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<東京怪談・PCゲームノベル>


INNOCENCE // おばけやしき

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OPENING

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DEAR = INNOCENCE
CHARGE = \150000
OPTION = NONE
ORDER = KAORU.OTONASHI
DEGREE = class "C"
REQUEST =
<お化け退治>
廃館に潜んでいる無数の"おばけ"を退治して欲しいとの依頼。
おばけ=魔物だが、依頼人でも退治できたので、強敵ではない。
むしろ雑魚といえよう。だが、数が半端なく多い。
その為、依頼人は助けを求めているようだ。
依頼人は、現場・廃館近くにある洞窟内で生活している。

DEGREE CLASS=
CRYZY SS-S-A-B-C-D EASY

***

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そういえば…こないだ、リビング・デッドの討伐のとき。
梨乃ちゃんの反応…可愛かったなぁ。
いちいち、ビクビクしちゃってさぁ。
魔物と、おばけ…どっちも似たようなもんだと思うんだけどね。
全然違いますっ!って怒られちゃったりね。
ふむ…となると、この仕事は美味しいよね。
報酬は…まぁ、そこそこだね、妥当かな。
いや、美味しそうなのは、そこじゃなくてさ。ってことで。
「梨乃ちゃん」
「はいっ?」
買い物から戻ってきたばかり、紙袋を抱えて歩く梨乃に声をかける蓮。
おばけやしき、一緒に行かない?や、そういう仕事なんだけどさ。
蓮の言葉に、梨乃は、何とも嫌そ〜な顔。
スタスタと歩くけれど、どんどんスピードが速くなっている。
「ね。行こうよ。デートっぽくてさ。楽しそうじゃない?」
「た、楽しくないと思います…」
「俺と一緒なのに?」
「あの、そうじゃなくて…。わかってて言ってますよね、蓮さん…」
「あははっ。大丈夫だよ、守ってあげるから。ね?」
「う〜〜…わ、わかりました」
断りきれないのは、相手が蓮だから?
梨乃は、不安を抱きつつも、お誘いを受けた。

*

「あんなとこに住んでるなんて、物好きだよねぇ」
クックッと笑いつつ歩く蓮。
梨乃は、そうですね…と同意するものの、心ここにあらずだ。
洞窟に住んでいる依頼人と交渉・確認を交わした二人は、
問題の"おばけ"が潜んでいるという屋敷へ向かっている。
依頼人は、屋敷を美術館にしたいのだそうだ。
おばけが住んでる美術館、ってのもまた面白そうだけどね…。
キョロキョロと辺りを伺う梨乃。
バササッと鳥が飛んだだけで…。
「ひゃ!!」
ビクッと肩を揺らして驚く。
ちょっとした風の悪戯だとか、動物のご愛嬌だとか。
何のことはない、何の変哲もないことなのに、いちいち驚く梨乃。
すっかり、怯えきっているようで。
いちいち可愛いなぁ、と蓮はクスクス笑う。
驚いて抱きついてくることに、うんうん…と頷いたりしつつ。

さて、到着しました、おばけやしき。
うわぁ…これは、すごいね。まさに、おばけやしきって感じだ。
古びた洋館…割れた窓、壁に絡まるようにして伸びているツタ。
古びた扉が風に揺らされて、ギィギィと不気味な音を立てたり…。
そこらじゅうに張り巡らされた蜘蛛の巣には、ありとあらゆるものが絡まって…。
「ごほっ。埃っぽいね…」
「は、はい…」
屋敷を歩く二人。梨乃は、がしっと蓮の服裾を掴んでいる。
ささいなこと一つ一つにビクビク反応する梨乃は、まるで挙動不審。
「ふふ。怖い?」
「こ、怖いです。ものすごく」
「あっはは。大丈夫だよ」
「は、はい…」
蓮に頭をぱふっ、とされて落ち着いたのは一瞬だけ。
せっかくのリラックスを、ものの見事に打ち払ってしまう、おばけ達。
魔物…うん、ザコばっかりだね。
ははは。うんうん、これは確かに、魔物っていうよりは、おばけだね〜。
ウヨウヨと湧いてくる魔物は、どれも低級なザコばかり。
けれど、外見がトリッキーというか何というか。
つくりもののようで、可笑しい。
小さい頃、絵本でみた "おばけ" そのもの。
傘のおばけだったり、壁のようなおばけだったり、
布のようなおばけだったり、地蔵のようなおばけだったり。
何ぞ、某人気アニメの中にポンと放り込まれたかのようだ。
「やー!!」
ガバッと蓮の背中に隠れて怯える梨乃。
蓮はクスクス笑って腰元から魔銃を抜いた。
「あっはは。怖がりすぎ。さ、お仕事だよ、梨乃ちゃん」
「は、はい…」
そうだ、これは仕事。怖がってる場合じゃない。
ちゃんと、働かなくちゃ…!
怖い気持ちを必死に抑え、自身も魔銃を抜いて構える。
が、そこにポトッと…頭に何かが降ってきた。
「……?」
オドオドしつつ、頭に触ってみる梨乃。
ぬるり、とした感触。
「やーーーーーー!!」
じたばた暴れる梨乃の頭からポテッと落ちたのは…こんにゃく。
いやはや、どうも…おばけ達、ノリが宜しいようで。
「あはははははっ。いいねー。楽しいねぇ」
ケラケラ笑い、ポンポンと力を抑えて発砲する蓮。
ザコばかりということで、この程度の魔力でも余裕で倒せる。
だが、討っても討っても、次々と湧いてくる、おばけ。
これは…長期戦になりそうかなぁ。楽だけど、先は長いね。
余裕の笑みを浮かべ、次々と仕留めていく蓮。
梨乃はキャーキャ騒ぎつつ、魔銃を乱射している。
当たってない、当たってないよ、梨乃ちゃん。
大騒ぎして、屋敷内を走り回る梨乃。
おばけ退治よりも、梨乃を追っかけるほうが大変だ。
あ〜もう。ジッとしててよ〜。
「きゃー!きゃー!」

*

ぐったりと…蓮に背負われている梨乃。
闇雲に魔銃を乱射したことで、魔力が底をついてしまった。
報酬を受け取り、本部へと戻る道中。
蓮の背中で、梨乃は切々と呟いた。
「も、もう嫌です。こういうのは…」
「あはは。楽しかったねぇ?」
「楽しくないですっ!」
半泣きで訴える梨乃。
その声に驚いた鳥が、バサササッと飛び立つ。
「ひゃぁっ!?」
驚き、がしっと蓮に抱きつく梨乃。
いや〜。良いですね、この背中にあたる確かな感触。
本部に到着するまで、数え切れぬほどに悲鳴を上げた梨乃。
その度に、蓮はニッコニコ。美味しいね、やっぱり美味しかったね。
また、こういう仕事入ってきたら…一緒に行こうね、梨乃ちゃん。
「きゃーーーー!!」

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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! おいでませ、毎度様です^^ 梨乃、ビビりすぎ(笑)
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ…^^

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2008.05.26 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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