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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


王子様は二度死ぬ<後編>

「そろそろ帰るかぁ」
「……そうね。私もちょっと疲れたかも」
 日の暮れかかった通りを二人で歩く。
 辺りは帰路につく人たちでごった返していたが、それでも二人がはぐれる事はない。
 ユリは小太郎の手をしっかりとつかんでいた。

 こんな事になったのも先日、小太郎と一緒にいようと決意したユリが小太郎をデートに誘った事から端を発する。
 と言っても、デートに行きませんか、と誘ったわけではないので、小太郎はただユリと一緒に外をぶらついた、程度にしか考えていないようだが。
 今日は普通の人は平日だが、小太郎は休日。小太郎の中学校が開校記念日だそうで、平日にガラリとしていた町を二人で歩き回ったのだった。
 賑やかさはなかったが、それでも楽しかった。
「朝から歩き通しで疲れたろ? 興信所でちょっと休んで行けよ」
「……うん、そうさせてもらう」
「っつっても、興信所までは、まだもうちょっと歩くけどな」
「……それぐらいなら大丈夫だよ。私だって鍛えてるんだから」
 今日という日はユリにとって、とても記念すべき日になっただろう。
 この上なく幸せな時を過ごせていただろう。
 だが、それは過去形なのだった。

「三嶋 小太郎さんですね?」
「は?」
 小太郎がいきなり見知らぬ男から声をかけられる。
 その男の外見はライダースーツにフルフェイスのヘルメット。ヘルメットのガラス部分はフルスモークでその奥の顔は窺い知れない。
 ユリは直感でこの男は危ないと悟り、小太郎に告げようとするが、それよりも早く、ライダースーツの男が行動する。
 男の手にはいつの間にか剣が握られており、その刀身は深々と小太郎の胴に突き刺さった。
「何の恨みもないけど、お命頂戴ってな」
「……っが!?」
 突然の凶刃。小太郎はそれに反応すら出来ず、ユリは起こってしまった事に何一つ対応できないでいた。
 ライダースーツの男はそのまま剣を隠し、人込みに紛れていった。
「い、い……いやぁぁぁああ!?」
 ユリの大声に、周りの人間も何事か、と視線を向けてくる。
 視線の先には血を流す小太郎が見えているはずだが、しかし、誰一人として助けてくれそうにはない。
 人の流れはただ無言で右から左へ、左から右へ。
 そんな冷たい対応にもユリは気を割いている余裕はない。
 驚いて立ち尽くしていた自分に気付くのもやっとで、それに気付いてからはすぐに小太郎の許に駆け寄る。
「小太郎くん! 小太郎くん!!」
 呼びかけて、倒れてしまった小太郎を抱き起こそうとしたのだが、その前に後ろから手を引かれる。
 振り返るとそこには、また見知らぬ男がいた。
 今度はライダースーツも着てない、ヘルメットも被ってない、普通の高校生のように見えた。
「こっちへ来い。アンタは俺の金づるだ」
 その男に強引に引っ張られ、ユリは引きずられるようにして連れて行かれた。

***********************************

 その数分後。
「邪魔くせぇぞ、ガキ」
 と、知らないおじさんに蹴飛ばされて、小太郎は飛び起きた。
「あ、ああ。ご、ごめん」
 通りの真ん中でほぼ大の字になって寝転がっていたのだ。それは邪魔だろう。
 何故、こんな所で寝転がっていたのか。記憶が混乱して少しの間思い出せなかったが、すぐに掘り起こされる。
「あ……俺、殺されたんじゃ……」
 確かに、胴に剣を刺され、パッと見致命傷に見えたのだが、どうやら小太郎は生きている。
 それどころか、傷も痛みもない。あるのは血糊で汚れた上着だけ。
「……ど、どういうことだよ。……あっユリ!?」
 傍らにユリの姿が見えない事に気付き、小太郎は辺りを見回す。
 先程よりも日が暮れて、かなり暗くなり始めた。やはりごった返す人波に、ユリの姿は確認できなかった。
「くそっ、なんだってんだよ……っ!」
 自分の理解の範疇を越える出来事に、混乱しっぱなしの小太郎。
 だが、覚えている事が一つ。あの男の声。小太郎を刺したあの男の声はどこかで聞き覚えがある。
「何考えてやがるんだ、トライエッジの野郎!」
 それは狐騒動の時に出会った、一人の雇われハンターの声だった。

***********************************

 すぐさま携帯電話を取り出し、興信所にかける。
「あ、草間さん!? 俺、小太郎だよ!」
『あん? どうした、今日お前はユリとデートだったろ? 何か失態でもやらかしたか?』
「違ぇよ! いや、違くないけど、大変なんだよ!」
 いつものような慌て様ではない小太郎に、武彦も何かを感じ取る。
 どうやらユリを怒らせてしまったわけでは無さそうだ。
『ああ、今からそっち行くから、そこから動くんじゃないぞ』
「わかった!」
 通話を切り、携帯電話をポケットにしまった瞬間、ビルの陰から興信所の面々が現れる。
 即ち、黒・冥月、黒榊 魅月姫、シュライン・エマ、そして所長の武彦だ。
 おそらく、冥月か魅月姫の能力で転移してきたのだろう。
「せっかくのティータイムでしたのに、突然呼び出しなんて無粋ですね」
 いつも表情に乏しい魅月姫だが、それでもわかるくらいに不機嫌を前面に出している。
 とは言っても、今、小太郎に向かってその不機嫌を発散するような真似はしないが。
「どうしたんだ、小太郎。何があった」
 武彦が小太郎に近寄って尋ねる。
「それが、ええと……俺が刺されて、ユリがつれてかれて、気付いたらこんな事に!」
「……高性能な翻訳機が必要だな。シュライン、わかるか?」
「ちょっと情報が曖昧すぎるかも。もっと落ち着いて話してもらわないと」
 シュラインの意見を聞いて、冥月がフムと唸り、小太郎の頬を一つはたく。
 その痛みと衝撃で、小太郎は多少の混乱を取り除けたようだ。
「良く聞け、小僧。索敵も追跡も出来ないお前にできる事は二つ。言ってみろ」
「ええと、犯人を追いかける!」
「違う。人の話を聞け。お前が今、どうやって犯人を追う? 何処に居るかもわからないのに」
「あ、そ、そうか」
 冥月に言われて、小太郎は一つ深呼吸をする。
 そしてややしばらく考えた後、幾分スッキリした目を向けて答える。
「探し出すのは師匠たちに任せて、その後犯人をぶちのめす」
「もう一つは?」
「犯人の情報をみんなに伝える事。……っつってもあんまり覚えてないんだけどな」
 それでも何も無い所からはじめるよりは随分マシだ。
 落ち着いた小太郎は記憶を掘り返して、自分の知っている犯人の事を話す。

***********************************

「つまり、トライエッジともう一人、高校生風の男がユリを連れて行った、と」
「多分あの二人はグルだと思う。あんな良いタイミングで殺人未遂と誘拐が同時発生しないだろ」
 小太郎の気絶する直前までの記憶を聞いて武彦が顎を押さえる。
「まぁ、状況から見てもその二人が仲間なのは間違いないな。問題はユリを何処へ連れて行ったのか、どうするつもりなのか、か」
「ユリさんを連れて行ったのでしたら、目的は興信所への報復、若しくは彼女自身かIO2への恨み、でしょうか」
「小太郎を刺したのも考えると、前者の方が濃いかもな……。俺、何か恨みを買うような事したか……?」
 武彦が頭を掻いてため息をつく。……待てよ、恨み?
「そういえば、こないだ、小僧が恨みを買うような事してくれたな?」
「は? 俺!?」
「その辺のゴロツキに手ぇ出したろ! アレだ! きっとアレの所為でこんな面倒な事に……っ!」
「た、武彦さん!」
 シュラインが武彦の言葉を遮る。というのも、小太郎が俯いて肩を震わせていたからだ。
 小太郎は小太郎なりに責任を感じているのだろう。原因を追究するのは後回しにしよう。
「……犯人の目的、か。俺たちへの復讐となると、攫って行ったユリを使って何か要求してくるかもな」
「興信所の方には零ちゃんがいるから、何かあればすぐに連絡が来ると思うわ」
「だが、相手の行動理由を一つに縛るのは危険じゃないか? もしかしたら別の理由があるのかも知れん」
 冥月の意見に武彦が首をかしげた。
「例えば?」
「……そうだな。いつぞやの佐田 征夫のような事を企んでいるかも知れん」
「能力符の大量生産? どうやってだよ?」
「同じ能力の人間が二人以上居ないとも限らん。もしかしたらその高校生風の男の方が佐田と同じ能力を有している可能性もある」
「それに、勘での話ですが――」
 冥月の意見に合わせて魅月姫が話す。
「もしかしたら、先日、ユリさんの依頼で行った符の回収の件。あの時に居た『こそ泥』がトライエッジか誰かだとしたら、佐田の符をくすねたのかもしれません」
「佐田の能力符ってあったのか!?」
「可能性の話です。もしかしたら、そういう事もあるかもしれません」
「トライエッジは以前、符を使っていたし、考えられない事でもないかもしれないわね」
 シュラインも頷いて答える。
 妖狐の事件の時、トライエッジは逃げる際に符を使っていた。
 先日の『コソ泥』の件も、もしかしたら移動は能力、若しくは符を使っていたのだろう、と予測されるので、トライエッジが『コソ泥』だとすると筋も通る。
「トライエッジがその高校生風の男とつるんでいるんだとしたら、符を使っている事に目をつけられて雇われたか、それか若しくは何か企みがあって符の話を持ちかけたか。どっちにしろ、もう少し裏がありそうね」
「まぁ、わざわざ殺さずに攫った所を見ると、ユリに害を及ぼすような事はしないだろう。手の届かない所に行く前に奪還するのが得策だと思うがな」
「推測に時間をかけても仕方ない、か。よし、じゃあ全員、自分のやる事をキッチリこなせよ」
 武彦が号令をかけ、その場に居たメンバーが各々頷く。
「小太郎も、大丈夫だな?」
「あ、ああ」
 確かめるように武彦に尋ねられ、小太郎は慌てて返事をした。

***********************************

「それにしても、また同じ事を繰り返してますね」
 ゴツン、と魅月姫の拳が小太郎の頭の上に落ちた。
「痛っ! な、なにすんだよ!」
「何してたんですか、本当に。佐田の時とほとんど変わらないじゃないですか」
「……っう」
 確かに、またも同じようにユリを攫われてしまっている。
 魅月姫に冷たい視線を向けられ、小太郎は俯いて反省を示した。
「わかってるよ。俺の力不足でユリが連れ去られた事も、もしかしたら俺の所為でこんな事件が起こっちまったって事も」
 つまり、ゴロツキの件がこの事件に繋がっている可能性のことだ。
 あの時、小太郎が無視して帰ってきていれば、こんな事にならなかったかもしれない。
「それを反省し、一人で突っ走らなかっただけ、お前も成長したという事か」
 冥月が小太郎の隣に立ちため息のように呟く。
「昔のお前なら、一人でユリを助け出そうと思っただろうな」
「……トライエッジには、俺一人じゃ敵わない」
 妖狐の件で嫌というほど思い知った。トライエッジには、今の小太郎では敵わない。
「魅月姫も勘弁してやってくれないか。コイツの不出来は師匠である私の落ち度だ」
「し、師匠! それは違うって! 全部俺の所為なんだから! 魅月姫姉ちゃんも師匠の所為だとは思ってないよな?」
「ええ、そんな事は特に。ですから、帰ってきてからそれなりの罰があるのを覚えて置いてください」
 笑って言う魅月姫。その薄い笑顔に小太郎は背筋を冷やした。
「まぁ、ペナルティは受けるべきだろうな。なんなら私からも特別キツイのを課してやろうか?」
「し、師匠まで!?」
「……今度はお前の方から遊びに誘ってやれ。ユリもその方が喜ぶだろう。あと、ユリを助け出すのはお前に任せる。王子様らしく、格好良く助け出して見せろよ」
「わ、わかった」
「私のほうの罰はそんなものじゃ済みませんから、そのつもりで」
 そう言って魅月姫は影の門を開き、その中に歩を進ませていった。
 冥月もそれに続いて自分の影に沈んでいく。
 多分、二人ともトライエッジを追いかけるのだろう。
「あ、ちょっと待って二人とも!」
 そこにシュラインが駆け寄ってきた。
「どうした? 何か用か?」
「もしかしたら、トライエッジは誰かを気絶させる符か能力を持っているかもしれないわ。気をつけて」
「大丈夫ですよ。私たちはあの程度の男に遅れをとりません」
「でも、用心するに越した事は無いでしょ?」
 確かに、敵の情報はあって損するものではない。情報があればあるほど、対策も取れる。
 二人はシュラインに小さく頷いて見せ、そのまま影の中に進んでいった。
「……俺も、頑張らないと」
 小さく拳を握る小太郎。一人の少女を守りたい想いはあの日から消えてはいない。

***********************************


「やっとお出ましかい? 待ちくたびれたぜぇ?」
 妙に間延びした、癇に障る声が聞こえる。
 冥月と魅月姫はトライエッジの目の前に飛び出した。
 周りにユリを攫った人物は居らず、それどころか人っ子一人見えない、街から外れた場所だった。
 トライエッジの位置を探ればすぐにわかった事だが、ヤツらは別行動をとっているらしい。
「……随分と余裕だな。一枚も符を持っていないのか?」
「まぁね。こっちにも都合ってモンがあるんだよ」
 冥月が事前に影を探った所、目の前に居るトライエッジは符を隠し持っている様子は無い。
 という事は、ヤツの武装は手に持っている二振りの剣だけか。
「あら? どうしたんですか? 前回は確か、ギターケースに三本の剣を持っていましたよね?」
「前回チャンバラした所に置き忘れてね。取りに帰ったらもう、誰かに回収された後だったよ」
 確かに、ギターケースは冥月に破壊されていたし、そのまま剣も置いて逃げ出していたような記憶はある。
 回収したのは多分、IO2か誰かだろう。
「でも気をつけたほうが良いぜ? 三本だろうが二本だろうが、オイラにとっちゃ大した問題じゃない」
「こちらにとっても大した問題ではない。どちらにしろ、私たちが勝つのに変わりはないからな」
「早いところ、片付けてしまわないと、小太郎さんの方のフォローも罰もあります。済みませんが、遊んでいる時間はありませんよ?」
「そう言わずに、ちょっと付き合ってくれよ。女の子と触れ合える機会は大事にしたいんでね」
 言っている間に、トライエッジに妙な変化が起きる。
 気がつくといつの間にか、トライエッジが二人になっていた。
「同時に二人、相手できるぜ? 便利だろ、これ」
「……幻影か何かか? だが、実態はあるな。影は感知できる」
「魔力も感じられます。多分妙な術でも使っているんでしょう。ですが、どっちにしろ倒してしまえば問題ありません」
 魅月姫が杖を取り出し、その先から真っ黒な刃を作り出し、大鎌にした。どうやら彼女も戦闘準備が整ったようだ。
「こちらも二人、獲物も二人。だったら分担作業の方が効率が良いな」
「そうですね。もう一人の方は任せますよ」
 二人は短く作戦会議を終え、ほぼ同時に駆け出した。

 まず、先制攻撃としてトライエッジに電撃を食らわす。
 閃光が宙を走り、その雷鎚はトライエッジの身体を打った。
 その衝撃で吹き飛ばされたトライエッジはそのまま近くにあった林の中に紛れ込んでいった。
 魅月姫もそれを追いかけ、一跳びで林の中へ入る。
「……っぐ、いてて……」
「早く起き上がらないと、首が落ちますよ」
 魅月姫の声にトライエッジは跳ねられたように起き上がる。
 次の瞬間、トライエッジの頭があった場所に真っ黒な大鎌の刃が突き立っていた。
 あのまま居たら、本当に首が落ちて居ただろう。
「怖ぇなぁ、嬢ちゃん。もっと手加減してくれよ」
「これ以上手加減を加えるのですか? ……それは面白くありませんね」
 そう言う魅月姫の手には杖が。彼女の持つ、進化する知性杖『深紅の闇』である。
 その先端からは夜闇に紛れるような漆黒の刃が伸び、さながら死神の鎌のようだった。
 鎌という武器は実戦においてそうそう役に立つものではないが、この鎌は特別である。
 何と言っても、今、鎌の刃が突き立った場所は不自然な切れ目が走っている。斬られた、のではなく、寧ろ地面が自分から避けたような。
 人知を超える力が働いているこの鎌。触れれば即、裂けるだろう。
「常識が通じないなぁ……。オイラ、超ピンチじゃね?」
「貴方が与した側が弱かった、と諦めなさい。逃がすつもりはサラサラありません」
「っち、しゃーないなぁ」
 トライエッジはその両手に持つ二振りの剣を構える。どうやら覚悟を決めたようだ。
「華々しく散ってあげようじゃないの」
「……よく言いますね。幻影の分際で」
 魅月姫の呟きを聞いて、トライエッジは目を丸くした。

 実の所、最初にトライエッジと対峙した時からわかっていた。
 この男に纏わりついている不自然な魔力。前回、狐騒動の時には感じられなかったものだ。
 魅月姫はすぐにその魔力を探り、その効果を暴く。即ち、幻影生成と操術である。
 何処からか出でた魔力が、トライエッジの幻影を作り出し更に操っている。手の込んだ術ではあるが、使い手が拙いのか、偽装が完璧ではない。
 とは言え、魔力の無いものには判別は容易ではないだろう。気付ける人間が居れば褒めるべきだ。
「なるほど、もう幻だとわかってたか……。なら、これからは演技する必要も無いわけだ」
「演技、ですか?」
「そう。嬢ちゃんの攻撃を恐れる素振りも、攻撃を受けて痛がる素振りもしなくて良いって事だ。何せオイラは幻影だからな。実体はない。つまり、嬢ちゃんの攻撃も喰らわない」
「さて、それはどうでしょうか?」
 魅月姫はその手に持つ鎌を、周りの木すら全て薙ぎ払うかのように大振りに振る。
 当然、その攻撃範囲にトライエッジも含まれるのだが、彼はどうやら防御も回避もしようとはしていない。
 彼は幻である自分の身体を、あの鎌は素通りすると思ったからだ。だがしかし、その鎌の刃はしっかりとトライエッジを捉える。
「……っな!? 何!?」
 驚いたのは当然トライエッジ。予想外の事が起きたのだ。
 自分の胴体は鎌によって上下に真っ二つにされ、幻影の身ながら何故か痛みも感じていた。
「ぐあぁぁぁあああ!?」
「どうです、身体が二つになる感じは? とても痛いでしょう?」
「ぬ、ぐぐ……なんなんだ、これ……くそっ!!」
 トライエッジは何とか身体を元に戻し、再び魅月姫に向かって構える。幻影ならではの蘇生術だ。
「……どういうことだ、嬢ちゃん……。俺は幻影だぞ……なんで痛みなんか」
「術ならば私のほうが何枚も上手、という事でしょう。貴方を映し出している術者に、幻影の感じたであろう痛みをフィードバックさせました。魔力を辿ればこれぐらい簡単ですよ」
「……ホント、常識が通じないな……チクショ……!」
 どうやら今の痛みが残っているらしい。腹部辺りを気にして、その辺りの防御を無意識の内に厚くしている。
 それは即ち、他の場所ががら空きという事だ。
 何の容赦も無く、魅月姫の鎌がトライエッジの首を飛ばす。
「……っかは!」
「まだまだ行きますよ」
 大鎌を軽々と振り回し、次に両膝から下を切り離す。次に、もう一度腹部を切りつけ、肩を斬り飛ばし、最後に胴の真芯を突く。
「さぁ、どうです? 痛みもこれぐらい感じれば術者も平気ではいられないでしょう?」
 魅月姫の問いかけに、トライエッジの首は何の反応も示さない。痛みでそれどころじゃないらしい。
「……まぁ良いでしょう。返答は期待していませんし。ですが……妙ですね」
 バラバラになったトライエッジの幻影を放って、魅月姫は顎を押さえて考える。
 これだけトラウマが出来てもおかしくないほどの痛みと恐怖を与えたなら、術者はとっくに気絶していてもいいはず。それなのにこの幻影が消えないのは不自然だ。
 実体を持った幻影を作り出すのは、そう容易な事ではない。それなりの精神統一も必要なはずだ。術者が未熟ならばなおさら。
 だったら、どうしてこの幻影は消えない? ……何か別の要素があるんだろうか。
 そう思って、魅月姫はトライエッジから感じられる魔力を再度探りなおす。今度はその魔力を辿って、術者の元まで行って見ようと考えたのだ。
 バラバラになったトライエッジの幻影は放っておいても良いだろう。このままでは行動できないだろうし、再生するにもしばらく時間がかかろう。
 魅月姫は魔力を辿って、林の中を奥へ歩いていった。

 辿り着いたのは林の中心付近だろうか。
 そこには一本だけ不自然に、地面に突き立っている剣が。良く見ると、トライエッジが持っていた剣に似ている。
 どうやらこれが発生源だろうか。何と、驚いた事に剣が幻影を作り出し、更に操っていたのだ。
「これは興味深いですね……。剣に意思があるのでしょうか?」
 魅月姫が近付いてみると、周りには結界が張って合ったようでバチリ、と火花が散る。
 しかも、面倒な事に転移術が罠としてかけられている。無理にこの結界を破れば、あの剣はどこかへ飛んでいってしまうようにできているらしい。
 そうなると探すのも面倒だ。仕方なく、魅月姫は結界を解呪し始めた。こうすれば転移術も発動しないだろう。
 この結界を張ったのはなんとも用心深いというか、臆病な術者なのだろう。罠を幾つも張っておかないと安心できないらしい。
 解呪を終えた後、魅月姫が剣に触れると、その剣はボロボロと崩れ落ちてしまった。これも罠の一つだろう。
 魔力の残りカスを調べた所、この剣を操っていた術者が更に居るらしい。遠隔操作で幻影の生成を行っていたようだ。おそらく、結界を張った術者、もっと言えばトライエッジだろう。
「自分は高みの見物ですか……。気に食わないですね」
 魅月姫がフィードバックした痛みはこの剣で止まっている。結界を解いた途端に、そのダメージが剣に返ったのだろう。それで触れると崩れてしまった。
 結局、トライエッジ本人には何の影響も無かったという事だ。今頃本人は何処か遠い所へ逃げているだろう。
 臆病な人間ならば、この国からすらも逃げているかもしれない。居場所を探るのも面倒だ。どの道、追いかけるのは無理だろう。
「ふざけた真似をしてくれますね」
 不機嫌な瞳を崩れ落ちた剣に向け、魅月姫はため息をついて、その場を後にした。

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「あら、どうやら苦戦したようですね?」
「少しアイツを甘く見ていたようだ。……そういうお前はなんとも無さそうだな」
「おかげさまで」
 冥月の許に魅月姫が戻ってきた。向こうの林で戦っていたので、多少服に木の葉がついていたりしたのを払っている。
 その様子は随分と快勝だったようで、敵の罠にかかって酷い頭痛を抱えている冥月とは対照的だ。
「……それにどうやら幻術にもかかっているようで?」
「ああ、頭は痛いし、それに能力も一時的に封印された。だがすぐに良くなるだろう。所詮は幻影だ」
「おそらくそうでしょうが、すぐに取り払えるに越した事はないでしょう」
 そう言って魅月姫が指を振ると、その途端に冥月の頭痛も能力封印も解かれた。
 幻術ならば魅月姫の方が何倍も上だ。これぐらい、当然と言っては当然か。
「魔法か……。それがあれば最初からトライエッジの幻影にも気付けたのかもな」
「ええ。便利ですよ、魔法」
 微笑む魅月姫。冥月は彼女の表情を見てなんとも言えない複雑な顔を見せた。
 自慢しては見せたが、それがどうにもならない事が彼女にはわかっているのだろう。
 どこぞの小僧ならば『俺にも魔法が使えるか?』などと尋ねただろうか?
 魔道とはそれほど容易いものでない。使えるか? と訊かれれば、無理だと即答できるだろう。
 無い物ねだりをするのではなく、別の方法を探っている彼女はやはり闘う女性だと思う。
「さぁ、これからは小太郎さんのフォローですよ」
「ああ。あの小僧がヘマをやらかさなければ良いが……」
 言い合いながら、二人は影の扉を開いて小太郎の許へ向かった。

***********************************

 息も切れ切れになりながらも、この男はユリの手を放してくれない。
 一体、何処まで連れて行かれるのだろうか。小太郎の事を呼び続けていたユリの声はもう嗄れていた。
「……こ……たろ……く……」
 それでもまだ、彼に届くのではないか、彼が来てくれるのではないか、と信じて声を出す。
 目の前で殺されてしまった彼に、未だにすがり付くのは彼にとって酷だろうか?
 ユリは、今回の件で、自分の無力さを死ぬほど呪った。

 高校生の男がユリを連れて走ってきた道程は、言ってみれば闇雲だった。
 何処にいくことも無い、出来ない。自分が帰る場所なんてないのだ。
 とりあえず、目の前のムカつくガキは殺した。そして、当分の金の成る木も手に入れた。
 男が手に入れた符、この符が教えてくれた記憶。どうやらこの符のオリジナル能力者の記憶らしい。
 それによれば、この少女の符は高く売れる。男が持つ符を使って能力を符に付与し、大量生産すれば金が転がり込んでくる。
「佐田 征夫、なんてオッサンは知らないが、感謝してやっても良いな」
 男は符を握り締めて呟いた。

 また、路地を曲がり、細い横道に入る。
 裏路地は表よりもヒヤリとして、少し肌寒い。その感覚にユリは鬱々とした自分の感情を振り払った。
 諦めてはいけない。きっと助けは来る。それまで何もしない手は無い。
 ユリは引っ張りまわされてほとんど力も残っていない足で、最後の力を振り絞って踏ん張る。
 ピン、と男とユリの腕が張る。だが、その手は離れなかった。
「お? なんだ、このガキ。まだ抵抗するのかよ?」
「……わ……たし……は……あき……め……な」
「何言ってるか聞こえねぇんだよ! 黙ってついて来いや!」
 男はユリの腹を蹴飛ばし、ユリは咳き込んでその場にへたり込んでしまった。
「オラ、立てよ。まだ終点じゃねぇぞ?」
「……ぐ……っは……うぅ……」
 泣いちゃだめだ……。泣いたら負けだ。
「立てって言ってるんだよ!」
 強引に襟首をつかまれ、立ち上がらされる。ユリは震える膝で、だけど立って見せた。
 男はそんなユリの瞳を見据えて言い聞かせるように言う。
「良いか? もう誰もお前を助けない。ずっと俺の傍で金の成る木になるんだ。死ぬまで馬車馬のように働かせてやる」
「……っぐ、ダレが……そんな……っ!」
「じゃあどうする? 精一杯抵抗して見せるか? お前がどう頑張ったって俺から逃げられないだろ?」
「……っ!」
 確かに、単純な力では男に敵わない。
 それに、今の所ユリの能力は封印されいてる。
 どうやら佐田の符を持っているらしい男は、その能力を使ってユリの能力を発動しているのだ。
 触れていれば、他人の能力を別の物に移し変えずに行使出来るようだ。
 小太郎が死んだと思った一瞬を狙って、男は驚いたユリに触れ、先手を打ってユリの能力を封じたのだ。
「俺は絶対生きてみせる。こんな所で、死んでたまるか……っ! あのクソオヤジどもに復讐してやる」
 男は自分を棄てた親を呪っていた。絶対に復讐して見せると心に誓っていた。
 そのためにはまず、生き残らなければいけない。それにはこの少女は必要だ。
 ならば、どうして彼女を逃がす事ができよう?
 男はユリをビルの壁に押し付け、彼女の首に手を当てる。
「良く聞けよ、お前は俺の奴隷だ。どうやっても逃げられないし、逃がすつもりも無い。俺はお前を使って絶対に生き残ってみせる」
「……っく!」
「反抗的な目だな? まだ誰かを信じてるのか? あの死んだガキでも待ってるのかよ?」
 図星だった。未だにユリは小太郎が来てくれると、心のどこかで信じている。
「無理だよ。あのガキは死んだ。お前の王子様は死んだんだよ」
 その言葉を聞いて、ユリの瞳から雫がこぼれる。……死んだんだ。
「……っく、うぅ……こたろう……くん……」
「ははっ、やっぱガキだな。そんなに好きな子が忘れられないかよ? だったら忘れさせてやろうか?」
 下卑た笑みをを見せた男は、ユリの首に当てた手をスルリと唇に動かす。
「よぉ、キスってした事あるか?」
「……っ!? いや! いやぁ! やめて!!」
 これからされるらしい事を悟ったユリは、手を突っ張り、足で男を蹴り退けようと必死にバタつかせる。
 だが、そんな事で男は止まらない。力の差は歴然なのだ。
 そして二人が重なる寸前、ユリはボロボロと涙を零していた。
 こんな、初めてのキスは死んでも嫌だった。だから、今でもまだ信じていた。あの人が……
「……何してる?」
 あの人が来てくれると。

 声に弾かれたようにユリから離れた男。この声は先日嫌と言うほど聞かされた。
『ガキと呼ぶな』『チビというな』そんな風に怒鳴っていたあの声。今、聞けるはずのないその声は、確かに路地の入り口の方から聞こえた。
 声の元を探ろうと、男が首を回す。
 そして、そこに小柄な影を見つける。
「何してる、って訊いたんだが……聞こえなかったか?」
「……こ……こたろ……くん」
 しゃっくり紛れに、ユリが小太郎の名を呼んだ。死んだと思っていた王子様は、やっと来てくれた。
「な、なんで、お前! 死んだはずじゃ!?」
「……質問してるのはこっちだ。何してる?」
 錯乱する男に、小太郎は激情を押し潰した声で尋ねる。
 だが、男はそれに答える事はできない。死んだと思っていた人間が生き返った事による混乱と、あの日、ボコボコにされた恐怖が交じり合って、何も答えられない。
「いや、まぁ、何をしてたんだろうと、もう関係ないけどな?」
 そう言って小太郎が二人に一歩近付く。
 男は逃げようとしたが、身体がすくんで思うように動かない。
 ジリジリと詰め寄る小太郎に、男は小さく悲鳴をあげながら、不恰好に後ずさる。
 ユリを解放し、とりあえずこの場から逃げなくては、と心が思っても、身体がいう事を聞かない。
 その内、男は小太郎が手を触れられる距離まで近付かれていた。
「よぉ、久しぶりだな、クソ野郎」
「っひ……っ!」
 小太郎に手を触れられた途端、男は小太郎に纏わりつく、どす黒い赤を見た。
 その次の瞬間には小太郎の本気パンチが男の頬を貫く。
 男は衝撃で数メートル吹っ飛び、地面を転がる。多分、とてつもなく痛かっただろう。
 やっと自由になったユリはその場にへたり込み、小太郎を見上げる。ああ、やっと来てくれた、と安堵のため息をつく。
 だが、それも束の間。小太郎の様子に変化を感じて、そのため息も途中で飲み込んでしまった。

 殺す殺す殺す。
 ただ、それだけしか考えられない。
 大事な少女をあんなに泣かせたコイツを。ただ、ころすころすころす。
 小太郎は走り出し、未だにうつ伏せている男に掴みかかる。
 仰向けにして、馬乗りになり、その右拳で憎い男の顔面を強か殴りつける。
 コロスコロスコロス。
 純粋な殺人衝動だけで、今は機械的に拳を動かしている。ただ、殺すころすコロス。
 今まで抑えていた何かが、堰を切ったように流れ出す。
 だが黒々とした憎悪の中に、ただ一点、何か気になる白がある。
『殺したらダメだ』
「殺しちゃダメだよ!」
 小太郎の内側から聞こえる声と、背中から抱きついてきたユリの声が重なった気がした。
 だが、小太郎はその振り上げた拳を止めなかった。
 鈍い音がして、血が吹き出る。

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 冥月と魅月姫が駆けつけた時には、もう終わった後だった。
 早急にIO2の息がかかった病院に、男と小太郎を運び込ませ、今に至る。
 小太郎の病室には、魅月姫がいた。
 二人は全く何も話さない。小太郎にとって沈黙こそが最大の責め苦だった。
 自分でしでかしてしまった罪の重さはわかっている。それ故に、いっそその事をなじってくれた方が、まだ心が楽だ。
 高校生の男は精神に深い傷を負い、小太郎は右拳を壊した。
 男の顔を殴っていたと思った小太郎は、実はその上に無意識のうちに作り出した光の壁を殴り続けていたのだ。
 結果、男にはほとんど傷はないが、その時の事が強く恐怖として残ったらしい。今は精神科の方に居るそうだ。
 一方、小太郎は全治六ヶ月。とは言え、それよりも自分のしてしまった事に対する罪悪感の方が、彼にとっては辛いようだ。
 病室に武彦が入ってくる。
「よぅガキ。お加減いかがですか?」
「……草間さん」
 嫌味タップリの挨拶に、小太郎は済まなそうな顔を武彦に向けた。
「しけた面してるな? 喧嘩に勝ったんだろ? もっと嬉しそうな顔をしろよ」
「……ごめん」
 しおらしい少年に、しかし武彦は毒気を抜かれるどころか、苛立ちを増させる。
「謝るぐらい反省はしてるつもりか?」
「……反省はしてる。やっちまった事がどれだけ馬鹿だったかってのもわかってるつもりだ」
 唇を噛んで話す小太郎に、武彦は黙って続きを促す。
「でも、俺は……今、もう一度アイツの顔を見たら、また殺すほど殴るかもしれない」
「……はぁ、八つ当たりにも程があるな」
 自分でユリを守れなかった無力さを、他人を殴る事で発散させている。
 実に子供らしい原理だ。
「すぐにキレる今時の若者、って事かね。嘆かわしいね、全く」
「……ごめん」
「謝ったって仕方ない。やっちまった事はもう、どうしようにも消せないんだからな」
 武彦の言葉が深く突き刺さる。
 小太郎が今悔いているのは、そのやってしまった事。
 高校生を殴ってしまったことではない。自分の信念を曲げてしまったことではない。
 小太郎が高校生を殴り、信念を曲げた事で、ユリが更に泣いてしまった事に、今はとてつもない悔恨を抱いている。
「俺は……誰も守れないのかな?」
「今のままじゃ無理だろうな。いや、もしかしたらもう無理かも知れん」
 突き放すような武彦の言葉。だが小太郎はその言葉を真摯に受け止めた。
 その様子に、武彦はため息をついてもう一つ言葉を繋げる。
「だが、やる気があるならまたがんばってみれば良い。お前はまだ若いんだし、やり直しぐらい利くだろ」
「……草間さん」
 小太郎に泣きそうな目を向けられ、武彦は頭を掻きながら、最後に一言付け加える。
「IO2からお前に通達だ。厳重注意。興信所としてもお前を当分謹慎とする。興信所から出て行けとは言わないが、しばらく興信所の仕事に関わるな」
「……わかった」
 武彦はそれだけ言って病室を出て行った。

 その会話をただ黙って聞いていた魅月姫は、不意に小太郎の右手を握る。
「魅月姫姉ちゃん?」
「……で、どの辺を反省したのですか?」
 言葉を投げかけると共に、魅月姫は小太郎の砕けた右手を強く握る。
「……っ!?」
「質問に答えてください。どの辺りを反省したのですか?」
 痛みで返答どころではない小太郎。だが、ふと気付く。
 魅月姫と別れる前に聞かされた『罰』とはこれなのだろうか。
 ならば、これを乗り切って見せなければ。
「……っぐ、ぬ」
「答えられないのならば、このまま右拳を再生不能になるまで壊してあげてもよろしいのですよ?」
「お、俺は……もうユリを泣かせない! そうなれる様に、努力する!」
 痛みゆえに切れ切れになった返答だが、ふむ、まぁ、及第点だろうか。
「本当ならば、この右腕が使えなくなった位では償いきれない罪ですが……。まぁ今後の頑張りを見て、罰は持ち越しにしましょうか」
 そう言って魅月姫は小太郎の手を放す。涙眼になった小太郎は、だがしかし声も上げなければ涙も零さなかった。
「ですが良いですか? 私がその努力を認められなければ、その時は覚悟してください」
「……お、おぅ。俺は絶対に、もうユリを泣かせたりしない。したくない」
 小太郎はこの時、決意を新たにした。きっと、今度こそユリを守って見せると。

 この夜の事は忘れまい。少年と少女に、強い決意を抱かせた、この夜だけは。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【2778 / 黒・冥月 (ヘイ・ミンユェ) / 女性 / 20歳 / 元暗殺者・現アルバイト探偵&用心棒】
【4682 / 黒榊・魅月姫 (くろさかき・みづき) / 女性 / 999歳 / 吸血鬼(真祖)/深淵の魔女】
【0086 / シュライン・エマ (しゅらいん・えま) / 女性 / 26歳 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】

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■         ライター通信          ■
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 黒榊 魅月姫様、シナリオに参加してくださり、本当にありがとうございます! 『後半、何だが黒々してるぞ』ピコかめです。
 色々書きたい事詰め込んだら、なんともおかしな展開に。次にはこの鬱々展開を取っ払いたいものです。

 どうやらトライエッジにトラウマは与えられなかったみたいです。
 でも戦闘は快勝の上に随分とイジメ倒してます。何となく悪い魔女っぽさがどんどん強くなってるような……。
 まぁ、あんまり電撃は使わなかったのが多少心残りですが。
 ともあれ、気が向きましたら次回も是非!