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<東京怪談・PCゲームノベル>


INNOCENCE // おばけやしき

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OPENING

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DEAR = INNOCENCE
CHARGE = \150000
OPTION = NONE
ORDER = KAORU.OTONASHI
DEGREE = class "C"
REQUEST =
<お化け退治>
廃館に潜んでいる無数の"おばけ"を退治して欲しいとの依頼。
おばけ=魔物だが、依頼人でも退治できたので、強敵ではない。
むしろ雑魚といえよう。だが、数が半端なく多い。
その為、依頼人は助けを求めているようだ。
依頼人は、現場・廃館近くにある洞窟内で生活している。

DEGREE CLASS=
CRYZY SS-S-A-B-C-D EASY

***

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「…ってなワケだ。よっしゃ、行こーぜ!」
「どういうワケさ。わかんないよ〜」
「うーん…?」
夏穂と雪穂の手を引き(強引に)のっしのっしと歩く海斗。
ロクな説明もナシに行くぞーと言われても困るというもの。
どこに連れて行く気なんだろう…と苦笑気味の雪穂。
相変わらず強引だね、と夏穂は微笑む。
(うん…?)
ふと、夏穂が海斗のポケットから飛び出ている紙に気付く。
スルッと抜き取り、見やる夏穂。海斗は気付いていないようだ。
紙には…依頼詳細が記されている。
リクエストボードからプリントアウトしたものだろう。
(雪ちゃん)
トントン、と雪穂の肩を叩き "事の詳細" を見せる夏穂。
依頼内容は、おばけ退治。
まぁ、おばけといっても結局は魔物なのだが。
記されている情報から、面倒くさそうだなぁと判断して雪穂は苦笑。
数が多いけれどザコばかりだから安心しろ、的なことを書かれても、懸念は払われない。
けれど逃げ出すことも出来そうにない。
二人の手を引き歩く海斗は、フンフンと鼻歌。
御機嫌真っ盛りだ。この状態の海斗に歯向かっても無駄。
どう足掻いても連れて行かれることに変わりはない。
悟って断念。依頼コピーを海斗のポケットに戻し、二人は笑う。

*

「生け捕りにする必要はないから。全部始末しちゃって」
「オーケイ。楽勝だぜ」
依頼人との交渉・確認作業。任務遂行において、大切な課程だ。
余裕余裕と笑う海斗。けれど依頼人は、不安を拭えない。
同行しているのが、お人形のように可愛らしい女の子二人だから…。
「ちょっと…」
海斗を手招きし、耳打つ依頼人。
何だよ?と耳を貸せば、依頼人は不安を露わに。
「大丈夫なの…?彼女たち…」
「あん?」
「ザコとはいえ魔物だよ。ここに置いてった方が安全じゃないか?」
「あっははははは!」
大笑いする海斗。依頼人はキョトンとしている。
「心配ねーよ。こいつら超強ぇから。それに…ここに置いとく方が危ねー気がするよ、俺」
「…どういう意味だい?」
「オッサン、ロリコンっぽいから。あははは」
「…し、失敬だな。まったく!と、とっとと行ってきたまえよ」
どもっている…。激しく動揺しているようだ。
どうやら海斗の言うとおり、ここに置いておく方が危険なようで。
よっしゃー、行くぞーと二人の背中を押して出て行く海斗。
何話してたのかな?よく聞こえなかったね?
キョトンとしつつ顔を見合わせる二人が気付くことはない。
何気なく、海斗が危機から救ってくれたことに。

さて、到着しました…おばけやしき。ザコ魔物の溜まり場。
古びた洋館は薄暗く、いかにも…といった雰囲気。
歩くたびに、ギシギシと軋む床が、それらしさを増徴させる。
懐中電灯で先を照らしつつ歩く海斗。
期待はずれというか何というか。
いや、あまり期待はしていなかったけれど。
それでも、ちょっと不満だ。何が不満かって…。
「…お前らさー。怖くないの?」
「え?何で?」
「ちっとも…?」
キョトンと即答する夏穂と雪穂。
…うん、まぁ、いーんだけどさ。お前ららしくて。
でもさー。もーちょっとさー。こう、何ていうか。
怖い〜とか言って怯えたりさ、キャーとか悲鳴上げて抱きついてきたりさ。
いや、別に期待してたわけじゃないんだけどさ。
何なんだろな、このガッカリ感。わかんね。
妙なガッカリ感を抱きつつ歩く最中、いよいよお出まし。
うじゃっ、と天井に張り付いているウニのような物体。
落下して人間に悪戯を仕掛ける、ザコ魔物だ。
奥を照らせば、バラエティ豊かなザコ魔物が勢ぞろい。ザコ・オールスター。
確認はとっていたけれど、なるほど…確かに物凄い量だ。
一発ポコッと殴るだけで討伐できる魔物ばかりだが、
さすがに一般人が、これを全部討伐するのはキツい。
「よっしゃー…。んじゃ、ヤりますかっ」
懐中電灯を投げやり、チャッと腰元から魔銃を抜いて、銃口に炎を灯す海斗。
灯された炎の明かりに、懐中電灯は不要だ。
海斗に続き、夏穂と雪穂も身構える。
雪穂は、スペルカード『レイピア』を詠唱。
夏穂は、魔扇子をバッと開いて構える。

文字通り、楽勝な展開。
三人の攻撃に、ザコ魔物は次々と倒れていく。
中には牙を剥いて襲い掛かってくる魔物もいるが、てんで相手にならない。
いつしか、ザコ魔物たちは逃げることに必死になっている。
単調な作業の繰り返しに、欠伸する海斗。
炎をポンポンと放ってはいるが、何とも退屈そうだ。
やばい、早くも飽きてきた。自分が誘ったのに。
参ったなーと耳をホジりつつ苦笑している海斗。
すぐ顔に出る。今、何を思っているか一目瞭然。
やれやれ、とは思うものの、退屈なのは私も同じ。
だから、もっと楽に…一気に片付けようと思うのね。
クスッと笑い、ポンッと手元に銃を出現させた夏穂。
魔銃ではない、彼女の愛銃…サン・シャイニーだ。
「お?何それ。初めて見るな」
夏穂が出した武器に興味津々の海斗。
そんな海斗の肩にポンと手を乗せ、雪穂はニコッと微笑む。
「良かったですわね。すぐ終わりますわよ」
は?何?どーいうこと?そう尋ねようとした瞬間。
辺りにパパパッと白い閃光が走る。
眩しさに目を細め、見やったその先の光景に海斗は唖然。
「さーぁ!楽しませてちょうだいなっ!」
そこには、華麗なステップをキメつつ、
キャハハハッと笑って発砲する…夏穂がいた。
その命中率もさることながら、驚くのは、変貌ぶり。
淡く微笑み頷いて、聞き手に徹する普段の夏穂からは想像できぬ…無邪気っぷり。
駆け出して、ジャンプ、空中で一回転、ババババッと発砲して、着地。
そこからまた駆け出して…。
可愛らしい服装と激しく不釣。何という躍動。
「ヘイ!ユー!何ぼさっとしてるの?バンバンいっちゃってー?」
ポカーンとしていた海斗を指差して言う夏穂(シャイニー)
変貌ぶりに驚きはしたものの、退屈が払われた。
海斗はニッと笑い、よっしゃー!とノリノリに。
静かで不気味なおばけやしきは、陽気なステージへと一変。
オラオラー!と突っ込んでいく夏穂(シャイニー)と海斗の後を、
雪穂は苦笑しながらついて行く。

*

「あははははは!楽しかったー!スッキリしたー!」
お腹を抱えて笑う、何とも満足気な海斗。
その隣でペタンと座り込んでいる夏穂は、ふぅ…と溜息。
(シャイニー…。また派手にやってくれたわね…)
お疲れモードな夏穂にキャンディを渡しつつ、雪穂も笑う。
「お疲れさまぁ、夏ちゃん。っていうかシャイニー?ふふ」
「ん…。ありがとう」
いつになったら終わるのか。検討つかずだった、おばけ退治。
それは、夏穂の変貌により一瞬で払われた。退屈も一緒に。
すっきり爽やか、晴れ晴れ気分。
本部へと戻る最中、話題の中心となるのは当然 "変貌ぶり"
「いやー。しかしビックリしたなー。久しぶりにボーッとしたよ、俺」
「ふふ。夏ちゃんの変わりようは、すごいからねぇ」
「…もう止めてよ、二人とも。何か…恥ずかしいから」

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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

7192 / 白樺・雪穂 (しらかば・ゆきほ) / ♀ / 12歳 / 学生・専門魔術師
7182 / 白樺・夏穂 (しらかば・なつほ) / ♀ / 12歳 / 学生・スナイパー
NPC / 黒崎・海斗 (くろさき・かいと) / ♂ / 19歳 / INNOCENCE:エージェント

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! おいでませ、毎度様です^^ まさかのロリコン。
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ…^^

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2008.05.28 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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