穏やかな気持ちになる。
「…いつもだと困るけど、こんな風にのんびり季節を感じるのもいいわね」
「―――そうだな」
 二人の時間はゆっくりと流れる。
 目を閉じたまま、シュラインは興信所でのやり取りを思い出していた。
 人数が集まらなくても、結局済崩しに紅葉狩りに来ていたかもしれないと。
 そして話に聞いた男二人の紅葉狩りを想像してしまって、思わず噴いてしまう。
「?どうした」
「いえ、何でもないの。 ちょっとした思い出し笑いだから」
「……それもしかして、事務所でのことか?」
 来る直前の出来事を反芻し、そこから彼女が笑いそうな内容をピックアップしていく。
 なかなか察しのいいことだ。
「ふふ、内緒。 ん―――…気持ちいいわね〜」
「誤魔化したな」
 シュラインの顔を覗き込む草間。
 まだ僅かに笑っているシュライン。
「ねぇ武彦さん?」
「何だ?」
 珈琲飲みに戻ろうか、と、シュラインが耳元で囁く。



 色鮮やかな紅葉が風に揺れ、赤や黄色の波が山を覆う。
 公園などの整備された景観ではない為、足場こそ悪いが、それでも荒れているといったものではない。
 自然の姿。
 静は身軽に木の根や岩を飛び越え、視界が開ける場所を見つけて手を広げ、風を感じる。
 少し肌寒い風。
 けれど身を抱えるほどの寒さではない。
 昼日中はまだ日差しの助けもあって温かく、頬を撫でる風は心地よい。
「――綺麗だなぁ……一緒に行かないかって誘えばよかったかも…」
 独りだった静は不安定で、気づかずにいつも闇を見つめていた。
 闇の庵の時や、ひな祭りの時の静は不安定そのもの。
 しかしここにきてようやく、静は独りではなくなったのだ。
 大事な人ができた。
 それによって本来の優しさや少年らしさが滲むように出てきている。
 この景色を今度はあの人と一緒に。
 そんな風に思えるほど、心を満たしてくれる存在ができた。
「―――――…」
 風に吹かれて散るイチョウの葉。
 舞い散るその一枚を手をとり、静はふいに歌を口ずさむ。
 小さな声で、囁くように。
 歌声が風に乗って空に広がる。
『―――美しい声ですね』
「さ、彩臥…さん!?」
 お邪魔してしまって申し訳ないと、一段高い岩場の上から降りてきて静に対し身をかがめる。
「あの…この間は大変でしたね…体は大丈夫ですか?」
『おかげ様で。 その節は主共々大変お世話になりました』
 大丈夫ならよかった、と胸をなでおろす静だが、急にまた挙動不審になって周囲を見回す。
「うっ歌ってたことは皆には内緒にして下さい…恥ずかしいですから…」
 真っ赤になりながら内緒にしてくれと懇願する静。
 彩臥は一瞬微笑んだように目を細め、分かりましたと言ってきびすを返す。
『そろそろ皆さん丘の方へ戻り始めているようです。 まだ食後のデザートを食べていないのでしょう?』
「あっそっか。 もうそんなに時間経っちゃったんだ? そうだね、いったん戻ろうかな…ちょっと喉も渇いたし」
 


 「――紅茶がおいし―…」
 ほぅっと息をつく真帆。
「樋口さんは紅茶がお好きなのですね」
「はい、紅茶って入れ方一つで味も変わるし、何より飲んだ人に癒しのひと時を与えられますから」
 そんな風にお茶を入れるのが趣味だと言って、また一口飲む。
「私も何か持って来ればよかったなぁ…」
 翡翠に抱く人形の白地の着物を見て、独りごちる。
「――? あれ…?」
 人形の着物が淡いピンクに見えた。
 目の錯覚か、それともこれが翡翠の言っていたことなのか。
 竜田姫に染めてもらうということなのだろうか。
「おや、氷室さん。 お早いお帰りで」
「いいモン取れたぜ♪ ああ、俺このまま松茸焼くから、三人とも歩いてきていいぜ」
 浩介が松茸といって得意気に見せたそれは、明らかに松茸の形状ではなかった。
「……氷室さん、まさかそれを…?」
 さすがの翡翠も少々心配そうな顔。
「…毒、ではなさそうですけど…」
「毒の成分はないみたいですね。 食べてもこれといって支障はないように思えます」
 真帆と零が得体の知れないその茸についてこそこそと話しているのに、浮かれきった浩介は全く気づいていない。
 心配そうに見る翡翠にさえ、焼けたら食べるかと尋ねたぐらいだ。
 当然ながら翡翠は謹んで遠慮させてもらった。
「――それではお二人で行ってきて下さい。 私は氷室さんの様子を見ておきますから」
 零がそう言うと、万が一のことがあっても零がいるなら大事には至らないだろう、などと根拠のない安心を得る二人。
「それでは少し歩いてきましょうか」
「私もご一緒していいですか?」
 ええ勿論、と翡翠はにこやかに答える。
 膝の上にいた人形を抱え、真帆と共に丘を降りた。



 「綺麗…まるで炎みたい」
 木の上や木の根元の辺りをせかせかと走り回る栗鼠を眺めつつ、形の美しい落ち葉や木の実を拾っては持参した小瓶に集めたりしながら、真帆は翡翠と共に散策した。
 鮮やかな紅葉の中で、葉をすかして降り注ぐ光は心なしか赤い。
 そんな中で、共に歩く翡翠の白髪を通り越した銀色の髪は、降り注ぐ光を受けて所々赤く輝く。 さながら万華鏡のようだ。
 腕の中の人形も、そんな感じになっているだろうと視線を落とすが、そこで真帆は首をかしげる。
 「――その人形心なしか着物がピンクっぽくなってるんですけど…?」
 シュラインが言っていたように、竜田姫に衣を染めてもらう為に白い着物を着ているのかと、真帆もそう思っていた。
 しかしそれらしい存在を近くに感じない。
 でも現に人形の衣は少しずつ色がついていっている。
 勿論汚れなどではない。
「ええ、仕上げの準備は着々と進んでいますよ」
 そうは言われても仕上げとは何のことだ。
 翡翠は未だその答えを出さない。
 首をかしげながら考えていると、前方から静が彩臥と共に歩いて来るのが見えた。
「あ、翡翠さん」
「おや菊坂さん。 彩臥さんとご一緒だったのですね」
 楽しめましたか? と尋ねると、静はとても穏やか表情で景色を満喫したと答える。
 初めて会った時の危うさや、二度目に会った時の寂しさを感じさせない笑顔。
 心の底からの笑顔に、翡翠も安堵した様子で静を見つめる。
「……あれ?」
 どうやら静も気づいたらしい。
 翡翠が抱く人形の袖をまじまじを見て、周囲の明るさではないことを確認しながら、首をかしげる。
「これ…ちょっと色ついてませんか?」
 着せ替えたのかと尋ねるが、当然ながら翡翠は首を横に振る。
「菊坂さんも、見えますよね…?淡いピンクに」
「うん…僕にもピンクに見える…」
『―――ふむ。 そういうことですか…なるほど』
 一歩引いたところに座っている彩臥の言葉に、二人は驚いて振り返る。
「そちらさんにはばれてしまいましたか、いいでしょう。 そろそろ皆さん戻ってきていらっしゃるでしょうから、種明かしと参りましょう」
 頭の上にクエスチョンマークが大量に浮かんでいるであろう疑問だらけの表情で、真帆も静も翡翠の後について行った。



  竜田姫の綾錦。
 見事な紅葉を秋を司る女神の綾錦になぞらえて、そう賛美することがある。
「……ピンクが濃くなってる」
「それに、ちょっと所々色合いが…」
 ジーッと人形を見つめる真帆と静。
 その様子を微笑ましげに見ている翡翠。
「ああ、皆さんお揃いで……おや?」
 翡翠の疑問符に、真帆も静も視線の先を辿ると、丘の上で先ほどの浩介が松茸と言い張る謎の茸を彼が食しながら酒を飲んでいる姿が見えた。
「酒の肴が紅葉に松茸なんて最高だよな!」
 そんなことを言いながら食べまくっているのだが、どこかおかしい。
 耳、角、尻尾、鉤爪など、順番に徐々に何かに変化していってる。
「……おい、氷室…お前その姿…」
 秋良と共に戻ってきた善が、呆気に取られた様子で浩介に指摘すると、ようやく彼もその変化に気づいたようで、自分の姿を見て仰天した。
「これって食べると竜になる茸だったのか?!」
 様子を見ていた零もさすがにこれではどう対処してよいのやらと悩んでいる。
「…いいやもう、ここまで変化しちまったら後は同じだし」
 酒の手伝いもあるためか、思考が若干鈍っているようだ。
「――いやはやこれは……」
 翡翠もこの急激な変態にはかなり驚いた。 すると横から彩臥がまだ食べていない茸の匂いを嗅ぐ。
 すると彩臥の姿も黒い毛並みが白銀へと変化し、背には見事な翼が生え、生来の姿に戻ってしまった。
「わ!?」
「きゃあ!」
 静や真帆がその突然の変化に驚き、思わず声をあげる。
『………どうやら、隠れた力や正体を表に出す作用のある茸のようですね…偶然に偶然が重なって発生したものでしょうが…』
 そしてそうこうしている間に浩介はすっかり龍の姿になってしまった。
 酒で上気してる為か、東洋龍のその姿はさながら中国の紅龍<ホンロン>のようだ。
「氷室さんって実はとんでもない力の持ち主だったのね…」
 普通ここは驚くところなのだが、草間興信所で扱う依頼の傾向や、それを通じてできた知人のことなど考えても、シュラインや草間にとってはあまり驚くような形態ではないらしい。
 しかし、龍がデザートかっ喰らう姿というのは何とも妙な気分だ。
「彩クンきれーい!」
 思わず抱きつく秋良に、善は苦笑気味。
「しっかしまぁ…氷室もそうだがお前まで引っ張られるとはな…やっぱ嗅覚のせいか」
『かも知れませんね』
「…そろそろ満月期だったし、ちょいと周期狂っちまったが、大丈夫か?」
『何とかなるでしょう。 引き出されたといっても契約が切れたわけでも変身能力がなくなったわけでもありませんから』
 狼の姿に戻れないなら人の姿になっておけばいいだけのこと。
 彩臥は特に問題ないと告げる。
「…んで、時間としちゃあそろそろ帰り支度始めねーと興信所つくのが夜になっちまうぞ」
 時計を見ながらそう呟く善。
 そこで浩介も我に返った。
『そーいえば…どーやって戻るんだ??』
 やはりそこに気づいていなかったか、と、周囲がため息に包まれる。
 自らの意思でなっているものではない為、戻れと思っても戻れない。
 さすがに茸はもう食べるのをやめたが、戻る気配はない。
『どうしよう!? 翡翠さあああぁん』
 何故そこで翡翠に頼ったのかは不明だが、少なくともこの山の事を知っていてこの山に用事があった彼ならば、何か手段を講じてくれると思ったのだろう。
「…竜門の故事を逆に倣って滝を下ってみるのは如何でしょう?」
 勿論戻れる保証などない。
 というか、さらりとえげつないことを提案する男だと、浩介を除く全員が青ざめる。
『滝! 滝ね!? よっしゃ、それじゃさっき食材探しでみっけた沢の奥とか行ってみまっす!』
 そういってまるで蛇のようにうねうねと丘を下っていく浩介。
「…翡翠さん、何も、その…」
 静が引きつった顔でしどろもどろでそう言うも、翡翠はまるで動じない様子。
「まぁあの沢の上流にある滝は25メートルプール程度の高さしかありませんから。 あの姿の氷室さんが飛び降りたとしても怪我一つしないでしょう」
 そんな曖昧な見解で大丈夫ですか、翡翠さん。



 ―――十数分後、沢の方角からドボーンとでかい水飛沫が上がり、そこから更に二十分もすると濡れ鼠と化した浩介がヨロヨロと戻ってきた。

「よかった、戻れたんですね」
「な、なん、とか…」
「……しかし…どーすんだそれ」
 着替えなど誰も持ってきているはずはなく、一先ず車の影で上着やズボンの水を絞るだけ絞って来いと草間が促す。
「―――やっぱり最後の最後で何かしら問題発生しちゃうのね…」
 深々とため息をついて肩を落とすシュラインであった。
「では、今のうちにこちらの用事も済ませてしまいましょうか」
 そう言って翡翠は丘の上に今まで抱いていた人形を降ろした。
 すると、平らな地面でもないのに人形が直立しているではないか。
「さぁ、姫。 季節を紡ぎ、お力を蓄えて下さいませ」
 翡翠の言葉に、人形の首がコクン、と頷くように動いた。
「!?」
「生き人形??」
 静や真帆が唖然としている間にも、人形はその小さな手をいっぱいに広げ、空に掲げる。
 山の木々がざわめく。
 周辺の紅葉が更に深みのある色合いに変化していく。
 それと同時に、人形の着物も艶やかな赤に染まっていく。
「―――もしかして……」
 シュラインの言葉に、翡翠は浅く頷いた。
「あの中におわすのが竜田姫――…秋の仕上げをなさり、冬将軍へと季節の権利を譲渡する」
 人形は次の季節までの仮宿。



「今年のお召し物も美しく染まりました。 皆様、本日は秋の仕上げにお付き合い頂きまことに有難う御座います」



―了―
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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0086 / シュライン・エマ / 女性 / 26歳 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【2981 / 桐嶋・秋良 / 女性 / 21歳 / 占い師)】
【5566 / 菊坂・静 / 男性 / 15歳 / 高校生、「気狂い屋」】
【6458 / 樋口・真帆 / 女性 / 17歳 / 高校生/見習い魔女】
【6725 / 氷室・浩介 / 男性 / 20歳 / 何でも屋】

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NPC
【草間・武彦 / 男性 / 30歳】
【草間・零 / 女性 / ??歳】
【翡翠 / 男性 / ???歳】
【北城・善 / 男性 / 30歳】
【彩臥 / 男性体 / ???歳】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、鴉です。
秋の行楽シーズン、一部変わった紅葉狩りをお楽しみいただけたでしょうか?

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