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<東京怪談・PCゲームノベル>


INNOCENCE // ファッションショー

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OPENING

自室でまったりとくつろいでいた時だった。
コツコツ、と扉を叩く音。
この落ち着いたノックは…誰だろう。
海斗ではないことは確かだけれど。
誰かな?と思いつつ扉を開けると…。
そこには、千華がいた。
「…?」
首を傾げると、千華はニコリと微笑んで言った。
「モデルを御願いしたいんだけど。良いかしら?」

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「…モデル……?」
キョトンと首を傾げつつ、記憶を引っ張り出すミリーシャ。
モデルって、あの…クルクル回るテーブルの上で、
色んなポーズをとって、男の人を喜ばせる…やつ?
いや、違う。ミリーシャさん、それはモデルじゃないです。
いや、ある意味モデルかもしれないけれど。そうじゃなくて。
首を傾げているミリーシャに、千華は言う。
「私が作った服をね、着てみて欲しいのよ」
「…服……?」
更に首を傾げるミリーシャ。
ああいう衣装を作ってるの?そういう仕事もしているの?
どんどん深みにハマッて勘違いしている。
だから、そうじゃなくてね。そういうモデルじゃなくて…。
「おいで。私の部屋にたくさんあるから」
「たくさん……?」
ミリーシャの手を引き、自室へと連れて行く千華。
あぁ、うん、その方が早いと思う。
実際に、どういうことなのか、見せてやったほうが早いと思う。
すぐに勘違いだということに気付くだろうから…。

*

千華の部屋に、わっさりと並ぶ様々な服。
それらは、想像していたような服ではなかった。
露出もないし、透けてもいないし…。
勘違いしていたことに、ここでようやく気付くミリーシャ。
そんなミリーシャに、千華は次々と服をあてがっていく。
「うんうん…やっぱ、スタイル良いわよね。ミリーちゃん」
「そう……?」
「ね、これ。着てみてくれる?その次は、こっちね」
満面の笑みで楽しそうに笑う千華。
ミリーシャは、うん…と頷き、千華の御願いに応じる。
とても可愛らしいワンピースや、ちょっとボーイッシュにオーバーオール、
クールにスーツでキメてみたり、果てには、うさぎの着ぐるみなんかも。
次はこれ、次はこれ、と言われるがままに着替えていくミリーシャ。
山のようにある服に、ミリーシャは感心している。
すごいな…これ、全部作ったんだ…。
器用なんだね…千華は…。
今度、ステージ衣装…御願いしてみようかな…。
きっと…すごく可愛いの作ってくれるよね…。
所狭しと並ぶ服を見やりつつ、そんなことを考えていると、
ふ〜〜〜…と満足気に汗を拭って(汗なんてかいてないけど)、
千華はニコッと微笑み、ミリーシャに言った。
「ありがとね。インスピレーションが凄い…きたわ」
「うん…どういたしまして…」
「ね、ミリーちゃん。他に何か、着てみたい服はある?」
「うーん…と、ね………」
キョロッと辺りを見回すミリーシャ。
バラエティに富んだ服の中から、ミリーシャは四着チョイス。
先ず一着目は…コサックダンスの衣装。
ちょっとサイズが合わなくてブカッとしているけれど…うん、似合う。
オプションで、つけヒゲ(ちょびヒゲ)なんかも着けてみたり…うん、可愛い。
「どうして…この衣装があるの…?」
コサックダンスの衣装まで作っていることに驚いているミリーシャ。
千華はクスクス笑い「友人に頼まれて」と答えた。
何でも、ロシアに旅行へ行くことになった友人が、
本場で踊りたい、と言って衣装を作らせたのだという。
その旅行には、千華も同行した。
この衣装は、千華がその時、身に纏ったものだ。
さて、お次は…フリルいっぱいのゴスロリドレス。
とはいえ、スカート丈は、かなり短め…。
オプションは、スパンコールのストッキングと、
ガーターベルト、太ももの辺りには、銃とホルスター。
上半身だけ見れば、お人形のように可愛らしいけれど、
下半身はとってもセクシー。そのギャップが、何とも魅力的だ。
銃をチャッと抜き、構えてみるミリーシャ。
おぉ…何だか、こういうアニメとかどうだろう…イケそうだ。
さ、お次は…セーラー服。
ごくごく一般的な色合いで、清楚な感じ。
オプションは、眼鏡と…可愛らしいキーホルダーのついた学生鞄。
学生服、というものをリアルタイムで着ていないミリーシャにとって、
セーラー服を着れるのは、貴重な体験である。
可愛い〜〜〜と大騒ぎし、千華はついでに…と、
緩くミリーシャの髪を三つ網にしてみたり。
うーん…何だか優等生っぽい。生徒会長とか?
何だか、ポーッとしていてドジっ娘っぽくも見えるけれど。
で、最後は…メイド服。
ゴスロリ服にちょっと似ているけれど、シルエットが甘可愛い。
ふわふわのミニスカートに、白いニーソックス。
オプションは、猫耳バンドと、銀のトレイ。
ミリーシャがメイド服を纏った直後だった。
部屋に来客が。
「千華ー。今日の晩飯さー…って、うおー!?何それー?」
ズカズカと入ってきたのは海斗だ。
メイド服を纏っているミリーシャを見て、ギョッとしている。
千華はクスクス笑いつつ、ミリーシャに耳打つ。
とある台詞を、言ってごらんなさい、と。
言われるがまま、ちょっと恥ずかしそうに俯いて、
チラチラと上目遣いで…ミリーシャは言った。
「お帰り…なさいませ…ごしゅじんさま……」
「ぶはー!っははははは!すげー!様になってるー!」
ケラケラ笑う海斗。ミリーシャは恥ずかしそうにモジモジしている。

*

「ありがとね、ミリーちゃん」
「ううん…楽しかった…」
「じゃあ、はい、これ」
微笑み、ミリーシャにゴスロリドレスを渡す千華。
一番良く似合ってたから、とプレゼントしてくれるのだそうだ。
ドレスを受け取り、ありがとう…と淡く微笑むミリーシャ。
嬉しそうなミリーシャに、海斗は言った。
「それさ、ステージで着てみれば?」
「…うん……?」
ふむ。なるほど。それはそれで…盛り上がりそうだ。
というか、団長が喜びそうだ。誰よりも。

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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

6814 / ミリーシャ・ゾルレグスキー / ♀ / 17歳 / サーカスの団員・元特殊工作員
NPC / 青沢・千華 (あおさわ・ちか) / ♀ / 29歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 黒崎・海斗 (くろさき・かいと) / ♂ / 19歳 / INNOCENCE:エージェント

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度さまです! ('∀'*)ノ
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ。

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2008.05.24 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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