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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


王子様は二度死ぬ<後編>

「そろそろ帰るかぁ」
「……そうね。私もちょっと疲れたかも」
 日の暮れかかった通りを二人で歩く。
 辺りは帰路につく人たちでごった返していたが、それでも二人がはぐれる事はない。
 ユリは小太郎の手をしっかりとつかんでいた。

 こんな事になったのも先日、小太郎と一緒にいようと決意したユリが小太郎をデートに誘った事から端を発する。
 と言っても、デートに行きませんか、と誘ったわけではないので、小太郎はただユリと一緒に外をぶらついた、程度にしか考えていないようだが。
 今日は普通の人は平日だが、小太郎は休日。小太郎の中学校が開校記念日だそうで、平日にガラリとしていた町を二人で歩き回ったのだった。
 賑やかさはなかったが、それでも楽しかった。
「朝から歩き通しで疲れたろ? 興信所でちょっと休んで行けよ」
「……うん、そうさせてもらう」
「っつっても、興信所までは、まだもうちょっと歩くけどな」
「……それぐらいなら大丈夫だよ。私だって鍛えてるんだから」
 今日という日はユリにとって、とても記念すべき日になっただろう。
 この上なく幸せな時を過ごせていただろう。
 だが、それは過去形なのだった。

「三嶋 小太郎さんですね?」
「は?」
 小太郎がいきなり見知らぬ男から声をかけられる。
 その男の外見はライダースーツにフルフェイスのヘルメット。ヘルメットのガラス部分はフルスモークでその奥の顔は窺い知れない。
 ユリは直感でこの男は危ないと悟り、小太郎に告げようとするが、それよりも早く、ライダースーツの男が行動する。
 男の手にはいつの間にか剣が握られており、その刀身は深々と小太郎の胴に突き刺さった。
「何の恨みもないけど、お命頂戴ってな」
「……っが!?」
 突然の凶刃。小太郎はそれに反応すら出来ず、ユリは起こってしまった事に何一つ対応できないでいた。
 ライダースーツの男はそのまま剣を隠し、人込みに紛れていった。
「い、い……いやぁぁぁああ!?」
 ユリの大声に、周りの人間も何事か、と視線を向けてくる。
 視線の先には血を流す小太郎が見えているはずだが、しかし、誰一人として助けてくれそうにはない。
 人の流れはただ無言で右から左へ、左から右へ。
 そんな冷たい対応にもユリは気を割いている余裕はない。
 驚いて立ち尽くしていた自分に気付くのもやっとで、それに気付いてからはすぐに小太郎の許に駆け寄る。
「小太郎くん! 小太郎くん!!」
 呼びかけて、倒れてしまった小太郎を抱き起こそうとしたのだが、その前に後ろから手を引かれる。
 振り返るとそこには、また見知らぬ男がいた。
 今度はライダースーツも着てない、ヘルメットも被ってない、普通の高校生のように見えた。
「こっちへ来い。アンタは俺の金づるだ」
 その男に強引に引っ張られ、ユリは引きずられるようにして連れて行かれた。

***********************************

 その数分後。
「邪魔くせぇぞ、ガキ」
 と、知らないおじさんに蹴飛ばされて、小太郎は飛び起きた。
「あ、ああ。ご、ごめん」
 通りの真ん中でほぼ大の字になって寝転がっていたのだ。それは邪魔だろう。
 何故、こんな所で寝転がっていたのか。記憶が混乱して少しの間思い出せなかったが、すぐに掘り起こされる。
「あ……俺、殺されたんじゃ……」
 確かに、胴に剣を刺され、パッと見致命傷に見えたのだが、どうやら小太郎は生きている。
 それどころか、傷も痛みもない。あるのは血糊で汚れた上着だけ。
「……ど、どういうことだよ。……あっユリ!?」
 傍らにユリの姿が見えない事に気付き、小太郎は辺りを見回す。
 先程よりも日が暮れて、かなり暗くなり始めた。やはりごった返す人波に、ユリの姿は確認できなかった。
「くそっ、なんだってんだよ……っ!」
 自分の理解の範疇を越える出来事に、混乱しっぱなしの小太郎。
 だが、覚えている事が一つ。あの男の声。小太郎を刺したあの男の声はどこかで聞き覚えがある。
「何考えてやがるんだ、トライエッジの野郎!」
 それは狐騒動の時に出会った、一人の雇われハンターの声だった。

***********************************

 すぐさま携帯電話を取り出し、興信所にかける。
「あ、草間さん!? 俺、小太郎だよ!」
『あん? どうした、今日お前はユリとデートだったろ? 何か失態でもやらかしたか?』
「違ぇよ! いや、違くないけど、大変なんだよ!」
 いつものような慌て様ではない小太郎に、武彦も何かを感じ取る。
 どうやらユリを怒らせてしまったわけでは無さそうだ。
『ああ、今からそっち行くから、そこから動くんじゃないぞ』
「わかった!」
 通話を切り、携帯電話をポケットにしまった瞬間、ビルの陰から興信所の面々が現れる。
 即ち、黒・冥月、黒榊 魅月姫、シュライン・エマ、そして所長の武彦だ。
 おそらく、冥月か魅月姫の能力で転移してきたのだろう。
「せっかくのティータイムでしたのに、突然呼び出しなんて無粋ですね」
 いつも表情に乏しい魅月姫だが、それでもわかるくらいに不機嫌を前面に出している。
 とは言っても、今、小太郎に向かってその不機嫌を発散するような真似はしないが。
「どうしたんだ、小太郎。何があった」
 武彦が小太郎に近寄って尋ねる。
「それが、ええと……俺が刺されて、ユリがつれてかれて、気付いたらこんな事に!」
「……高性能な翻訳機が必要だな。シュライン、わかるか?」
「ちょっと情報が曖昧すぎるかも。もっと落ち着いて話してもらわないと」
 シュラインの意見を聞いて、冥月がフムと唸り、小太郎の頬を一つはたく。
 その痛みと衝撃で、小太郎は多少の混乱を取り除けたようだ。
「良く聞け、小僧。索敵も追跡も出来ないお前にできる事は二つ。言ってみろ」
「ええと、犯人を追いかける!」
「違う。人の話を聞け。お前が今、どうやって犯人を追う? 何処に居るかもわからないのに」
「あ、そ、そうか」
 冥月に言われて、小太郎は一つ深呼吸をする。
 そしてややしばらく考えた後、幾分スッキリした目を向けて答える。
「探し出すのは師匠たちに任せて、その後犯人をぶちのめす」
「もう一つは?」
「犯人の情報をみんなに伝える事。……っつってもあんまり覚えてないんだけどな」
 それでも何も無い所からはじめるよりは随分マシだ。
 落ち着いた小太郎は記憶を掘り返して、自分の知っている犯人の事を話す。

***********************************

「つまり、トライエッジともう一人、高校生風の男がユリを連れて行った、と」
「多分あの二人はグルだと思う。あんな良いタイミングで殺人未遂と誘拐が同時発生しないだろ」
 小太郎の気絶する直前までの記憶を聞いて武彦が顎を押さえる。
「まぁ、状況から見てもその二人が仲間なのは間違いないな。問題はユリを何処へ連れて行ったのか、どうするつもりなのか、か」
「ユリさんを連れて行ったのでしたら、目的は興信所への報復、若しくは彼女自身かIO2への恨み、でしょうか」
「小太郎を刺したのも考えると、前者の方が濃いかもな……。俺、何か恨みを買うような事したか……?」
 武彦が頭を掻いてため息をつく。……待てよ、恨み?
「そういえば、こないだ、小僧が恨みを買うような事してくれたな?」
「は? 俺!?」
「その辺のゴロツキに手ぇ出したろ! アレだ! きっとアレの所為でこんな面倒な事に……っ!」
「た、武彦さん!」
 シュラインが武彦の言葉を遮る。というのも、小太郎が俯いて肩を震わせていたからだ。
 小太郎は小太郎なりに責任を感じているのだろう。原因を追究するのは後回しにしよう。
「……犯人の目的、か。俺たちへの復讐となると、攫って行ったユリを使って何か要求してくるかもな」
「興信所の方には零ちゃんがいるから、何かあればすぐに連絡が来ると思うわ」
「だが、相手の行動理由を一つに縛るのは危険じゃないか? もしかしたら別の理由があるのかも知れん」
 冥月の意見に武彦が首をかしげた。
「例えば?」
「……そうだな。いつぞやの佐田 征夫のような事を企んでいるかも知れん」
「能力符の大量生産? どうやってだよ?」
「同じ能力の人間が二人以上居ないとも限らん。もしかしたらその高校生風の男の方が佐田と同じ能力を有している可能性もある」
「それに、勘での話ですが――」
 冥月の意見に合わせて魅月姫が話す。
「もしかしたら、先日、ユリさんの依頼で行った符の回収の件。あの時に居た『こそ泥』がトライエッジか誰かだとしたら、佐田の符をくすねたのかもしれません」
「佐田の能力符ってあったのか!?」
「可能性の話です。もしかしたら、そういう事もあるかもしれません」
「トライエッジは以前、符を使っていたし、考えられない事でもないかもしれないわね」
 シュラインも頷いて答える。
 妖狐の事件の時、トライエッジは逃げる際に符を使っていた。
 先日の『コソ泥』の件も、もしかしたら移動は能力、若しくは符を使っていたのだろう、と予測されるので、トライエッジが『コソ泥』だとすると筋も通る。
「トライエッジがその高校生風の男とつるんでいるんだとしたら、符を使っている事に目をつけられて雇われたか、それか若しくは何か企みがあって符の話を持ちかけたか。どっちにしろ、もう少し裏がありそうね」
「まぁ、わざわざ殺さずに攫った所を見ると、ユリに害を及ぼすような事はしないだろう。手の届かない所に行く前に奪還するのが得策だと思うがな」
「推測に時間をかけても仕方ない、か。よし、じゃあ全員、自分のやる事をキッチリこなせよ」
 武彦が号令をかけ、その場に居たメンバーが各々頷く。
「小太郎も、大丈夫だな?」
「あ、ああ」
 確かめるように武彦に尋ねられ、小太郎は慌てて返事をした。

***********************************

「ザッと情報収集してみたけど、やっぱり気に留めてる人は多かったみたいね」
 シュラインが武彦の許に駆け寄る。事件現場を中心に目撃証言を集めていたのだ。
「ああ、俺の方も随分と目撃証言が得られた。にも拘らず、人死にに関してはみんな首を傾げるばかりだ」
 小太郎が刺された、という事実はほとんどの人が認識していない。
 何かの撮影と間違えているのかと思ったが、どうやらそういうわけでもないらしい。
「人が刺されたことなんて、全く無かったかのようになってるわね。……どういうことかしら?」
「……もしかしたら、本当に無かったのかもな」
「どういう事?」
 武彦の大胆な推理にシュラインは当然のように首を傾げる。
「小太郎が見たトライエッジも、ユリが見たはずの小太郎殺害現場も、実は幻だったんじゃないか、って事だよ」
「……幻を作り出す特殊な能力があるって事?」
「符が関わってるならありえない話でもない。あの符の中身はより取り見取りらしいからな」
 先日回収した大量の符は、本当にバリエーションに富んだ内容だった。
 全く役に立たなそうなものから、ともすれば大量殺人に使えるものまで。
 まだ見ぬ符の中に、幻影を見せる符が無いとも限らない。
「小太郎くんがお腹を刺されてすぐに気絶したのも妙だし、……符が関わると推論の幅が広がりすぎて考えるのが面倒になってくるわね」
「こりゃ、早めにユリに回収してもらわないとな」
 武彦が軽口を言いながら、ふと周りを見回すと、どうやら今、冥月と魅月姫が移動し始める所だった。
「あ、ちょっと待って、二人とも!」
 慌ててシュラインが二人に駆け寄って呼び止めた。
「どうした? 何か用か?」
「もしかしたら、トライエッジは誰かを気絶させる符か能力を持っているかもしれないわ。気をつけて」
「大丈夫ですよ。私たちはあの程度の男に遅れをとりません」
「でも、用心するに越した事は無いでしょ?」
 二人は少し思案した後、小さく頷いて影の中に入って行った。
 まぁ、心配はしていないが、とりあえず話しておいて問題は無いだろう。
「あと、小太郎くん?」
「ん、何?」
「その高校生風の男について色々聞きたいんだけど」
 というのも、その男が先日のゴロツキと関係があるのかないのか、という事だ。
 周辺に居た通行人に聞いた話によると、外見は酷似しているらしいが、一応、小太郎にも聞いておくべきだろう。
「単刀直入に、その男って、小太郎くんが喧嘩したゴロツキ?」
「……そう言われると、あの一番浮いてたヤツに似てたな。やっぱり、俺の所為でユリが連れてかれたのか……?」
「そんなネガティブな発想は後回しよ。それよりも、本当にそのゴロツキならまだ打てる手はあるわ。とりあえず小太郎くんはそのゴロツキを追って。トライエッジの方は冥月さんと魅月姫さんがどうにかしてくれるでしょうから」
「わ、わかった」
 証言を元に、ゴロツキの逃げていった方を目指して小太郎は駆け出して行った。
「あいつ一人で大丈夫かよ?」
「喧嘩で勝てたんだから、きっと大丈夫でしょ。それより、私たちは私たちでやる事があるわよ!」
 携帯電話をつかんで微笑むシュラインを見て、武彦は疑問符を浮かべるだけだった。

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 取り出した携帯電話のボタンをコチコチと押し始めるシュライン。
 発信先は某高校。小太郎が見たというゴロツキの着ていた制服からすれば、きっとゴロツキはここに在学しているはず。
「っつっても、学校からそのゴロツキの情報って引き出せるモンか? 個人情報保護とかで何も教えてくれなさそうだけどな?」
「やって見なくちゃわからないわ。試せるものは試さないと」
 数コールして、やっと電話が繋がる。出たのはどうやら男の教員のようだ。
『何かご用ですか?』
「ええ、すみませんが、そちらに在学中だと思われる生徒のことで聞きたい事があるんです」
『な、何かあったんですか?』
「うちで預かっている中学生の子が、そちらの生徒さんと喧嘩をしたらしく、怪我を負ったんです。その子が言うにはそちらの生徒さんで間違いないと。それでその生徒のことをお伺いしたいのですが」
『は、はぁ……。しょ、少々お待ちください」
 焦った様子の教員は電話を保留にした。声が若かったようなので、ヒラの教員だったのだろう。生徒の事を話して良いやら、上に指示を仰いだ、という所だろうか。
「やっぱり学校の塀は高いか……。ちょっと難航しそうね」
 シュラインがため息のように呟いているうちに、保留がきられ、今度は初老のような声の男性が出た。
『お電話代わりました。この学校で教頭を務めている者です』
「遅い時間に申し訳ありません。そちらの生徒さんの事でお伺いしたいのですが」
『ええ、話は伺いました。私共の学校の生徒が喧嘩を起こし、そちらのお子さんに怪我をさせてしまったとか。それは本当に申し訳ありません。今後はこんな事は無きよう、生徒への指導を徹底しますので』
「それはありがたいことですが、その生徒さんの事を教えてほしいんですが……」
『済みませんが、生徒の個人情報は教えるわけには参りません』
 やはり、情報を引き出すのは難しいようだ。個人情報保護、プライバシーの権利。色々難しい法律である。
 だが、だからと言って易々引き下がっていては電話をかけた意味が無い。
「そこを何とかお願いできませんか? その子とお話したいのですが」
『済みません。出来ません』
 何と簡潔に断られたものだろうか。もの凄い頑なだ。
 学校とはこういうものなのだろう。このまま粘っても生徒の情報を引き出すのはどうやら無理そうだ。
「……わかりました。では、これで失礼させてもらいます」
『はい。今後はこのような事が無きよう、全力を挙げさせてもらいます』
 渋々通話を切り、携帯電話をしまう。
「どうだ? やっぱり無理だったろ?」
「なんと言うか、取りつく島も無いって感じね。こりゃ、別の方向から探ってみるしかないわね」
「別の方向ってなんだ? まだ手があるのか?」
「一応考えては見るけど……。今の所は特に無し、かしらね」
 シュラインは顎を押さえて策を考え始める。
 だが、すぐに武彦に肩を叩かれてその思考も中断された。
「まぁ、そういう事なら俺に良い考えがある」
 企み笑顔の武彦。シュラインは特に拒否する理由も無いので、武彦に連れられるままに歩いていった。

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 連れて来られたのはコンビニ。
 よくある、代わり映えの無いチェーン店だ。
「こんな所に来て何をするの?」
「情報収集だよ。ここは小太郎のヤツがゴロツキに絡まれたらしいコンビニだ。レシートを見て確認済み」
 武彦は零から貰ったレシートを見せる。確かに、このコンビニで間違いないらしい。
「ここはゴロツキの通っているであろう高校からも近く、バス停も近い。バス通学の連中にとっては中継地点やら休憩所やら見たいなモンだな」
 武彦の言うとおり、店の中には学生服にカバンを背負った生徒が数人見られる。
 多分、この時間ならば部活帰りの生徒だろう。カバンも大きめのボストンバッグだったり、肩にラケットを担いでたりもしている。
「生徒の話を聞くなら生徒に聞いた方が良い。教員連中じゃ頭が固くていかんしな」
「でも警戒されないかしら? 見知らぬ大人が声をかけたら怪しむんじゃない?」
「今時の高校生なら、嘗められる事はあるかも知れんが、警戒されることはないだろ」
「……まぁ、やるだけやってみましょうか」
 シュラインの同意を得て、早速行動に移った。

 と言ってもやる事は『待ち』だ。
 人の事を探る、というのはあまり褒められた行為ではあるまい。それを生業としている探偵の武彦には耳が痛い言葉だが。
 それ故、あまり多くの人に印象を残すのは良くない。
 店内で情報収集を行えば店員はもちろん、客にまで記憶されてしまうかもしれない。
 というわけで、コンビニから出てくる生徒を捕まえてちょっとお話を聞くのだが……。
「なぁ、ちょっと良いか?」
「あ? なんスか?」
 もの凄い態度が悪い。
 目上の人に敬意を払う、なんて教えは頭の中に欠片も無いようだ。
 だが、そんな事を気にしていては情報収集はままならない。武彦は特に気にした様子も無く、質問をぶつける。
「あー、君たちの学校の生徒について聞きたいんだが」
「……何さんですか、アンタ達?」
「もしかして、ケーサツとか? お前、何やったんだよ?」
「うっせ、なんもしてねぇよ!」
「ジジョーチョーシュで署まで連行ってか? お勤め頑張れよ!」
「いや、マジウゼェ。ちょっと黙れや」
 どうにも話が脱線しがちだ。それに、ゲラゲラと笑う声が耳に障る。
「大丈夫なの、武彦さん?」
「何とかなるだろ。まぁ、見てなって」
 武彦は咳払いを一つし、学生の注目を集める。
 生徒たちはダラダラとしながらも、暇なのか興味があるのか、素直に武彦に向き直った。
「最近、ここら辺で喧嘩があったろ? 知らないか?」
「あー知ってますよ。俺の友達がボコにされたって、マジウケるの」
「ブハッ! ああ、タケだべ? マジウケるべ! 中坊に負けてやんの」
 語彙の足りない会話にどうにも腹が立つものの、どうやら魚はかかったようだ。
「そのタケってヤツは知り合いなんだな?」
「……まぁ、そうスけど……何? ホント、ケーサツなわけ?」
 あからさまに疑われている。シュラインが心配したとおり、どうやら警戒されているようだ。
 武彦も彼女の言葉を笑い飛ばした手前、バツが悪いのか、心持ち大きい声で誤魔化すように話を続ける。
「いや、本当に俺らは警察じゃない。別にそのタケってヤツをどうこうしようとかそういうんじゃなくてだな……。その喧嘩をしていた奴ら全員の名前が知りたい」
「名前を聞いてどうするんスか?」
「……実は、俺たち、その喧嘩相手の中坊に個人的な恨みがあってな」
 突飛な話題展開に、高校生たちが一瞬驚く。
 だがこれは方便。情報を引き出すための罠だ。
「今まで何人かにその中坊の話を聞いたんだが身元が全くわからないんだよ。だから、喧嘩をした連中に色々とソイツの事を聞きたいんだよ」
「……恨みがあるのに身元がわからないっておかしくね?」
「俺たち二人の子供がその中学生に刺された、って言ったらわかるか?」
 今度はトンデモ設定にシュラインが驚く。二人の子供!?
 方便だとはわかっていたが一瞬、驚いてしまった。すぐに俯いて顔を隠す。
「……マジかよ……」
 しかし、どうやらそのシュラインの反応が『その時の事を思い出した後に俯いてしまった』様に見えたようだ。
 まぁ、結果オーライである。
 どうやらこれが決定打になり、生徒たちは色々と話してくれる決心がついたようだ。

「なるほどね……」
 高校生を解放した後、武彦は手帳を閉じて呟く。
 聞き出せた人の名前は四人。その内、今回の事件に関係ありそうなのはスズキという少年だろう。
「確か、件の裏商店の名前もスズキなんたらだったろ? それにさっきの奴らの証言によれば、ソイツの家は会社経営しているらしいし、こりゃコイツで十中八九ビンゴだな」
「そうね。後はその子と裏商店の関係の裏を取りましょ。推論だけじゃ何にもならないわ。確固とした証拠を得ないと」
「だな。早速行動だ」
 二人は適当に座れる場所を探し、そこでシュラインがノートパソコンを開く。
 そしてアングラサイトを漁り、適当な情報を見つけ出した。一見普通の会社を経営している人間の家族構成がわかるとは……社会の闇は深い。
「……あった! やっぱりその子で間違いないみたいよ」
「っつー事は、前回の符の回収と今回のユリ誘拐は繋がってたわけだな……。待てよ? って事は、符がぶんどられた事の復讐にユリを連れてったって事も考えられるんじゃないか?」
「だったら社長の息子に実行犯は頼まないと思うわ。もっと別の人間に頼むはず……例えば雇ってるダークハンターとかね」
「トライエッジがそれだったとしても、社長の息子を連れて回るのはおかしい、か」
 どうやら今回は社長息子の勝手な行動と見て良さそうだ。
 という事はやはり、小太郎に対する復讐だろうか?
「……あ、待って。前回の符の回収の件、もう情報が流れてる」
「そりゃ、あれだけ一般人にも気付かれてりゃな……。で、なんて書いてあるんだ?」
「見張りの人からのリークみたいね。……コソ泥の真相も書かれてるわ」
 それによると、符を盗んでいったのはどうやら社長息子だったらしい。
 大方、小太郎へ仕返しするために便利そうな符を探していたのだろう。という事は彼はそれなりに符の事を知っていたということか。
「こうなるとユリ誘拐の件はホントに社長息子の独断っぽいな。この符の事だって勝手に持ってったんだろ?」
「状況から見てそれで間違いないと思うわ。……まぁ、犯人の意図はとっ捕まえた人が適当に吐かせるだろうし、後でそれを聞けばいいだけよ」
 言いながらシュラインは再び携帯電話を取り出す。
 今度発信するのは学校ではなく、IO2だ。情報を渡してこの商店の行為を取り締まってもらおうとしたのだ。
「これでこいつらの今後は商店は立ち行かなくなって一家離散か、はたまたもっと別の未来か。なんにせよ、後味悪いなぁ」
「でも、こうでもしないと秩序は守られないわ。厳しいようだけど、やっぱりこういう措置は必要だと思う」
「そりゃそうなんだけどよ……」
 お人好し武彦は、夜の色が濃くなった空を見上げ、深々とため息をつく。
 犯人の事を憂う、というのは探偵としてどうなのか? と自問しては見たが、どうにもこの思いは拭い去れそうに無かった。
「ええと、武彦さん? 物思いに耽ってる所悪いんだけど……」
 シュラインが携帯電話をたたみながら恐る恐る声をかける。
「どうした? まだ何かあったのか?」
「その商店の社長、どうやら夜逃げしたみたい」
「はぁ!?」

***********************************

 IO2は、ユリたちが符を回収した直後、その商店を探り始めていたらしい。
 大量に符を有していた、という事は、それをどうにか利用する考えがあったからだろう。
 符一枚一枚に関して、それほど脅威に値しないと言っていたIO2も、それほど大量の符は流石に看過出来まい、と捜査を始めたそうだ。
 そうすると、どうやら符を回収した翌日には社長は高飛び、社長夫人は蒸発。子供だけが取り残されていたらしいのだ。
 その子供は今、ユリを攫ってしまい、最早犯罪者予備軍。トライエッジと繋がっている事も明らかになれば、小太郎殺害の教唆の疑いもかけられるだろう。
 どの道、あの家族に未来は無かったようである。

「子供を置いて出て行く親も親だが、それにグレて非行に走る子も子だな」
 武彦はタバコを燻らせながら呟いた。
 息子は独りにされて自暴自棄にでもなったのだろう。聞けば聞くほど可哀想な境遇である。
「で、その符の利用方法だけど、何処か外国のよろしくない連中に捌こうとしたみたいよ。その取引をするのに、あの倉庫に符を保管してたらしいわ」
「その商談もパーになったから、社長は怖くなって逃げ出した、と。なるほどね……。でも、IO2みたいな機関が良くそこまで教えてくれたな?」
「電話に出たのが真昼さんだったのよ。受話器の向こうで怒鳴り声が聞こえたから、言っちゃダメな事も喋っちゃってたみたいよ」
 きっと今頃説教タイムだろう。つくづく、ダメな男である。
「まぁだが、これで後はトライエッジをボコって、息子を捕まえて、それで一件落着だな」
「……私としてはトライエッジとリコさんの事が心配なんだけど……」
 トライエッジと妖孤のリコは、色々と関係があったらしいので、トライエッジにはどうにか無事にこの件から手を引いてもらいたいのだが……。
「大丈夫なのかしらね……?」
「どうだろうな? 小太郎のヤツと当たったならまだしも、冥月か魅月姫ならちょっと無事じゃいられそうにないけどな」
 二度も楯突いた人間を、二度も取り逃がすような真似をする二人ではあるまい。
「こんな所で心配してたって仕方ないさ。とりあえず、今は向こうの連絡待ちだな」
「そうね……っと、いいところに電話が着たわ」
 シュラインの携帯電話が鳴り、仲間から連絡が来たことを示す。
「はい、もしもし? ……え? 小太郎くんが病院に!?」
 お仕事終了の報ではあったが、もう一つ余計な情報までくっついてきた。

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 息も切れ切れになりながらも、この男はユリの手を放してくれない。
 一体、何処まで連れて行かれるのだろうか。小太郎の事を呼び続けていたユリの声はもう嗄れていた。
「……こ……たろ……く……」
 それでもまだ、彼に届くのではないか、彼が来てくれるのではないか、と信じて声を出す。
 目の前で殺されてしまった彼に、未だにすがり付くのは彼にとって酷だろうか?
 ユリは、今回の件で、自分の無力さを死ぬほど呪った。

 高校生の男がユリを連れて走ってきた道程は、言ってみれば闇雲だった。
 何処にいくことも無い、出来ない。自分が帰る場所なんてないのだ。
 とりあえず、目の前のムカつくガキは殺した。そして、当分の金の成る木も手に入れた。
 男が手に入れた符、この符が教えてくれた記憶。どうやらこの符のオリジナル能力者の記憶らしい。
 それによれば、この少女の符は高く売れる。男が持つ符を使って能力を符に付与し、大量生産すれば金が転がり込んでくる。
「佐田 征夫、なんてオッサンは知らないが、感謝してやっても良いな」
 男は符を握り締めて呟いた。

 また、路地を曲がり、細い横道に入る。
 裏路地は表よりもヒヤリとして、少し肌寒い。その感覚にユリは鬱々とした自分の感情を振り払った。
 諦めてはいけない。きっと助けは来る。それまで何もしない手は無い。
 ユリは引っ張りまわされてほとんど力も残っていない足で、最後の力を振り絞って踏ん張る。
 ピン、と男とユリの腕が張る。だが、その手は離れなかった。
「お? なんだ、このガキ。まだ抵抗するのかよ?」
「……わ……たし……は……あき……め……な」
「何言ってるか聞こえねぇんだよ! 黙ってついて来いや!」
 男はユリの腹を蹴飛ばし、ユリは咳き込んでその場にへたり込んでしまった。
「オラ、立てよ。まだ終点じゃねぇぞ?」
「……ぐ……っは……うぅ……」
 泣いちゃだめだ……。泣いたら負けだ。
「立てって言ってるんだよ!」
 強引に襟首をつかまれ、立ち上がらされる。ユリは震える膝で、だけど立って見せた。
 男はそんなユリの瞳を見据えて言い聞かせるように言う。
「良いか? もう誰もお前を助けない。ずっと俺の傍で金の成る木になるんだ。死ぬまで馬車馬のように働かせてやる」
「……っぐ、ダレが……そんな……っ!」
「じゃあどうする? 精一杯抵抗して見せるか? お前がどう頑張ったって俺から逃げられないだろ?」
「……っ!」
 確かに、単純な力では男に敵わない。
 それに、今の所ユリの能力は封印されいてる。
 どうやら佐田の符を持っているらしい男は、その能力を使ってユリの能力を発動しているのだ。
 触れていれば、他人の能力を別の物に移し変えずに行使出来るようだ。
 小太郎が死んだと思った一瞬を狙って、男は驚いたユリに触れ、先手を打ってユリの能力を封じたのだ。
「俺は絶対生きてみせる。こんな所で、死んでたまるか……っ! あのクソオヤジどもに復讐してやる」
 男は自分を棄てた親を呪っていた。絶対に復讐して見せると心に誓っていた。
 そのためにはまず、生き残らなければいけない。それにはこの少女は必要だ。
 ならば、どうして彼女を逃がす事ができよう?
 男はユリをビルの壁に押し付け、彼女の首に手を当てる。
「良く聞けよ、お前は俺の奴隷だ。どうやっても逃げられないし、逃がすつもりも無い。俺はお前を使って絶対に生き残ってみせる」
「……っく!」
「反抗的な目だな? まだ誰かを信じてるのか? あの死んだガキでも待ってるのかよ?」
 図星だった。未だにユリは小太郎が来てくれると、心のどこかで信じている。
「無理だよ。あのガキは死んだ。お前の王子様は死んだんだよ」
 その言葉を聞いて、ユリの瞳から雫がこぼれる。……死んだんだ。
「……っく、うぅ……こたろう……くん……」
「ははっ、やっぱガキだな。そんなに好きな子が忘れられないかよ? だったら忘れさせてやろうか?」
 下卑た笑みをを見せた男は、ユリの首に当てた手をスルリと唇に動かす。
「よぉ、キスってした事あるか?」
「……っ!? いや! いやぁ! やめて!!」
 これからされるらしい事を悟ったユリは、手を突っ張り、足で男を蹴り退けようと必死にバタつかせる。
 だが、そんな事で男は止まらない。力の差は歴然なのだ。
 そして二人が重なる寸前、ユリはボロボロと涙を零していた。
 こんな、初めてのキスは死んでも嫌だった。だから、今でもまだ信じていた。あの人が……
「……何してる?」
 あの人が来てくれると。

 声に弾かれたようにユリから離れた男。この声は先日嫌と言うほど聞かされた。
『ガキと呼ぶな』『チビというな』そんな風に怒鳴っていたあの声。今、聞けるはずのないその声は、確かに路地の入り口の方から聞こえた。
 声の元を探ろうと、男が首を回す。
 そして、そこに小柄な影を見つける。
「何してる、って訊いたんだが……聞こえなかったか?」
「……こ……こたろ……くん」
 しゃっくり紛れに、ユリが小太郎の名を呼んだ。死んだと思っていた王子様は、やっと来てくれた。
「な、なんで、お前! 死んだはずじゃ!?」
「……質問してるのはこっちだ。何してる?」
 錯乱する男に、小太郎は激情を押し潰した声で尋ねる。
 だが、男はそれに答える事はできない。死んだと思っていた人間が生き返った事による混乱と、あの日、ボコボコにされた恐怖が交じり合って、何も答えられない。
「いや、まぁ、何をしてたんだろうと、もう関係ないけどな?」
 そう言って小太郎が二人に一歩近付く。
 男は逃げようとしたが、身体がすくんで思うように動かない。
 ジリジリと詰め寄る小太郎に、男は小さく悲鳴をあげながら、不恰好に後ずさる。
 ユリを解放し、とりあえずこの場から逃げなくては、と心が思っても、身体がいう事を聞かない。
 その内、男は小太郎が手を触れられる距離まで近付かれていた。
「よぉ、久しぶりだな、クソ野郎」
「っひ……っ!」
 小太郎に手を触れられた途端、男は小太郎に纏わりつく、どす黒い赤を見た。
 その次の瞬間には小太郎の本気パンチが男の頬を貫く。
 男は衝撃で数メートル吹っ飛び、地面を転がる。多分、とてつもなく痛かっただろう。
 やっと自由になったユリはその場にへたり込み、小太郎を見上げる。ああ、やっと来てくれた、と安堵のため息をつく。
 だが、それも束の間。小太郎の様子に変化を感じて、そのため息も途中で飲み込んでしまった。

 殺す殺す殺す。
 ただ、それだけしか考えられない。
 大事な少女をあんなに泣かせたコイツを。ただ、ころすころすころす。
 小太郎は走り出し、未だにうつ伏せている男に掴みかかる。
 仰向けにして、馬乗りになり、その右拳で憎い男の顔面を強か殴りつける。
 コロスコロスコロス。
 純粋な殺人衝動だけで、今は機械的に拳を動かしている。ただ、殺すころすコロス。
 今まで抑えていた何かが、堰を切ったように流れ出す。
 だが黒々とした憎悪の中に、ただ一点、何か気になる白がある。
『殺したらダメだ』
「殺しちゃダメだよ!」
 小太郎の内側から聞こえる声と、背中から抱きついてきたユリの声が重なった気がした。
 だが、小太郎はその振り上げた拳を止めなかった。
 鈍い音がして、血が吹き出る。

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 冥月と魅月姫が駆けつけた時には、もう終わった後だった。
 早急にIO2の息がかかった病院に、男と小太郎を運び込ませ、今に至る。
 スンスン、とすすり泣くユリの泣き声が聞こえる病院のロビーに、冥月とシュライン、武彦がいた。
「そう、そんな事が……」
 話を聞かされたシュラインは少し俯いて言葉をなくした。
「私たちもユリから涙ながらに聞かされた話だ。多少、食い違いはあるのかもしれないが、大事な部分はそのままだろう。あの娘にも強く印象に残ってしまったに違いない」
 冥月が補足を入れる。だが、起こってしまった事実に何の違いもあるまい。
 小太郎は人を殺そうとした。それは紛れもない事実。
「小太郎の病室は?」
「すぐそこだ。魅月姫が向こうにいるはずだ。案内しようか」
「いや……一人で行く」
 そう言った武彦は病院の廊下を歩いていった。
 しばらく沈黙の後、シュラインが冥月に尋ねる。
「で、結局、その高校生はどうなったの?」
「ああ、ほとんど無傷だよ。最初に殴られた一発だけ、口が切れるぐらいの傷を負ったらしい」
「え、でも小太郎くんは何度も殴ったんでしょ?」
「……どうやら、あの小僧は男と自分の拳の間に光の壁を作り出していたらしい。おそらく無意識の内にだろうけどな」
 小太郎の中に残った最後の理性だったのだろう。
 その為、高校生はほぼ無傷であったが、心に深刻な傷を負ったらしい。今は精神科に診てもらっているそうだ。
「で、その壁を殴り続けた結果、壊れたのは小太郎の右手の方だった。寧ろアイツの方が重症だな」
「そう……でも治らないような傷じゃないんでしょ?」
「ああ、全治六ヶ月だそうだ。治癒術なんかを使えばもっと早く回復するだろうが……今回は自業自得だ。誰も回復に手を貸さないだろうし、アイツ自身、誰の助力も断るだろうさ」
「そう。じゃあ小太郎君のほうは大丈夫そうね。……問題はユリちゃんか……」
 今もスンスンと啜り泣きが聞こえる。随分と人の心を締め付ける、可哀想な声だ。
「声をかけるべきなんでしょうね」
「……頼んだ。今の私では優しい言葉なんてかけられそうも無い」
 弟子のこれ以上ない失態に、冥月は思い出しただけでも奥歯を噛み砕きそうな勢いだ。
 苦笑して、シュラインはユリの隣に座った。

 この夜の事は忘れまい。少年と少女に、深い傷を与えた、この夜だけは。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【2778 / 黒・冥月 (ヘイ・ミンユェ) / 女性 / 20歳 / 元暗殺者・現アルバイト探偵&用心棒】
【4682 / 黒榊・魅月姫 (くろさかき・みづき) / 女性 / 999歳 / 吸血鬼(真祖)/深淵の魔女】
【0086 / シュライン・エマ (しゅらいん・えま) / 女性 / 26歳 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】

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■         ライター通信          ■
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 シュライン・エマ様、シナリオに参加してくださり、本当にありがとうございます! 『後半、何だが黒々してるぞ』ピコかめです。
 色々書きたい事詰め込んだら、なんともおかしな展開に。次にはこの鬱々展開を取っ払いたいものです。

 草間さんと組んで、他のお二方とは完全別行動でしたが、どんなモンでしょうか。
 ストーリーを作る上で重要な役回りを担ってもらいましたが、今回はヘマしてないと思います。
 なんとも俺が意識してない所で、何か失敗してしまったようで力不足を感じずにはいられない今日この頃です。
 では、気が向きましたら次回も是非!