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<Bitter or Sweet?・PCゲームノベル>


The fight of the sacred day



 その日、鷺染・詠二は妹の横顔をチラチラと見ながら、落ち着かない素振りだった。 何かを言いたくて、それでも恥ずかしくて言えない、そんな彼の態度に聡明な妹の笹貝・メグルは気づいていたが、あえて声をかけないで置いていた。
 目の前に山と置かれた物に、簡単な魔法をかける。 贈られた人が幸せになりますように。そんな他愛もない魔法でも、かけて欲しいと願う人は沢山いる。
 何でも屋をやっている詠二とメグルは、イベント時には凄まじく忙しくなるのだが、どうしてだか今年は例年よりも仕事数が少なく、目の回るような忙しさと言うには程遠い。
「ねぇ、メグル」
 沈黙に耐えられなくなって、詠二が先に口を開く。
「今日って何の日だか知ってるよね?」
「バレンタインですよね。 ソレが何か?」
「う‥‥‥冷たいぞメグル! チョコは!?俺にチョコは!?」
「そんなの、あるはずがないでしょう」
 私は忙しいんです、誰かさんと違って。 そんな無言の主張に、詠二の綺麗な紫色の瞳にジワリと涙が浮かぶ。
「あるはずがないでしょうって、酷いぞメグル! 毎年いつもくれてたじゃないか!」
「毎年あげてるんですから、そろそろ飽きてください。 第一、お兄さんはホワイトデーには何も‥‥」
「メグルがチョコくれないと、“妹がチョコくれないロンリーナイト”歌っちゃうぞ! しかも、ハードロックで歌っちゃうからな!挙句、ワルツ踊っちゃうんだからな!マイムマイムも踊ってやるっ!」
「‥‥‥勝手にしてください」
 チョコ欲しいよーと、床に寝転がってジタバタする詠二を前に、メグルのイライラが最高潮に達する。
「五月蝿いですよお兄さん! そんなにチョコが欲しいなら、自分で買って来てくださいよ!」
「‥‥‥うぅ‥‥‥世の中にはチョコいっぱい貰って、ニコニコしてるヤツがたくさんいるのに、俺は実の妹にすらも貰えない‥‥‥。こ、こんなイベントなんてなくなってしまえーっ!!」
 叫ぶが早いか、詠二は部屋の奥から真っ黒な矢を取り出すと涙目でソレをメグルに見せつけた。
「覚えてるかメグル!この矢を!」
「それは‥‥‥!」
「この矢でカップルを射れば、たちまち仲が悪くなって大喧嘩!チョコいっぱい貰うヤツは、自分からチョコ作りたい欲求に襲われる!チョコを渡そうとしていた女の子は自分でソレを食べる事になり、チョコ売り場は俺みたいな恵まれない人にチョコを差し出すんだ!」
「バレンタインを目茶目茶にする気ですか!?」
「‥‥‥だって、だって‥‥‥メグルがチョコくれないって言うんだもん! こんなイベントなんてなくなっちゃえー!」
「たかがそんなことで人様に迷惑をかけようとしているなんて‥‥‥」
 怒りに震えながら、メグルはキッと顔を上げると既に見えなくなった兄の背中に向けて叫んだ。
「この、愚兄がーーーっ!!!」


☆ ★ ☆


 清水・コータは賑わう街中で、銀色の髪の少女と真正面からぶつかった。 バレンタインデーに染まるショーウインドウを見ていて前方不注意だったコータは、よろめいた少女に手を差し出すと慌てて謝罪の言葉を口にした。
「ごめん、大丈夫だった?」
 地面に座り込んでしまった少女の美しい髪が、太陽の光りを受けて眩く輝く。風が髪を掻き乱し、少女の細く冷たい手がコータの手の上に乗せられる。
「すみません、私も前をよく見ていなかったもので‥‥‥」
 服についた埃を払い、にっこりと微笑んだ少女はコータの背後に視線を向けると、急に顔色を変えた。
 穏やかな冬の朝を思わせるような柔らかな笑顔から一変、瞳には殺意にも似た鋭い感情が浮かんでいる。
 少女はサラリと銀の髪を背に払うと、人差し指を真っ直ぐに前に向け、何かの呪文を紡いだ。 どこの言葉とも知れぬソレは明らかな怒りを含んでおり、思わず道の脇に避ける。
 何が起こるのかは分からないが、とてつもなく危険な何かが起きる気がする。コータの本能的がそう叫び、結果それは当たらずとも遠からずだった。もっとも、コータが想像していた事よりもはるかに見た目上は穏便だったが。
 少女の詠唱が終わり、指先から神々しいまでに純白の光りがほとばしる。 光りは羽を広げた鳥の形になると、通行人の間をすり抜けて一人の男の前に立ちはだかった。
「ふん、俺を止められるのなら止めてみろ!」
「言っておきますけどお兄さん、その鳥に矢はききませんからね」
「‥‥‥メグル、俺を甘く見るなよ!」
 少年が不敵な笑顔で振り返る。 整った顔立ちの中、紫色の瞳だけが取り分け目を引く。
 彼のすぐ真横に扉のようなものが現れ、背後にいた少女が息を呑むのが分かる。
「最初から用意していたなんて‥‥‥」
「当たり前だろ!俺は絶対にやり遂げてみせる!だって‥‥‥だって‥‥‥メグルがチョコくれないんだもんっ!!」
 途中までは物凄いシリアスだったはずなのだが、少年のその一言でコータはズコっとコケそうになった。 何が起きているのかよく分からないが、途轍もなく迷惑でくだらない事のような気がする。
 少年が扉の中に消え、純白の鳥が彼の後を追おうとするが扉に跳ね返されてしまう。 一瞬の出来事だったが異常なものを目撃した人々が顔を見合わせ ――― 少女が指をパチリと鳴らせば、鳥が光りの粒に変わり、人々の上に舞い降りた。
 一瞬の騒ぎは直ぐに消え去り、人々はまるで何事もなかったかのようにその場を後にした。
「凄いなあんた、高位魔法使い?」
 少女が驚きに目を見開き、パチパチと大きく瞬く。
「何か面倒な事が起きてるみたいだけど、俺で良ければ少しくらいなら力になれるかもよ?」



 お洒落な喫茶店の中、コータは少女、笹貝・メグルから彼女の兄である鷺染・詠二の話を聞くと、深く溜息をついた。 コータの想像は当たっており、やはり途轍もなく迷惑でくだらない事が起きていた。
「すみません、うちの愚兄が‥‥‥」
「まあ、チョコを自分でつくって自分で食う世の中も悪くはないと思うけど、“だもん”とか語尾につける男は嫌だし‥‥‥」
「すみません、うちの愚兄が‥‥‥」
「まあ、ぶっちゃけ言うとさ、男より女の子と一緒の方が楽しいじゃん」
「すみません、うちの愚兄が‥‥‥」
 恐縮しまくっているメグルは、先ほどから同じフレーズを繰り返している。 壊れたCDプレイヤーのようだ‥‥‥。
「黒い矢ってさ、物理的に弾く事が出来るのか?」
「えぇ、出来ますけど‥‥‥」
 どこか煮え切らない答えのメグルをそのままに、コータは頭の中のメモ帳に“バット用意”と書き記した。
「黒い矢があるならさ、それの逆版の白い矢のようなものがある気もするんだけど‥‥‥」
「えぇ、ありますけど‥‥‥」
「けど?」
「とある天使さんにあげたものでして、恋愛についてしか効果はありません」
「天使にあげた!?」
「はい。その‥‥‥矢を射るのが下手な方でして、それに‥‥‥その‥‥‥ちょっと‥‥‥力が‥‥‥」
 天使の名誉のために必死になっている様子のメグルだったが、コータは途切れ途切れの彼女の台詞から大体の事を理解した。
 つまり、能力が無い挙句矢を射るのが下手な天使がどこからか魔力の高い少女がいると言う事を聞きつけ、メグルの元を訪れた。支給された矢ではなくメグルが作った矢を手に、今でも恋人達を狙って矢を放っているらしい。
「ふーん、じゃぁさ、メグルって結構凄い人なんだ?」
「えぇ!?そ、そんな‥‥‥私なんて全然ですよ‥‥‥! と、とりあえず、天使さんに矢の使用許可をもらってみますね。多分大丈夫だとは思うんですけれど、締め切り前はかなり忙しいみたいですし‥‥‥」
「締め切り?」
「はい。1ヶ月何人恋人同士にしなければならないって言う、ノルマがあるんです。特にイベント時はノルマが多くなるらしくて‥‥‥」
 ――― そんなノルマのために恋人同士にさせられるとか、嫌だな‥‥‥
「ま、俺は違うけどな」
「え?」
 メグルが突然の切り出しに、ポカンと口をあけて首を傾げる。 声に出しているとは思っていなかったコータが、数秒遅れて彼女の表情の意味を理解すると手を振った。
「悪い、独り言」
 普通はそう言われても怪訝な顔をするだろうが、目の前の少女は「あぁ、独り言でしたか」と納得すると紅茶の入ったカップを持ち上げた。
 コータは実は、遠距離恋愛中だった。 可愛らしい彼女からはすでにチョコプリンが送られて来ており、少しずつ食べている最中なのだ。彼女へのお礼の電話は済ませており、現在はホワイトデーに何を返すのかを決めている最中だった。
 お菓子にするか、日用品的なな何かにするか、それとも両方買うか‥‥‥悩む。
「で、メグルはその‥‥‥詠二の居場所って分かるのか?」
「えぇ、分かりますよ。お兄さんは特殊な雰囲気がしますし、簡易空間移動も出来ますし、それに何より数日前から帰宅時間が遅くなっていたので、小型の発信器を食事に混ぜておいたんです」
「ふーん、小型の発信器をねぇ‥‥‥ぶっ!!小型の発信器!?」
 思ってもみなかったとんでもな台詞に、コータは思わず飲んでいたコーヒーを吹いてしまった。
 兄妹の和やかな夕食が、とんだスパイごっこだ‥‥‥。
「遊んでいたらどうしてやろうかと思いまして‥‥‥」
 メグルの瞳が怪しく輝く。 どうしてやろうと思っていたのか、コータの脳裏に恐ろしい数々のお仕置き、いわば拷問が通り過ぎる。 いまやコータの目にはメグルは可憐で病弱そうな少女などには見えなくなっていた。
「あっ!お兄さんが近くにいます!」
 メグルが顔を上げ、コータはコーヒーを飲み干すと席を立った。 お勘定をしてから行かなくては食い逃げになってしまうと伝票を探すが、茶色い丸テーブルのどこにもそれらしきものはない。 言わなくては伝票をくれないところなのかと周囲を見渡してみれば、他の席にはちゃんと四角いそれが置かれている。
「お会計は気にしないで下さい、行きましょう」
「いや、気にしないでくださいって言われても‥‥‥」
 コータの腕をグイと引っ張り、メグルが壁に向かう。 どうして壁に体当たりをしようとしているのか聞こうとした次の瞬間、コータとメグルの身体は壁をすり抜けていた。 しかもただすり抜けただけではなく、空間移動もしていたらしい。周囲は見慣れない場所だった。
「さっきの喫茶店は私の知り合いがやっているところですから、後払いで大丈夫なんです」
「で、ここはどこなんだ?」
「先ほどの喫茶店から一本細い道に入ったところです。ここら辺からお兄さんの気配がしたんですけれど‥‥‥」
 メグルが不意に口を噤み、耳を澄ませる。甲高いわめき声がだんだんコチラに近付いてきているのが分かる。
「いつも言ってるでしょう!?アンタはね、行動が遅いの!初デートの時だって、10分も遅刻してきて!10分よ!?分かる!?10分も!」
「うるせーなっ!!お前はいつも口煩いんだよ!この前なんて、数十秒遅れただけなのに文句言いやがって!数十秒だぞ!?頭おかしいんじゃねぇのか!?」
「何よその言い方!アンタはねぇ、そう言うルーズなところがダメなのよ!高校の時だって遅刻しまくりで、どうせ会社だって遅刻して行ってるんでしょ?いつクビになるのか時間の問題ね!」
 栗色の柔らかそうな髪が揺れる。薄く化粧をした女性はスーツ姿の男性に掴みかからんばかりに興奮しており、男性もかなり不機嫌そうな顔をしている。
「‥‥‥お兄さんの仕業ですね‥‥‥」
 深く溜息をつき、こめかみを押さえたメグルが目を瞑る。 頭痛でもしてきているのだろう。迷惑な兄を持つと大変だ。
「この近くにいるはずなんですけど‥‥‥」
「メグルさ、その天使とやらに会って白い矢を借りてきてくれないか?」
「‥‥‥お兄さんを捕まえる、何か良い案があるんですね?」
 察しの良いメグルがコータの目を見ただけで考えている事を悟ると、軽く頷いてから空間を細い人差し指でなぞった。 何もない空間に突然扉が現れ、金色のドアノブを回すとその中に消える。
「さて、それじゃぁ詠二が逃げないうちに買って来るかな」


☆ ★ ☆


 コータは軽く目を逸らすと、心の中で詠二に手を合わせた。
「も・う・し・ま・せ・ん、ご・め・ん・な・さ・い・は?」
 メグルがわざとらしく一語一語区切って発音し、威圧的な笑顔を浮かべる。 はっきり言って、相当怖い。普段滅多に怒らない子が怒ると怖いという、いつ出来たのかよく分からない暗黙のルールが脳裏を過ぎる。
「ご、ごめ゛ん゛な゛ざーい゛!!」
「も・う・し・ま・せ・ん・は?」
「も゛っ‥‥‥も゛う゛じま゛ぜーん゛!!」
 鼻水まじりの総濁点で絶叫する詠二は、コータから見ても不憫だった。 確かにやった事はかなりハメを外しており、褒められた事ではないが、だからって恐怖の大魔王の笑顔なんて恐ろしいものを向けられるのはあまりにも可哀想過ぎる気がする。
 こちらからではメグルの背中しか見えないが、クルリと振り返った時どんな顔をしているのかなんて、考えただけでも顔が引き攣る。背中からでも感じる怒りオーラは、かなりのものだった。
 ――― 俺に捕まった時はあんなに不敵だった詠二が‥‥‥
 今や涙ながらの懇願をしているのだ。 相当の恐怖なのだろう。



 メグルと別れた後で、コータはコンビニに急ぐとチョコレートを1つ買った。 見た目的にも一番綺麗にラッピングされているものを選び、ついでに可愛らしいカードとピンクのペンも買うと、カードに急いでメッセージを書き、チョコレートの上に置いた。
 手持ちが少なかったためにあまり大掛かりなものは出来なかったが、簡単な罠を作るとその中にチョコレートを置く。 後は物陰に隠れ、詠二が罠にかかるまで待てば良い。
 こんな見え透いた手にはいくらなんでも引っかからないだろうと言う気持ち半分、メグルの話しに聞く限りの詠二であるならば、もしかしたら見事に引っかかるかもしれないという気持ち半分。
 詠二がチョコに引き寄せられ、見事罠にかかった時は、何となく寂しい気持ちにもなった。
 ――― かなり普通に地面に置いただけだったのに‥‥‥
 地面に落ちているチョコでも妹からの贈り物の可能性があるならば手を伸ばすのか。 罠にかかってもなお「メグルのチョコを返せ!」と喚く詠二を見て、コータは何故か泣きそうになった。
「これ、メグルのチョコじゃないって!俺がさっき買ってきたやつ!」
「なんだって!?どうりでおかしいと思ったんだ!字はメグルのじゃないし、そもそもメグルは“お兄ちゃん”なんて可愛い呼び方はしないし、“いつも何でも屋のお仕事ご苦労様です”なんて労ってくれた事は一度だって無いし、“恥ずかしく手渡せなかったけど”なんてそんな可愛いツンデレ思考の持ち主じゃないし!」
「じゃぁ、まったくメグル的要素はどこにもないじゃん!」
「でも、でも、メグルよりって書いてあったし‥‥‥」
「メグルって名前なら誰でも良いのかよ!?」
 思わずツッコミを入れてしまう。 あんまり動くと尚更絡まるからと言うコータの忠告を無視して、詠二がジタバタと紐を振りほどこうと暴れる。
「一刻も早くメグルと会って、チョコを貰わないとっ!」
「くれないって言われたんだろ? そんなに妹のチョコが欲しいのか?」
「いくら愛想が無くてあんまり笑わなくて、氷の女王みたいなのでも、俺にとっては大切な‥‥‥」
 詠二の言葉が途切れ、顔が引き攣る。 思えばメグルの怒りオーラは、この辺りから強くなってきたように思う。



「メグルもさ、こんな欲しがってるんだからあげれば?」
「それじゃぁ、コータさんの買ってきたチョコを‥‥‥」
「ヤダヤダーっ!!メグルが作ってくれたのが良いーっ!」
 手足をジタバタさせて騒ぐ詠二を前に、コータは苦笑した。 もう大きいんですから駄々っ子みたいな事しないでください!と怒るメグルに微かな同情の眼差しを向け、この問題については口を挟むまいと心に決める。
 チョコをあげようがあげまいがメグルの好きなようにすれば良いし、貰えるか否かは詠二自身の問題だ。外野がつべこべ言う事も無いだろう。
 仲が良いのか悪いのかよく分からない兄妹に捕まってとんだバレンタインデーになってしまったが、何はともあれ無事に終わって良かった。 そう思おうとした時だった。
「あっ、しまった‥‥‥」
 背後からそんな不吉な声が聞こえ、詠二がガバリと起き上がると空間を素早く指定し、中に手を突っ込むと銀色のバットを取り出す。
「コータ君!」
 突然放り投げられたバットを受け取り、それを振り回す。軽い手ごたえを感じて足元を見てみれば、二つに割れた黒い矢が落ちていた。
「‥‥‥え、何で黒い矢が?」
 詠二が持っていたんじゃないかと首を傾げて見るが、詠二の手には何も持たれていない。 そもそも先ほど不吉な台詞を吐いたのは誰だったのかと振り返ってみれば、金髪に青い瞳、ビジュアル系の格好をした男性が立っていた。 パッと見はビジュアル系バンドのメインボーカル、出身は北欧だろうか?と言った感じだが、背に生えているのは人間には無い純白の羽。
 天使と言われてもコスプレでしょ?と言いたくなるような“天使様”を前に、コータはポカンとした顔のまま純白の羽と手に持った黒い矢を交互に見た。
「どーしよーメグルちゃん。俺、白い矢と黒い矢、同じところに入れてたみたい」
「‥‥‥そ、それって‥‥‥」
「誰に白い矢を射て、誰に黒い矢を射たのか、わかんないや‥‥‥どうしよう‥‥‥」
「「どうするもこうするも、黒い矢を回収するしかないだろ!(ないですよっ!)」」
 コータとメグルのダブルシャウトに、ビジュアル系天使は全く頼りになりそうもない詠二の背後に隠れた。
 どうやらまだまだおかしなバレンタインデーは終わりそうに無い ―――――



END


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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