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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


天使か悪魔か
あたし、海原みなもは地元の中学に通っている。
そしてそこで毎年戦争が起こる。

仲間作り戦争だ。

その戦争は入学式にはもう始まってて、もう既にいくつかグループができていたりする。
一体どうしてそうすぐに打ち解けられるのか。
あたしも必死にグループに入ろうとするが、あたしはどこにも入れなかった…。

それを見計らったように、クラスで一番強いグループ3人がいじめをしてきた。
ぞうきん汁を飲まされたり、トイレに閉じ込められたり…。
書くときりがないくらい。

そのことを水泳部の同級生に話をすると、

「昼休みくらいウチで弁当食べれば?
 そしたら危険が少し減るでしょ」

そういうことで、部員の協力で部室で一緒にお弁当を食べることに。

* * *

「プールの水はつまらないわ」

ぼそっとあたしは口にした。

「塩素も多い。塩素は肌荒れの元」

続けて、

「ねぇ、新しい水の研究にふさわしい場所ってない?」

しばらくシーンとしていたけど、

「あるよ」

という声が聞こえた。
なかなか見かけないのか、顔の知らない女の子だった。
幽霊部員かな?と思ったけど、その子に教えてもらうことにした。

* * *

「あ〜〜足元もおぼつかない山道ね」

あたしはその女生徒が教えてくれた場所を地図を頼りに歩いてきた。
もうすぐ地図上では池があるんだけどな。
霧もすごくて前が見えない。

しばらく歩いたところ…
でもその先に確かに池が存在していた!快挙!

でも、一見何の変哲もない池にしか見えない。
でも何かあるらしい。

そう。

ここは呪いの泉と言われている。
ここに来た者には良いことは起こらない。
一応部員の子にも止められたが、
あたしは好奇心に負けて来てしまった。

池の水を実験用に使おうと水を専門容器に移そうとすると…

それは突然のことだった。
池の水が勝手に動き出し、あたしを飲み込んでしまったのだ。

真っ暗闇の水の中。息が苦しい。
このまま死んでしまうわけにはいかなかったので、あたしは人魚の姿になる。
そして息苦しさは治まった。
けれど、この池の最深部に流されてるような力があり、
上には上がれそうもない。

そんな中、一人の女性が見えてきた。
緑色の髪が長い、妖艶な女性。

あぁ、まぼろしかな?

いや現実であった。

「私の名前は巫浄霧絵。この池で迷っているものに選択肢を与えているものよ」
「選択…?」

あたしは何のことかわからなかった。

「ここで問うわ。あなたは天使として生きるか?
 それとも悪魔として生きるか?
 どちらかを選ばないとあなたはここで死ぬわ」

あたしは迷った。

『みなもっていい人だよねー』
『冗談も通じないなんて、つまらなーい』
『みなもは気が弱くて優しすぎるからいじめられるんだよ』

いい人っていい事?
結局得をしているのは心が汚い人?

「決まった?」

霧絵は言った。

「はい。決めました」

* * *

あたしは気がついたら家のベッドで眠っていた。
あれは夢だったのだろうか?
今のところ何も変わりない。
性格も見た目も特別悪人になった様子も感じられない。

とりあえず学校に行くことにした。

教室に着くと、あたしのイスと机がなくなっていた。
どこにあるんだろう?
教室は3階。ふと窓の下をのぞいてみると
ぐちゃぐちゃになったあたしの机とイスがなかった。

これでは授業ができないじゃないか。

そこでどくんっと胸が高まった。
あぁ、神経やられて心臓にきたのかな?と思っていた。

「海原にはミカン箱の机がお似合いじゃーん」
「イスもいらないしね」

いじめグループの子達がそう言って笑っていた。

学校が終わった後、母に買い物の用事を言いつけられていた。

「まず刃物屋さんで包丁を受け取って、それからドラッグストアで
 お母さんのいつものファンデーションを買ってきて」

まず刃物屋さんで包丁を受け取って、ドラッグストアへと向かった。
入った途端にまた心臓がどくんとした。
気のせいだ、気のせいなんだと思い、母のファンデーションを手にした後、
無意識に自分のバッグに入れた。

誰にも見られてないだろうか?
最近万引きGメンとかいるみたいだし。

結局、万引きは無事終了した。
不思議だった。あたしに罪の意識がなくなっているのが。

「ただいまー」
「おかえり。早かったじゃないの」
「うん。部活とかあんまり出てないしね」
「お母さんの頼んでいたもの、渡してくれるかな?」
「うん。いいよ」

そう言ってファンデーションだけ渡した。

「包丁は?」

また心臓がどくんとした。

「ごめん。忘れてた。今度買ってくるね」

歯車がどんどん壊れていく。何かがおかしくなっていく。
もう取り返しがつかないのかもしれない。

* * *

次の日の朝、いじめっこグループの一人に出会う。
青白い顔をしたいじめっこの一人。

『一人ジャ何モデキナイクセニ』

私はにっこりと笑い、そこでその子の心臓を突き刺した。

「あと二人ね…ふふふ」

学校には普通に入れた。血のついてない制服に着替えたから。
そしてあたしは、いじめ現場である女子トイレに忍び込んだ。

「海原よ。二人が来るのを待っていたわ」
「あら。あんたからここに来るのなんて、めずらし〜い」

もうみなもは昔のみなもじゃなかった。
頭にはツノが生え、悪魔の翼を背中につけ、目つきも悪魔と瓜二つだ。

先制攻撃で子分の女を包丁で刺す。
続いてリーダーをやろうとするが、身をかわされてしまった。
そこにあったホウキであたしを叩いたけれど、悪魔になったあたしには
そんなものは無力だった。

「リーダーの岬さん。あたしがされたこと覚えてる?」
「…」
「いじめられた人はね…」

「一生を台無しにされるんだよ!!」

叫んだあたしはリーダーの心臓を包丁で刺していた。

* * *


「臨時ニュースです。○○中学校の生徒3人が惨殺されました。
 犯人はまだ逃亡中。おそらくいじめにあっていて行方不明の
 海原みなもだと思われ、警視庁では捜索をしています」

そんなニュースを聞いた時、空を見上げると森に帰って行く悪魔の姿が見えた。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【1256 / 海原みなも / 女 / 13歳 / 中学生】
【NPC /  巫浄・霧絵/  女/  不明/虚無の境界主】


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■         ライター通信          ■
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こんにちは。真咲翼です。
PCさんは優しくていい子なのに、私なりの悪魔の
書き方で、根っからの悪魔にして大丈夫かな?
と心配ではあります。でも彼女はきっと
縛られることから開放されて、今日も空を飛んでいるでしょう。