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<東京怪談・PCゲームノベル>


INNOCENCE // セクシー・ランジェリー

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 OPENING

「うわぁ……。可愛いですね」
「でしょ? ほら、着けてみて」
「えぇっ……?」
「いいから、いいから。ほら。これなんて、どう?」
「わ。可愛い……。でも、ちょっと派手じゃないですか、これ」
「そんなことないわよ〜。このくらいじゃないとねぇ」
「な、何がですか……」
 何やら盛り上がっている、千華と梨乃。
 千華の部屋、ベッドの上には色とりどりの下着。
 彼女は、下着のデザインも手がけている。
 並ぶ下着は、どれも可愛らしいのだけれど、中には……。

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「わぁ、凄い数ね」
「あははっ。目移りしちゃうわね」
 千華と梨乃に呼び出されて来てみれば、下着の山。
 シュラインと明日菜は、下着だらけの千華の部屋に笑う。
 そこらじゅうに散らばっている、色とりどりの下着。
 何でも、千華がデザインしたものらしく。
 遂に、下着まで手掛けるようになりましたか、などと笑いつつ、ソファに腰を下ろすシュライン。
「シ、シュラインさん、明日菜さん。 これ、どうですか……」
 恥ずかしそうに言う梨乃は、黒い下着を纏っている。
 白! なイメージがある梨乃が、黒い下着。
 何だか、不思議な感じだ。
「少女の黒下着って、小悪魔的で可愛いわよね」
 ふふ、と笑って感想を述べるシュライン。
 明日菜はキュッと梨乃を抱きしめて、可愛い可愛いと、梨乃を撫でくり回す。
「さて。じゃあ、キミ達にも協力してもらいましょうか」
 ニヤリと笑った千華。
 まぁ、お呼び出しをくらった時点で想定はしていた。
 女同士、和気藹々と下着談議。
 こういうのも、楽しいわよね。
「千華さんの、素敵ねぇ」
 じっと見つめて言うシュライン。
 紅い下着。んー。下品になりかねない感じなんだけどな。
 着こなしというかデザインというか、さすがね。
 うーん。私? 私は、そうだなぁ。 どれにしよう。
 青も綺麗だけど、白レースのも素敵ね。
 ピュアな感じ? らしくないかしら。
 シュラインがごそごそと下着を付け替えている間、
 明日菜は千華に頼んでバストサイズを計ってもらう。
 いやー。そういわれてみれば、計ったことないのよね。
 面倒くさいっていうか、タイミングを逃してたっていうか。
「うわぁ、巨乳さんね。 計り甲斐があるわ。あ、ちょっと腕、上げてもらえる?」
 クスクス笑いながら、サイズを測る千華。
 ちゃんと図って、合うものを着けないと形が崩れたりするのよ。
 大きいのに加えて、形も良ければ、言うことなしじゃない?
 あれこれ話しつつ、様々な下着を身に着けていく女性陣。
 やはり、女性を惹き付けるのは、可愛らしいレースをあしらったもののようだ。
 シュラインが着けている白の下着も、
 明日菜が着けたオレンジの下着も、細かいレースが可愛い。
「これから夏だから、こういうの需要あるわよね」
 ストラップレスブラを手に取り、うんうんと頷くシュライン。
「ローライズショートパンツに、こういうのも可愛いんじゃない?」
 キュートな紐パンを手に取り、微笑む明日菜。
 ガーターベルトやビスチェ、ベビードール、キャミソール。
 所狭しと並ぶ下着を、次々と手に取り身に着けて、御披露目。
「きゃー。 梨乃ちゃん、それ似合う!」
「えっ。そ、そうですか……?」
「うん。いいわね。やっぱり、水色が似合うみたいね、キミは」
「あ、ちょっと皆さん、次は、これ。 これ着けてみて貰えます〜?」

 女性陣が、キャッキャとはしゃぎつつ御披露目会をする中。
 こっそりと、隙間から中を覗いている男が二人。
「やー。いいね。たまんないね」
「だねぇ。眼福、眼福」
 似たもの同士な男二人。蓮と、藤二だ。
 二人共、躊躇うことなく覗きを実行している。
 代わる代わる、違う下着を着けては現れる女性陣。
 そこに幸福を覚えるな、というのは無理な話だ。
「しかしまぁ、皆、スタイルいいね。 梨乃だけ、ちょっと幼児体系だけど」
 クスクス笑って言った藤二。
 蓮は、ぺしっと藤二の後頭部を叩いて忠告する。
「ちょっと。梨乃ちゃんは駄目だよ。他のコだけ見ててよ」
「何それっ。所有物かよ」
「え? そうだよ? 何言ってんの、今更」
「うわぁ。自信満々に言いやがったな」
 ふふ。それにしても、良い眺めだな。
 確かに、藤二の言うとおり。 皆、スタイル良いよね。
 んー。確かに、あの中じゃ、梨乃ちゃんは少し幼いかな。
 でもさ、そういうのもまた、ソソらない?
 染まってないっていうか、これからっていうか。
 襲いたくなるよね。 ガバッと。
 んで、俺色に染めるの。
 とか、駄目? いいでしょ、言うだけならタダだし。
 眺めを満喫する、至福な二人。
 まったりと覗いていたのだが、そうもいかない事態が発生した。
 千華が、次はこれを、と薦めた下着が、果てしなくセクシー仕様なのだ。
「うわぁ〜〜〜〜……」
 ピローンと下着を広げて苦笑するシュライン。
 隣の梨乃は恥ずかしそうに俯き、
 向かいのソファに座っている明日菜はクスクス笑っている。
 面積が少なすぎやしないか、これは。
 いや、まぁ、必要なところは隠せるわけだけれども。
 勝負下着の域を超えて、もはや玩具だ。これは。
 どうだかなぁ、と思いつつも、身に着けてみる三人。
 こんな下着を着けるなんて、ありえない。
 こんなときじゃなければ、一生着けることなんてないだろう。
 そう思うが故の、好奇心と挑戦。
「ぐはっ」
「おぉ〜……」
 覗きコンビが、一段と目を見開いた。
 セクシー下着を纏った三人の、色っぽさといったら、もう……。
 幸せすぎる。 俺、このまま死んでもいいや。
 などと言いつつ、ニヤニヤニマニマしている藤二。
 隣の蓮も、デレデレしている。
 いいねぇ、そういうのもいいね。
 可愛いのも良いけど、セクシーなのも良いね。
 どうしよう。何かムラムラしてきた。あははは。
 覗きコンビの鼻息が荒くなる。
 こればかりは、どうしようもない。男の性だ。
 大っぴらに欲情しだした男共の視線が、チクチクと刺さる。
 (やっぱり、いたかぁ)
 苦笑しつつ、ノートパソコンを開いて、
 仕込んだカメラを、こっそりと扉に向ける明日菜。
 明日菜の、その動作から、ハッと悟ったシュラインと梨乃。
 慌てて顔を真っ赤に染めて、しゃがみ込む梨乃。
 シュラインは、ローブを羽織り、テクテクと扉の前へ。
「やばいっ」
「あ〜。 バレちゃった。どうするの、藤二?」
 慌てて、蓮の腕を引いて逃げ出そうとする藤二。
 扉の隙間から、ニッコリと笑うシュライン。
 逃げ出す間もなく、制裁。
 置換撃退用に、携帯しているスプレーを噴射。
 目に染みる、何とも酸っぱい霧。
「うぉぁあああああ」
「ちょ……。 痛っ。色んな意味で痛っ……」
 ゴロゴロと転がり回り、悶える蓮と藤二。
 無様なその姿を、バッチリ録画している明日菜。

 *

 制裁は、それだけじゃ終わらず。
 シュラインの提案で、蓮と藤二は身包み剥がされ、パンツ一丁に。
 酸っぱい霧で失神した二人を、そのままセントラルホールに安置。
 ついでだ、とセクシー下着を二人に着けたりもして。
 滑稽な二人の姿は、注目の的だ。
 任務から戻ってきたエージェントが、
 二人を指差してケラケラと笑っている。
 その光景も、しっかりとカメラに収めて。
 女性陣は、再び千華の部屋に戻る。
 下着談議の続きと、覗きの決定的瞬間映像の鑑賞。
 これ、何かに使えないかしらね? と笑った明日菜。
 弱みを握られてしまった蓮と藤二。
 二人が目を覚まし、慌てて逃げ出す姿も、また滑稽。
 覗きなんてするからですよ。 自業自得です。
 ……とはいえ、ちょっと可哀相な気もしてくる。
 はい、これを、同情と言います。
 ここ、テストに出るから、チェックしておくように。

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 ■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

 7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
 0086 / シュライン・エマ / ♀ / 26歳 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
 2922 / 隠岐・明日菜 (おき・あすな) / ♀ / 26歳 / 何でも屋
 NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント
 NPC / 赤坂・藤二 (あかさか・とうじ) / ♂ / 30歳 / INNOCENCE:エージェント
 NPC / 青沢・千華 (あおさわ・ちか) / ♀ / 29歳 / INNOCENCE:エージェント

 シナリオ参加、ありがとうございます。
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 2008.06.25 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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