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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


美味ネタ@深夜の小学校

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OPENING

学校の怪談。それは、いつになってもなくなることがない。
学校という場所が、霊の類を引き寄せやすい場所である事実は、
この先も延々と変わることなく続いて、語り継がれていくのだろう。
というわけで、お約束。定番の心霊スポット。
雫の『いただきます ぷろじぇくと』 三回目の舞台は、
都内にある小学校に決定。…したらしい。
「んー。ゾクゾクするー」
ご丁寧に、潜入するのは深夜零時過ぎ。徹底している。
校内は、僅かに明かりが灯っているだけ。
生徒や教師が、いるわけもない。
カメラのスタンバイをしつつ、雫は待つ。
アシスタント権、付き添いの人物を。

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「すまぬ。少し遅れたな」
ヒラヒラと手を振りながら雫に歩み寄ってくる少女は…魅夜。
雫に同行を求められた魅夜は、オカルト研に入っているだけあって、
”学校の怪談” は大好きで興味深いもの。承諾は快かった。
「昔はな、七不思議と呼ばれていたのだぞ」
「何が?」
「学校にまつわる霊的な話を総称してな」
「七つしかなかったってこと?」
「そうだな。けれど今は、学校の怪談…という。どういうことか、わかるか?」
「う〜〜ん?」
「それだけ、お化けの種類や現象が増えたということだ。とぅっ!」
柵から飛び降りて校内へ侵入する魅夜。黒いローブがヒラリと揺れて…何だかカッコいい。
雫は、魅夜を真似て柵から飛び降りた。だが着地失敗。ドタリと尻餅をついてしまう。
「…静かにせぬか」
魅夜はクックと笑い、雫に手を差し伸べ彼女を立ち上がらせた。

さて、校内…。深夜なだけあって薄気味悪い。
魅夜と雫は並んで、ペタリペタリと足音を響かせて進む。
「ゾクゾクするね…」
何ともいえない表情で言う雫。楽しそうだ。
魅夜はクックと笑い、まずはココだな、とトイレを示した。
校舎三階奥にあるトイレ。定番の ”トイレの花子さん” との接触を試みる。
「あ、閉まってる…うわぁ〜…ゾクゾクぅ〜」
手前から数えて三つ目の扉が閉まっている。
さぁ、どうぞとばかりに歓迎されているようだ…。
魅夜はワクワクしつつ、扉を三回ノック。
コツ コツ コツ―
そして雫と顔を見合わせ、声を揃えて…。
「「は〜なこさん」」
呼んでみた。
すると、中から『なぁ〜に?』と声が返ってくる。
キャッキャと喜ぶ魅夜と雫。
二人は中にいるであろう花子さんに、遊ぼうよと声をかける。
ギギィ…と開く扉。隙間から、こっそりと様子を伺う花子さん。
小柄で、人形のような顔立ちの可愛らしい少女だ。
『何して遊ぶの?』
花子さんの質問に、二人は一緒に ”校内探検” をしようと言った。
花子さんは、しばらく考え込んだ後、ウンと頷き、誘いに乗る。
お化け探しにお化けが同行するという…奇妙な展開に。


三人は仲良く話しつつ校内を探索。
一通り巡って…音楽室。
三人が入ると同時に、ピアノがポロンポロンと鳴り出す。
ピアノの前には、誰もいない。優雅に揺れる鍵盤。
「定番だね、定番っ!」
笑いながら雫はパシャパシャとピアノ付近を写真に収めていく。
楽しそうにシャッターを切っている雫の肩には、ぼんやりと白い影。
雫は気付いていない。魅夜と花子さんは敢えて言わずにクスクスと笑った。
「へ、何?」
キョトンとする雫。魅夜と花子さんに肩を指差される。
ん?と見やると、そこには白い影。雫は「うわぁ!」と驚き、その場に尻餅をついた。
ケラケラと笑う魅夜と花子さん。白い影は魂か…。
だたフヨフヨと浮かんでいるだけで、特に何をしてくるわけでもない。
危険はなさそうだと判断し、魅夜は白い影に近づいてマジマジと観察。
「ふぅむ。実に興味深いな」
ツンと影を突いたときだった。
白い影が正体を見せるようにベロンと剥ける。
目の前に立つのは…頭部のない少年である。
「………」
魅夜と雫は絶句。しばらく硬直した後…。
「うわぁぁぁああああー!!」
「ふっははははははは!!」
雫は悲鳴を、魅夜は高笑いを上げながら、ダダーッと逃走。
音楽室に取り残された花子さんは…?
何やら、頭部のない少年とボソボソ話しているようだ。

「ビッ、ビックリした…」
「写真撮らなくて良かったのか?」
「そ、そんな余裕なかったよ!」
「ふはは」
ハァハァと呼吸を乱しながら会話する魅夜と雫。
逃げた二人は、こともあろうに、学校で起こる心霊現象の舞台の定番の一つ、
理科準備室に逃げ込んでしまっていた。
二人が、その事実に気付くのは、数秒後。
カタン―
物音に振り返ると…人体模型がカタカタと操り人形のように動いている。
「………」
またも二人は絶句。しばらく硬直した後…。
「いやぁぁぁぁーー!!」
「ふははははははー!!」
雫は悲鳴を、魅夜は高笑いを再び上げて、ダダーッと逃走。
人体模型は不気味な動きをしながら、
カッシャンカッシャンと二人を追いかけてくる。
「ちょ、もう、勘弁してよぉぉぉぉ」
「怖いな、これは怖い。怖いぞ、ふはは!」
「怖がってないでしょ〜〜〜〜!?」
「怖いぞ、ふははは!」
雫は心から恐怖を感じて半泣きだが、魅夜は怖いの半分、楽しいの半分。
霊の出現と、あらゆる現象を肉眼で確認できている事実に興奮中である。


人体模型だけではなく、黒板消し、チョーク、
机や椅子といった物まで、二人を執拗に追い回す。
その中には、あの頭部のない少年霊と花子さんもいた。
魅夜と雫は必死に逃げ回り、やっとの思いで校外に脱出。
彼等は校外に出ることが出来ないのか、下駄箱の並ぶ玄関でピタリと立ち止まった。
「外には…出られないみたいだね…はぁ…はぁ…」
「そのようだな…うむ…」
とりあえず一安心だとホッと安堵の息を漏らす魅夜と雫。
もう存分に味わった。楽しいのも怖いのも。
十分だ、と雫は言って、帰ろうと魅夜に告げた。
もう少し遊んでいきたいなぁと思う魅夜だが、
半泣きの雫を見る限り、もう無理そうだ。
魅夜は「仕方ないな」と言って、雫と共に学校を後にする。
二人が学校に背を向けた、そのとき。
『グォォォォォォォーン……』
不気味な声が。バッと振り返る魅夜と雫。
二人の目に、恐ろしいものが映る。
学校全体を、巨大な影が覆っていたのだ。
不気味な声の主は、この影。
凶悪な妖怪…影鬼である。
魅夜と雫を追いかけていた彼等は、二人の身を案じていたのだ。
危ないから、早く帰れ。そういう意味で二人を追い回した。
「か、勘弁してよ…」
恐怖メーターを振り切ってしまった雫は、ははは…と苦笑を浮かべると、
ガシッと魅夜の腕を掴んで、一目散に逃げ出した。
「うぉぅ?」
雫に引っ張られて学校を離れる魅夜。
雫は振り返らない。見たくないから。
手を引かれつつ、実に興味深い現象だと魅夜が見やる先では、
妖怪・影鬼 VS 学校に棲まう霊魂の壮絶なバトルが繰り広げられていた。
気になる結末は…?

後に二人は、あの学校では定期的に、
妖怪・影鬼 VS 学校に棲まう霊魂が行われている事実を知る。
学校を我が物にしようとしている影鬼を追い払おうと、
学校に棲まう霊魂達が必死に戦っているというのだ。
勝つのは、いつも霊魂達。けれど影鬼もしつこく、何度も何度も挑んでくるという。
魅夜は、その情報が記されているパソコンモニターを見やって、クックと笑い言った。
「今度、参戦してみぬか?」
「絶対にヤダ!!」
雫は苦笑して、大声でそう返す。

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■■■■■ THE CAST ■■■■■■■■■■■■■

6693 / 黒塚・魅夜 (くろつか・みや) / ♀ / 16歳 / 高校生魔女・メデューサ
NPC / 瀬名・雫 (せな・しずく) / ♀ / 14歳 / 女子中学生兼ホームページ管理人

■■■■■ ONE TALK ■■■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度さまです('∀'*)ノ
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ。

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2008.03.15 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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