 |
「SHIZUKUと逝こう！夢ぐり心霊ツアー」
投稿者：番組スタッフ 高林
件名：温泉番組の件について
本文：SHIZUKUさま
いつもお世話になっております。アシスタントディレクターの高林です。
今回の番組ですが「心霊スポット」と「温泉」という
斬新な企画でいきたいと思います。
「行こう」と「逝こう」、「湯めぐり」と「夢ぐり」とスタッフ一同、
知恵を絞りこのタイトルにいたしました！！
SHIZUKU様にも気に入っていただけると有難いです。
また今回の趣旨としまして、
「SHIZUKU様のファンの方々と共に行くツアー」となっておりますが、
ファンの方々だけでは落ち着かないと思いますので、
どうぞお友達もお誘いあわせの上お越しください。
こちらとしては、温泉旅館を貸切にしてありますので
何人でも大丈夫です（笑）
それでは当日よろしくお願いします。
「夢ぐりツアー」アシスタントディレクター 高林 森男
＊＊＊＊＊＊＊
「わすれてた！！来週の土日撮影だった！！」
思わず大きな声を漏らすSHIZUKU。
「大丈夫ですか？」
心配そうな顔でヒミコがSHIZUKUを見ていた。
「誰か一緒にツアーにいってくれるかなぁ？？」
そう言いながらヒミコをチラッとみるSHIZUKU。
「えっ？私…ですか？？」
「当たり前だよ。一緒に行くよ！！ねっ」
「は…はい（笑）行きます！！」
「よ〜し。ひとりき〜まり。ん〜あと誰がきてくれるかな？？」
＊＊＊
to あやこさん
こんにちは〜。SHIZUKUです☆
来週の土日ってスケジュール空いてませんか？
実は心霊ツアーの撮影があるんですけど、
お友達とか誘っていいって言われてるんで是非一緒にと思ってメールしました！！
よい返事お待ちしてま〜す♪
from SHIZUKU
＊＊＊
SHIZUKUからの誘いを断るわけにはいかない！！
そう思った藤田あやこは、多忙なスケジュールをやや強引に処理して
集合場所である新宿スバルビル前へ向かった。
スバルビル前は、ロケバスの集合場所として使われるスポットで
この日は月９ドラマ「ガリレイ」やクイズ番組「ペンタゴン」のロケバスがいた。
その中に「SHIZUKUと逝こう！夢ぐり心霊ツアー」のロケバスがあり
あやこは顔見知りのスタッフと挨拶を交わし、
SHIZUKUやヒミコのいる場所へたどり着いた。
「おはよう！！ヒュー今日はいい天気〜♪ん〜温泉日和〜♪♪」
朝っぱらハイテンションのあやこに対し、引き気味のSHIZUKUたち。
「あやこさん。ファンの方も何人かきてるんで、
おいおいテンション下げていってもれえると嬉しいな〜なんて…」
こういう修学旅行的イベントになると
普段の知性と品格が失われてしまうタイプのあやこは、
そんなこたぁ〜お構いなしで誰かれ構わず、話かけ始めた。
その中にひっそりと佇む黒崎・吉良乃。
吉良乃にもあやこは
「あなたミステリアスな魅力ね〜。タレントに興味な〜い？」
とスカウトし始める始末…。
吉良乃は苦笑いしつつ
「あはは。…気が向いたら連絡しますんで…」
と応えてくれあやこはすかさず吉良乃に名刺を渡すとルンルンで、
また違うターゲットへ近づくのだった。
あやこは、アシスタントディレクターの高林を見つけると
「やっほ〜いってきま〜す☆」
と一緒にいくにも関わらず話かけた。するとちょっとKYな高林は
「藤田さん。行くじゃなくて＜逝く＞ですよ！！ぷぷっ。間違ってやんの」
とあやこに注意した。
高林の＜ぷぷっ。間違ってやんの＞という部分は通常の人間では聞こえないくらいの
周波数であったが、あやこの類まれなる地獄耳は聞き逃すはずはなかった。
「帰る！！」
とあやこはいっきなり帰ってしまったのだった……。
SHIZUKUやヒミコ、高林や吉良乃も
――ポッカーーーーン―――
旅の幕開けに相応しい（？）衝撃的な場面からツアーは始まったのだった――。
＊＊＊
あやこは、とりあえずその日はボーーーーっと過ごし
歯を磨いて（バナナ味の歯磨き粉を使用）寝たのだった。
＊＊＊
一方、「夢ぐりツアー」一行はというと、一日目
栃木県にある穴場心霊スポット「ドM谷温泉」へ到着していた。
SHIZUKUたちが各自の部屋へ荷物を運んでいる頃、SHIZUKU の肩を誰かが叩いた。
SHIZUKUが後ろを振り返ると明らかに
「幽霊」という白装束衣装を身に纏ったあやこが
「お待ちーーー♪」
と朝のご機嫌テンションで話かけてくるではないか！！
「あやこさん？？てか何者？？？」
と思わず突っ込んでしまったSHIZUKU。
するとあやこはむしろ冷静な眼差しで
「ちゃんと逝きましたですよえっへん♪」
と無い足を示して自慢するではないか！！！
SHIZUKUも呆れそうになったが＜あやこさんが楽しんでるならどうでもいいや〜＞
と適当な返しで
「へ〜。じゃさっそく温泉にでもつかりましょ？！」
とSHIZUKUは若干あやこの存在を見てみぬ振りをするのであった。
＊＊＊
ドM谷温泉は、美肌の温泉として隠れスポットとして
女優やタレントが足しげく通っている温泉なので
SHIZUKUやヒミコそして吉良乃も楽しみにしていた。
（行きのバスでオリエンテーションを受けたのだ）
女性のファンの皆やヒミコ、吉良乃がワイワイ温泉に浸かっているのをよそに
あやこは往年のバラエティ＜どっきり＞をしかけようと
こっそり男湯に潜入するのだった――。
＊＊＊
高林やSHIZUKUの男性ファンたちが、
＜宴会のカラオケでSHIZUKUちゃんには何を歌って欲しいアンケート＞
を集計しているころバスタオル一枚のあやこがめいっぱいでかい声で
「ビバ混浴〜♪」
と雄叫びをあげたのだ。
「ワッ！！」「ぎゃっ」「びえ」
とわけの分からない言葉を発するくらいにビビりまくる男性陣。
３秒後、冷静さを取り戻した男性陣は本能的な「エロ」が頭を支配しだし
あやこに向ける目線は誰しもが＜エロさを感じてませんよ〜でもチ見＞的なもっとも
切ない光景が広がっていた。
そんな状況を十分に堪能したあやこは、おもむろにバスタオルを脱ぎ捨て
「残念でした〜水着だよ〜♪」
と悪魔のような爆笑とともに去っていった。
取り残された男性陣の気まずい空気はしばらく続くのであった――。
＊＊＊
宴会ではドM谷温泉名物「M字開脚カニ」が振舞われた。
一気にテンションがあがるあやこは、＜わんこそば＞のようにカニを貪り始めた。
誰か突っ込もうよ〜という空気を察知したヒミコが
「あの…ちょっとお尋ねしたいんですが…あやこさんは＜食べれる＞んですか？」
と単刀直入にあやこに質問した。
誰もが「朝の二の舞」になると思ったが意外にもあやこは
「ん〜。じゃ〜霊気食べる」
とあっさり答えた。
そんなやりとりを見ながら微笑む吉良乃。
宴会が終了したのは午後１１時過ぎだった――。
＊＊＊
あやこが夜中に目を覚ますと全身びしょ濡れだった。
「う。何なの？コレ」
と水着姿でびしょ濡れの寝巻きを絞っていたのだった。
＊＊＊
色んな意味で逝っちゃてるあやこのほうはというと……。
ツアー一行が心霊スポット散策に出かけている頃、
カニの霊気の食べすぎと芋焼酎の霊気の飲みすぎで爆睡していたのだった。
＊＊＊
次の日――。
自分が爆睡している間に近くの竹やぶで地縛霊たちと
「深夜のおにごっこ」をしていたことを
聞かされたあやこは、強がりで某有名女優を真似し
「別に…」
というのであった。
帰りに土産を買う皆に混じりあやこは
「メイドの土産は努力とこんじょー」
と妖しげな「ドM」と書かれたペナントと切れ味最高の木刀を買うのだった。
そして最後に皆で集合写真を撮ることになったのであやこは気合たっぷりで
「これはどこの恐山でしょー？」
と心霊写真をむしろ自分から演出するのであった。
「これ、視聴率とちゃうんじゃな〜い？？そしたらうちの事務所に振り込んでね！！」
とSHIZUKUにいいよるあやこであった。
そんなこんなで一泊二日の「夢ぐり心霊ツアー」は、
あやこのハイテンションで幕を閉じた――。
＊＊＊
数日後――。
家で悶絶するあやこの姿があった。
見覚えのないペナント。これは土産にはむいてないであろう木刀。
そして――かなりのハイテンションで写っている写真の束――。
「ノーーーーーーー！！！！！」
あやこはSHIZUKUに連絡をした。
「SHIZUKUちゃん。あやこですけど……こんな旅全然行ってねぇーーーーー！！！」
と突っ込んだ。
しかし、SHIZUKUは笑いながらこうあやこに言うのだった。
「行ったんじゃないですよ！逝ってたんじゃないですか？？あはは」
おしまい
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
【整理番号 ／ ＰＣ名 ／ 性別 ／ 年齢 ／ 職業】
【整理番号 ７０６１ ／ 藤田 あやこ ／ 女性 ／ ２４歳 ／ ＩＯ２オカルティックサイエンティスト】
【整理番号 ７２９３ ／ 黒崎・吉良乃 ／ 女性 ／ ２３歳 ／ 暗殺者】
【ＮＰＣ ／ ＳＨＩＺＵＫＵ ／ 女 ／ １７歳 ／ 女子高校生兼オカルト系アイドル】
【ＮＰＣ ／ 影沼・ヒミコ ／ 女 ／ １７歳 ／ 神聖都学園生徒】
【ＮＰＣ ／ 高林 森男 ／ 男性 ／ ２８歳 ／ 「夢ぐりツアー」アシスタントディレクター】
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■ ライター通信 ■
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
藤田あやこ様
お世話になります。
今回「SHIZUKUと逝こう！夢ぐり心霊ツアー」をライティングさせていただきました美浦リンゴです。
あやこ様のプレイングの「豪快さ」に
調子にのって徹底的に遊びに命をかけ（笑）書かせていただきました♪
なるべく「リズム」を大切にしてみましたがいかがだったでしょうか？
今後この番組をきっかけにタレント活動されることを期待し、
あやこ様のさらなるビジネスシーンでのご活躍をお祈りしております。
またのご縁がありますよう願いを込めて……。
ライター 美浦リンゴ
|
|
 |
