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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


メイド喫茶へGOGO!

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OPENING

「ふわ〜。すごいなぁ。可愛いかも、これ」
パラパラと雑誌をめくりながら呟いている雫。
雫が読んでいる雑誌は『LLL』という雑誌で、
まぁ、わかりやすくいうなれば…萌え雑誌。
秋葉原でのイベントやショップ情報などが掲載されている。
普段はこの雑誌に全く興味のない雫だが、
この日は…ふと目に留まってしまった。
表紙を飾っている女の子が、とても可愛らしかったのだ。
フリフリのドレスを着て、お盆を持っている。
何だか動きずらそうな このドレスは、メイド服というものらしい。
雫はふむふむ、と頷きつつ記事に釘付け。
どうやら、メイド喫茶というものに興味津々な御様子。

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「む?何だ、楽しそうだな?」
ネットカフェに入って早々、雑誌を見ながら目を輝かせている雫を発見。
魅夜は、トトト…と雫の背後に回り、何をそんなにワクワクしているのか?と尋ねた。
「メイド喫茶!行ってみたいんだよねぇ〜」
ニッコリと笑顔で振り返って言う雫。
「冥土喫茶?むむっ?」
はい、勘違い。魅夜はメイドを冥土と勘違い。
当然、興味を抱くわけで…。
「何だ?冥土?冥土喫茶?それは、どのようなところだ?興味深いぞ?」
興奮しつつ食いつく魅夜。雫は読んでいた雑誌を見せて説明した。
「ほら、これ。メイドさんがいるんだよ。可愛いよね、この服〜」
「…冥土。…メイド。…メイドか」
勘違いをしていたことに気付き、はふぅと息を漏らす魅夜。
かなり、ガッカリしているようだ。
雫は、ガックリしている魅夜をジーーーッと見つめる。
「む?」
魅夜が首を傾げると、雫はニパッと微笑み席を立ち、魅夜の手を引いて言った。
「一緒に行ってみない?メイド喫茶」
「む…」
少し躊躇い、ふっと雑誌に目を落とす魅夜。
掲載されているメイド喫茶の記事を見た感じ…。
よくわからないが、ちょっと楽しそうだ。
「雫の奢りなら、良いぞ」
魅夜は、奢ってくれるなら同行しても構わないと告げる。
「いいよー!よっし!じゃ、早速いこ!」
奢りなら、という条件を雫はアッサリと飲んだ。
二人は手を繋ぎ、ワクワク心を躍らせてメイド喫茶へと向かう。

電脳街。滅多に踏み入らないそこには、興味深いものばかり。
魅夜はキョロキョロと辺りを見回し、目に飛び込む様々なものに興味を抱く。
黒ローブに黒フード。全身黒尽くめな魅夜は、かなり怪しい。
だが、電脳街では それでも浮かないから不思議である。
何あのコ…という目で見られないこともないが、
それよりも、逆に寄って来る人物のほうが多い。
寄って来た者は口々に「それは、マジカルリリアンのコスですか?」と言った。
魅夜と雫は何のことやらサッパリ。ただ首を傾げるばかり。
マジカルリリアンというのは、今人気のアニメで、
魔女の少女が様々なモンスターをルンルン魔法というもので退治していくストーリー。
その主人公である魔女、リリアンの風貌が黒ローブに黒フード。
魅夜とそっくりなのだ。故に電脳街の者は、過剰に反応している。
二人には何が何やらサッパリなので、適当に流して流して…。
さて、メイド喫茶に到着。
巨大な看板には、可愛い猫の絵と『萌え萌え喫茶☆』という文字が書かれている。
チラッと中を見やると、店内はギュウギュウ詰めの大繁盛。
「凄いね。座れるかなぁ?」
「ふむ…」
魅夜と雫は不安を抱きつつ、店内へ…。


「おかえりさないませぇ☆お嬢様ぁ☆」
店に入って早々、満面の笑顔で迎える可愛らしい女性。
女性はフリフリの服を纏い、頭には猫耳…お尻には尻尾が。
「うわぁ、すごい!ほんとに可愛いぃー!」
雑誌で見たとおりの可愛らしいメイドさんに大喜びの雫。
魅夜もウンウンと頷き、満足気だ。
メイドさんに案内され、二人は窓際の席へ。
窓の外、大きな紙袋を持って足早に歩く電脳街の者を見やっている魅夜。
雫はメニュー表を見つつ尋ねた。
「魅夜ちゃん、何にする?何でもいいよ?」
「む?そうだな…じゃあ、ヤモリの黒焼きを一つ貰おうか」
「…ないよ。そんなの」
「そうなのか?品揃りの悪い店だな」
「普通ないよ、そんなの。それと、品揃りじゃなくて品揃い、だよ」
「そうか。間違えた。えーと…じゃあ、メロンソーダを貰おう」
「それだけでいいの?」
「うむっ」
「了解〜。すみませ〜ん!!」
魅夜はメロンソーダを、雫はストロベリーソーダを飲みつつ、店内をキョロキョロ。
フリフリ服を着た可愛いメイドさんは、忙しそうに、でも笑顔で店内を駆け回っている。
客は…十人十色。若い男性から中年男性。女性もいる。
店内では、よくわからない『ニャオニャオニャオ』と繰り返しているだけの曲がエンドレスループ。
すごく不思議な空間だが、みんなとっても楽しそうである。
「それにしても、すごい人だねぇ」
「うむ、そうだな。忙しそうだ」
チュー…とメロンソーダを飲みつつ店内を見やっている魅夜。
そこで雫がピンと、とあることを閃き提案した。
「ね、お手伝いしない?」
「手伝い?」
「そうそう。メイドさんになるの」
「そんなこと出来るのか…?」
「どうだろ。聞いてみるね。すみませぇーーん!」

メイドになって、お手伝い。
雫が提案したそれは、あっさりと店に受け入れられた。
店長は大喜びで、是非御願いしますとノリノリだった。
借りたフリフリのメイド服を纏い、クルンと回る雫。
「わぁ〜。ほんとに着れちゃった〜」
雑誌で一目見たときから着てみたかったらしく、雫は満足そう。
さて、魅夜は…というと。
「………」
ぶすっとした表情で頬を膨らませている。
ローブとフードを無理矢理引っぺがされて、御機嫌斜めのようだ。
フードがない為、コンプレックスである顔が丸見え。
魅夜はふてくされつつも、恥ずかしそうに俯いている。
「魅夜ちゃん、もっと可愛くしなきゃ。あっ!ほら、お客さんだよ」
カランカランとベルが鳴り、扉が開いて二名様、ご来店。
雫は、いらっしゃいませと言いかけてハッと口を押さえる。
ここはメイド喫茶。扉から入ってくるのはご主人様。
お客様じゃなくて、彼等は自宅に帰ってきた…仕える御主人様なのだ。
「お、おかえりさないませぇ。御主人様っ」
たどたどしくも、しっかりメイドさんと化している雫。
雫に促され、魅夜も続く。
「おかえりなさいませ。御主人様…」
ふてくされているのと恥ずかしいのとで、魅夜は…ちょっと無愛想。
けれど上目遣いで、ちょっと無愛想な可愛いメイドさんは、
御主人様たちの心を、キューン☆と掴んだ。
「やべっ。可愛くね?こんなコいたっけ?やべっ。やべくね?」
「ヤバイ。ヤバイですね、これはヤバイ。ヤバすぐる!」
大興奮の御主人様。お気に召したようで何より…。

メイドさんになった魅夜と雫は、すぐさま店内で大人気。
次から次へと指名を受け、御主人様のオムライスに絵を描いて差し上げたり、
ジャンケンや、あっちむいてホイで勝負して差し上げたり…。
御主人様の望むがまま、仰せのままに。二人は尽くした。
そんな中、とある御主人様が「魅夜たんの料理が食べたい」と言い出した。
魅夜は、その願いさえも快く承諾し、
「少々御待ち下さいませ」とぶっきらぼうに言い、キッチンへ。
「魅夜ちゃん、何作るの?」
お手伝いをしようと隣で見やって雫が尋ねた。
すると魅夜は冷蔵庫からチョコやらウェハースやらフルーツやらをポンポン取り出す。
「魔女パフェを作るぞ。聞いて驚け。これはな、美味いのだ」
「まじょパフェ?」
「うむ、見てるがよい」
パフェグラスにポイポイとフルーツやチョコを入れていく魅夜。
グラスから溢れんばかりに詰められたそれらの上から、
魅夜は「仕上げだ」と言ってニヤーリ…と微笑み、
生クリーム、苺ジャム、ブルーベリージャム…あらゆるものをかけた。
もはや、何が何だかわからない物体が完成。
ドロリとしたたるジャムは、確かに魔女な雰囲気…に見えなくもない。
見るからに甘ったるそうな魔女パフェ。
御主人様は、うっすらと目に涙を浮かべて美味い美味いとパフェにガッつく。
御主人様の感動の理由は、魅夜にも雫にもサッパリわからない。
まぁ、何はともあれ、喜んで頂けたようなので、めでたしめでたしである。


お手伝い終了後―
「いやぁ…大人気だったね、君達。どう?正式にウチで働いてみないかい?」
店長は大喜びで、二人を正式に雇いたいと言い出した。
雫はケラケラと笑い、楽しかったけど、もういいですと断る。
魅夜もコクリと頷いた。二人とも、存分に満喫したようだ。
店長は残念だなぁと笑って、記念に一枚、写真を撮ってあげようと言った。
「わ。それは嬉しい。ね、魅夜ちゃん?」
「うむぅ〜?」
ノリ気ではない魅夜。この顔をバッチリさらけ出した状態を写真に収めることに抵抗があるようだ。
けれど雫はノリノリで撮ってもらう気満々。
ここで断っては、雫が可哀相だ。そう思い、魅夜はやむなく撮影に応じる。
「はい、いくよ〜。せぇの〜」
パシャッ―
パシャッ―
ポラロイドカメラで続けて二回シャッターを切った店長。
店長は「ごくろうさま、また手伝ってくれると嬉しいな」と言って、
二人に一枚ずつ、撮ったポラロイド写真を渡した。
二人並んで映る、メイドさん姿の魅夜と雫。
バッチリ顔が映っている写真に、ほんのり頬を染めて、
魅夜は、そそくさと写真を懐にしまった。

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■■■■■ THE CAST ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

6693 / 黒塚・魅夜 (くろつか・みや) / ♀ / 16歳 / 高校生魔女・メデューサ
NPC / 瀬名・雫 (せな・しずく) / ♀ / 14歳 / 女子中学生兼ホームページ管理人

■■■■■ ONE TALK ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

こんにちは! 参加・発注ありがとうございます。
魅夜ちゃんのメイドさん姿。まさにキューン☆だと思います(笑)
あれこれ想像しつつ、とっても楽しかったです…^^
気に入って頂ければ幸いです。 是非、また^^

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2008.03.16 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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