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わんにゃん王国
「──俺ぁ怪奇現象の類の依頼は、一切引き受けん」
そう言わなかったか?
コレ見ろコレ、と草間・武彦が示したのは、室内に貼られた一枚の紙。
『怪奇ノ類 禁止!!』などというファンキーな標語を見た依頼人は顔を顰める。
怪奇現象の類でも引き受けてくれる探偵所。そう聞いたからここへ来たのに──あ?
「‥‥草間さん。それならコレだけ出しましょう」
「はぁあ?」
いきなり現実的かつ下世話な報酬の話になり、草間は顔を顰めた。俺が言いたいのはそう言う事じゃない、と文句を言ってやろうとして、来客がじっと張り紙を見ているのに気付いた。
──何だ?
自分が書いて貼った筈のその紙を見ると‥‥
「‥‥零」
「まぁ、兄さん。何ですか?」
にっこり。
雑然とした中に咲く一輪の花。武彦を兄と呼ぶ少女は草間・零と言った。
「この──この部分にひっそりと書かれたコレは何だ」
「コレですか?」
あまりな怪奇依頼の多さに辟易して貼った、迷惑客お断りの為の張り紙の一つに。
──ただし、報酬によっては応相談。
「待て。待て待て待て」
俺ぁこんな妙ながめつい一文書いた覚えはないぞ?
「兄さんったら」
うふふ、と笑う零。片手でガッと兄の腕を掴んだ。
「兄さんがそうやってせっかく来た依頼人を悉く断って下さったのは今日で何件目だか覚えてますか? 今月に入って十四件です。まだ今月に入って一件しか依頼を受けてないのに!」
「いでっ、いででででで零っ」
「兄さん。今度こそはこの依頼を受けて下さい。いいじゃありませんか、動物になれる依頼。行き先はあの有名なわんにゃん王国ですよ?」
「嫌だっ! 俺はハードボイルド」
「 そ ん な も の ボ イ ル ド し て し ま い な さ い 」
話は終わった。
「ああー、園長さん。おたくの動物園に入ると人間が動物になるってぇ不思議話だったな?」
「は、はあ」
「なら俺よりもっと最適な人材がおります。犬ころ大好き、猫娘萌え! きっと犬猫に変えられた飼育員も人間に戻してくれるでしょう」
「ちょっと兄さんっ!」
「うるさい、俺ぁ犬畜生になるなんざ真っ平御免だ! いいじゃねぇか紹介料もらうから!」
──普通そういう事、客の前で言わない。
わんにゃん王国の園長、依頼人・鈴元は溜め息を吐いた。
●イスターシヴァ・アルティス
つい先ほどの事である。
彼が教会で祭司と話をしていた時、草間興信所の所長、草間・武彦から電話がかかってきたのだ。
『あー、シヴァか?』
「はい、草間さんお久し振りですね」
『おう。ところでお前さん、犬猫好きだっけ』
「? 好きですけど」
『そっか、良かった。んじゃ今から来てくれ』
「えっ?」
聞き返す言葉は向こうに届く事はなかった。何故なら通話が切れたからだ。
僕一応ここの助祭なんだけど、と受話器を見て呟くだけのシヴァは正に天使の如き許容量。思わず祭司も外出許可を出した。
──何だろ、引き取り手に苦労してる、とか?
問答無用に呼び出されたにも関わらず、シヴァはほのほのほのと明るく事務所を訪れた。
「こんにちはーっ♪」
無用心にも開いたままの扉に笑顔で飛び込むと。
「だからどうして貴方は怪奇現象だからって依頼を蹴るの!? 好き嫌いせずに依頼を受けなさいっ!!」
「いでだだだだだっ! すまん、悪かったシュライン!」
「あ、すみませんシヴァさん、もう少しお待ち頂けます?」
所長と事務員の痴話喧嘩と零の汚れなき笑顔が出迎えた。
●不思議動物園へGO!
「全く」
武彦がこのクソ狭い部屋の中を駆けずり回った為、来客は全員壁際に立っていた。部屋の隅で武彦が怯え、零が追い詰めている。
──キリがない。
「わ、か、り、ま、し、た。私が行きます、もぅ」
「あまり甘やかすと、退化しますよ?」
「退化って何だ零!?」
シュラインの溜め息交じりの台詞に、零が呆れて武彦が泣く。ハードボイルドはどこへ行った?
「武彦さん、人のままなら良いんでしょ? 園外応援必要な場合協力お願い。ね?」
「ん‥‥あ、まぁ、それなら、な」
シュラインの小首を傾げてのお願いに、ようやく武彦が是と返す。ちっ、と舌打ちが幾つか入ったが、それは追究しないでおく。
「あたしも参加していいですか?」
「正規じゃないので報酬は出ませんよ?」
──零さん、たくましくなったなぁ。
漫才のように素早い切り反しに、みなもが感心する。それが所長一人のワガママによる依頼拒否の賜物であると知っているのは、一連の騒動を見守ってしまったこの場に居る全員だ。
それにしても、と美寝子が発言した。
「呪術調査を生業としている者として、動物に変化する怪異、というのは興味深いですね」
どうやら話を聞く限り、仙薬の類でもないらしい。
「不用意に‥‥近づけません、ね」
「内部に原因がありそうなんだけどな〜」
静とシヴァの台詞もごもっとも。
そうね、とシュラインがぱぱぱっと思いつく限りのメモを取り。武彦に、突き出した。
「パソコンがあれば時間はかかっても園外情報送信や相談も可能な筈。私達が内部調査を担当するから、その他のフォローはお願いね? 武彦さん」
「ぅ、あ」
「園長さん、見取り図などあったら頂けますか?」
零がすかさずメモ帳片手に詳細を聞き始める。
みなもは、思った。
──ここの調査員は誰でしたっけ?
しばらく来ていなかった間に、一体何が。
●変化っ!
「‥‥」
さっきは大して大きくないと思った、出入口の門。でっかく園名が描かれているそれは、今は見上げるほどに高い。
静は、白くなった掌を見つめて呟いてみる。
「にゃあ」
──猫語だ。
園内に入った途端小さく毛皮に覆われた動物になったのは、何も静だけではない。
「くぅん‥‥」
門を抜けた途端、しゅるしゅると身長が縮み、地面が近くなったシヴァが呆然としている。
キョトンとした真ん丸い瞳に丸まった尻尾。黒い毛皮の豆柴だ。
「にゃあにゃあにゃあ(ここはやはり訊き込み重視で臨む他はないですね)」
美寝子が慣れた様子で猫化し、白猫静に提案する。
「わんわんわんっ(犬さんのボス、猫さんの長老さんが誰かも確認して、挨拶と事情伺いしてみたいです)」
この大きなアイリッシュウルフハウンドはみなもらしい。人間形でいた頃には感じなかった園内の広大さを見渡している。
──動物目線って‥‥こんななのか‥‥。
猫化に慣れている美寝子以外のメンバーが、若干不安を覚える中。
「にゃにゃにゃにゃにゃっ! にゃにゃ〜あっ(手分けして飼育員に事情を聞きに行きましょうっ。中がどうなってるか心配だわ!)」
シュラインが尻尾を揺らし颯爽と仲間達を促し、中へと駆けて行く様子を武彦だけが、寂しそうな目で見送っている。
「何言ってるのかさっぱりわからんかった‥‥」
犬猫語ですから。
●訊き込み
「あんっ♪」
動物王国と化した園内に、ショックから立ち直った柴犬、もといシヴァがリードも無しに、散歩、いや調査を開始している。
──ふぅん、随分匂いに敏感になるんだ。地面の匂いなんて考えた事もなかったけど。
ふんふんふんふん。
草花の中に鼻先を埋もれさせてみたり、羽音やかましく飛んでる虫に心奪われてみたり、意味もなく穴を掘っていたりする。
「きゅうん?」
「わんっ!(あっ! 子犬だー可愛い〜♪)」
自分より小さな背丈の子犬達にじゃれつかれ、その毛玉のような柔らかさに柴の黒目が細まった。
──どうしよう、この依頼、かつてない程楽しいんだけど!
帰って来れそうもない。
「うみゃ‥‥にゃあああん?(そうなんですか‥‥新しい遊具が届いてすぐに飼育員の方が居なくなったんですね?)」
一方、こちらは猫行動に慣れた美寝子。早速脱線しているシヴァとは逆に、熱心に訊き込みを始めている。多分他の仲間達は元は人間だった犬猫さんを探すだろうから、と思ってわざわざ元々この園内に居た猫のお婆ちゃんに。
「(アンタ、本当にこの状況何とか出来んのかい? 元は人間ったって出来る事なんて所詮は猫の手だろう?)」
面倒を見てくれる人が居なくて困ってるんだ、と訴える老猫に、美寝子はハッキリと頷く。
「にゃにゃん! にゃにゃにゃにゃーにゃっ‥‥にゃ(猫体のままでは使える術も限られてきますけど、他の皆さんも草間様に依頼されて来たばかりの人達ばかりですか‥‥ら‥‥)」
視界の端で、シヴァが大きな犬っころに首根っこを銜えられてどこかへ連れて行かれている。
「わふ‥‥(どうしましょう?)」
みなもはと言えば、やはり美寝子の推測通り、元飼育員であった犬猫に声をかけまくっていた。
「きゅわきゅわきゅわきゅきゅ〜っ」
「ふみぃいぃいぃぃ」
助けに来た人間だ、と名乗った途端、大きさも重さも其々の犬猫に突進され、その大きな体で受け止める。‥‥そのまま、動けない。
──知らなかった。
「ふみぃいふみぃふみぃぃい!」
こんな可愛らしい鳴き声の猫さんが、
「(わしもう三日もこの姿のままなんだ! まだローンも十年残ってるし三人目の子供はまだ中学生だしああそんな事よりこの三日分の給料は出るのか!?)」
などと言っているなんて知りたくもなかった。
ひょっとして街中で愛らしく鳴く犬猫のほとんどはこんな事を訴えていたりするのか?
「わ、わふん‥‥(え、ええ〜っと)」
みゃあみゃあわんわん、その渦中でみなもの尻尾は徐々に下がり行く。
ぱりぱり、と爪を軽く立てて背筋を伸ばした静は、ほてほてと坂道を歩いている。
道すがら訊き込みをしているがどうもこの辺の猫は本物の犬猫ばかりのようで、緊迫感はない。それにつられてしまいそうだ。
ぽかぽかとした日差しに、くわ、と欠伸が出た。白い毛を舌で舐め、ついでに顔も擦る。外から見ると立派な猫だった。
そこにもう一匹の‥‥シュラインが、近寄る。
「にゃんっ?(何か分かった?)」
「んに〜‥‥(多分、能力を持った猫か犬が僕達人間を変身させているんじゃないかなって思います‥‥勘ですけど)」
すっかり目が細くなっている静に、これは眠りたいのね、と苦笑するシュライン。自分もあたたかな日差しにうっとりしていたので、人の事は言えない。
「(その可能性もあるけど、最近新しい遊具が入ったと飼育員から聞いたわ。それをまず調べてみようと思うんだけど)」
遊具? とぽけっと髭を揺らしつつ静が返す。そこに美寝子が加わった。
「(私も先ほど猫さんから伺いました。飼育員さんが消えたのは、遊具が入ってからだったと)」
なら余計怪しいわね、と猫の集会の如く三匹の猫が考え込む。若干一名、いや一匹は寝かけていたが。
「一先ず武彦さんに連絡だけしておきましょうか」
●呪い
「‥‥可愛いなぁ」
ぽつり、と武彦は呟いた。それをうっかり口走った為、門に遮られた向こうに居たシュラインの髭がピクリと揺れた。
「にゃあ! にゃにゃにゃにゃ〜あ!(武彦さん! ちゃんとフォローしてって言ったでしょう!? なのに何なのその手の中のジャーキーは!?)」
既に静がふんふんと鼻先を近づけていたが、美寝子は困ったようにオロオロしている。
「にゃんっ!(遊具について訊きたいのよ!)」
「あ〜‥‥可愛いなぁ、癒されるぜ」
この! とシュラインの爪が風を切る。引っかかれても武彦の顔は緩んだまま。
「たまにゃこういう場所に来るのもいいかもな〜やっぱ事務所であれだけ虐待されてるとな〜」
ビシリとシュライン猫の尻尾が立ち、はわわわわ、と美寝子が慌てた。
「みっ!(もういいわ。美寝子さん、私達で解決しましょう)」
背を向けて決然と歩き出すシュラインに、日本猫美寝子が続く。静は、
「あ〜可愛いなぁ可愛いなぁ白猫〜」
武彦の差し出すジャーキーを口にしていた。
「(‥‥とは言っても、どうやって壊そうかしら)」
「(壊したら元に戻れなくなる可能性もありますよね‥‥)」
新しい遊具、と聞いていたが、それは姿見と言っていいかもしれない。
巨大な鏡の前に、幾つかのわっかが連なってぶら下がっている。鏡の存在は謎だが、世間一般の輪潜りと何ら変わりがない代物だ。
ただし原因がこれだとしても、対策が分からない。これ自体が暴れてどうかしてるという話でもないし。
「(鏡の方が問題なのかしら?)」
ひょこりと覗くとそこは人間のシュラインが居た。
「(‥‥よく分かりませんが、何らかの力は感じます)」
やはり、美寝子も。
「(不安体な力です‥‥ひょっとしたら、中途半端に園内に呪いがかかっているのかもしれません)」
その真ん丸い瞳が映すのは、かろうじて見える力の揺らぎ。本来遊具とは関係のない鏡なのかもしれない。悪戯に誰かが遊具と合体させてしまってこうなった‥‥?
じっと見ていると、鏡の中の自分(人間)が揺らぐ。ハッとした時は鏡に魅入っていた。
「わわんっ!(危ないっ!)」
みなもが飛び込み、首根っこを銜えて地を蹴った。シュラインもくるりと敏捷に身を翻している。
「(今、体が消えかかってましたよ!?)」
みなもがわんわんと吠える。美寝子は一層考え込んだ。やはり、ここは不完全な──‥‥
「にゃっ?(これが犬猫変化の鏡?)」
ぽむ、と静が眠そうな瞳で鏡を叩く。猫の手だから小さく軽い衝撃だが、鏡の中の静は掌で叩いている。猫と人、二人の掌が重なり合って‥‥
「(不完全な呪いが、暴走する──!)」
美寝子の目の前が鏡がぐにゃりと静の容姿を崩した。ぐにゃぐにゃと映るものが変わり、自分達の存在も不確定になる。
「(ああっ!)」
シュラインの声に振り返ると、黒い髪が波打っていた。呪いの元凶に手を出したせいか、そのキャパシティに影響が出たのか、園内に居ながらも人間に戻ろうとしている!
「(い、いやあああっ!)」
みなもの青い髪が脈打ち、制服が犬の姿と重なった。美寝子も自分の形が変わりゆくのを感じている。それも、とても不安定に!
「皆さん──!」
自分の言葉が既に人間語なのか猫語なのか分からない。ぐにゃりぐにゃりと手足が歪む。鏡の前に白い猫だった静が倒れていた。
「誰か──!!」
武彦は園内に入れない。園内には犬猫しかいない。まさかこんなピンチに陥るなんて、思いもよらなかった。
「結界で封じちゃえ〜☆」
能天気な、声が、聞こえた。それは人間語なのか犬猫語なのか分からぬまま、見上げた先には。
柴犬に天使の翼を生やした不可思議な生き物が、中空から術を仕掛けるところであった。
●わんにゃん王国
ようやく安定してきた静が体を起こした時には、白い猫の手先が見えていた。
──あれ‥‥?
きょとりと周囲を見渡すと、犬のみなもが心配そうにシュライン猫と美寝子猫を舐めている。そして中空には、摩訶不思議な動物、いや犬? 天使? が。
「園内ごと結界張ったからもう大丈夫!」
断言した。
「にゃにゃ〜‥‥(結局猫の姿のまま安定したのね‥‥)」
尻尾と耳が垂れたシュラインが、始まりの時のように門前でがっくりと肩を落とす。門扉の間から猫じゃらしを差し出され、慣れた猫の爪が叩き落とす。
「なうー‥‥(結構大きな呪いだったみたいですね‥‥)」
自分が自分でなくなるような一瞬を体験した白猫静は、地面に倒れた際に汚れた土を舐めて落としている。そこに手を伸ばした武彦が『お前ホントに雄か?』などと言って引っくり返して遊んでいる。
「くぅ‥‥(それにしても、)」
みなもが呟く。あたし達、元に戻れるんでしょうか? と。
視線が一斉に羽をパタパタさせていた豆柴に集まる。可愛らしくシヴァは小首を傾げて見せた。
「あうん?(さあ? わかんないやー)」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
事態は膠着した。脱出法に頭を抱える美寝子。
「それにしても、犬猫はやっぱいいなぁ〜♪」
なでなでなでなで。
相好を崩した武彦が門に腕をツッコミかいぐりかいぐり犬猫を撫でている。イラッときたシュラインがその腕に爪をめり込ませ、力いっぱい引っ張った。
「ふにゃにゃにゃ〜んっ!(そんなに好きならこっち来たらどうなの!?)」
ぎぎぎぃぃぃ。
門扉が、勢い余って開く。
●後日談
「お疲れ様でした、皆さん」
零が苦笑しながら甘いお菓子と美味しいお茶を差し出した。ちょっと有名な評判洋菓子に、香り高いホットティー。今回依頼を受けて下さった皆さんには、とても感謝していたから。
「ふふっ、結局武彦さんも犬化しちゃったわね」
シュラインの台詞に撃沈している武彦。まさかあんな犬種になってしまうとは思っても居なかったのだ。
「こんな事なら最初から零に頼めば良かった‥‥」
屈辱に震えているのは、ソファスペースで依頼協力者達が写真の焼き増しを相談し合っているからだろう。写真なんて嫌いだ。
「よく考えてみれば簡単な事だったんですよね。零さんの体なら呪いを受けようがない‥‥」
美寝子が複雑そうにしているのは、その道のプロだからだ。ある意味、抜け道的だった事件に屈辱を感じている。
──そう、機械の体なら呪いを受ける事がなかったのだ。
結局、零が園内の遊具を撤去してくれるまで。彼らは、犬猫生活を余技なくされた。しかも、門扉を押し開いて入ってしまった武彦も巻き込んで。
それにしても。
「ぶふっ」
「笑うなあああ!」
シヴァが涙目になって写真を前に噴き出す。みなももいけないいけないと思いつつ、
「くすっ、くすくすくす」
笑った。
記念に、と撮影した零により焼き増し希望に集まった彼らは、もちろん犬猫化した記念写真を受け取りに来ている。ただ、自分だけの分ではなく。
「ちっ、チワワっ」
シュラインまで噴き出してしまい、武彦は顔を真っ赤にして怒鳴った。
「悪かったな! 俺がチワワで──!!」
くりっくりのお目目。猫よりも小さなその体。零に助けられるまで、チワワ武彦はわんにゃん王国のアイドルと化した。
屈辱でしかない武彦に、爆笑するメンバー。その様子を見て。
「この事件をきっかけに、この動物園がもっと良くなったらいいですね‥‥」
静、ほのほのとコメントした。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
5154 / イスターシヴァ・アルティス / 男 / 20 / 教会の助祭
1252 / 海原・みなも / 女 / 13 / 中学生
0086 / シュライン・エマ / 女 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
4696 / 鍋島・美寝子 / 女 / 72 / 土木設計事務所勤務
5566 / 菊坂・静 / 男 / 15 / 高校生、「気狂い屋」
NPC / 草間・武彦 / 男 / 30 / 草間興信所、所長
NPC / 草間・零 / 女 / − / 草間興信所の探偵見習い
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■ ライター通信 ■
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イスターシヴァ・アルティスさま、ご依頼ありがとうございました!
当方の都合ですっかり遅くなってしまい申し訳ありません。シナリオの方は如何でしたでしょうか?
最初の章部分は個人シナリオとなります。どこからでも読めますが、時系列的に
シュラインさん→シヴァさん→美寝子さん→静さん→みなもさん
となります。
今後もOMCにて頑張って参りますので、ご縁がありましたら、またぜひよろしくお願いしますね。
ご依頼ありがとうございました。
OMCライター・べるがーより
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