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<東京怪談・PCゲームノベル>


怪奇連続殺人事件

「はい、もしもし」

新人刑事が電話を取った。

「はい!すぐ行きます」

刑事はすぐパトカーに乗り込んでアクセルを踏みこみ、
発進させた。

「場所は神社の前の道路か。
 ちくしょう!前の事件の時もあの場所だったじゃねーか」

新人刑事はとにかく現場へと急いだ。

「この死体はなんだ…」

なにやら強く頭を打たれているようだが、血などはまったく付着しなく、
死因がよくわからないのだ。

「鑑識にまわせ」

鑑識にまわしたものの、それでも死因はわからなかった。
血痕の一つさえもついていないのだ。
この犠牲者はどうやって殺されたのだろうか……。
そうして明日もあの道に死体が転がっていくのだろう。

次の日。新聞にその事件のことが出た。

「また殺人事件が起こったらしいよ」
「もうあそこの神社の前は通れないよね」

こんな話をそれとなく聞いていた少女がいた。
吉良原・吉奈(きらはら・よしな)若干男の子っぽいが、立派な女子高生である。
本を読みながらも、そういうオカルト話には弱かった。

すると教室に明るい声が飛んだ。

「みんなーおはよっ」

「SHIZUKU?あのオカルトアイドルの??」
「その通り。ちょっと仕事とか入ってて来れなかったけど、そろそろ単位がヤバイというか」

SHIZUKUは一通り教室の中を見渡し、ある人物のところへ行った。

「吉奈ちゃん、おはよー」
「おはようございます。SHIZUKU先輩。お久しぶりですね」
「あれ?そうだったかな?」
「まぁSHIZUKU先輩には芸能活動もありますしね」
「でね、お願いがあるの。放課後部室に来てくれない?」
「……いいですよ」

吉奈は嫌な予感がしたが、先輩の頼みごとには断れなかった。

やがてあっという間に放課後になり、吉奈は部室で本を読みながら待っていた。

「あれ、さびしいなぁ。吉奈ちゃんしかいないじゃない」

SHIZUKUは吉奈のいる部室に入ってきた。夕暮れの光を受けながら、
顔が逆光によってどんな表情をしているのかわかりにくい。

「一人で本読んでてさびしくない?」

とたずねたが、
「本はもう私の一部だから」

しばらく間があいた。この瞬間が学生にとって、避けて通ろうとする恐ろしい瞬間でもある。

「吉奈ちゃん。ちょっと相談があるんだ」
「内容によっては断りますよ」
「いきなりそんな態度とらないでよ〜怪奇事件のことなんだけどね」

その一言を聞いて吉奈の顔つきが変わった。
そしてSHIZUKUのは吉奈の傍に来てこう言った。

死因が不透明な死体が毎日のようにに転がされる。
そこには神社に入るための通り道であることから、
神社の呪いと考える人もいる。

「名づけて『死体ロード』って呼ばれてるよ。
 ぜひ我ら怪奇探検クラブで解決しようじゃありませんか」

吉奈は外をみながらため息をついて、
「はぁ…まあ、先輩の頼みとくれば」
「やった!手伝ってくれるんだ〜」
「でも一つだけ約束してください。SHIZUKUさんは単独で行動しないでくださいね」
「はーい」

「まず一番考えられるのは、死体をそこまで運んだってことよね。
 それとも狂気に満ちた人間が、そこを通る人を片っ端から殺しているか」

SHIZUKUがそう言うので、吉奈は矛盾点を突きつけた。

「一番目なら納得ですが、二つ目は殺した様子を隠すのは難しいですよ」

「じゃあ厄種かな?」

ここで話し合っても何も解決しないので、今日はこのまま帰ることにした。

SHIZUKUは真面目に自宅に戻るようだが、吉奈はより道をすることにした。
吉奈の見たいところは殺人ロードとそこにある神社だ。

神社にはまるで人の気配もなく、おみくじやお守りを売っている巫女さんも
お祓いをしてくれる神主さんもいない様子だ。

そんなさびれた神社の景色をみたあと、張り込みをすることにした。
夕暮れ時の現場。神社に続く階段に腰掛け、隠し能力を発動させて静かに犯人を待つ。

「ぱっと見は普通のアスファルトの道で、車一台なら通れそう……ってとこか」

更に付け加えると街灯の数が少なく、夜一人で帰るには怖い場所である。
現に誰一人として人がいない。

「現地で殺される説はないな。人っ子一人通らないんじゃ殺しようがない」

やがて夕日は落ち、外は真っ暗になった。吉奈もここでじっとはりついている。
しばらくすると、大きな荷物を持ったおじさんがやってきたので、神社の階段から
軽やかにあいさつしてみた。

「こんばんわー。こんなとこでも夜に通るんですね」

声をかけられた張本人は本性をあらわし、

「お前も同じ目にあわせてやる!!」

と神社の方へ向かってきた。すると最初からし階段にしかけられていた
爆弾で犯人の足は吹き飛んでしまった。
いつもとちがう吉奈の殺気だった表情で犯人に近づく。

「恨みはありませんがね、この街に殺人鬼は二人も要らないんですよ……」

そう言って犯人を跡形もなく吹き飛ばした。

犯人の持っている荷物には案の定死体が入っていた。
関節の動きを無視したその収納の仕方は一種の恐怖を覚える。

「これも消しておきましょうか」

吉奈は能力使って死体さえも粉々にした。


ここはSHIZUKUの家。今日は学校に行く日ではなく、仕事の日なんでわりとのんびりしていた。
そんな中、ニュースが流れた。

「殺人の犯人と言われている坊田充輝(ボウダ・ミツテル)容疑者と
 その被害者と思われる竜下レイ(タツシタ・レイ)の2名が行方を
 くらませました。なにか情報が入りしだい、お伝えします」

「何も証拠なんて出ないと思うけどなぁ。きっと吉奈ちゃんが何かしたんだから」





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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【3704 / 吉良原・吉奈 / 女 / 15歳 / 学生】
【NPC / SHIZUKU / 女 / 17歳 / 学生兼オカルトアイドル】


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■         ライター通信          ■
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こんにちは。ライターの真咲です。普段は何気なくオリジナル要素を
入れて納品するのですが、今回はお客様のイメージを壊さないように気遣いました。
実践できているといいのですが……。ご依頼ありがとうございます!