コミュニティトップへ
高峰心霊学研究所トップへ 最新レポート クリエーター別で見る 商品別一覧 ゲームノベル・ゲームコミックを見る 前のページへ

<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


マジカル・アスク - ヒトメボレ -

------------------------------------------------------

0.オープニング

最近、ちょっと零が おかしい。
いや、別に体調が悪いとか、そういうんじゃなくて。
まぁ、見れば理解る。
カチャッ―
扉を開けて、零の部屋へ。
フワッと舞う、甘い香り。
香炉で灯る火が、薄暗い部屋を、ほんのりと照らしている。
部屋の中心には、正座して目を伏せ、
手を組んでブツブツと何かを言っている零。
「おーい。零」
声をかけるが、反応ナシ。
零の足元には、紫色の紙がある。
そこには、妙な文字が円状に綴られていて…。

何つったっけな、あれ。えーと。
あぁ、そうだ。「魔法陣」
占い師に教えてもらったらしいんだけどな。
最近、ずっと こんな感じでよ…。
まぁ、没頭できる趣味があるってのは、良い事なんだけど。
怪しいだろ。これ。どう見ても。
何か、ロクでもない事が起こりそうな気がすんだよ…。

------------------------------------------------------

1.

アルバイト。最近、真剣に探し始めました。
いえ、そんなに生活に困っている訳ではないのですが。
やはり、服とか…色々欲しいですし、お友達と学校帰りに食事したり、したいですから。
…という訳で、人材不足で有名な?草間興信所に来てみました。
お友達曰く、ロクなお給料が出ないからやめておきなよ、だそうですが。
ちょっと、興味あるんですよね。こういう御仕事。


所内に入り、開きっ放しだった一室を そっと覗き込んで、私はフゥと溜息。
はい。御仕事とかアルバイトとか、そんな事言ってる場合ではないですね。
またしても、草間さんが女性に言い寄られています。
しかも、人間ではない女性に。
慕われ過ぎる、というのも困りものですね。
チラリと覗いただけでしたが、どうやら零さんは具合が悪く眠っている御様子。
草間さん目当てとは言え、お客様はお客様。
お茶くらい、お出ししませんと。
私は給湯室を借り、人数分のお茶をテキパキと準備。
零さんの分も、保温して置いておきましょう。うん。

「失礼します」
室内に入り、ペコリと御辞儀をして、コトリコトリとテーブルにお茶を置く私。
そんな私を見て、草間さんは、呆然として言います。
「…何、やってんだ。みなも」
私はニコッと微笑み、返します。
「とりあえず、お互いの自己紹介から始めるべきだと思います」

------------------------------------------------------

2.

「…お前、自己紹介って…」
苦笑する草間さん。
挨拶は、大切ですよ。どんな時も。
「そちらの…死神さんも、多分、お名前はあるでしょうし」
ニコッと微笑み、草間さんの腕に絡みつく女性を見やって私が言うと、
草間さんは目を伏せ笑って言いました。
「よく、わかったな。死神って…」
「ふふ。勘です」


向かい合って座る、草間さんと死神さん。
私は、二人の間に正座して座りました。
「おい…何だよ。この状況…」
頭を掻きながら言う草間さん。
私は、死神さんを見やって言います。
「はい、死神さん。先ず、あなたのお名前を、どうぞ」
私の言葉に、死神さんは少し戸惑いつつ。
「レ、レア…だ」
俯いて、そう言った。
「レアさんですか。はい、わかりました」
微笑む私。
依然苦笑する草間さんに、レアさんは言います。
「な、何なんだ。この娘は…」
「あー…。まぁ、こういう奴なんだよ。こいつは」
「ほ、ほぉ…」

えぇと。そうですね。本題に入りましょうか。
私は、テキパキと話を進める。
零さんが、最近お気に入りの魔法陣。
それにより、レアさんは魔界という所から、思いがけず、ここに飛んで来た。
そして、草間さんに一目惚れしてしまった、と。はい。
まぁ、気持ちは理解ります。
好きな人には、くっついていたいものですから。
けれど、一方的過ぎては、相手に迷惑です。
あなたが、どれだけ草間さんを慕おうと、草間さんも同じ気持ちかどうかは、わからないのですから。
押し一点張りの強引さも良いとは思いますけど、
草間さん次第ですからね。結局は。
力尽くで手に入れるつもりなのかもしれませんが、それじゃあ駄目なんです。
恋愛は、双方の想いが重なって、初めて成り立つものですから。
そんな事を話しつつ、私は一生懸命死神さんに伝え、促します。
今のままでは、叶う恋も叶わず、枯れ朽ちてしまうと。

------------------------------------------------------

3.

「お前って…世話焼きだよなぁ」
ポツリと草間さんが言いました。
私は、クスッと笑って、返します。
「はい。良く言われます」
「だろうな」
煙草に火を点け、クックッと笑う草間さんを、私が見やっていると。
トントン、とレアさんが私の背中を叩きました。
クルリと振り返り微笑むと、レアさんは照れ臭そうに私の耳元で呟きます。
「が、頑張ってみるよ。お前の言う通りに」
「はい」
首を傾げ、ニコニコと笑顔で返す私。
レアさんは、グイッと私を引き寄せ、更に小さな声で呟きました。
「所で、あの…弁当とは、一体どうやって作るんだ?」
私はクスクス笑い、レアさんの耳元に返します。
「今度、一緒に作りましょう。お教えします」

------------------------------------------------------


□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
    登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□


【 整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業 】

1252 / 海原・みなも (うなばら・みなも) / ♀ / 13歳 / 中学生

NPC / 草間・武彦 (くさま・たけひこ) / ♂ / 30歳 / 草間興信所所長、探偵

NPC / 草間・零 (くさま・れい) / ♀ / --歳 / 草間興信所の探偵見習い

NPC / レア・ノクタンス (れあ・のくたんす) / ♀ / ??歳 / 死神


□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
           ライター通信          
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□


こんにちは。はじめまして。発注ありがとうございます。心から感謝申し上げます。
納品が遅れてしまい、大変申し訳ございません。
気に入って頂ければ幸いです。また、どうぞ宜しく御願いします^^

2007/04/11 椎葉 あずま