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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


何故、私の言った通りにしないのだ
●オープニング【0】
「まただわ」
 月刊アトラスの編集長、碇麗香はそのはがきを一目見て小さな溜息を吐いた。一面が細かい文字でびっしりと埋め尽されている。内容はといえば、先月号の記事についてああでもないこうでもないとダメ出しをしまくっているのだ。
「……批評はあってしかるべきなんだけど」
 と言って眉間にしわを寄せる麗香。ここがよくないなどと指摘されることは、何も悪いことではない。指摘された部分を改善して、よりよくしてゆけるからである。
 しかしながら――昨今増えているのは『自分の意見が全て正しいんだから、お前たちはその通りにしろ』という批評(というか、こうなるともはや押し付けである)だから、ちょっと困ってしまう。これがネット上になると、さらにその傾向が強まるのであれな訳だが……。閑話休題。
 麗香はそのはがきに一応目を通すと、別の封筒を手に取って封を切ろうとした。
「痛っ!」
 机の上に、ぱさっと封筒が落ちる。麗香はといえば、眉をひそめ右手の人差し指を口にくわえていた。口の中に鉄の味がじわりと広がってゆく。
「……古典的ね」
 一部封が切られた封筒からは、剃刀の刃が鈍く光って見えていた。
 と、その時だった。編集部内に破裂音が響き渡ったのは――。
「うわあぁっ!?」
「どうしたの三下くん!!」
 編集部員・三下忠雄の悲鳴を聞いて、麗香はすくっと椅子から立ち上がった。ゆっくりと焦げ臭い匂いが室内に漂い始める。
「と、突然荷物が破裂して……」
 先程の破裂音は、今日編集部に宅配便で届いた小さな箱が破裂した音であったのだ。それがたまたま三下がそばを通りかかった時で、三下にとっては何とも不幸な偶然であった。
「時限式なのかしら……」
 麗香は破裂した荷物の残骸にゆっくりと近寄ると、床に落ちていた配達伝票の切れ端を拾い上げた。そこには差出人の住所が記されていたのだが――。
「……え?」
 突然麗香が机の方へ引き返したかと思うと、先程の剃刀入り封筒を手に取って配達伝票の切れ端と見比べ始めたのである。
「同じ住所だわ」
 封筒の裏には、配達伝票に記されたのと全く同じ住所が記されていたのだ。さすがに差出人の名前は異なっていたけれども、筆跡は素人目には似たように感じられる。
「……警察に知らせる前に、少し調べてもらった方がいいかもね……」
 麗香は携帯電話を取り出すと、草間武彦に電話をかけた。何人か、調べてもらう者を回してもらうために――。

●大勢に伝えることの難しさ【1】
「案外、言う通りに紙面改革したら売り上げ部数伸びるかもしんねーよなー……」
 ぼそっと言った守崎北斗のつぶやきを麗香は聞き逃さなかった。眉をひそめ、じろりと北斗を睨み付ける。月刊アトラス編集部での出来事である。
「何ですって?」
「あと、そいつの言うような特集を組んでみるとかさ。それで売り上げ伸びてみんな大満足! ……つー都合のいいことにはなんねーか……」
 麗香が睨み続けていることに気付き、北斗は思わず首を竦めた。
「あのね……」
 麗香がつかつかと北斗のそばへ詰め寄ってくる。
「ただ1人だけを完全に満足させるために、他の全ての読者に不満足を与える訳にはゆかないのよ、雑誌って奴は。そりゃあ読者全員に満足してもらうのが理想だけど……現実を見るなら、なるべく満足度を上げてゆくってことしか出来ない訳。……まあ、マスコミって呼ばれるメディアの宿命だわね」
 ふう、と溜息を吐く麗香。
「ただ1人を満足させたいのなら、それこそオーダーメイドの世界くらいでしょ。自分の納得のゆく物を作ってもらう……ネットなら可能でしょうけど、それでも限界はあるわ。1人や2人、増えて10数人とかならともかく、1万人や2万人なんてなってくると簡単に対応しきれると思う?」
「……上手くやんねーと無理じゃね、それって?」
「そういうこと。批判も多いけれどね、大勢に同時に伝えるためにはマスコミってのはそれなりに上手く出来ている仕組みなのよ。もっとも、道を踏み外せば洗脳って呼ばれることにはなるんだけど」
「ええと……メディア論はひとまずその辺にしてですね」
 シュライン・エマが口を挟んできた。
「これがここ最近の投書なんですよね?」
 と言って、中身のそこそこ詰まった段ボール箱を机の上に置くシュライン。麗香が大きく頷いた。
「ええ、そうよ。批判であろうが何であろうが、保管するのが基本だから。その箱でこの2ヶ月分ほどかしら。隣とかにも箱がなかった? 半年分はすぐ出せるようにしてはいるんだけど」
「……ならそれも調べた方がいいな。北斗、運ぶぞ」
 それまで爆発物の跡を調べていた守崎啓斗が弟の北斗を誘い、他の段ボール箱も運んでこようとする。
「りょーかい。んで兄貴、何か仕掛け見付かった?」
 そそくさと移動しながら北斗が啓斗に尋ねた。すると啓斗は首を横に振った。
「仕掛けどころか、箱の残骸以外何も見当たらないぞ」
「あ、やっぱり? 俺もさー、焦げ臭い匂いこそするけど、何か火薬の匂いしないから妙だよなって感じてたんだよなー」
 啓斗の説明を納得した表情で聞く北斗。さすがは忍者の兄弟、そういった所には敏感なようだ。
「……まるでポルターガイスト現象みたいにも思えるな」
 ぼそっとつぶやく啓斗。段ボール箱を抱え上げる。
「て、霊の力の爆発?」
 北斗ももう1個の段ボール箱を抱え上げて聞き返した。
「そういう芸当が出来る相手なんだろ」
 そんなことを言いながら、啓斗は北斗とともに段ボール箱を運んでいった。
「ひとまず同じ差出し先のをピックアップしましょ。近辺の住所のも選り分けておいて」
 そうシュラインが提案する。おおよそ半年分を1通1通チェックしていったのでは多大な時間がかかる。効率良く進めるためには、こういった方法はベターであろう。
 そして3人が手分けして探してゆく。近辺の住所である投書も選り分けてゆくことからそれでも多少の手間はかかるが、1時間もしたら何通かの目的の投書を探し出すことが出来た。
「差出人は違うけど、全部同じ住所ね」
 シュラインが見付かった投書の差出し先を確認する。確かにいずれも同じ住所が記されていた。
「消印も……同じ、と。この住所の管轄内ね」
 封筒を表に向け、シュラインは消印を確認する。どれも同じ消印で差出し先の管轄内であることから、これらの投書を差し出した者は記載されている住所の近くに住んでいたりする可能性があるということだ。まあ、よっぽど気を付けてわざわざそのようにしているという可能性だって否定は出来ないのだけれども。
「んじゃ中身読んでみようぜ。要望が具体的に分かんないと、ちょっと動くに動けねえし」
 北斗はそう言うと、手近な1通を手に取って中身を読み始めた。手書きではない、パソコンで印刷をしているようだ。
「なになに、えー、『どうして月刊アトラスは数あると言われる都市伝説について取り上げないのか』……と。これいつの手紙だ?」
 消印の日付を確認する北斗。半年ほど前ということは、この中で一番古い投書であるだろうか。
「取り上げてなかったんですか?」
「半年前でしょう? その時期は確かに取り上げてなかったわね」
 シュラインの質問に答える麗香。
「だったら、要望としては普通にあることじゃね?」
「……他所が取り上げてたからあえて避けてたのよ。テレビとかでも特番やってたし」
 北斗の素朴な疑問に麗香はそう説明する。確かにそういう戦略もありだろう。他が取り上げている時に取り上げると、後追いと思われて悪いイメージがつくこともあり得るからだ。
「でも3ヶ月前に特集組んだのよ、都市伝説の」
「何だ、きっちし要望取り入れてんじゃねえか。……あれ? だったら満足してるはずだよなあ?」
 自分で言った言葉に首を傾げる北斗。その疑問は、啓斗が読んでいた投書の内容で解かれることになる。
「『今月の都市伝説特集に物申す。何故あのようなありきたりの内容になってしまっているのか、執筆者たちに問いただしたい』……とあるな。消印は約3ヶ月前」
「……中身に満足出来なかったのか」
 苦笑する北斗。なるほど、それでは投書は続く訳だ。で、最新の投書が昨日の消印だったりして現在に至る、と。
「都市伝説の再検証がテーマだったのよ、その号は。ほら、ベッドの下に見知らぬ男が潜んでるとか、そういったのがいったいどこから生まれてきたのか追跡してみたりね」
「けれどそれに満足出来なかったから、こうやってああしろこうしろと自分の考えた案を書き連ねているんだろう」
 投書を最後まで黙読した啓斗が言った。
「ちなみにその号ね、アンケートの結果はよかったのよ。経緯とかが再確認出来たって。……ほんと、雑誌作りって難しいわ」
 小さく溜息を吐く麗香。この言葉は本音だろう。
「見方を変えれば、それだけ熱心な月刊アトラスファンなんでしょうけど……」
 とシュライン。しかしながら暴走して何がしか問題を起こしてしまうのも、多くの場合はその『熱心なファン』だったりすることもまた事実。それが分かっているからだろうか、シュラインの言葉も少々歯切れが悪かった。
「同業者か、ただの暇人かって線もありそうだ」
 啓斗がぼそっと言った。
「1度くらいそいつの言うとおりにしてみたらいいんじゃね?」
 北斗が麗香の方に向き直って言った。
「もちろん記事はそいつが書くんだ。言い出しっぺが書かなきゃ意味ねえし」
「……ちゃんとした記事が書けるんならうちとしては歓迎よ。無論、騒動の責任は取ってもらう必要はあるけど」
 これもまた麗香の本音だろう。きちんとした記事が書けるのなら、さすが言うだけのことはあるという評価になるだろう。しかし残念ながら、大半の場合は口だけ達者という結果になったりするのが現実な訳なのだが。
「……そいつの家に行くことになるんだよな、この分だと」
「家かどうかはまだ分からないけど、この住所を訪れる必要はあるわよね」
 北斗の言葉にシュラインが反応した。
「ならお守りなんか持っていった方がいいんじゃね? 出版社からのオカルト依頼つーこって、ゴーストライターなんてものも出てこねーとも限らねえしな」
 と言って笑った北斗だったが……何故か麗香やシュライン、兄である啓斗も視線を逸らす。
「ゴーストライターはね、オカルトじゃないわよ」
 麗香から冷静な突っ込みが入った。すると北斗は慌てて言い返した。
「『ゴースト』ってついてりゃだいたいオカルトなんだから、細かいこと気にしなくたっていいんだよっ」
 ……北斗さん、照れてるのか顔がちょっと赤くなってますぜ。

●それを使うには理由がある【2】
「ここで合ってんだよなあ、シュラ姐?」
「ええ、合ってるのよねえ……」
「予め調べて分かった店しかないな」
 記載されていた住所を訪れた北斗、シュライン、啓斗の3人は、目の前にある店をただ見つめていた。
 そこにあったのは……1軒のそば屋だったのである。
「とにかく入ってみましょ」
 と言って店の中に入ると、すぐに元気のよい挨拶が返ってきた。
「いらっしゃいませ! 何名様ですか?」
 若い女性の店員がシュラインに尋ねてきた。
「あ……3名です」
「ではあちらのテーブルへどうぞ!」
 と、女性店員にあっという間に通されてしまう3人。こうなっては何かしら食べてゆくしかないだろう。
「俺、カツ丼大盛りね!」
 決めるの早いですね、北斗さん。
 啓斗は親子丼、シュラインはざるそばを各々注文し、ややあってから店の者に質問をしてみることにした。
「すみません、実は……」
 シュラインは月刊アトラスの名前は出さず、自分の家に最近よく分からない手紙が届いていて、この店の住所が使われていたのだけれど、何か心当たりはないか……という風に誤魔化して尋ねてみた。
「すみません、ちょっと分かりません」
 しかし返ってきたのは、おおよそ予想された答えであった。だが、そこで啓斗が食い下がった。
「何か客と揉めたりしたことは?」
「揉め事ですか? ……あ! あるといえば……あるのかも……」
 言い方は微妙だな、何か心当たりがあるらしい。
「いえ、半年以上前なんですけど、注文されたお客さんが、これこれこういう作り方で作ってくれと仰られて……それは出来ませんと言いましたら、かなりお怒りになられまして……」
「怒ったって、どんな風にです?」
 シュラインが尋ねると、店の者は即座に答えた。
「はい、『客の言うことが聞けないのか!』と」
 ああ……何て悪い客だ。
「可能性ありそうだよな」
 北斗がぼそっと言った。この時の腹いせに、投書の差出し先をこのそば屋の住所にしているのかもしれない。
「どういった感じの方で、どちらに住んでいるかは……分かります?」
 ダメ元で聞いてみるシュライン。風貌は覚えているかもしれないが、住所についてはまず無理だろうと思ったのだが……。
「それなら分かりますよ」
 意外や意外、女性店員がそう答えたのである。
「配達に行った時に、同じコーポに入ってゆくのを見ましたから」
 何たる僥倖。まあ心理としては、問題を起こした相手だからなるべく近付かないようにしようという感じで覚えていたのかもしれないが。
「20代後半の男の人で……」
 ともあれ、3人はそのコーポの住所を教えてもらうことになった。

●異変【3】
 そば屋で教えてもらったコーポへやってきた3人。そこは3階建てのコーポであった。
「3階の一番左端の部屋って言ってたわね」
 シュラインが確認するように言うと、左右を挟んでいた啓斗と北斗がこくっと頷いた。
 そして目的の部屋へと向かう3人。部屋の前に着き、チャイムを鳴らしてみる。が、チャイムは鳴っているが、中から反応は聞こえてこない。
「……中から足音も物音も聞こえないわね」
 耳を澄ませたシュラインがそう断言した。ということは留守なのだろうか。
「ん?」
 何かを感じ取ったのか、鼻をくんくんとする北斗。
「何か変な匂いしね? ……部屋の中からかな」
 それを聞いて啓斗も匂いを確認し……はっと何かに気付く。
「北斗! ベランダに回るぞ!!」
「へっ? あ、ああ!」
 駆け出した啓斗の後を北斗が慌てて追いかけた。1人残されたシュラインは一瞬ぽかんとしたが、すぐに何か起きてるのだと思い、携帯電話を取り出していつでもかけられるように準備をした。
 そこに、北斗から電話がかかってくる。
「もしもし、シュラ姐。救急……いや、警察を頼む」
「……中で何があったの?」
「人が死んでる。風貌からしてたぶん、この部屋の……」
 意外な結末がそこに待っていた――。

●かくて、それは繰り返される【4】
「死後1週間経ってたの?」
 翌日の月刊アトラス編集部にて、麗香が昨日の顛末について尋ねてきた。
「そうだ。死因は心臓麻痺じゃないかということらしい」
 淡々と啓斗が答えた。テーブルでノートパソコンを使っていた最中に、心臓麻痺でそのまま倒れてしまったようなのだ。
 心臓麻痺も不運ではあるが、隣と階下の部屋が空室で、かつアルバイトもつい最近首になったばかりで、発見されにくい状況が出来上がっていたことも本人にとってはとても不幸なことであった。もし3人がやってこなければ、いったいいつ発見されていたのだろう……。
「亡くなった彼、ブログをやっていたみたいで」
 と言ったのはシュラインだ。部屋の中に入った時、つけっぱなしになっていたノートパソコンの液晶画面に本人の物らしきブログが表示されていたのである。そのアドレスを携帯電話でメモしておいて、昨日自宅に帰ってからブログを読んでみたのだった。
「どんな内容だったの」
「あのドラマが気に入らない、あのバラエティが気に入らない、あの漫画が気に入らない、あの小説が気に入らない、あの政治家が気に入らない……その繰り返しでした」
 はあ、と溜息を吐いてシュラインは麗香に答えた。
「……何なら気に入ってたのかしら、その亡くなった彼は」
 ぼそっとつぶやく麗香。そんなに気に入らない物ばかりでは、自分の人生すら気に入らなかったのではなかろうか……そう思えてきて仕方がない。
「何難しい顔してんだよ、兄貴」
 北斗が啓斗をじろっと見て言った。啓斗は今日、ここに来てからずっと思案顔なのである。
「北斗……お前は気にならないのか?」
「え、何がだよ?」
「俺たちが見付けたあいつは死後1週間経ってるって話だよな」
「ああ、俺も聞いたし」
「それで、最新の投書の消印は一昨日だ」
「……で?」
「じゃあいったい、それは誰が出したんだ?」
 その啓斗の言葉に、皆がはっと息を飲んだ。亡くなったのは1週間前なのに、最新の投書はそれより後に出されている……そんなこと、あるはずがない。だけど、現実にそうなってしまっている訳で。
「あ、編集長。今日も『批評』が何通か届いているんですが……」
 そんな話が交わされていたことを知らない三下がやってきた。
 かくして今日も明日も明後日も、『批評』は月刊アトラス編集部に届くのである……。

【何故、私の言った通りにしないのだ 了】


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【 整理番号 / PC名(読み) 
                   / 性別 / 年齢 / 職業 】
【 0086 / シュライン・エマ(しゅらいん・えま)
     / 女 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員 】
【 0554 / 守崎・啓斗(もりさき・けいと)
                / 男 / 17 / 高校生(忍) 】
【 0568 / 守崎・北斗(もりさき・ほくと)
                / 男 / 17 / 高校生(忍) 】


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■         ライター通信          ■
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・『東京怪談ウェブゲーム』へのご参加ありがとうございます。本依頼の担当ライター、高原恵です。
・高原は原則としてPCを名で表記するようにしています。
・各タイトルの後ろには英数字がついていますが、数字は時間軸の流れを、英字が同時間帯別場面を意味します。ですので、1から始まっていなかったり、途中の数字が飛んでいる場合もあります。
・なお、本依頼の文章は(オープニングを除き)全4場面で構成されています。今回は皆さん同一の文章となっております。
・今回の参加者一覧は整理番号順で固定しています。
・大変長らくお待たせさせてしまい誠に申し訳ありませんでした。ここにようやく、少々読後感がすっきりしないかもしれないお話をお届けいたします。
・えーとですね……微妙に危険なネタを書いたような気がしなくもなく。このお話の視点は送り手寄りになってますね、間違いなく。送り手の事情など受け手には関係ないということは、高原も理解しているのですけれどね。でも、送り手でもある高原も受け手の1人として考えた時に何かしら思うことはありまして……。
・昨今、1から10まで自分の思い通りにならないと嫌な人が増えたような気分に、高原は度々襲われます。漫画とかドラマなどに限らず、政治経済の分野までそれは幅広く。けれど、世の中のほぼ全てのことは自分の思い通りにはならない訳で。何しろ自分が作る物であっても、最初に自分が思った通りの物が必ず出来上がるという保証はないのですから。そのことを理解して、上手く心の中の折り合いをつけて日々暮らせるようになると、だいぶ楽になるのかもしれません。そう高原は考えます。
・ともあれ、このような問題は難しいですよね……。
・シュライン・エマさん、142度目のご参加ありがとうございます。消印を確認したのはよかったと思います。これがまるで違う場所の消印がついていたら、差出人は本当はそちら近辺に住むということになりますからね。
・感想等ありましたら、お気軽にテラコン等よりお送りください。きちんと目を通させていただき、今後の参考といたしますので。
・それでは、また別の依頼でお会いできることを願って。