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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


メイド喫茶へGOGO!

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OPENING

「ふわ〜。すごいなぁ。可愛いかも、これ」
パラパラと雑誌をめくりながら呟いている雫。
雫が読んでいる雑誌は『LLL』という雑誌で、
まぁ、わかりやすくいうなれば…萌え雑誌。
秋葉原でのイベントやショップ情報などが掲載されている。
普段はこの雑誌に全く興味のない雫だが、
この日は…ふと目に留まってしまった。
表紙を飾っている女の子が、とても可愛らしかったのだ。
フリフリのドレスを着て、お盆を持っている。
何だか動きずらそうな このドレスは、メイド服というものらしい。
雫はふむふむ、と頷きつつ記事に釘付け。
どうやら、メイド喫茶というものに興味津々な御様子。

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「あ、もしもし。宗真? 今ヒマ? …んじゃあさ、ちょっとついて来て?」
宗真に連絡をし、ふっふっふ…と怪しい笑みを浮かべる雫。
宗真は、例によってまた、どこか心霊スポットへ行くのだろうと思い、
仕方ないですね…と同行を了承した。
だが残念ながら今回、雫に連れて行かれるのは心霊スポットではなく…。
「…あれ?カメラは持ってこなかったんですか?」
待ち合わせ場所である巨大時計の下で、宗真はキョトンとした。
心霊スポット巡りの際、いつも雫が持っているデジカメが見当たらないのだ。
雫はニッコリ微笑むと「今日は要らないトコ行くからね」と言って、
宗真の手を引き、テクテクテクテクと足早に歩き出す。
「ちょ、ちょっと…どこ行くんですか」

雫に手を引かれて辿り着いたのは、電脳街。
あちこちから聞こえてくる甲高い声の歌は宗真にとって耳障り。
すれ違う人物も皆、どこか妙な格好をしている…。
一度も踏み入ったことのない電脳街に戸惑う宗真。
雫は躊躇することなく歩き、とある店の前でピタリと立ち止まった。
「あっ、ここだ〜」
何やら雑誌を見て確認しつつ嬉しそうに笑う雫。
フッと見上げると、そこには『萌え萌えカフェ☆』の看板があった。
「し、雫さん…?」
恐る恐る声を掛ける宗真。
雫はガシッと宗真の腕を掴み「行ってみよ〜」と言って店内へ。
「はっ!?ち、ちょっと…一人で行って下さいよ…って、あぁぁ…」
抵抗むなしく、宗真は雫に引きずられメイド喫茶へと吸い込まれていった…。


「おかえりなさいませぇ、ご主人さまぁ☆」
店に入るやいなや、フリッフリの服を纏った女性が極上の笑顔で迎えてくれた。
女性の頭には猫耳らしきもの。お尻では尻尾らしきものが揺れている。
「うわぁ!ほんとに可愛い!すごぉーい!」
大興奮の雫。宗真は顔を真っ赤に染めて無言のまま俯く。
メイドさんに案内されて、宗真と雫は窓際の席に着席。
(何でよりによって窓際…)
顔を隠すように頬杖をつく宗真。
雫は目をキラキラと輝かせながらメニュー表を見やっている。
「宗真、何食べる?たくさんあるよ!」
「な、何でもいいです…」
一刻も早く、ここから出たい…そう思ってやまない宗真。
すると雫はメイドさんにニッコリ微笑んで、
「じゃあ、この萌え萌えオムライス下さい。ふたつ」 そう言った。
「かしこまりましたぁ☆」
(…何ですか、モエモエオムライスって…燃え盛ってるんですか…)
恥ずかしさに俯いたまま、そんなことを思っている宗真。
そこへ雫が、また意味不明なことを言い出す。
「えと、一つはシズクで、もう一つはソウマ、で御願いします」
「かしこまりましたぁ☆」
さすがに意味不明すぎて、宗真はメイドさんが去った後、小さな声で尋ねる。
「何ですか、今の…」
「ん?ケチャップのやつ」
「はい?」
「ケチャップでね、好きな文字を書いてくれるんだって。ほら、ここに書いてあるよ」
メニューを見せる雫。メニューには確かに、
オムライスには、御好きな文字をデコレート致します☆と書かれていた。
「なるほど…って、いらないですって……」
宗真のノリ突っ込み。レアである。

「御待たせしましたぁ☆」
コトリと置かれるオムライス。
花柄の可愛らしい皿に黄色いオムライス。まぁ、見た目は普通だ。だが…。
メイドさんは、キュポンッとケチャップの蓋を開け、
仰せのままに〜とオムライスをデコレートしていく。
普通のオムライスが、あっという間に萌え萌えオムライスに。
『☆ソ・ウ・マ☆LOVE☆』目の前にあるオムライスにされたデコレート。
宗真は耳まで真っ赤に染めて、それ以上俯くと顎が体に減り込む…とばかりに俯いた。
「美味しいね〜。あははっ」
萌え萌えオムライスを頬張りつつ、何とも楽しそうな雫。
宗真は雫に借りたニット帽を深く被り、サカサカとオムライスを早急に平らげた。
雫がオムライスを食べ終えたと同時にカタンと席を立ち、
「さ、帰りましょう」そう言って雫の腕を掴む宗真。
ところが雫は「萌え萌えジャンケンしないと帰れないんだよー」と言った。
(モエモエジャンケンっ!?)
ギョッと目を丸くする宗真。
と、そのとき…店の中央にメイドさんが一人テクテクと歩いてきて、
「じゃ〜いきますよぅ☆萌え萌えジャンケン☆はい、右手を上にあげてぇ〜☆」
そう言い、店内客に右手を上げるよう可愛らしく御願いした。
一斉にガバァッと右手を上げる店内客一同。
客等のその動きにビクッとする宗真。
「ほらほら、宗真も上げなきゃ」
雫はそう言ってニコニコと微笑んだ。
どうやら、やらないわけにはいかないらしい…。
宗真は再び席に座り、深く俯いて渋々右手を上げた。
「はいっ、せぇのっ、萌え萌え〜〜じゃんけんぽんっ☆」
クルクルと回りながらコールするメイドさん。
店内客はメイドさんの声に合わせて各々、グーチョキパーのいずれかを出している。
雫が出したのはパー。宗真が出したのはグー。
メイドさんの手は…チョキ。
「はいっ。グーを出したご主人様は、ご起立くださぁい☆」
ガタガタと席を立つグーを出した客一同。
「やったね、勝ったよ宗真!がんばれー!」嬉しそうな雫。
(何で勝つんだ。僕って奴はっ…)
宗真は自分の右手を睨みつつ、ノソノソと席を立つ。
繰り広げられる萌え萌えジャンケン大会。
しわりじわりと少なくなっていく勝者。
そして最終的に最後まで起立していたのは…なんと!…宗真だった。
(あぁぁぁぁぁぁ……)
自分の右手を睨みつける宗真。
「おめでとぅございます、ご主人さまぁ☆」
見事に優勝した宗真の頭に、スポンと猫耳バンドをはめるメイドさん。
その瞬間、店内に舌打ちと枯れた拍手が起こった。
「あっはははははは!おめでとー!宗真!あっははははははっ!」
お腹を抱えて大笑いしている雫。
一斉に浴びる客の冷たく痛い視線と無邪気な雫に、
宗真は猫耳バンドをはめた頭をガックリと垂らした。


「はぁー!すっごい楽しかったね!」
満足そうな表情で言う雫。雫の頭には猫耳バンドがついている。
無論、いらない…と宗真が雫にあげたものである。
宗真はフラフラと歩きつつ、目元を押さえて言った。
「疲れました…すごく…」
「何でぇ?楽しくなかった?」
「ちっとも…」
ガックリと肩を落とす宗真。
雫はちょっと残念そうな顔をしたが、
すぐに何かを見つけて、パッと明るい表情になる。
「宗真、次はね、あそこに行ってみたいの!ほら、早くー!」
グイグイと宗真の腕を引っ張る雫。
雫が指し示している先には『コスプレ館』の看板。
「も、もう勘弁して下さ…あぁぁぁ…」
宗真の初めての電脳街巡りは、まだまだ続く…。

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■■■■■ THE CAST ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

7416 / 柳・宗真 (やなぎ・そうま) / ♂ / 20歳 / 退魔師・ドールマスター・人形師
NPC / 瀬名・雫 (せな・しずく) / ♀ / 14歳 / 女子中学生兼ホームページ管理人

■■■■■ ONE TALK ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

こんにちは! 参加・発注ありがとうございます。
すみません。御任せされて、思いのままに はっちゃけすぎましたか…(笑)
とても楽しかったです。…た、たまにはこんな宗真さんも! r(^ω^;)))
気に入って頂ければ幸いです。 是非。また、ご参加下さいませ^^

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2008.03.16 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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