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誓いの銃 -ガール-
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０．オープニング
辿り着いた二階建ての廃墟。
その中に足を踏み入れた俺は、
脇目も振らず、一目散に二階へ向かう。
人が住んでいた痕が、ハッキリと残る廃墟を。颯爽と。
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１.
廃墟にやって来た私とディテクター。
ディテクターは言葉を発することなく、
長いジャケットの裾を揺らして、スタスタと先を歩く。
随分と古いな…。私は廃墟を見回しつつ、ゆっくりとディテクターの後を追う。
一歩、ここに踏み込んだ時から感知している、弱々しい生体反応。
おそらく、いや、間違いない。
ディテクターは”それ”に向かっている。脇目も振らず。一目散に。
ドカッ―
バキッ―
廃墟の二階、突き当たり。
朽ちた扉を蹴り壊して開けるディテクター。
「隠れても無駄だ」
ディテクターは、そう言いつつ部屋の中へ入って行く。
枯れた薔薇が敷き詰められたその部屋で。
ボロ雑巾のようなカーテンに身を隠している…少女。
ディテクターはカーテンを引き破り、少女の姿を露にする。
齢、十二、三といった所か。
まだ、幼さの残る顔立ち。
人の物を盗むなんて大層な事なんぞ、出来そうにもないが。
少女の手には、無骨な銃が。
何て不釣合い加減だ。
私は苦笑しつつ、壊れた扉の横で、壁に凭れて腕を組む。
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２．
「どういうつもりだ」
サングラスを指で押し上げ、少女に問うディテクター。
少女は何も言わず、ディテクターをキッと睨みつけている。
問えど問えど、何も言わぬ少女の態度に、イラ付くディテクター。
「…いい加減にしろ」
一際低い声で、そう言って、ディテクターは一歩前へ踏み出した。
ムキになっているディテクターと、意固地な少女。
…まずいな。
少女が想定外の怪我を負う予感に、
私は静かに影を放ち、少女の肘を叩いて銃を床に落とす。
ゴトッ―
「あっ」
少女が自身の手に戻そうとするも、遅し。
床に落ちた銃は、即座にディテクターの手に戻った。
「…返して…返して！！」
ディテクターに掴みかかり、叫ぶ少女。
少女の言い分をディテクターは聞く耳持たずで。
「…どれも、返せない」
ボソリと、そう呟いて纏わり付く少女をバッと払い、足早に部屋を出て行く。
「あっ、おい…」
引きとめようとするも、ディテクターは無視して。
すれ違い様に、私の肩をポンと叩いた。
ロクな説明もなしに手伝え、付き合えと強引に連れてきて置き去りとは。
何様だ…貴様は。
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３．
置き去りにされ、深い溜息を落とす私。
そんな私に向けられる視線。
それは、悲哀と憎悪の入り混じった、酷く醜いもので。
私は、その視線を向けている少女を見やり、
少女の目に浮かぶ涙に思う。
これは…もしや、私に事情を聞けという流れか。
実際どうなのかは理解らないが、このまま放っておくわけにもいかんな…。
まったく、あいつめ。
どこまで自己中なんだ。
ディテクターに対する怒りに眉を寄せる私。
少女は、私の顔をジッと見つめて言う。
「ねぇ…あなた、ディーの…今の女なの？」
…ディー。ディテクターの事か。ふん。冗談じゃない。
「アホな事言うな。私には、もう…いや。何でもない」
フッと浮かんだ眼鏡の馬鹿面。
私はフルフルと頭を振って、それを払う。
お前とディテクターの関係にも、過去にも興味ないが。
強引に連れて来られた挙句、置き去りにされて。
少し、いや、かなり。私は、腹を立てている。
力になれるかはわからんが…話くらい聞いてやろう。
奴を数発殴ってくれという依頼なら、喜んで引き受けてやる。
「話せ。全てな」
私は壁に凭れ、目を伏せて少女に言う。
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登場人物（この物語に登場した人物の一覧）
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【 整理番号 / ＰＣ名 / 性別 / 年齢 / 職業 】
2778 / 黒・冥月 （ヘイ・ミンユェ） / ♀ / 20歳 / 元暗殺者・現アルバイト探偵＆用心棒
ＮＰＣ / ディテクター / ♂ / 30歳 / ＩＯ２エージェント
ＮＰＣ / カナ / ♀ / 13歳 / ？？？
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ライター通信
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こんにちは。いつも、発注ありがとうございます！心から感謝申し上げます。
納品が遅れてしまい、大変申し訳ございません； 連作第二話をお届けします。
気に入って頂ければ幸いです。また、どうぞ宜しく御願いします＾＾
2007/05/30 椎葉 あずま
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