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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


双子の迷子を捕獲せよ



●依頼人と迷子たち●
「草間興信所はここで合っているか?」
 そう言いながら乱暴に興信所の扉を押し開いたのは、全身黒ずくめ且つサングラスに暑苦しい黒髪長髪という、天気のいい初夏の午後には見たくないような男だった。
「フユ、その態度は依頼しに来た者としては最悪だ。いくら今が夏でイライラしているからと言って、礼儀を欠いてはいけないだろう」
「うるさいぞハル。だったら私を連れてくるな。何をどう考えても私と夏の相性がいいわけないだろう」
「ふ、2人とも仲良くして…」
 黒ずくめの男に続いて入ってきた青い髪の少年が男を嗜め、それらを見ていた最後尾の赤みがかった茶髪の少女が泣きそうになりながら口を挟む。
 一体どういう関係なんだかさっぱりの3人組だ。共通点はといえば同じ意匠らしき銀のネックレスを3人ともしていることぐらいだろうか。
 そのやりとりを見てああまたなんか厄介な依頼が来たような…と、草間武彦はため息をついた。


 そのころ、また別の場所で。
 鏡写しのようにそっくりな、真っ赤な髪を持つ双子の子供が、てくてくと道を歩いていた。
「みんなさがしてるかなぁ?」
「きっとさがしてるねぇ。でもアキちゃんとかハルちゃんはともかく、フユちゃんはユウズウきかないおこりんぼだからあんまりいっしょにいたくないんだよねぇ」
「そうだねぇ。…それよりどこいくの?」
「ナっちゃんいきたいところある?」
「ナっくんは?」
「そうだねぇ、なんか夏っぽいものたべたいきがする」
「夏だもんねぇ」
「夏だからねぇ」
 舌足らずな口調で会話しながら道を行く2人の胸元には、薄い銀のプレート付きネックレスが光っていた。


◆まずは自己紹介、そして情報確認◆
「あら、お久しぶり。それとあなたは初めましてね」
 遠い目をしている草間に代わり三人組に声をかけたのは興信所事務員、シュライン・エマ。
「お久しぶりですっ」
「お久しぶりです、シュラインさん。その節はご迷惑をおかけしました」
「ああ、初めまして。アキが世話になったそうだな。私はフユという」
 少女、少年、男の順で言葉を返すのに笑みを浮かべつつシュラインは男に言う。
「知っていると思うけれど、私はシュライン・エマよ。よろしくね、フユさん」
 春先に出会った少女と少年――アキとハルは面識があるが、黒ずくめの男とはない。相手は恐らく聞いているのだろうが、やはりきちんと自己紹介しておくべきだろう。
「よろしくお願いする」
 口元に笑みを浮かべた男がシュラインに手を差し出して、それを握ろうとしたのだけれど。
 ……すかっ。
 その手が空を切る。
「………」
「……………」
「…………………」
「……実体化も出来なくなったのか、フユ」
「………………………そのようだな」
 呆れたようにハルが言って、フユが不自然に目をそらしつつ返す。
 とりあえず握手は無理らしい。
 もう一度微笑むことで握手に代えて、本題に入る。
「それで、どういった依頼なのかしら」
 促すと、3人は眉尻を下げて顔を見合わせた。
 数秒の沈黙の後、最初に口を開いたのはアキ。
「その、人探しを頼みたいんです。人っていうかわたしたちの仲間なんですけど…ナツっていう名前の双子です。男の子と女の子の」
「外見は…5歳くらいですね。どっちも肩につくくらいの赤い髪です。見分けがつかないくらいそっくりで…これと同じようなネックレスをしています」
 ハルが指し示したのは3人が首から提げている銀のネックレス。以前シュラインが手渡されたものと同じ意匠のものだ。
「服装は?」
「男の方が白いTシャツに青いノースリーブのパーカーで黄の半ズボン、女の方が白いワンピースだ」
 問いに即座に答えたフユに視線を遣り、次の質問。
「見失った場所と時間は?」
「場所はここの側の通りだ。時間は…そうだな、30分経つか経たないかというところか」
「なるほどね。……その子達は普通の子供と同じと考えていいのかしら?」
「……どういう意味だ?」
 怪訝そうに眉をひそめた男に、シュラインは答えた。
「そのままの意味よ。あなた達は『季節が意識を持った存在』、だったわよね?」
「そうだが」
「前ハルくんが来たときのように、普通ではない移動方法も可能なのかなって」
 そう思っただけよ、と言うシュラインに、今度はハルが答えた。
「可能ではあります――けど、恐らくそれはしないでしょう」
「どうして?」
「ナツたちが単独行動を取ったのは、恐らく…いや、確実に『夏』を楽しむためですから」
「『夏』?」
 意味が掴みきれずに首を傾げる。と、フユが淡々と説明した。
「あいつらは『夏』が好きだ。夏に関わる――象徴するようなものに興味を示す」
「ええと……暑さだけじゃなくて、風鈴とかアイスとかカキ氷とか?」
「そうだ」
「浴衣とかも?」
「そうですっ!」
 フユを押しのける勢いでアキが相槌を打つ。どうやら中々口を挟めなくてやきもきしていたらしい。
「そういうものを楽しむためにわざとはぐれたってことなのね。それなら確かに遠くまで行く必要もないし、普通に探せば大丈夫ね、きっと。じゃあ、はぐれた場所から聞き込み開始としましょうか」
 そう言って、シュラインはくるりと方向転換する。依頼人たる3人が来てからずっと沈黙を保っている……そして話が進むごとに眉間の皺を深くしている興信所所長へと。
「ほら、武彦さんも」
 にっこり笑いながら深く刻まれた眉間の皺を撫でる。
「迷子探しはちゃんとした依頼じゃない。一緒に探しましょ」
 ぽむぽむと肩を叩けば、草間は深く深く溜息を吐いた。
「自主迷子のうえ人外ってのが引っかかるが……まあいい。いいが、お前ら依頼料払えるんだろうな?」
 ……確かに興信所の財政はいつでも苦しいけれど、真っ先に問うことがそれなのか。何となく侘しい気持ちになりながらシュラインは成り行きを見守る。
「それは問題ない。こちらでは通貨があるのだろう。知り合いに頼んで換金してもらったからな。これだけあれば足りると聞いたのだが」
 言いながらフユが取り出したのはかなりの厚さの札束。
 そんなに必要ない、と草間もシュラインも思った。


◆珍客?協力者?◆
「やほー草間さーん」
 さて捜索に出かけるかと動き始めた面々の耳に、明るい声が飛び込む。
 一体なんだと視線を出入り口に巡らせば、そこには長身で長い黒髪の女性が。
「藤田……」
 なんだか溜息を吐きつつ草間が彼女の名を呼ぶ。
 彼女の名は藤田あやこ。活力溢れる女子大生である。
「何か大変なことになってるみたいだからお手伝いに来ましたー」
 にこにこ笑って言う彼女に邪気は見当たらない。見当たらないがしかし。
 これまでの経験から碌なことにならないと草間は直感した。
 まあやることは人探しなのだからそこまでひどい被害になるとは思えないが…。
「知り合いか?」
 フユが小声でシュラインに訊ねる。
「ええ……たまに来てお手伝いをしてくれる人の一人よ」
 少々破天荒なところはあるが、協力者には違いない。うん。
「噂によるとお子ちゃまが行方不明とか。というわけで役に立ちそうな友達を連れてきましたー」
 言った瞬間草間は明らかに渋面になった。『友達』とは一体。なんだかものすごく嫌な予感がしないでもない。
「虚無の境界一丁目「巍々羅痲」より召喚したる謎の人外『毎日縁日』さんでーす!」
 なんだそれ、とその場に居た誰もがつっこんだ。
 あやこが指し示したのは――紅白縦縞の屋台の様な格好をした妖怪?だった。
 『虚無の境界一丁目』というのもつっこみどころ満載だが、まずその『毎日縁日』がどのように迷子探しに役に立つと言うのか。
 問えばあやこは自信満々に言った。
「お子ちゃまと言えば当然好奇心旺盛! みんなで興信所をお祭りムード一色に飾り付けして『毎日縁日』が屋台に変身して、迷子2人の顔写真入りチラシを作って『草間興信所の夏祭り』をネットで告知、迷子同伴の方には粗品進呈と但し書きすれば…!」
 キラキラと目を輝かせるあやこ。
 その様をじっと見ていたハルが、ぼそっと呟いた。
「…ナツたちの写真なんてありませんし、確かに好奇心旺盛ですが気まぐれでもあるからそううまくいかないと思います」
「そ、それにここをお祭りムード一色に飾り付けするよりは、探しに出かけた方が早いと思います…」
 続けてアキが至極真っ当な意見を言う。
「やるのは構わないが私たちを巻き込むな。回りくどいことをしている暇はない」
 ばっさりとフユが切り捨てて、興信所から出て行った。さっさと迷子探しを済ませて帰りたいらしい。
 そのあとをちょこちょこアキが追いかけ、のんびりとハルが続く。
 ちょっとあやこを気にしつつもシュラインと草間も迷子捜索に出発する。正規の依頼なのだから放るわけにはいかない。
 そして誰も居なくなった――いや毎日縁日は居たが――興信所の中で。
「ふっふっふ、負けないわよ…」
 一人怪しげに笑むあやこの姿があったとか。


◆第2の協力者…?◆
「あれ、草間さんたちどうしたんですか? 随分大所帯ですけど」
 ぞろぞろと5人で迷子捜索に出かけた通りで、草間たちに声をかける人物が居た。
「千石?」
 それは千石霊祠だった。オカルト好き金持ち家のお坊ちゃまで中学生のネクロマンサーだ。本人は良い子の味方・魔女帽子が目印の「魔法少年レイ」と自称しているが。
 軽い挨拶の後事情を聞いた霊祠は協力を申し出た。
 人探しと言うのは人海戦術が一番なのだからその申し出は草間としては大変有難かったのだが。
 何かを霊祠が呟き、そして呼び出されたのは――。
「……ゆうれい?」
 ひきつった声でアキが呟いた。
 そう、霊祠が喚起したのは友達であるレイス。ただし死霊。
 夏に幽霊とは風流……でもないかも知れないが、まあいい。
 心なしか周囲の気温が低くなったような気もする。
「少し人探しを頼みたいんだ…」
 そうして無言で事の成り行きを見守る5人の前で、霊祠は伝え聞いた双子の外見的特徴と行動傾向をレイスに伝える。
 レイスは快く霊祠の頼みを聞き、単身迷子探しに旅立って行った、のだが。
「赤い髪の双子の子供見ませんでしたか? 銀のネックレスをしている男女の双子らしいんですけど……そうですか、見てませんか。え、手伝ってくれるんですか? 有難うございます、助かります」
 にこやかに双子を見かけなかったか訊ね、相手から協力する旨を告げられて礼を言う。
 それはいいのだ。自然な流れである。
 しかし。
「あれ、明らかに人間じゃないですよね」
「透けてるしな。周り見てみろ、ものすごい怪訝な顔してるぞ」
「霊が見えない人からしたら誰も居ないところに話しかけているようなものですものね。怖いんじゃないかしら」
「なんで訊ねるのが幽霊だけなんでしょう…?」
「死霊術使いだって話だからな……」
 霊祠が話しかける相手は霊ばかり。傍から見たら虚空に話しかける危ない人だ。怪しいし怖い。
 道行く霊に話しかけ、協力してくれる霊を増やしていくせいで、段々と周囲の気温は下がっていっている。数で攻めるのは間違っていないが、その構成が幽霊に偏りすぎである。
「ん?」
 ふとフユが眉間に皺を寄せて唸った。
「どうしたの? フユさん」
 シュラインが訊ねると、難しい顔をしたままフユが答える。
「いや……ナツたちの気配が一瞬したんだが。消えた――いや、逃げた」
「逃げた?」
 聞き返せば、溜息を吐きつつ説明するフユ。
「ああ、どうやら近くに居たようだが……霊の影響で気づかれたらしい。極力気配を消していたらしいな。『移動』するときに気配が漏れ出たから気づけたが」
「つまり今近くには居ないのよね?」
「そういうことだ。辿ることは出来るかもしれないが、位置を厳密に特定は出来ない。…ハルとアキはどうだ?」
 フユが視線をめぐらせてアキとハルを見る。アキはふるふると首を振り、ナツは溜息を吐いた。
「わたしの方がナツには近いけど……辿るの苦手だから、できないよ?」
「気配も読めなかった。俺には無理だ。……年の功だし、フユがやればいいだろう」
「年の功言うな。それだったらナツの方だろう。一枚も二枚も三枚も上手なんだからな」
「…どういうこと?」
 なんだか今の言い方だと季節の中で一番年長者なのがナツになるような…そう思いながらシュラインが問えば。
「私たちの中で一番長く存在しているのはナツなんだ。見た目だけなら一番年下だが――代替わりしてないからな、あいつら」
「その次がフユで、次が俺です。アキが最近に代替わりしたので一番若いことになります」
「代替わりって言うのは意識の芽生えた存在が一度消滅して、もう一度形作られることなんです。長く存在すればするほど力が蓄えられて使い方もうまくなるので、ナっちゃんたちが本気で気づかせないようにしたら気配を読めなくなるんです。だから探すのを依頼したんですけど…」
 ついさっき霊の影響諸々で気づかれて逃げられた、と。
 それがなければ気配すら感じ取れなかったのかもしれないのだから結果オーライ……というわけにもいかないが、まあ過ぎたことだ。
 これからの行動のほうが重要である。
 というわけでシュラインはフユに訊ねた。
「ええと、大体の場所はわかるのよね?」
「ああ、聞き込みしなければならないことには変わりないだろうが――多少は範囲を狭められるだろう。闇雲に探すよりはマシと言ったところか」
「『移動』っていうのは当然普通の移動方法じゃないわよね」
「多少だが空間を跳ぶからな。徒歩で行ってもいいが、その間に移動される可能性が高い。ナツたちが『移動』した場所に出るから、タイムラグがあればその分あっちも移動する」
 つまり迅速に移動・且つ相手に気づかれないように捜索せねばならないと。
 なかなか難しいところだが、せっかく捕まえた糸口を逃すわけにもいかない。
「『移動』、お願いしていいかしら?」
 言葉に、フユは微かに、しかししっかりと頷いた。


◆発見、捕獲?◆
霊祠に霊での捜索を止めてもらい、そしてフユによって『移動』したその先は商店街。
「小さい双子なら印象に残るだろうし、赤い髪なら尚更だと思うの。それに実年齢はともかく、思考回路が子供なら知らない事とか色々人に聞いて歩いてる場合もあるでしょうし、外見伝えて聞き込みすれば何かわかるんじゃないかしら」
 とのシュラインの言で、とりあえず聞き込みを開始。
 そして意外なほどあっけなく情報は入ってきた。
「赤い髪の双子の子供? ああ、それだったらさっき八百屋の方に行ったのを見たよ」
 それを受けてぞろぞろと大所帯で八百屋に向かう。
 なにやら辺りが妙にざわついているような、と思いながら辿り着いたそこに双子の姿はなく、八百屋店主に尋ねてみれば…。
「一足違い……」
「でも居たのは本当についさっきらしいから、すぐに見つかるわよ。付き添いもいるらしいし」
 目に見えて落ち込むフユに慰めの言葉をかけつつ思案する。
 付き添いの一人、話によると商店街からヤクザの撃退を頼まれた黒髪美人、が少々引っかかる。
 もしかしたら……などと思いつつ、店主の情報から探し人たちが進んだ方向へと足を向ける。
 付き添いの一人が浴衣を着ているという話だし、そう時間をかけることなく見つけることができるだろう――果たしてその予想は違えることはなかった。
「ナツ!」
 赤髪の双子を目に入れたフユが名を叫ぶ。
 逃げるかと思われた双子だったが、意外なことにその素振りも見せず振り返った。
「あ、フユちゃん」
「アキちゃんもハルちゃんもいるー」
「知り合いか? 同じ意匠のペンダントをしているようだが」
 双子に問いかけるは、八百屋店主から聞いたときにもしやと思った人物――黒・冥月だった。
「しりあいっていうか、おなじなの」
「かぞく?みたいなかんじ」
「そうか」
 納得したように頷く冥月の横では、浴衣姿の少女と銀髪の少年がしゃがみこんで双子の頭を撫でている。
「会えてよかったですね」
「もう逸れるなよ?」
 実は双子が逃げ回っていたとは露知らず、初瀬日和と羽角悠宇は笑ってそう言う。
 もちろん双子だってそんなことはおくびにも出さない。可愛い外見からは想像もつかない巧みな演技を目の当たりにしたシュラインと草間、霊祠その他はちょっと遠い目をしたのだった。


◆みんなで楽しく◆
「どうせだし、みんなで少し遊ぶのはどうかしら? 時間があればの話だけど」
 というシュラインの提案により、とりあえず皆で興信所へと帰ってきたのだが。
「何だこれ…」
「………………」
 呆然と草間が声を漏らす。シュラインに至っては声もない。
 興信所――そう、確かに興信所だったはずのその場所は、なんというか…やたらと綺羅綺羅しい飾りつけと妙な屋台によって別次元と化していた。
 その中心で満足げに笑むあやこを見れば、彼女がこれをしたことは明白。
「ある意味すごいな」
 ぽつりとハルが呟けば、
「あ、あの、お片づけ手伝いますからっ!」
 アキが後始末を申し出る。
 ちなみにフユは疲れたようにため息をついたのみだった。
 まさか一人であの案を実行するとは。結局のところ双子はもう見つかっているわけなのだが。
 まあ考えていても仕方ない。遊び場だと思えばいい……後片付けのことを考えると頭が痛くなるとはいえ。
 双子は興味深げに屋台(?)に近づき触ったり覗き込んだり。カキ氷の売り子が濡れ髪に青い顔の死装束の女性だったりでなんか不気味極まりない屋台だ。元が妖怪だから当然かも知れない。
「なんだか面白そうですね〜」
 弾む霊祠の声が凍った空気の中でこの上もなく浮いている。普通に不気味だとか思わないのか。…死霊使いゆえに常人とは感覚が違うのだろう。
 一通り屋台を観察し終えたらしい双子がてててと面々の元へと戻ってくる。そして花火――帰路の途中で買ってきた――を持っている悠宇と冥月の手をくいくいと引く。
「はなびしたいー」
「はなびはなびー」
 そしてまあ、皆で――楽しげに射的を始めた霊祠とあやこ、引き込まれたらしいハルとフユを除く――で花火をすることと相成ったのだった。

「綺麗ね…」
 線香花火を見つめながらシュラインが呟く。
「……そうだな」
 ぼそりと草間が返す。
「たまにはこういうのもいいかも知れないわね」
「…花火だけな。他はごめんだ」
 ぼやく草間にこっそり笑いつつ、闇夜に咲く小さな花を楽しむシュラインだった。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0086/シュライン・エマ(しゅらいん・えま)/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】

【7061/藤田・あやこ(ふじた・あやこ)/女性/24歳/女子大生】

【7086/千石・霊祠(せんごく・れいし)/男性/13歳/中学生】


【2778/黒・冥月(ヘイ・ミンユェ)/女性/20歳/元暗殺者・現アルバイト探偵&用心棒】

【3524/初瀬・日和(はつせ・ひより)/女性/16歳/高校生】

【3525/羽角・悠宇(はすみ・ゆう)/男性/16歳/高校生】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、シュライン様。ライターの遊月です。
 「双子の迷子を捕獲せよ」にご参加くださりありがとうございました。毎度ありがとうございます…!
 お届けがものすごく遅くなりまして申し訳ありません…。

 前半(導入部?)ではちょっと出来るお姉さんな感じを出したかったのですが…失敗…?
 むしろシュラインさんの頭のキレにライターがついていけてない気も…。
 全体通して、三人組からの情報収集とそのまとめ的なことを担当していただきました。
 一部プレイングを反映できませんでしたが、その分楽しんでいただけるものになっていることを願います。

 ご満足いただける作品に仕上がっているとよいのですが…。
 リテイクその他はご遠慮なく。
 それでは、本当にありがとうございました。