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仮装祭り(モンスター扮装)
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OPENING
仮装祭り・モンスター扮装に関しての御連絡―
仮装祭りへの参加表明、ありがとうございます。
以下に会場詳細等を記しますので御確認下さい。
素敵な夜となりますよう、ご協力を御願い申し上げます。
イベント名:仮装祭り・モンスター扮装
会場:異界B−35地区 特設広場
開催:2008年3月19日
参加資格:本イベントに興味のある方
扮装:当日はモンスター仮装で会場に起こし下さい。
「…参加表明してねぇし」
届いた招待状を見やりつつボヤくディテクター。
そんなディテクターを見てクスクス笑い、レイレイは言った。
「あ、私です。表明出したの」
「…わかってるよ。つか、何でだよ」
「楽しそうだからです」
ニコリと微笑むレイレイ。
屈託のないその笑顔に、ディテクターは乾いた笑みを返した。
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ドラキュラに扮装したディテクターと、
可愛い魔女に扮装したレイレイ。
二人とも、とっても良く似合ってる。
探偵さんは乗り気じゃないみたいだけど、
不機嫌そうな表情が仮装にマッチしていて、何だか強そう…。
レイちゃんは、うん。もちろん可愛い。
何ていうか、アイドルみたい。
怖〜い魔女には全然見えないわ。
そうねぇ、言うなればドジな魔女っ娘とか。
そんな感じかしら。ん?勝手に設定つけるなって?
ふふ。そうよね。ごめんなさい。
で、私は何の仮装をしたのかというと…ドリアード。
森の精霊さんよ。新緑の葉を頭にグルリと巻きつけて、
深緑のドレスでヒラヒラと舞うの。
ところどころにつけた花や蕾が、雰囲気出してるでしょう?
あんまり派手な色合いだと二人と並んで浮いちゃうからね。
二人ともシックな色でキメてるし。
これなら、並んで歩いても不自然じゃないと思うの。
「それにしても…結構いるのね、参加者」
会場を見回してクスクス笑うシュライン。
レイレイはワクワクを押さえきれないのか、
会場についてから、ずっと落ち着きなくソワソワしている。
「あ!ミイラ男さんがいますよー。写真撮ってきますねっ」
レイレイの首には、デジタルカメラがブラ下がっている。
完成度の高い、もしくは自分が好きな仮装を見つけると、
一目散に駆け寄って行って写真を撮らせてもらうのだ。
その姿は何というか。
東京の電脳街とかで見かける、とある一族?に似ているような気がしないでもない。
「ふふ。楽しそうね」
「あいつは本当…どっから見つけてくるんだろうな。こういうイベント」
「お祭り好きよね。レイちゃん」
「だなぁ。いつからか、な」
「いいことだと思うの。私はね」
「そうかぁ?」
「うん。元気に笑ってる…見てると安心するっていうかね」
「まぁ、わからんでもないがなぁ。巻き添えをくらうのは勘弁だっつぅの」
「まぁまぁ、どうですかドラキュラさん。一杯?」
「ふ…もらおうか」
「…(ノリは良いのよねー。ふふ)」
*
会場内で仮装祭りを楽しむ一行。
何のことはない、ただ単に仮装しているだけであって、
酒や馳走を楽しむだけ。板ってシンプルな催事なのだ。
異界を盛り上げるために開催したそうだが、大成功なのではなかろうか。
主催者も、ここまで参加があるなんて思わなかっただろう。
それだけ、数え切れないほどの参加者がいるのだ。
定番モンスターに扮装している者もいれば、
何に扮しているのか、さっぱり理解らない者もいる。
けれど、みんな笑顔。楽しそうに満喫している。
時刻が二十二時を示したとき。
催事のメインイベントである【鬼ごっこ】が開始される。
参加者全員で鬼ごっこをする、くだらないイベントである。
ただ参加者は皆、酒が入っていることもあって、
すっかり、祭りの雰囲気に酔っている。
故に、みんなノリノリで参加するのだ。
子供に混じって騒ぐ大人。
それは、とても微笑ましい光景である。
シュラインとディテクターは、森の中に身を潜めていた。
ディテクターの漆黒のマントに包まれて夜空を見上げるシュライン。
今日は、星が良く見える。
春の夜風、春の夜空。
少し離れた場所から聞こえる楽しそうな笑い声。
シュラインはクスクスと笑い、ディテクターの胸に身を預ける。
「何だか…平和ねぇ」
「ここだけな」
「ふふ。こうして二人でゆっくりするの久しぶりね」
「だな。何だかんだで忙しいからな。相変わらず貧乏だけど」
「っふふ。お祓いとか行ってみる?」
「…勘弁してくれや」
とても良いムード…雰囲気だ。
落ち着いた、二人のしっとりとした時間。
ドラキュラとドリアードの逢引。
二人は自然と見つめあい、口付けを交わそうとした。
だが、そのとき。
ガサァッ―
「見つけましたわー!おっほっほ!」
箒に跨ったレイレイが突如現れた。
跨っているだけだ。飛んではいない。魔女だけど。
「ビ、ビックリしたぁ……」
「お前なぁ、心臓に悪…」
驚きから文句を言うディテクターがピタリと動作停止。
ん?どうしたの?と顔を上げるシュライン。
そこで、シュラインはすぐに理解した。
ディテクターがフリーズしてしまった理由を。
「ふっふっふっ」
不敵な笑みを浮かべるレイレイ。
そう、レイレイの胸元にはドクロのシールがついていたのだ。
それは証。鬼ごっこで、今まさに【鬼】を勤めている証だ。
「や、やべぇっ」
「きゃーーー」
手を繋ぎ、慌てて駆け出すシュラインとディテクター。
「待てぇーっ!」
魔女に扮装したレイレイは、箒にまたがったまま二人を追いかける。
箒に跨るのを止めたほうが、追いかけやすいと思うが…。
モンスターたちの宴は、夜通し続く。
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■■■■■ THE CAST ■■■■■■■■■■■■■
0086 / シュライン・エマ / ♀ / 26歳 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
NPC / ディテクター(草間・武彦) / ♂ / 30歳 / IO2:エージェント(草間興信所の所長)
NPC / レイレイ(草間・零) / ♀ / ??歳 / IO2:エージェント (草間興信所の探偵見習い・武彦の妹)
■■■■■ ONE TALK ■■■■■■■■■■■■■
こんにちは! 毎度さまです〜! (ΦωΦ)ふふふ・・・・!
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ。
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2008.04.24 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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