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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


加登岬の遺産 迷宮案内編 足取り……


「で、どこを探せばいいのだ?」
 草間武彦は、零に変装している、加登岬澪に尋ねた。
「向こうからの連絡がないと、私もどうすればいいかわからないです。従兄の心当たりの場所に向かうというのは?」
「ああ、それをするのはもっともいいな。ほかにもあるが。どこで消えたのさえわかればな。」
 と、まだ応接室で従兄篤志の捜索計画を立てている。
 前もってネットや警察など調べている答えがでれば、更に絞れるかもしれない。
 しかし、そう易々出かけるわけにも行かない。
 命がねらわれている。
 様々な疑問を、遺書は残している。

 ――なぜ? かわいがっている孫たちを苦しめる内容の遺書なのか?

 まだ、若く大人としての権利が殆どない澪にとって、法律というのはよくわからないものだ。
 知識的に覚えていることと理解とは違う。
 助手たちが、なんとか手がかりをつかめるか。それが鍵を握っている。
 草間は紫煙を眺め、次の一手を考えていた。


 一方、零とすれば、加登岬家の館で掃除をしては、メイドや執事に色々言われている。
「お嬢様がそう言うことなされては!」
「いえ、落ち着かないものですから……。だめですか?」
「ええ、お洋服が汚れてしまいます! お嬢様は、あちらのテラスでお茶……。」
「では作業着に着替えれば!」
「いけません!」
 と、ある意味困った状態かと。
 まさか、お嬢様間が掃除すると思わなかった(私室以外)。
 零も退屈する。外でガードに固められてはいないが、付き人もいるわけで、一緒に潜入している“友人”とのやりとりもままならない。
 ―― 見落としてないかなー?
 零にも掃除をする理由はある、まあ、こうやって、“友人”が好き勝手(?)捜索できる好機を与えているわけだ。
 まあ、作業着というのは“首の印が見えないように”しなくてはいけないが。

 情報をあつめ、それを整理し、解決しなければならないのだ。


〈行動開始〉 「まずはわかるところから教えてくれないかしら。」
「はい。」
 シュライン・エマが、手帳とペンを持って、澪に尋ねた。
 まだ、全員が集まっているときに確認する。
 澪が言うには、篤志の事は以下の通りだ。

 桑波 篤志 男 27 
 桑波家について:加登岬分家。かなり昔にいろいろな都合上、都会に向かったために、この家は都会に移住。考え方の違いから、古い考えを持つ本家とは実際仲が悪い。しかし、祖父は大人達には厳しく当たっていたが、孫には優しいので、彼は例外的らしい。
 職業:加登岬財閥関係の会社の幹部候補としてがんばっていた。一族も都会側になると、時の流れに順応してそこそこの業績を上げている会社。
 住所は、東京都内、交通の便はよいらしい。
 家族構成:両親他界。ほかの分家筋もあまり関わりを持たない。住所は知っている。

「ふむ、見た目では、本家と分家が仲悪いというのはよくあることだけど。」
 シュラインは、どうもこの辺で引っかかる。
「確かにおかしいですね。それ以外では平穏無事なのに。」
「相続問題になれば、ガラリと変わりますけどね。」
 宮小路皇騎と皇茉夕良も言った。
「ほかにわかる事……、えっと。そうだ、おじいさんと篤志さん、貴女でよく遊びに行った旅行先などある? 思い出話なども聴きたいわね。」
「はい、色々ありますが。」
「それは追々、聴いていきますか。」
 零を訓練する時間などもあるし、捜索隊の下準備と平行していく。
 色々話をしている間に、シュラインと茉夕良はなにか、彼女が“隠している”事に気が付くが、それをいきなり出すことは難しかった。命を狙われている以外に、何か……。女の勘である。
「何かあるわね。」
「ですね。」
「そうそう、地方記者に遺産相続関係を追っている記者さんを当たってみて伝えて貰おうかしら?」
「うーん、何かつかんでいるかもしれませんし。やってみましょう。」
 そして、数日が過ぎての行動開始だった。


〈館の生活〉
 大きな洋館に、よくある中庭やテラスが備わっている豪邸。零は心の中で驚くのだが、ポーカーフェイスにつとめた。隣を歩く、皇に宮小路はその程度たいしたことではない。
(裕福階層は何かずるいです。いつもこんな住まいを持っているなんて。)
(いや、その、まあ……。)
(私の両親は飛び回っているから、それほど大きい家は持ってないわ?)
(それでも、興信所のビル敷地の5倍はあるんじゃ? 贅沢は敵ですよ。)
 零が皇騎や皇に念話する。
 大広間には一族が鎮座していた。直系と3分家ほど。そして、少し雰囲気が違う人物が一人。中肉中背の三十路半ばで、キリリとしているが、目が何か違う。
 ――あれって、確か澪さんが前に言っていた。
 ――加登岬一族と親しい、沖野崎では?
 と、皇騎と茉夕良は彼を見た。
 さすが、逃げたから親に怒られて、分家の党首に怒られて、心配されて泣く母親もいるわけだが。
「澪! 心配したのですよ!」
「申し訳ありません。お父様。」
「貴女は頭首に就く身。身をわきまえないといけない。」
「全くです。」
 分家筋もそろって言う。
 皇騎も茉夕良も、そして零も、この一族が内心何を考えているかわからない、上辺だけではと思うほどである。
 ――そりゃ、逃げるよね。
 茉夕良は心の中でため息をつく。
「おじさま方、もう、良いじゃないですか。澪さんは反省されていますし、ご友人の前では何かと……。」
 と、先ほどの30半ば男が立ち上がって制止させた。
「淳二さん……。あなたが言うなら仕方ありませんね。」
 彼の言葉で親族は押し黙った。
 (ええ!)
「澪さん心配しました。ここは窮屈ですし、お外に出たいというのはわかります。そのときは是非私に声をかけてくだされば……。」
「……。」
 沈黙する零。
 澪は何か大事なことを言わなかった?
 皇騎が見るに当たり、
(ヤバイか、こりゃフィアンセって筋かも! 敏腕弁護士の位置ではないようだ!)
(どうする?)
 澪は隠し事をしていた。フィアンセが居たなんて!
 親族会議はそこで終わり、
「お見苦しいところ見せて、申し訳ありません。東京の方々。ゆっくりと客室にてお休みください。夕食時には10分前に呼びますので。」
 と、澪の母親由嘉里が皇騎と茉夕良に言って、メイド達に案内させたのであった。


〈板挟みと……〉
 皇茉夕良は、先に現地入りしていた。ちょうど、隣町でのコンサートが開かれる話を聞いたので、それを利用して除法をつなぐための手段を考えていた。
 だが……。
「え、えっと……。どうしよう。」
 よりによって、親と再会するとはなんて事だと頭を抱えた。
 彼女は、実は勝手に許嫁を決めつけられた。それが嫌だったので家出した。こういう風な仕事に関わるのは、バイト代を稼ぐため。神秘系統でも、IO2なり、草間なりで多少の金は、と思っていた。しかし、ここに来て、個人的に事と板挟み状態になった。いっそのこと逃げたいのだが、逃げられない。探偵助手としての規約違反になるわけで。
「こんな田舎町でお母さんとお父さんが来るなんて。はぁ。」
 金持ちの憂鬱。予想外の登場。
 この際、喧嘩してしまうと計画がおじゃんになりそうだし。親からは、
「このコンサートが終われば、家出したことや、今後のことを話しましょう。」
 釘を刺されていたのであった。
「フィアンセはいい人よ。見た目だけで判断しないように。」
 と、決まり文句。
 更に、澪との共感する、茉夕良であった。
 ――澪さんとメアド交換しよう。うん。
 この際、事件とコンサートの後に大げんかしてやるという意気込みで。
 隠しておきたい秘密もある。なので、許すことにする。自分だって、フィアンセが嫌で逃げている口なのだから。問題からさっぴいても問題だが許すことに決めたのであった。


〈皇騎は家の中で〉
 ガードマンがたくさん居る中、零から離れてしまうことが多い。もっとも沖野崎淳二がくっついていると手出しは厳しい。友人とフィアンセの“越えられない壁”がある。その間に、皇騎にしても皇にしても、行動選択は広くなっていた。実際“零”が“澪”として、結構上手く演じているところは、よく見かけているし、前もってのマナー訓練も成果がでている。
 案内されて客室にも、無線LANが届いており、接続設定も許可された。しかし、あくまでネットのみだ。大きな個人PCまで入る権限はない(同期していない)。
「都会の人はネットに頼って生きていると言いますから、しかたありませんか。」
 と、館の人は言う。
 それも事実。
 しかし、皇騎にネット環境を与えたことは、かなり進展が見込めるのであった。
「さすがに、本サーバは攻略難しいですね。」
 こんな所にコンピュータの達人がアイストラップやファイアウォールなどを巧妙に仕掛けているとは、と皇騎は、掌握に時間がかかっていた。それ以外では、簡単な通販、ネットサーフィンなどはできるし、メールの交換は暗号化できそうだ。手分けしてやろうと、背伸びをして一度零に会いに行けるか、部屋を出た。


〈館編〉
 そのあと、茉夕良はコンサートの話を持ちかけて、親族あたりに少し人気が出ている。サービスにバイオリンを弾いてみて、少しだけ上流階級のお世話をした後、コンサートの打ち合わせと言うことで外に出る。皇騎はその間に、零が何をしているか見ていると、部屋お掃除をやっていた。
「何して居るんですか?」
 皇騎は首をかしげていた。
「散らかっているからです。というより、篤志さんの」
 たしかに、数日放置でかなり散らかるだろうが、普通メイドなどがするだろ? と思う皇騎だが、零からすればそれがまだだった模様。
「というのは建前で、篤志さんの思い出の品を探して居るんです。色々屁理屈を言って、沖野崎さんは退席願いましたし。」
「なるほど。」
 さすが、探偵手伝い。感心する皇騎であった。

 そこで、3人は情報を照らし合わせる。
 零が澪の部屋で見つけたアルバムや、日記などで、篤志と祖父の思い出を感じ取る中で、重要な情報を探し、茉夕良が外で聞き込み、皇騎がネットと館内で
「フィアンセが居ること、そして、篤志さんに関してはまるで禁句かのように、口を閉ざすわ。」
「うーん。村独特の距離がありますね。」
「私はあきらめないから。何回か外に出て、聞き込み続けるし、こっちの部屋は空けるね。」
「了解しました。」
「ま、数日後には私はこっちにいられないかも……。」
「?」
 零と皇騎は首をかしげる。
「親と喧嘩しそうな勢いなの。こっちもフィアンセ問題があってね。」
 茉夕良は苦笑まじりのため息をついた。
「それは、お互い困りましたね。喧嘩はほどほどにした方が良いですよ。大事な家族なのですから」
 皇騎も苦笑した。


〈シュラインさんびっくり〉
 定期連絡の第一メールが来る。
 シュラインはそれを読んで、ため息混じりに澪を見た。
「澪さん、大事なこと言い忘れてない?」
「え?」
「フィアンセのこと。」
「あ、それはーそのー。」
 と、澪はあさっての方向を見て、言い訳を考えていたが。
「ごめんなさい。」
 すぐに素直に謝った。
「まあ、早めにわかって良かったわ。で、沖野崎淳二……。どんな人?」
「見た目はかっこいいけど、あまり良くない人です。」
 と、思い出しただけで怒り心頭のご様子だ。
 どうも噂ではあくどい仕事をしているのではないか、と。政治家の息子とか言われているのはたしかだが……。
「勝手に決められて私は、私は自由なんて無いなって!」
「まさかそれが嫌で逃げたのか? 本当の話?」
 草間が猫を抱きながら、澪に追い打ちするが、
「それもありますが、彼も又信用できません。」
 澪はきっぱり答えた。
「ところで、フィアンセが決まったのはいつ頃?」
「……祖父が亡くなる数日前かと思います。その後に、篤志さんが……。」
「……おい。」
「何かあるかしら?」
 シュラインは急いで、フィアンセについての情報や新しい情報を求める返信を出し。
「きな臭くないかしら? でも、早急な気もする。」
 草間は紫煙を眺める。
「データもそろっているし。出かけましょう!」
 シュラインは鞄を草間に放り投げる。草間は上手くキャッチした。
「ああ、大事な妹が訳のわからん野郎に……。」
 と、言いたげだったが途中でやめる草間だった。


〈思い出の場所には……〉
 思い出の先は、もうすぐ海開きされる海水浴場より少し離れた海岸だった。散歩するにはちょうど良い砂浜で、民家や防波堤のシルエットが落ち着いた雰囲気を感じさせる。また、砂浜には小舟が上げられていた。
「海が好きだったんです。」
 澪が周りを歩きながら言う。
 心当たりの場所を探すのだが、これといった大きな収穫はない。
 何時居なくなったかも、祖父の死去前後と曖昧だった情報しか入ってこなかった。
「ここに何か手がかりがあればいいのだが。」
「そうね。何か思い出せない?」
 草間とシュラインが澪に尋ねる。
「たしか、おじいさんと篤志お兄さんが言った言葉……。なにか、あったような。」
 この場所で必死に思い出す、澪。
 しかし、シュラインと草間は何かの気配を感じた。
 草間は勘、シュラインは音。
「何か狙っている! 近くの小舟に隠れろ。」
 三人は身を隠す。
 かなり向こうの方で、やくざな身なりの男達が、うろうろしていた。しかし一人、派手スーツを着た男が居る。雰囲気として、ヤバイ相手だと確信できる。
 何かしゃべっているようだ。
「シュライン聞こえるか?」
「ちょっと待って。」
 シュラインは聴力を集中する。

 ――ここが、ご隠居がお気に入りだった場所か?
 ――そのようです。お気に入りの孫を連れて遊ぶこともしばしばあったようです。
 ――なんで、ご隠居があんなガキ二人だけになあ。
 ――坊ちゃんも、無理がありますよ……
 ――うまく……できれば……けるっていうが、……いけるんかね?
 ――それと、……男ってどうなった?
 ――知らないです。

「やっぱり、澪さんに関連する事みたいね。これ以上聞き取れなかったわ。」
「いま、あれに訊くのは危険だな。」
 ずっと隠れ、その男グループが消えるのを待った。
 相手の気配が無くなると草間は立ち上がる。
「私利私欲に動いていることは確かだな。」
 タバコを取り出そうとしたが、
「海にポイ捨てはダメよ。」
 と、止められたので、草間は渋々元に戻す。
「ああ、愛煙家が気持ちよく吸える場所が無くなる! っと、叫ぶ前に、あいつら、どこの者なんだろな?」
「澪さんわかる?」
 シュラインが尋ねると、澪は首を振る。
 シュラインは考えた、まず、沖野崎か、別の分家に通じる組織ではないだろうか? 何故ここに来ているのか? 聞き取れる範囲で推測するに男とは、篤志氏のことか。しかし、会話の流れでは、あの連中が、篤志氏に危害を加えたようには見えない。
 向こうの何か決定的な何かをつかみたいのだろうか?
 まだ謎は深まるばかりである。

 この思い出の場所で聞き込みを、始めることにする。
 シュライン達は居酒屋や、様々な人に、写真を見せては歩き回った。
 もとが、田舎のような場所なのですぐ見分けが付くはずだと。
 しかし、さすがに空腹に負ける。
「どこか宿で泊まりましょう。」
「だな。」
「祖父が知っている宿に向かうのも良いですが……。」
「その方が良いのかしら? 危ないよね?」
「ああ、何か張り込んでいるかもしれない。秘密の場所として知られていないとも限らないからな。」
 草間はうなりながら考える。
「情報収集のためには入ることは必要だけど……。」
 しかし、澪は零に変装して館に居るという設定なのだ。それにあの、怪しい一団との接触は避けるべきではない。何時しかかち合うのだ。
「ああ、零さんとしている訳です。あまりこそこそしていても、ストレスになってしまいます。」
 と、澪が言う。
 シュラインが、時計を見る。もうチェックインなどは難しい時間でもある。
「はあ。澪さんが言うなら……。今の時間で宿が居ている場しょってないでしょう……。」
 その場所に向かうのであった。

「ああ、澪さん。お久しぶりです。今回は大変でしたね。でも、館にいたのでは? 逃げてきたのですか?」
 零の格好をしていても、親しくしていた女将は、正体を気づき、草間もシュラインも手厚くもてなしてくれた。
「完璧な変装だったんだけどなぁ……。わかる人にはわかるのか。」
「ここの女将さんは、信用できそうね。訊いてみましょ。」
「ああ、そうしよう。」
 と、この地域と事件の話をかいつまみ女将に話すのであった。

 そのあと、シュラインは草間に言う。
「この事件を追っている、新聞記者を捜すわ。いいでしょ?」
「ああ、何か知ってそうだ。」
 シュラインは皇騎に、そう言う手はずを取る時に手伝って貰う連絡を入れた。


〈館周り〉
 さて、皇騎と茉夕良は、内と外で情報を集める。沖野崎家については、よくわかった。
「何という、腐った政治家の息子なんだろ。まだ噂の域はでないが、麻薬組織にも絡んでいるのか?」
 と、皇騎は憤慨していた。
 証拠がなかなかつかめない。
 驚くべきなのは、加登岬家のサーバの厳重さであった。完全な“ダイブ”をすればまず自分の精神が崩壊して危険だと判断する。
「世の中上には上が居る。」
 それでも何とか、アイスを解除し、壁をすりくけて手に入れる。何かを手に入れるまで。
「しかし、全財産というのは何だろう?」
 確かに登記簿などは公開閲覧できるレベルで、確かに大きい。何か抜けているのではと思うのだ。

 そして、メイドなり執事なりに聞き込みをする皇騎は、数日のうちにとけ込み、メイドから人気が出ていた。
「篤志様のこと あの人は良い方ですけど、祖父を殺したのは彼とか! そんなことはありません!」
「本当はこんな事は言いたくないのですが、篤志様と沖野崎様が大げんかされたことが数ヶ月前にありまして。」
 と、仲の悪さがわかっていた。
「殺して消えたか、沖野崎に拉致されてしまったか……? どっちだろうか?」

 皇は、町や村の中で、世間話過ぎの人と接触し、井戸端会議に参加した。最初は変な目で見られていたが、彼女が近く講演会があることを言うと、少し心を許してくれた。
「そうそう、お嬢さん。近々、ここの娘さんと沖野崎っていうぼんくらが……。」
 と、言う情報が入る。
「篤志さん、どこに行ったんだろうねぇ。澪ちゃんがかわいそうだよ。仲の良い兄妹なのにねぇ。」
「篤志さんて、どんなかた?」
「そりゃもう、良い青年でさぁ。」
「沖野崎って、最悪な権力と金の亡者さ。」
 と、地元の比較的口の軽いおばさま達は色々噂を言い合っていた。
 とかく、篤志と沖野崎とは仲が悪いと言うことは確かだったようだし、沖野崎が評判悪い存在だとわかった。


〈意外な事〉
 そして、ネットと、シュラインがこっそり新聞記者に尋ねていたことで、驚くべき話が舞い込んだ。
「「遺書は二つ?!」」
 
 謎は深まるばかりであった。



緊急収集編へ


■登場人物■
【0086 シュライン・エマ 26 女 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【0461 宮小路・皇騎 20 男 大学生・財閥御曹司】
【4788 皇・茉夕良 16 女 ヴィルトゥオーソ・ヴァイオリニスト】

■ライター通信■
 滝照直樹です。
 こんにちは、もしくはこんばんは。
 迷宮案内編は如何でしたでしょうか?
 推理ものというのはどこで情報を出して、どこを隠すかの微妙なバランスが難しいと思って書いていました。いや、かなり難しいですねぇ。いつも戦闘系とかのやっていた私でした。
 現在はこれだけの情報と重要なのは、遺書が二つあったこと。篤志の行方不明の真実は数通りある模様。などです。
 皆さんには、てきぱき行動して、色々やってもらいました。
 シュラインさんは、色々自由に行動できるかもしれませんので色々考えてみる感じに、
 皇騎さんにも強大な壁、ネットダイブで電子世界と戦いが待っていそうな感じに、
 皇さんには、ちょっと、設定にあるように家庭的問題も重ねてみましたが、如何でしたでしょうか?

 では、3話「緊急収集」でお会いしましょう。

滝照直樹
20070718