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<HappyNewYear・PC謹賀新年ノベル>


戦えお正月! メデテーナ3世の野望!?
 暮れも押し迫り、いよいよ年明けを迎えようという時。
 新年が訪れるよりほんのわずかに早く、あなたは異世界に召喚された。
 唐突な展開だが仕方ない。これがご都合主義というものである。





 あなたが召喚されたのは「十二支管理センター」と呼ばれる場所だった。
 十二支を管理し、それらが正常に巡っていくことを管理している場所なのだそうだが、具体的に何をやっているのかについては全く教えてくれないのが少々怪しい。
 しかし、その程度の怪しさは、その後あなたたちが見せられた映像の前では全く取るに足らないものだった。

『なぜ? なぜ? どうして? おかしいいぃぃではないかあぁ!』
 画面の中で、赤と白のいかにもおめでたい配色の甲冑に身を包んだ男が頭を抱えている。
『なぜ! どうして! ネズミだのウシだのの年があって、この私の年がないのだ!?』
 ……こいつは何を言っているんだ。
 あなたのみならず、きっと誰もがそんな感想を抱いたことだろう。
 だが、画面の中の男はそんなことには全く気にしていない様子でこう宣言した。
『というわけで!
 来年よりネズミ年を廃し、新たにこの私、コイツァ・メデテーナ3世年を設立してもらおう!』
 ……こいつは何を以下同文。
 なんで正月そうそうこんなアレな人の演説を聞かされなければならないのか。
 そう思い始めた時、突然、横合いで爆音が聞こえた。
『新年までにこれが受け入れられぬ場合、残念だがちょっとだけ手荒な手段に訴えさせてもらうことになるかもしれんっ!』
 ……こいつは以下同文……などと言っている場合ではない。

 慌てて壁に空いた大穴から外を見ると、外には恐ろしい光景が広がっていた。

 空を飛び交う無数の奴凧。
 浮遊しつつ、三方からレーザーを発射する鏡餅。
 こちらに向かって突進してくる巨大獅子舞に、ずらりと並んだ門松型の三連砲台。

 唖然とするあなたたちに、召喚師の青年はこう言った。
「このセンターが破壊されてしまえば、あなた方を元の世界へお返しすることもできなくなってしまいます!
 どうか、あなた方の力でメデテーナ3世を撃退して下さい!」

 かくなる上は、もはや戦うより他に道はない。
 ネズミ年を守り、そして元の世界に返るため、あなたはお正月軍団と戦う決意をしたのだった。

 ……この召喚師に謀られた、と思いつつ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(全く、何だってこんなことに)

 そう考えて、レイジュ・ウィナードは一つ大きなため息をついた。
 召喚されてきたと思しき者たちは全部で二十名ほど。
 それ以外にセンターの防衛隊もいることはいるようだが、名前の通りほとんどセンターを守るだけで精一杯で、攻撃の支援に使える余力はなさそうだ。
 ……一人だけ、「突撃隊隊長」を名乗る男が来たには来たようだが、見たところそこまで役には立ちそうもない。

(とはいえ、このまま本当に帰れなくなってもことだ。やるしかないか……)




 
「そういえば、あのレースの鷹さんは元気にしてます?」
 シュライン・エマの問いに、センターの係員は苦笑しながらこう答えた。
「レース……ああ、あそことここはちょっと違う世界なので、私にはなんとも。
 こう、位置的に近い世界ではあるんですが……例えるならビルの五階と七階みたいなものでして」
 五階と六階ではなく五階と七階。べったりではないが近いことは間違いないらしい。

(それじゃ、向こうでの経験がある程度生きるかしら?)





「勝手です! コイツァ・メデテーナ3世年なんて、言い難いこと山の如しです!」
 式野未織(しきの・みおり)の言葉に、召喚師の青年は大きく頷いた。
「同感です。私物化云々以前にムダに長いです」
「それに、この中途半端な江戸っ子口調にも抵抗ありますし。
 せめてこれはとてもおめでたいですね3世年とかじゃダメですかね?」
 問題意識を共有できているものと思って未織はなおもこう続けたが、さすがにそこまでは共有し切れていなかったようだ。
「……いや、私に聞かれても。
 そもそもこれはあくまで名前ですから多分ダメなんじゃないかと……」
「あ、それもそうですね。
 それじゃ、本人に直接言うしかないんでしょうね」
「……いえ、直接言ってどうにかなるものかどうかも……」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 集められた約二十名のうち、空を飛ぶことのできる四名を除いた面々は、地上から敵陣を目指すことになった。

「敵の遠距離砲撃に気をつけろ! 特に鉄球は当たったらシャレにならなもぎゅ」

 よくある「言い出しっぺの法則」通りに、真っ先に飛んできた落とし鉄球に轢かれてペラペラになっている隊長はさておいて。
 さしあたっての課題は、目の前の敵歩兵部隊をどうあしらうか、だった。

 半被姿の敵兵が、揃って右手に羽子板を、そして左手には羽根を持っている。

「……これは?」
 戸惑う一同に向けて、そのうちの一人が羽根を打つ。
 しかし、狙われた男はそれをほんの少しかわしただけで避け、羽根はそのまま地面に落ちた。

 と。
 突然何かが弾けたような音がして、気がついた時には男はその場に倒れ伏していた。
 そして恐ろしいことに、その男の顔は無数の落書きで埋め尽くされていたのである。

 羽根を落とすとアウトで、顔中に落書きをされる。
「なるほど、つまりこれは羽根つきなのね」
 シュラインの言葉に、一同が納得したような顔をする。
「でも、ミオたち羽子板なんて持ってないですよ?」
「別に羽子板じゃなくてもいいんじゃない? 落としさえしなければ」
 未織の問いにそう答えつつ、シュラインはセンターから持ってきたフライパンを構えた。
 羽子板よりはいささか重いが、面積は広いので短期決戦ならこれも悪くはないはずだ。

 そして、未織はというと。
「そう言われても、打ち返すものなんて……って、えええっ!?」
 何か打ち返せるものを探していたかと思うと、突然手から水の刀を出現させた。
 ……いや、出現させたというより、勝手に出現したと言うべきか。
「こんな細い刀で打ち返すなんて無理無理無理無理〜っ!」
 本人は嫌がっているのだが、刀の方が俄然やる気なのだからいかんともしがたい。

 ともあれ、そうして一同が思い思いのものを構え終わると、それを待っていたかのように敵が一斉に仕掛けてきた。

 飛んでくる無数の羽根を、皆で次々と打ち返す。
 使い慣れたフライパンを振るうシュラインはもちろん、未織もその細い刀で器用に打ち返して……と言うべきか、刀がうまく打ち返しているのに未織が引きずられているだけ、と見るべきか。
 当然相手もそれをさらに打ち返してくるが、やはり少しずつミスが出て、だんだん人数が減ってくる。

 ……いや、少しずつ、などではない。
 率直に言うと……この「はねつき隊」、揃いも揃って羽根つきが下手だったのである。

 結局、連携ミスによるお見合いや激突で数人が脱落したものの、シュラインや未織を含む約十人が見事に勝ち残り、初戦は大勝利に終わったのだった。

「よし! その調子で次も勝っていくぞ!!」
「た、隊長さん!? さっきペラペラになったんじゃ……」
「私はギャグマンガ体質だからな! この程度シーンが変わればもう復活だ!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 はねつき隊を退けて、それからどれくらい進んだだろうか。

「皆! 敵本陣は確実に近づいている! 絶対に油断すうおわっ!?」

 例によって例のごとく、空気も読まずに大声を上げた隊長に何かが直撃し、その全身が見る間に煙に包まれる。
 煙が晴れた時、そこにいたのは隊長の顔のついたでかい茄子であった。

「た、隊長さんが茄子に!?」
 あまりと言えばあまりの出来事に動揺する未織たちの前に、紫色の法衣を纏った禿頭の男が姿を現した。
「いやはや、お似合いですよ」
 その男の顔を見て、隊長が大げさに叫ぶ。
「お前は……怪僧サンナスービ!」
「怪僧呼ばわりは不本意ですが、いかにも私が三人集の一人、サンナスービです」
 不敵に笑う彼の横には、同じ紫色の半被を纏った「はねつき隊」と思しき兵士たちが付き従っている。
「あなた方をこれより先に行かせるわけにはいきませんねぇ。
 申し訳ありませんが、あなた方にはここで茄子になっていただきましょう」

 先ほどのはねつきとは違い、今度は「避けてもいいが当たってはダメ」らしい。
 ……が、これはよく考えるまでもなく、避けてもいい分先ほどより簡単なのではないだろうか?

「では、いきますよ!」

 そんなことを考えている間に、いきなり大量の茄子を投げつけてくるサンナスービ。
 飛んでくるものの量が多くなれば、当然多少ルールが緩和されたところで簡単になどなるはずがない。
 まして、飛んでくるものの中にときどきチクワや鉄アレイなどの異物が混入していればなおのことである。
 ……チクワはともかく鉄アレイはさすがに危ない。なぜこの二つなのかはさておくとして。

「ひゃあっ!?」
 相変わらず刀に引っ張られながら、未織が先ほどの要領で茄子を打ち返す。
 けれども、それは「はねつき隊」によってあっさりはたき落とされ、サンナスービにぶち当てるには至らない。
 そうなるとあとは接近戦か、とも思うところだが、近づこうとするとそこに向けて茄子その他が集中的に投げつけられるためうかつに近づくこともできない。

 そうこうしているうちに、一人、また一人と茄子を避け損なって茄子に変えられていく。
 シュラインはどうしたものかと辺りを見回し……あることに気づいた。

 一旦茄子になってしまえば、戦闘能力は皆無に落ちるが、その代わり茄子をくらっても大した被害はないということに。

「隊長さん!」
「呼んだか!」
 シュラインの声に、隊長が得意げな顔で――得意げな顔の茄子というのもいろいろビジュアル的に厳しいものがあるが――やって来る。
 それを、素早く残っている味方とともに担ぎ上げ……。
「を?」
 ……投げる。

「えええええっ!?」
 巨大茄子と化した隊長はあっさりと相手の投げてくる茄子を蹴散らし、「はねつき隊」に直撃した。
 その衝撃で目を回すものが出たり、大量に跳ね返った茄子に対処しきれずに茄子になってしまうものが出たりと、わずか一投で半壊状態である。

「ちっ! 何というムチャを……ここは一旦退かせていただきましょう」
 護衛が機能しなくなったと見るや、サンナスービは茄子でこちらを牽制しつつ、とっとと後退していったのだった。

「ちょっと待て普通隊長を敵に投げつけて捨て駒にするようなマネを」
「ギャグマンガ体質だからどうせすぐに復活するんじゃないの?」
「……いや、まあ、それはそうなんだが」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 強い衝撃に、一瞬意識が飛びかける。
 気がついた時には、レイジュは地面に叩き落とされていた。
 さらに悪いことに、持ってきた剣がその衝撃で折れてしまっている。

「……くっ」

 レイジュはとっさに呪文を唱え、魔術にて応戦しようとしたが、思ったようにはいかなかった。
 そうこうしているうちに、ニータッカーはどこかへと飛び去っていく。

「待て! まだ勝負はついていない!」

 追いかけようとしたレイジュだったが、先ほど落ちた時に痛めたのか、右の翼の付け根に激痛が走り、やむなく飛ぶことを断念した。
 かくなる上は、自分の足で歩いていくより他に道はないだろう。

「……それにしても、ここはどこだ?」

 辺りには、やや背の高い樹木が生い茂っている。
 そう極端に密度が高いわけではないとはいえ、視界を遮り、自分の現在位置をわからなくするには十分すぎるほどだ。

 一人で敵陣に向かうにせよ、味方地上部隊と合流を図るにせよ、まずは自分の現在位置を把握しなければなるまい。

 そう考えて、レイジュが近くの木によじ登ろうとした時。

 突然、大地が揺れた。

「何だ!?」

 何かが――圧倒的な質量を持つ何かが、こちらに向かってくるような感覚。
 やがて、木々をなぎ倒すような音がそれに続き。
 その向こうから、土煙を上げて現れたのは……巨大な獅子舞の群れだった。

 下手をすれば一飲みにされかねないような巨大な獅子舞相手に真っ向から立ち向かうほど、レイジュも無謀ではない。
 とっさに進路上から退き、木陰に隠れて息を潜めると……獅子舞の群れはそのまま真っ直ぐ突撃していき、やがて見えなくなった。

「……何だったんだ、今のは」

 ともあれ、あれが敵陣から自陣に向かって突撃していたと考えれば、あの獅子舞が来た方向に進めば敵陣、という可能性が高いだろう。

 気を取り直して、レイジュが敵陣へ向かおうとすると……その目の前に、縦にも横にもやたら大柄な男が立ちふさがった。

「あれをやり過ごすとは、なかなかやるものですネー」
「何者だ?」
「ワタシは帝国軍三人集筆頭・一ツ富士。
 ここから先に行きたければ、ワタシを倒していくことですネー」

 身長ではレイジュより頭二つ以上は高く、体重では間違いなくレイジュの倍以上、ひょっとしたら三倍近くあるかもしれない。

「大晦日は勝てる気がしませんが、今はもう年が明けていますからネー。
 元チャンプの実力、十二分に見せてあげますヨー」

 そんなことを言いながら……なぜか着ていたガウンを脱ぎ捨てる一ツ富士。

「……なぜ脱ぐ?」

 つい反射的にそうツッコんでしまったレイジュだが、一ツ富士は当たり前のようにこう答えた。

「男と男の一騎討ちと来れば、マワシかトランクスがユニフォームに決まってるじゃないですカ。
 あとはせいぜいテーピングとシューズとグローブと。厳密にはヅラは反則ですヨー?」

 誰もヅラのことなど聞いていない。
 ……というか、さも当たり前のようにそう言って、「何かを待っているように見える」ということは?

「言っておくが、僕は脱がんぞ?」

 レイジュはあくまで念のためにそう言ったのだが、どうやらそれがビンゴだったらしい。

「せっかくヒトが作法に則った試合での一騎討ちを挑んだというのに、無礼なヒトですネー。
 アレですか、ルール無用のハードコア・マッチでの決着をお望みですカ!」

 なんだか思いっきり怒っているように見えるのは気のせい……ではなさそうだ。

「それではゴングもいりませんネー! さっそくいかせてもらいますヨー!!」

 そういうが早いか、一ツ富士はいきなり大地を蹴り……真っ直ぐ水平に飛んできた!!

「……なっ!?」

 一体重力の法則をどうやってごまかしているのか。
 飛べる要素など全くないはずなのに、頭を前にして「掛け値なしに水平に」飛んでくるんだから始末が悪い。

「ほーら、逃げてばかりでは勝てませンヨー!」

 そんなことを言われても、武器もなしにこんなメチャクチャな相手とどう戦えばいいのか。
 あまりに理解しがたいことが続き、半ば混乱状態のまま逃げ回るレイジュ。

 そこに、転機は突然訪れた。





「見ろ! わざわざ敵がわかりやすい通路を造ってくれぐぎゃあぁあぁ!?」

 先頭切って「通路」に足を踏み出した隊長が、例によって例のごとくいきなりどこかへ吹っ飛んでいく。

「今度は一体何にはねられたのかしら?」
 きちんと左右を確認して、シュラインたちがその後ろから出てきてみると、そこには二人の男の姿があった。

 一人はセンターで会った蝙蝠の羽根を持つ青年で、確かレイジュという名前だったはずだ。
 そしてもう一人は……オープンフィンガーグローブにボクサートランクス、シューズという異様な出で立ちの、さながら相撲取りのようにがっしりした体格の男。

「オーウ! セコンドの乱入とはルール無用にしても極悪すぎですヨー!」

 その男の言葉を聞く限りだと、どうもこの男は敵で、しかもこちらの方が悪者にされているような気がするのは気のせいだろうか?

「こんな試合はノーコンテストでース! 決着は次まで預けておきまース!」

 シュラインたちがその辺りの事情を把握するより早く、敵のでかい男はのすのすと引き上げて行ってしまい、あとにはレイジュとシュラインたちだけが残されたのだった。

「あの……今のは、一体何だったんですか?」
 尋ねる未織に、レイジュは憮然とした表情でこう答えた。
「……知らん。僕に聞くな」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 そんなこんなで、一同はどうにかこうにか敵本陣の前まで到達した。
 途中、「カドマ2」の砲撃や、残っていた「シシマE」の襲撃などを受け、ついに生き残っているのはわずかに四名となっている。
 もちろん、シュライン、未織、レイジュの三人もその中に含まれていた。

「よくぞ生き残った我が精鋭たちよ!」
 したり顔でそう声を張り上げたのは、四人の最後の一人――もちろん、隊長その人である。
 一体いつの間に追いついてきたのかも問題だが、シュラインの記憶が正しければ、「このセリフで戦闘を開始してしまうと九割以上の確率で負け戦になる」はずで、縁起が悪いことこの上ない。
 しかし隊長は一切そんなことは気にせず、いきなり敵本陣をビシッと指差して、一声こう叫んだのだった。
「突撃いいぃぃぃ〜!!」

 もはや、ツッコむ気力の残っている者など皆無だったのは言うまでもない。





 呆れたことに、敵本陣はほとんど完全に無人だった。
 どうやら戦える者はほとんど全員出払っているらしく、残っていたのはわずかに二人。
 皇帝コイツァ・メデテーナ三世と、その側近の魔術師スゴーロックのみである。

「ほう、我が本陣までくるとは、なかなかやるではないか」
 本陣まで到達されておきながら、余裕綽々と言った様子で応じるメデテーナ三世。
「だがそれもここまでよ。スゴーロック、相手をしてやれ」
 その言葉に、傍らにいたスゴーロックが一歩前に進み出る。
「お任せを。
 一度我が運命のサイコロが投げられれば、何人たりともその目に背くことはできません」

 敵をも操ると言われる「運命のサイコロ」。
 その目の指示が絶対であるのならば、全ては彼のサイコロが握っていると言っても過言ではない。

 ……が。

「……で、その目は自分で決められるの?」
 シュラインの単刀直入なツッコミに、スゴーロックが露骨に動揺した顔をする。
「き、決められ……ないこともないような気がしないこともないかなーなんて思ったり……」
 ムキになって言い返そうとはしてみたものの、その言葉がどんどん尻すぼみに消えていく。
「決められないんだな」
 レイジュの追い討ちに、完全に絶句するスゴーロック。

 どうやら、「全てを操るサイコロ」があるにはあるものの、その肝心要のサイコロを操ることはスゴーロック本人にもできないらしい。
 まあサイコロだから仕方ないと言えば仕方ないが、思ったよりはまだ攻略の余地はありそうである。

 と。
「……自分の能力なのに、全然制御できないって、辛いですよね」
 ぽつりと、未織がそんなことを口走った。
「お前も……なのか?」
 スゴーロックの言葉に、未織がこくりと頷く。
「ミオも、水の刀を全然制御できなくて。
 刀のおかげで助かってることもあるけど、ときどき勝手に出ちゃったりして……」
「そうか、お前も苦労しているのだな。
 私もわりとどうでもいい時は狙った目が出せるのだが、大一番だとどうもダメでな……」
 そして生まれる奇妙な連帯感。
 戦いどころではなくなりかかったところを、空気を読まないメデテーナ三世が強引に引き戻す。
「多少制御できなくても、お前の能力はそれを補って余りある力を持っている!
 その力をもってこの者たちを打ち倒すのだ!」
「……はあ」
 そう言われても、すでに戦う雰囲気ではなくなってしまっているのだからどうしようもない。

 と、その様子を見て、シュラインがこう提案した。
「それじゃ、あなたの得意なサイコロで勝負する、というのはどう?」
「何だと?」
「丁半でもチンチロリンでも何でもいいわよ。
 それで私と勝負して、私が勝ったらそこを退いて」
 その提案に、スゴーロックは少し考えてからこう返してきた。
「ふむ……で、私が勝ったらどうするのだ?」
 なるほど、確かに賭けである以上交換条件は必要だろう。
 初戦はまず様子見、となれば負けても惜しくないものは。
「とりあえず、うちの隊長をあげるわ」
「おいこら何勝手に決めて」
「いらぬ」
「クレームつける間もなく即答!?」
「まがりなりにも敵の隊長を捕らえたとなればお手柄になるんじゃない?」
「待てコラまがりなりにもとは何だまがりなりにもとは」
 本人を無視した不毛な論戦になりかけたところで、またしてもメデテーナ三世が焦れて割り込んでくる。
「あーもう、それでよかろう。相手してやれ」
「……はあ、陛下がそう仰せならば」
 あまり気乗りしない様子ながらも、応じると決めた以上は、とばかりに姿勢を正すスゴーロック。
「ならば、チンチロリンで勝負と行こう。サシの勝負だが先にどちらが振る?」
「それじゃ、私から振らせてもらうわ」
「うむ」
 用意された丼とサイコロに細工がないことを確認した後、先にシュラインがサイコロを振る。
 一投目は目が出なかったが、二投目で三・三・五となり、目は五となった。
「私は五……勝つには六か役目が必要ね」
「わかっている」
 先ほどのやる気のなさはどこへやら、サイコロを手にしてすっかり落ち着いた様子のスゴーロックが真剣な表情でサイコロを振る。
 すると、一投目でサイコロは二・二・六の目を出し、目は六となった。
「私の勝ちだな」
「そのようね。それじゃ、約束だし隊長さんはそっちにあげるわ」
「いや待て私は一度も承諾した覚えは」
「では、もらっておくとしよう。いらんが」
「そこもそうやっていらんとか言もがっ」

「差し押さえ」の札を貼られて、隊長が部屋の隅へ運ばれていく。
 その様子を横目で見て……シュラインは、静かにこう言った。

「もう一勝負する気はない?
 私が賭けるのは残った私たち三人の身柄。
 その代わり、私が勝ったら、あなたの『運命のサイコロ』をもらうわ」
「……おい!?」
 レイジュが何か言いかけたが、シュラインがそちらに目をやった瞬間、彼は言葉を飲み込んだ。
 きっと、今のシュラインの視線にそれだけの力があったのだろう。
 念のためにもう一度二人の方を一瞥して、シュラインはスゴーロックに視線を戻した。
「さあ、どうするの? 受けないなら、私はそれでも構わないけど」
 そのスゴーロックはというと、シュラインの気迫に押されたか、あるいはただ単に賭けるものが大きくなりすぎたのか、努めて平静を装おうとしてはいるものの、内心動揺しているのがバレバレである。。
「なるほど、それが狙いか……い、いいだろう、その勝負受けよう」

(やっぱり……プレッシャーに弱いタイプね)

 冷静に相手を観察しつつ、そのことを悟られないようにあくまで淡々と応じるシュライン。
「それじゃ、さっきはあなたが勝ったんだから、今度はあなたが親ね」
 ここで万一また六の目でも出されようものなら、その瞬間ジ・エンドである。

 だが――。

「ふんっ!」

 よくわからない気合いが入ったのは、完全にペースが乱れている証。
 そんな調子で、スゴーロックの振ったサイコロの出目は……一・二・三だった。

「な……ヒフミで倍付けだと!?」
 がっくりとその場に崩れ落ちるスゴーロック。
「それじゃ、約束通り『運命のサイコロ』と……残りは何で払ってくれるの?」
 シュラインの言葉に、スゴーロックはがっくりとうなだれながらこう答えた。
「私の完敗だ。
『運命のサイコロ』も渡すし、ここも退こう。ついでにいらんからお前たちの隊長も返す」





 ……そして。
 スゴーロックが取り出した「運命のサイコロ」というのは。

「えーと……運命のサイコロって……これ?」
「ああ」

 まるで、お昼のトーク番組で使われるようなサイコロであったことを併記しておく。

「これを使って……どうしろって言うのよ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ともあれ、これでとうとう残るはメデテーナ三世のみである。

「あー、全くもって情けない!」
 大げさに憤るメデテーナ三世に、レイジュが呆れたように言う。
「十二支にないぐらいでこの騒ぎか。蝙蝠だって入ってないではないか。早くこの騒ぎを止めろ」
「……む……」
 それに続けて、未織はこんな提案をしてみた。
「どうしても十二支の仲間入りをしたいならば、いっそのこと改名してはどうです?
 ネズミ三世でもウシ三世でも……その方が可愛らしいじゃないですか!」
「……むむむ……」
 意外と本気で考え込んでしまうメデテーナ三世。
 だが、やはりと言うべきか何と言うべきか、最終的な答えはノーだった。
「余の手にはまだ『ネンガの秘宝』がある!
 秘宝の力は全てを手に入れる力! 余が一度望んだ以上、手に入れずに退くことなどあり得んわ!」
 紅白の鎧が、ゆっくりと立ち上がる。
「どうしても邪魔をするというなら……かくなる上は、余が直々に相手をしてやろう」
「チンチロリンで?」
「誰がやるか!」
 シュラインの冗談か本気かわからないボケを一言で却下し、メデテーナ三世が抜き放ったのは……剣ではなく、筆だった。
「ペンは剣よりも強し、とも言う……ペンなら勝てて筆で勝てぬ道理はなかろう?」
 何か言葉の意味を根本的に勘違いしている気がしないこともないのだが、いずれにしても常識が通じないこの空間のこと、甘く見るのは危険である。
「余と、この『ネンガの秘宝』の力、とくと思い知らせてくれるわ!」

 その声とともに、戦いが始まり――これまた例のごとく、未織の手に水の刀が出現する!
「ちょ、ちょっと〜っ!!」
 刀に引きずられて、最前線で切り結ぶことを余儀なくされる未織。
 しかし、間抜けな外見に反して敵の実力は本物だった。
「どうしたどうしたどうした! その程度かあぁっ!」
 たちまちのうちに押し込まれる未織。
 そこへ、どこから剣を探してきたのか、レイジュが助太刀に入ってきた。
「なかなかやるようだが、これならどうだ!」
「なんの! まだまだ足りぬわあぁっ!」
 二対一でも、それでもなお相手が有利だ。
「……っ!」
 筆先が腕や脚をかすめ、墨の線が引かれた部分が痺れて、気を抜くとそこから力が抜けそうになる。
「やはり真打ちは最後に登場するもぶぎゃらば!?」
 どさくさにまぎれてしっかり復活した隊長が助太刀に入ろうとしてくれたが、入る前にメデテーナ三世のキックをもらって吹っ飛んでいった。
「使えん! 使えん使えんとは思っていたが予想以上に使えん!」
 あまりのことにこの上なく苦い表情を浮かべるレイジュ。

 こうなってしまうと、残る頼みの綱はシュラインのみである。

 必死に攻撃を防ぎ続ける二人の視界の片隅で、シュラインがそっと立ち上がり――「運命のサイコロ」を振った。

 そして、出た目は。





「……えーと……『鎧が半端なく重くなる』、ですって」
「ぬおぉぅ!?」
 シュラインが出目を読み上げたのと同時に、明らかにメデテーナ三世の動きが鈍る。
 対して、未織も、レイジュも、身に纏っているのは服であって、鎧ではない。

 このおかげで、形勢は一気に逆転した。
 レイジュと未織が――あるいはレイジュと未織の刀が、矢継ぎ早に攻撃を仕掛けていく。
 メデテーナ三世は完全に防戦一方となり……やがて、一旦二人を突き放して間合いをとった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「くははははは……見事! 実に見事だ!」
 笑い声を上げるメデテーナ三世に、レイジュが冷たくこう言い放つ。
「どうした、観念して降伏する気になったか?」
 だが、メデテーナ三世は相変わらず余裕を漂わせたまま、こんなことを言いだした。
「その健闘を讃えて……我が最大の奥義にて勝負を決してくれよう!!」

「奥義だと?」
「ま、まだ何かあるの!?」
 動揺する二人の前で、メデテーナ三世が……自分の兜に手をかける。

 その様子から、シュラインはとっさに「あること」を閃いた。

 これまでの敵は、皆ほとんどお正月に関するもの。
 そして、メデテーナ三世自身もその例外ではない。
 その上彼の力の源が「ネンガの秘宝」となれば、奥義の中身もやはりお正月関係である可能性が高い。
 お正月関連で、まだ登場しておらず……鉄仮面を外すことで発動しそうなものと言えば!

「……見ちゃダメ!!」

 シュラインはそう叫び――そのおかげか、すんでのところで未織たちもメデテーナ三世の顔から視線を外した。

 が。
 残念ながら、一人だけ間に合わなかった人物がいた。

「ぶわっはっはっはっはっは!! な、何だその顔はぁっ!」

 いつの間にか復活していた隊長が、突然腹を抱えて笑い出したのである。

「息が……くくくくくく……息ができない、助けっひゃっひゃっひゃっひゃ……」

 バカ笑いを続ける隊長に、無言で書き初めの筆が振り下ろされ……ようやく辺りが静かになる。

「我が奥義・福笑いを見切るとは……なかなかやるな」

 見たもの全てを大爆笑させ、行動不能に追い込んでしまう奥義。
 まさに「最後の切り札」とするにふさわしい破壊力である。

 そして、その真の恐ろしさはそれだけではなく――その奥義を発動させたまま、これまでと同様に戦うことができる、と言うところにあった。

「しかしっ! その状態でこの筆が防ぎきれるかあぁっ!!」





 ところが。
 メデテーナ三世の思惑に反して、戦況はあまり好転しなかった。
 それもそのはず、レイジュは超音波があるため直接目で見なくとも相手の動きがわかるし、未織は水の刀に引っ張られているだけなのでこれまた敵が見えなくとも何の問題もない。
 平たく言えば、目をつぶって戦ってもそこまでの問題はないのである。

「な、なぜだ! なぜ我が奥義が効かぬようなやつばかりが!」

 なぜだと言われても、そんなことは誰にもわからない。
 世の中にはこういう恐ろしい偶然もある、と解釈するより他ないのではなかろうか。

 とまあ、そんなワケで。
 せっかくのメデテーナ三世の奥義も見事不発に終わり。
 それからしばらくの後、ついにレイジュの剣と未織の水の刀が、メデテーナ三世を捉えた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ぐ……ぐおあああぁぁっ!?」

 苦悶の声とともに、眩い光が辺りを包む。
 やがて、何か固いものが地面に落ちる音が聞こえ……やがて、光は消えた。

 後に残されたものは、ひび割れた水晶球と、そして。

「……鰈?」

 そう。
 コイツァ・メデテーナ三世の正体は、なんと鰈だったのである。

「お正月に……何で鰈?」
「……最期に……一言だけ、言わせてもらおうか……」

 鰈の姿に戻ったメデテーナ三世は、それでも最後の力を振り絞り。

 一言、こう言い残して、力尽きた。





「おせちもいいけど……鰈もね……」





 それは……いろんな意味で、あまりにも寂しい最期だった……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 不意に聞こえてきた拍手の音で、三人は我に返った。

『いやぁ、実にお見事。まさかメデテーナ三世が倒されるとはね』

 本陣の奥にあったモニターに、不意に電源が入る。
 そこに映ったのは……三人集の一人・サンナスービの姿だった。

「本当の黒幕は、メデテーナ三世ではなくあなただったのね」
 シュラインのその言葉を肯定するように、サンナスービは薄笑いを浮かべて言葉を続けた。
『海の底をはいずり回っていた鰈に「ネンガの秘宝」を手に入れさせて皇帝とし、私はその腹心となる。
 そして皇帝を風よけにしつつ、裏から全てを支配する計画だったのだが……全く使えない魚野郎だ』
 なるほど、確かにトップは権力も集中するが、それに伴うリスクや責任も背負うことになる。
 それを嫌ったサンナスービは、あえてナンバー2として権力を振るう道を選んだのだろう。
『しかし、こんな魚野郎でもここまではうまくいっていたのだよ?
 それをまさかこんなところで……今の私の失望がどれほどのものかわかるかね』
「わからんな。だが、何にしてもお前の野望もこれで終わりだ」
 そのレイジュの言葉に――しかし、サンナスービは一切動じることなくこう返してきた。
『さあ、終わるのはどちらかな。そこから空を見てみたまえ』

 その言葉に、一同が窓の外に目をやる。





 最初は鳥かと思った。
 次は何らかの飛行物体であるかと思った。
 その次は隕石かもしれないと思った。

 しかし、その正体は。 

「巨大な……茄子!?」
『避けられるものなら避けてみろ!
 もっとも貴様らが避けられたとしても、その時はこの世界が丸ごと茄子になるだけだ!』
 どこにいるのか、モニター越しに勝ち誇るサンナスービ。
 と、そこへ駆けつけてきたのは、なんと一ツ富士とニータッカー、そしてスゴーロックだった。
「サンナスービ! これは一体どういうことだ!?」
『おやおや、これはウドの大木くんにガチガチの石頭くん、そして度胸のないボンクラくんか。
 君たちが今さら何を言おうと、すでに勝敗は決したのだよ』

 そうこうしている間にも、巨大な茄子はどんどん近づいてきている。
 太陽が覆い隠され、辺りが急速に暗くなる。

『ハーッハッハッハッハ! 私の勝ちだっ!!』



 ……と。

「……何勘違いしてやがる」

 足下から聞こえた声は……なんと、メデテーナ三世の声だった。

「まだ……『ネンガの秘宝』の効果は終了してねーぜ!」

 それだけ言って、今度こそ本当に力尽きるメデテーナ三世。
 こんな小ネタのためにわざわざ死力を尽くしての復活、まさにご苦労様という他はない。

 そしてその隣では、誰も期待していなかった男がこれまたしっかりすっかり復活を遂げていた。
「そのフライパンに秘宝を! そして皆の力であれを打ち返すのだ!」
 隊長の言葉に、言われるままに水晶球を拾い上げるシュライン。
 すると、水晶球はまるで吸い込まれるかのようにフライパンと同化し……フライパンが光を纏い、その柄が急速に伸びた。
「これを……皆で振るのか?」
「そのようですネー! こうなったらイチかバチかやってやりまース!」
 こうなった以上は、もはや敵も味方もない。
「全く、最後までバカげた展開だが……毒をくらわば皿までだ!」
「みんなで元の世界に帰るためにも、ここはやるしかないんですよねっ!」
 シュラインを先頭に、全員がその伸びたフライパンの柄を握る。
 フライパンの纏っていた光がひときわ強くなり、やがて大きな光のフライパンが出現する。
「……これで……っ!!!」

 巨大な茄子が大地に迫る。
 闇が辺りを包み、強い衝撃が辺りを襲う。
 そして、その闇を切り裂くように、光り輝くフライパンが振るわれ――。





「振り抜けえぇーっ!!」



 

 永遠に続くかと思われた力比べの後。
 不意に、その手の感触が軽くなった。

『な……そんな、そんなバカなああぁぁ!?』

「ネンガの秘宝」の力と、皆の想いをのせたフライパンの一振りで、巨大な茄子が空へと戻っていく。
 それは、つい先ほどまで勝利を確信していた上空のサンナスービを巻き込んで、そのまま宇宙を飛んでいき――やがて、太陽に墜落した。

 そして、フライパンが元に戻ると同時に、はめ込まれていた水晶球は今度こそ完全に砕け散り――「ネンガの秘宝」は、永遠に失われたのだった。

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「……とまあ、なんだかんだでいろいろありましたが。
 おかげさまでどうにかこうにかセンターも半壊程度で済み、十二支も無事に守られました。
 皆様のご協力に厚く感謝の念を表するとともに、可及的速やかに送還の儀式を行いたいと思います」





 結局。

 旧メデテーナ帝国の面々もセンターの再建に協力してくれることとなり、事態は一応の収束を見た。

「だが、十二支が十二支である限り、いつか再び第二、第三のメデテーナ三世がぎゅむ」

 相変わらずおかしなことをぬかしている隊長もさくさくと片づけられ、こうして再び十二支管理センターに平和が戻ったのであった。

 めでたしめでたし。

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

・聖獣界ソーン
 3370 / レイジュ・ウィナード / 男性 / 20 / 異界職(蝙蝠の騎士)

・東京怪談
 0086 /  シュライン・エマ  / 女性 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
 7321 /   式野・未織    / 女性 / 15 / 高校生

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 西東慶三です。
 この度はご参加下さいましてありがとうございました。
 また、ノベルの方、大変遅くなってしまいまして申し訳ございませんでした。

・このノベルの構成について
 このノベルは全部で十一のパートで構成されております。
 そのうち、三番目と四番目のパートについてはレイジュさんとシュラインさん・未織さんで違うものになっておりますので、もしよろしければもう片方のノベルにも目を通してみていただけると幸いです。

・個別通信(式野未織様)
 今回はご参加ありがとうございました。
 全体的にバンバン刀を出して引っ張り回す感じにしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
 刀で羽根を打ち返すとなると超人的な技量が必要とされそうですが、あれも一応危険と言えば危険なので、もう刀出しちゃいました。
 もし何かありましたら、ご遠慮なくお知らせいただけると幸いです。