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<東京怪談・PCゲームノベル>


坂川探索


 珈琲専門店『コバヤシ』。
 坂川の街の東側にあるその店のドアを押し開けると、人の良さそうな笑みを浮かべたツバクラが「あぁ、この間はどうも」と来訪者に向けて言った。デリク・オーロフは微笑んで挨拶を返し、ブレンドで良かったかな、と訊ねる店主に頷きながら木製の椅子に腰を下ろした。
 駅前に姿が見えなかったからてっきりここにいるのかと思ったが、店内には店主の他には誰の姿もなかった。少し落胆する気持ちを感じながら、一先ずコーヒーを飲みながら待つ事にしたデリクは荷物をカウンターに置いた。
 出されたコーヒーに礼を言うと、ツバクラが甘い物は平気かとデリクに聞いてきた。甘い物は好きだ、と答えると彼はカウンターの下から珈琲豆くらいの大きさのチョコレートと、どうやら手作りらしいスコーンを取り出してカウンターに出した。
「コレはツバクラさんがお作りになったんデスか?」
「うん、そう。市販のだと甘過ぎるんでね……ほら、俺もメタポが気になる年頃だから」
 そう冗談めかして言った店主は自分のぺたんこのお腹を擦った。基本的に細長いデリクから見ても全く太っていないツバクラのその言動は少し笑みを誘う。
 まぁそれは冗談にしても、とツバクラは煙草に火を点けた。
「こういうの好きなんだ。自分の出すコーヒーにどれくらいの甘さが一番好ましいのか考えるのとか。さすがにケーキなんかは出してないけど、これだったら砂糖とバターの配分だけで済むからね」
 デリクは話を聞きながらコーヒーを一口飲み、試しにスコーンを少し戴いてみた。素朴で正に手作りといった感じだが、コーヒーの苦味と酸味を邪魔しない味だ。
「美味しいデス。素朴な味デ、コーヒーによク合いますネ」
 デリクがそう言うと店主は嬉しそうに微笑んだ。
「コーヒーにもそれぞれ表情があるからね。どれにでも合うように作るとそういう素朴な味になっちゃうんだ」
「そういう点デ、ケーキセットというのは実に厄介デスね。ケーキに合わせて飲み物を選ぶカ、飲み物に合わセてケーキを選ぶか。互いの調和を考えねバならナイのに、自分の好みを優先するト珍妙な組み合わせになってしまったりスルのですよネェ」
「そうだよねぇ。俺もどうしても紅茶のシフォンが食べたいのに、どうしてもレモネードが飲みたい時とかあるよ。それでどっちも頼んでみたらシフォンに添えてある生クリームが砂糖がっつり入ってたりしてさ……いや、本当に、厄介だよね」
 よくわからない理論であるが、笑うツバクラにつられてデリクも笑った。
 丁度その時、扉に下げられたベルが、カラン、と音を立てた。姿を現したのは制服姿のスズキだった。
「こんにちハ」
 デリクが微笑んで声をかけると、気付いたスズキは目線を上げて「あ、どうも」と軽く頭を下げた。
 デリクは左手を荷物の傍に移動させて、さり気なくスズキの視線を誘導した。スズキは一度、確かに視線を荷物にやってゆっくりと外した。そのまま何気ない風を装ってデリクの後ろを通り、奥の席に腰を下ろした。
 ツバクラがスズキの前にティーカップを置いた時、再びドアベルの音が響いた。
「あ、オニィサン!」
 顔を向けるよりも早く声が聞こえて、デリクは入ってきたのが誰なのかすぐにわかった。
 カワライはスタスタと歩いてくるとデリクの左隣に座り、久しぶりじゃん、こないだ来てくれたんでしょ、等と話しかけてきた。少年との久しぶりの再会を喜ぶデリクは微笑んで頷くが、少年は途端に不服そうな顔をして、俺だけ知らなかったんですけど、と子供のようにむくれた。
 一緒に入ってきた運び屋はデリクの右側に一つ席を空けて座った。相変わらず愛想が良く、にこにこと笑みを浮かべている。
「デリクさん今日はどうしたんですか?」
「実ハ探し物ガあるんデス」
 そう言って、デリクは置いてあったカードを手に取り、マジシャンのような手付きで絵柄を上に向けてカウンターに広げて見せた。
 タロットですね、と運び屋が言う一方で、カワライは占いで使う奴? とあまり詳しくない様子だ。店の奥にいるスズキは我関せずという顔で見向きもしなかった。
 カウンターに並んだタロットカード一式。
 ――否、一式ではない。
「あ」運び屋が気付いた。
 そこにあるのは大アルカナ二十一枚。つまり――
「一枚足リないのデス」デリクはカードに軽く手を添える。「こういった物ハ専門ではありまセンからよクわかりませんが、絵柄モ凝っているシ古い物のヨウでス。ましテ占いの道具なんて何ガ憑いテいてもおかしくナイ。レンさんハこういった物、お好きなンじゃありまセンか?」
「俺行く!」
 レン、という名に反応したのか、勢い良く挙手したカワライを見たデリクは、右側――運び屋とスズキに視線をやった。カードを手に取りよく観察していた運び屋はデリクの視線に気付くと、むっつりとしたスズキに苦笑して、じゃあ俺で、と小さく右手を挙げた。


「納得いかない」
 『コバヤシ』を出て、とりあえずの目的地へ向かう道すがら、急に立ち止まったカワライが腕を組んでデリクを見据えた。振り返ったデリクは、どうシたんですカ、と微笑を浮かべる。
「アンタが単に古くてデザインが凝ってる物をわざわざ探すわけがない」
 なんかあるんだろ。
 相変わらず鼻が利く少年である。デリクがちらりと隣の運び屋に視線をやると、胡散臭いその男は暫く考える素振りを見せた後にっこりと笑った。
 どうやら容易に食えない人間を組み合わせてしまったらしい。
 デリクはハァと溜息を吐いて、「わかりまシタ」と降参のポーズを見せた。
「さっきコバヤシで言った事は嘘デハありまセン。ただ、言わなかっタ事はありマス」
 やっぱり、とでも言うようにフンと鼻息を漏らしたカワライにデリクは苦笑した。
「私がこノ手の物は専門でない事ハ本当でス。残りの一枚ヲ探し出せバ、レンさんガ喜んで買ってくれルだろうというのも本心」言わなかっタのハ、とデリクは芝居がかった手付きでカードを示す。「コレが単なル占いカードではナイ、という事デス」
「どういう事ですか?」運び屋が訊ねる。
「所謂、曰く付き、トいう奴デス。加えテ、スズキくんが見ない振りをしてましたから」
 ――絶対ニ何かありマス。
 デリクはカードを目にした時のスズキの様子を再び思い返した。僅かに眉間に皺を寄せ、それを悟られないように無表情を装い、ゆっくりと、まるで興味がないように視線を外した。恐らく内心で、下手に騒いだら宝探しに同行させられると思っていたのだろう。あんな下手な芝居で自分を誤摩化せる筈がないだろうに、とデリクはほくそ笑む。
 デリクが『コバヤシ』でこの事をあえて言わなかったのは、このカードに何かあるという事をデリクが知らないと思わせておけば、もしかしたらスズキを宝探しに同行させられるのではという僅かな期待があったからだ。生憎、相手も頑固でうまくいかなかったわけだが。
 デリクの説明に納得したらしいカワライは、面白いじゃん、と至極悪そうな顔で笑った。そうと決まれば、とさっさと歩き始めた少年を追いかけながらデリクは、じゃあやっぱり本物なんだ、と呟きながら運び屋が考え込むのを横目で見ていた。


 普段であればすぐに中心街やかぶらきに赴くのに、今回彼らは珍しくも情報収集をすると言い出した。どうやら、占い用品を専門に扱う店があるらしいのだが場所がわからないらしい。俺らは占いに興味ないんで、と運び屋は苦笑いした。
 目的地はカワライの住むアパートだった。そこにはジュリという占い師が住んでいるらしい。なんでも、坂川に店を構える女占い師で、今日は定休日だからアパートにいる筈という事だ。
 JR坂川駅から徒歩一分の場所に建つそのアパートは、デリクが初めて坂川を訪れた際にカワライが話してくれた、怪奇現象が起こるというアパートだった。評判通りボロボロの建物で、窓がある筈の場所にベニヤ板が打ちつけてある部屋もあった。
「ジュリー!」
 元より呼び鈴などあるわけがなく、友人らしいカワライが彼女の部屋の扉を乱暴に叩いた。暫くして中で人が動く気配がし、開かれたドアからは目の据わった女性が顔を出した。
「……何」
「ちょっと聞きたい事あんだけど」
「今日定休日」ジュリはデリクを一瞥してから言う。
「別に占ってもらいたいわけじゃないって」
 占い師は不機嫌そうに顔を顰め、運び屋とデリクを順番に睨むような目付きで見てから、ちょっとだけだからね、と彼らを部屋に招き入れた。
 部屋の中は外観同様ボロボロだった。壁紙は剥がれ、床は砂利だらけだ。北を向いた窓にはガラスがなく、代わりにレースのカーテンがひらひらと揺れているだけだった。
 土足で部屋に進むと、ベッドに腰掛けた占い師が「それで?」と聞いた。カワライの目配せを受け、デリクはスーツの胸ポケットからタロットカードを取り出す。
「コレに見覚えハありまセンか?」
「タロットか……あたしあんまりタロットやらないからなぁ」
「ソウなのですカ?」
「向き不向きって奴。占いは命卜相ってあるんだけど、あたしは主に相をやる」人相とか手相とかの事ね、と女はデリクを見て親切に説明する。
 どうせインチキだろ、と馬鹿にしたようにカワライが言うと、女はパッと顔を上げてカワライを睨み付けた。
「よく勘違いされるけど、占い師って霊能者じゃないから」
 それはよく理解できる。特殊な能力を持つ者が即ち占いができるわけではない。それはデリク自身が身を以て知っている。つまりその逆も然り、という事だろう。
「占いはまず理論があって、それに個人の経験をプラスして判断するの。全ての可能性を考慮して、どうやら確からしい結論を導き出す。それが占い。当たる当たらないは、選び出す時の基準が合ってたり合ってなかったりするって事」はっきりとした発音で一気に言った後、女は息を吐いた。「時々、予言者かって程よく当たる占い師がいあるけど、アレは詐欺か霊能者――予知能力がある人なんだろうね」
 女の長口上が一区切りついた所で、なるほド、と呟いたデリクはタロットカードにまつわる何かそれらしい噂を聞いた事がないか訊ねた。女は渋い顔をして、易者を取り殺すという類の、都市伝説の域を出ない噂しか聞いた事がない、と言った。
 なァそんな事より、と女の話に退屈した様子のカワライが口を開く。
「占いの道具仕入れてる店とか知らねぇの?」
 確かに、デリクたちは占いについての蘊蓄を聞きに来たのではない。少しでも探し易くなるよう占い用品を扱う店を聞きに来たのだ。
「知ってるけど……あそこから買うのは無理」
 なんで、と沸き立つカワライに、女は困ったように髪をかいた。
「アイツは女にしか売らない」


 結局大した情報を仕入れる事もできず、唯一知れたのはアパートから更に東にある黒魔術マニアが経営する占い用品店――しかも男には決して売らない店だという。
 一先ず教えられた店に向かいながら、デリクはふと思い出したように二人に訊ねた。
「そういえバ、今日はP.Jさんはいらっしゃラないんデスか?」
 彼なら何か曰く付きのカードに関する情報を知っているのではないか、と思ったのだ。スズキが反応した時点で高値で売れる事は予想できるが、どんなカードなのか少し気になる。
 発掘屋はレンの雑用で不在なのだと運び屋が説明し、とりあえずメール送ってみますね、とカードの写真を携帯で撮影した。
「つーか、どうすんの? 女にしか売らないんだろ?」
 だれか女装でもするわけ? と馬鹿にしたように言うカワライに、デリクはにっこり笑って答えた。
「話せバわかってクれますヨ」
 カワライは口を妙な形に開いて見せて、どうやら信じていないようだ。しかし運び屋は何か思い出したように顔を隠して笑っていた。
 ジュリの話によれば、その店には大抵の物は揃っているのだという。しかも、どうやら独自の裏ルートを持っているらしく、店に置いていない物でも一日で探し出してしまうらしい。
(非常ニ頼もしイ)
 そういうタイプは落としやすいのだ。自尊心をくすぐってやれば簡単に落ちる。何故女性にしか売らないのかはわからないが、そんなものは取るに足らない。逆の場合より遥かに楽だ。
 デリクが今進んでいるのは地図でいえば坂川の街の北東、初めて足を踏み入れる地区だった。坂川の西側――中心街やかぶらきのある地区とはまた一味違う汚さだが、こちらは随分ひっそりした場所である。
 それでもデリクは先程から人の気配、というより視線を感じていた。人の姿が見えないのに、まるで監視されているようで居心地が悪い。東側は危険だ、と誰かが言っていたのを思い出す。
「ここだ」
 ジュリから貰った名刺を裏返しながら、カワライが立ち止まる。そこには店のようなものはなく、コンクリートの壁に扉が幾つも並んでいるだけだった。裏口らしいその扉の一つ、魔法陣らしきものが描いてある扉を、カワライは引いた。
 そこには黒いローブを頭からすっぽり被った人が立っていた。身長から考えて、男性のようである。男の後ろには棚とボックスが彼の背景を埋め尽くす程並んでいて、さながら調剤薬局のようだった。
 顔の見えない男はちらと視線を上げてデリクらを一瞥すると、男の方はお帰りください、と低い声で言った。
「失礼しまス。実ハお願いがあっテ参りましタ」
 一歩前に出て、デリクが声を張った。
「うちは男には――」
「はい、存ジておりまス。しかし、話だけでモ聞いていただけナイでしょうカ。このカード」
 畳み掛けるようにそう言ったデリクは、件のタロットカードをカウンターに置いた。
「こちらハ私の先生ガ長年使い続けておりましたタロットカードでス。しかし、先生の占いが多くの方に支持されていル事を妬んだ何者かガ、一枚だけ盗んで行ったのデス。アァ、なんて卑劣な人間なのでショウ。聞けバこちらのお店、占い用品なら探し出せない物はナイと言うじゃあリませんカ。是非とモ、先生のカードを探しては戴けないでショウか」
「違うタロットでも買えば良いじゃないか」
 ふと感じた違和感に、デリクはこの男が『違う』と直感した。すぐさま会話の方向転換を図る。
「長年使い続けていタ、と申し上げたではありませんカ。もうこのカード以外では占いは行わない、と仰る程先生の手ニ馴染んだ優秀なカードなのデス。カードを盗まれてからというもノ、先生はそれはそれハ憔悴しきっておりまシテ直接こちらに窺えない状態。故に助手であル私がこちらニ窺ったのでス」
「一枚だけ新たに買えば――」
「手に馴染んだものト馴染まないものヲ一緒に使えと? そんな事できる筈ガありまセン。それに、これは一点物デ他には存在しないカードなんデス」
「う……うちは女にしか売らない」
「先生は女性でス!」
「そんな、口で言われたって……写真とかないの?」
「写真ですっテ? あなた、写真を撮る事が本物の占い師の精神にドウ影響するかわかっテそんな事を言っているのデスか? 占いとハ潮の満ち引きのヨウに、或いは月の満ち欠けのようニ繊細で制御の難しいモノなのですヨ! それを、あなた、写真だなんて――」
「や、っもうわかったから――」
 ちょっと待って、と今時珍しい黒電話で電話をかけ始めた男は、もそもそと何か話した後、背後の棚を確認して電話を切った。
「これ持って、さっさと帰ってください」
 棚からがさごそとファイルを取り出した男は、疲れた声でそう言った。ファイルの中には、デリクの探し求めた残りの一枚、隠者のカードが確かに入っていた。


 店を出た瞬間爆笑し始めたカワライは、JR線に乗っても尚肩を震わせて笑い、アンティークショップ・レンの前に着いた頃に漸く落ち着いた。
「何あれ、マジ笑えんだけど」
「話せバわかってくレたでしょウ?」
 いや、そうだけど、と再び笑い始めたカワライは置いて、デリクと運び屋は店の中に入った。
「あぁ、来たね」
 まるで待っていたかのようにそう言った蓮は、デリクから一式になったタロットカードを受け取ると、本物なのかい、と聞いた。
「レーダーが作動しタので、恐ラク」
 デリクが答えると、顎に手をやって考え込んだ蓮は、カウンターの上に紙幣数枚をそっと置いた。そうして口を開いた蓮は、
「アンタは爺婆にモテるタイプみたいだね」
とよくわからない事を言って店の奥に引っ込んだ。


 予想通り高値で売れたカードは売価の30%でも十分高額だった。運び屋から報酬を受け取った所で、彼の携帯が着信を告げた。
「P.J? 何、もう売ってきちゃったよ」
 ちょ、ちょちょ、と狼狽する発掘屋の声が受話器から漏れて聞こえてきた。運び屋は幾度か頷き、ふーん、と言って電話を切った。
「あのカード、予知能力者が宿ってるカードらしいです」
「え、どういう事?」
「誰が占っても必ず当たるんだって」
 フム、とデリクは先程の蓮の言葉を反芻した。あのカードは相当に古いもののようだったから、宿っているという予知能力者も随分な高齢なのではないか。つまり蓮は『知っていた』からあんな事を言ったのだろうか。
 底の知れない人物だ、と考えていたデリクの顔を運び屋が覗き込んだ。
「残念ですか?」
「……何がでス?」
「必ず当たる占い、やってみたかったかなと思って」
 考え込むデリクを勘違いしたらしい運び屋はそんな事を言った。イイエ、と首を振ったデリクは目の前の人物に目を向ける。
「一枚だケ無くなっていタ事を考えるト、占う事ニよってカードが無くなってシまう可能性もないとハ言い切れまセン」それニ、とデリクは少しアンティークショップを振り返る。「あれハ誰かの手に渡すべきなんだト思うんデス」
 それを聞いた運び屋は何故か嬉しそうに笑って、俺その考え方すごく好きです、と言った。俺はやってみたかった等と言うカワライに、でも信じなイんでショウ、とデリクが突っ込むと少年はにやりと笑った。
 最寄りの駅まで一緒に戻り、改札の前で二人と別れた。運び屋は仕事があると言って地下鉄方面に向かい、カワライは久しぶりに会えて嬉しかったと笑って、手を振って改札の中に消えた。
 デリクも家路に着くべく改札を通り人混みに紛れた。歩きながら、先程売って来たカードの事を考えた。
 必ず当たる占い。確かに、それは酷く魅力的で、人によってはなんとしても手に入れたいツールなのかもしれない。しかし、デリクは然程必要だと思わなかった。未知である事の楽しみも、確かに存在すると思ったから。





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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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[PC]
・デリク・オーロフ 【3432/男/31歳/魔術師】


[NPC]
・カワライ
・運び屋
・ツバクラ(友情出演)
・スズキ
・発掘屋

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■         ライター通信          ■
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 デリク・オーロフ様

 この度は「坂川探索」にご参加いただきありがとうございました。ライターのsiiharaです。
 今回の宝探しは如何でしたでしょうか。実は初めて発注を戴いた時からずっとやらせていただきたいと思っていたデリクさんの長台詞+畳み掛けを、今回とうとうやってみたのですが……楽しんでいただけたら嬉しいです。
 占いという分野は個人的に予備知識が少なく、調べてみたらとても奥が深いんですね。その為、ノベル中の表現には多数の脚色が入っております…(汗)坂川に於いてはこういう感じなのかとご容赦いただけたら助かります…!

 それでは、今回はこの辺で。機会がありましたらまたお越し下さいませ。NPC一同お待ちしております。