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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


黒猫の鳴く刻

◇ 序 ◇
 数分前までくゆっていた、煙草の残り香も消えぬ今。
 古いビルのその一室、草間興信所には、テーブルを挟んで向かい合う二人の男が居た。
 一人はこの興信所の所長である、草間武彦だ。もう一人は、二人の真剣な表情を伺い見る限り客だろう。
 客である男が差し出した写真を見ながら、武彦はふむ、と短く唸った。
「つまり、この黒猫を捜してくれってことか」
「はい。何分、長年人生を共にしてきた愛猫ですので」
 武彦の言う通り、写真には一匹の猫が写っている。写真には、油性マジックでキティ(はーと)と書かれていることから、猫の名前が窺い知れた。
 短い毛は余すところなく夜色の艶をまとって、金の瞳は少々悪い目つきで縁取られていた。首輪代わりの赤いリボンは、写真越しでも手触りの良さそうなものだとわかる。
「いっそ幸運が舞い込んで来そうなものだが」
 暗に黒猫が不吉だという迷信を指したのだが、今の男にはどうやら伝わらなかったらしい。「幸運なんかいらないんです! この子がいてくれるなら……」とすっかり肩を落としてしまった。
「ああ、わかった。わかったから、そう気を落とすな。依頼を受けようじゃねぇか」
 邪魔だ、とまでは言わなくとも、仕事場でじめじめされては鬱陶しいくらいには思ったのだろう。
 このまま放っておけばいつまでもここに居座りそうな男へ、武彦はそう言って写真を胸ポケットにしまった。
「で? お宅の猫の行動範囲は」
「それが……まったく見当が付きませんで」
「はぁ?」
「今まで外に出したことなんかなかったんです。それがたまたま、空いていた窓から外へ抜け出してしまったようで」
 なるほど、籠の鳥か。それは逃げ出したくもなるもんだ。
 武彦は一つ頷くと、安心した様子で興信所を出て行く依頼主をぞんざいに見送った。
 それから扉が閉まりきるのを待って、武彦は黒電話に手を掛ける。何処かへと繋がるダイヤルを回したなら、短いコール音の後にやはりぞんざいな一言だけを残して。
「草間興信所だ。急遽人手が必要になった。暇な奴を何人かこっちに回してくれ」
 ちん、と黒電話が切られるなり、武彦は煙草を一本取り出して火を付けた。盛大に煙を呑み込んでから、白い副流煙を吐き出す。
「ったく。こっちは別件の依頼が立て込んでるってのに」
 ぼやいた言葉は、誰に聞かれることもなく、煙と共に消えていった。
 先程のそれが何処へ繋がる電話なのか。電話の相手はどういった人物であるのか。それは草間武彦のみぞ知る。
 ただ、これから人手の必要な大仕事が待っていることだけは明白だった。

◇ 一 ◇
 翌日、興信所を訪ねてきた人物を見て、武彦はくわえていた煙草をぽとりと床に落とした。幸か不幸か、すぐにそれに気付いた零が、火の付いたままの吸い殻を拾い上げたお陰で事無きをえたが。
 否。それよりも、だ。
「俺は暇な奴を何人か、と頼んだんだが」
 男の呟きは、ただのぼやきのようにも目前の女性へ告げているようにも聞こえる。
 そう。今回の依頼に、借りようとした手は複数。しかし武彦の眼前に佇んでいるのは、如何にも人ならざる容姿を持った女性がたった一人だ。
 漆を流したような黒髪と瞳。光の宿らない眼は、無感情な微笑が微かに彩っている。
 背中には、これまた漆黒の翼と、その和装の風貌には似合わないギター。足は……鴉のそれと言えば、大方伝わるだろうか。
「……あー、一応念の為に聞くが、お前が猫捜しの助っ人か?」
「私一人では、不満ですか」
「いや、どっちかっつーと不安だな」
 ゆったりとしたテンポで紡がれる女性――鳥塚の言葉に、後頭部を掻きながら武彦は答えた。
 何せ相手は小さな猫が一匹。捜索範囲は、すばしっこい猫を相手に不特定と来たものだ。一人で捜すには、限界があるだろう。
 たとえ、幾ら人ならざる存在であったとしても。
「私は、期待以上の働きをしますよ」
 悩む武彦へ追い打ちをかけるようにか、鳥塚は変わらぬ微笑みのままそう告げる。それに、男は深くため息を吐くと仕方ないと言いたげに肩を竦めた。
「零」
「はい。キティの情報ですね。外見は、この写真の通りです」
 そう言って零の取り出した写真には、金の瞳を持つ短毛の黒猫が鎮座ましましている。
「それから、キティの好きなものをお聞きしたところ、飼い主の方の愛用する毛糸玉を大層気に入っていたようです。毛糸玉はこちらにお借りしてありますので、必要でしたらどうぞお持ち下さい。あと、飼い主の方以外には攻撃的な様子ですので、重々注意してください」
 一息にキティの情報を説明した零は、毛糸玉の入った袋を女性へと渡した。それを受け取った鳥塚は、ふむ、と一つ頷くとくるりと踵を返す。
「良い報告を、期待していてください」
 うっすらと弧を描く唇がそう告げて、鳥塚は興信所を後にした。

◇ 二 ◇
 草間興信所の入っているビルの屋上まで足を運ぶと、鳥塚は辺りを見回した。一見何もない屋上は、だからこそ、彼女へ開けた視界を提供してくれる。
 快晴の空ならば尚のこと。
 鳥塚は一度ゆうるりと背中の翼を動かすと、次の瞬間、打って変わって力強い羽ばたきでもって空を掻いた。
「捜すのなら、上空からが一番ですね」
 悠然と飛翔しながら、鳥塚は眼下に広がる町並みへなちこちと視線を彷徨わせる。
 元来、猫というものは高いところが好きなものだが。
「建物の上ではないのでしょうか」
 暫く周囲を旋回してみるものの、それらしい黒猫は……否、黒猫どころか野良猫の一匹すら見付からない。
 代わりに彼女は、マンションの屋上や民家の上でたむろしている鳥達を見付けた。鳩、雀、鴉。どの鳥達も、彼女の姿を目にするなり囀りを止め居住まいを正す。
 まるで人間のようなその仕草に薄く笑ったまま、鳥塚は近くの家の屋根へと降り立った。
「ご機嫌は如何ですか」
 クルクルと小さく鳴く鳩へ話しかけてから、鳥塚はふむふむと幾度か頷いて見せる。
「確かに、最近は暑いですからね」
 一体何を話しているのか。傍目には独り言にしか聞こえない彼女の会話も、実際には人間に聞こえないだけで、鳥とのそれが成り立っているらしい。
 他愛のない会話を幾つか交わして、ふと、鳥塚は一つの考えに思い至った。
 この鳥達に、協力を仰いでみてはどうだろう。下手に人間に聞き回るより、効率よく探せるというものだ。
 彼女は懐から例の――飼い主の溢れるほどにたっぷりの愛情が窺い知れる――写真を取り出しながら尋ねた。
「一つ、聞きたいことがあるのですが。この黒猫を、知りませんか?」
 何対もの双眸が、その写真を食い入るように見つめる。時折、首を考えるように捻る動きは機敏だ。
「……そうですか。やはり地道に捜すしかありませんか。では、私は南側を捜してみます。キティちゃんを見付けたら、教えてください」
 言うが早いか、たむろしていた鳩達は一斉に民家の屋根を蹴って飛び立っていった。

◇ 三 ◇
 時に狭い場所を覗き込んだり、時に空から人の家の敷地を覗き込んだり。
 木の上に降りて、漸くそれらしい猫を見付けたかと思えば、赤い鈴の首輪を付けた全くの人違いならぬ猫違いだったりと、既に高い所に上った日は傾き始めていた。もう数刻もすれば夕方と呼べる時刻だ。
 雑居ビルの非常階段で眠っていた黒猫を抱き上げてから、今度こそと思ったその顔を覗き込む。
「あなたは……違いますか。本当に、一体何処へ行ったんでしょうね」
 開かれたつぶらな瞳は、鮮やかなブルーのキャッツアイのような色合い。町中捜して、何匹もの黒猫を見付けたものの、それらの猫はすべてキティとは違う猫だった。
 手の中で暴れ始めた猫を解放して、鳥塚が思案に耽ろうかとした時だ。
 微かな羽音が彼女の耳に飛び込んできて、女はふいと顔を上げた。
 上空を旋回しているのは、大分前に方々へ飛んでいった鳩の内の一羽だ。
「何か、情報が掴めましたか」
 鳥塚が鳩の方へ腕を差し伸べると、白い鳩は迷わずに彼女の手の上に止まる。絶妙なバランス感覚で舞い降りた鳩は、クルッ、クッと鳴きながら幾らか首や羽を動かした。
 やがて、鳩の話を聞いた彼女は、おもむろに僅かに繭を跳ね上げた。
 光の宿らない瞳には、今は少しの驚きをたたえている。
「私鉄沿線近くの、墓地? 何故そんな所に――いえ、とにかく、行きましょう。あぁ、まずは草間さんと、できれば飼い主さんも呼んだ方が良いですね」
 独りごちる女性は、再び飛び立っていく鳩を見送ると、すぐに非常階段を蹴って空へと羽ばたいた。

◇ 四 ◇
「あの、本当にここにキティが?」
「鳩の話によれば、そうらしいです」
 キティが居るらしいという墓地へとやってきた鳥塚は、後ろからついてくる男へ小さく頷いた。
 鳥から話を聞いた後、一度草間興信所へ戻った鳥塚だったが、武彦はどうやら、別件の依頼に出かけたらしく、一人残っていた零を介して依頼人であるキティの飼い主を呼んでもらったのだ。
 けれど、見付けたと聞いて飛ぶ勢いで駆けつけた飼い主は絶句した様子だった。
 それもそうだろう。捜し猫の居る場所が、墓地などという神聖ながらも薄気味悪い場所であれば仕方ない。
 何を考え込んでいるのか口を閉ざした彼が、漸く紡ぎ出した言葉こそ、今の一言だった。
 市営墓地には墓石と墓碑が並び、夕方ということもあってか、暗くなり始めた空の色がまた人間の恐怖心を煽る。……もっとも、あやかしの世界に身を投じる鳥塚にとっては、何ということのない場所だが。
「逢魔が時、ですね」
「はい?」
「いいえ、何も。あなたのキティちゃんを、捜しましょうか」
 こぼした呟きを捨て置いて、鳥塚は墓石に沿って歩き出した。一列一列石の裏まで確認しながら回る鳥塚に、続いて男も足を踏み入れる。
 広い市営墓地は、捜すのにまた一手間掛かりそうだ。もう一度空から捜してみるかと、翼を羽ばたかせようとした時だ。
「あ……飼い主さん、この子じゃありませんか?」
 墓地の中頃から、少し奥まった所。一つの墓石の裏で寄り添うように、丸まって眠る黒猫の姿があった。
 漆黒の毛並みは数日家を出ていたとは思えぬほど、つやつやと輝いている。伏せた耳と瞳の色はわからないが、首に巻かれた赤いリボンは一目で良質のものとわかった。
 尻尾を身体の下に敷くように眠り込んでいた猫は、人の気配を感じたのかピクリと耳を震わせる。
 次いで鼻をひくつかせると、髭を先までピンと伸ばして目を開けた。
 まっすぐに女性を見上げてきたその眼も、まさしくキティの持つ金の瞳だ。
 気の強そうな眼差しは、他人を寄せ付けない力を持っている。
「あぁ…! はい、キティに間違いありません! 良かった、こんな所に居たのか」
 鳥塚の呼び声に駆け寄ってきた男は、漸く安心したようにキティへと駆け寄った。
 しかし、すっかり覚醒しきったキティはと言うと、男が手を差し伸べるなり、殺気立った様子で「フーッ」っと短く威嚇の声を上げる。
 いつもはキティからすり寄ってくることが日常なだけに、飼い主は勿論のこと驚いた。
「キティ? 一体、どうしたんだ?」
「混乱しているのでしょうか。キティちゃん、飼い主さんがわからないのですか?」
 説得するように呼びかける言葉も、黒猫の威嚇声の前には虚しく消えるだけだ。どうにか説得する術はないものかと思案し、そう言えば毛糸玉があったかと袋から取り出す。
 ちっちっち、と舌を鳴らして毛糸玉を揺らしてみるが、残念なことに、それは如何ほどの効果も発揮しなかった。
 キティは二人を交互に睨め付けるばかりで、毛糸玉には見向きもしない。
「無闇に近付いては怪我をします。私が魔力を込めた歌で気を静めましょう。キティちゃんが落ち着いたら、暴れないようにあなたが捕まえてください」
「魔力を込めた歌? それはどういう……」
 男の抱いた疑問さえもお構いなしに、鳥塚は言うことだけを言うと、喉に手を当て静かに瞼を閉ざした。
 視界の遮断された闇の中で、聴覚だけが敏感に研ぎ澄まされる。薄く開かれた唇から流れるのは、どこまでも透き通るような歌声だった。
 心が洗われるとでも言うのか。聞く者すべてを無心にさせるような歌は、うっすらと見え始めた月に相まって幻想的な空間を作り出した。
 うっとりと、男が思わず聞き入っていたのは数秒か、それとも数分の間か。
 やがて止んだ声と「今の内に」と囁くような鳥塚の言葉で、男はそっとキティを抱き上げる。
 どうやら魔力を込めた歌とやらで戦意を喪失したらしい猫は、それでも恨みがましそうに女を見据えていた。

◇ 終 ◇
 空もすっかり宵闇に染まり、墓地に佇む男は何度も何度も頭を下げた。
「本当に、本当にありがとうございました!」
「いえ。キティちゃんが見付かって、良かったですね」
「はい!」
 鳥塚独特の薄い微笑に、男は如何にも幸せそうな表情で大きく頷いた。
 しかし、彼は猫の寄り添っていた墓石へ視線を移して、腑に落ちないとでも言いたげに続ける。
「でも、不思議ですね。まさか祖父の墓の側に居るだなんて」
「お祖父さん、ですか」
「ええ、わたしが生まれる直前に亡くなってしまって、会ったこともないのですが」
 じっと落とされる視線の先には、《岩田安成之墓》と刻まれている。
 見たところ、大雑把に見積もっても、この男は二十代半ばに見える。果たして猫が――長くとも二十年ほどしか生きられない筈の生き物が――彼の祖父のことを知っていたのだろうか。
 あまつさえ、一度も外に出たことがないというのに、こうも奇跡的に飼い主の祖父の墓へとやってくるだなど。
(……まぁ、それは考えても仕方のないことですね)
 一頻り思いを巡らせて、鳥塚は一人納得する。そのまま帰路につこうかと踵を返した彼女を呼び止めたのは、男の「あ」と言葉にすらならない声だった。
「何かありましたか」
「いえ、その……お礼をと思いまして」
「礼、ですか」
 とは言われたものの、報酬の方は草間興信所の方から入る筈だ。無駄な金銭を貰っても、その日暮らしで十分間に合う鳥塚には無用の長物だった。
 謝礼金をと申し出る男を上手く丸め込んで、うーん……と一つ唸った鳥塚は、何かを思いついたようにぽんと一つ手を打つ。
「そうです。良ければ、この写真を頂けませんか?」
 小首を傾げながら取り出したのは、やはりキティ(はーと)と書かれた黒猫の写真だ。
「そんなものでよろしいんですか?」
「そんなもの、とは言いますが、あなたにとってはこれも大事なものでは?」
「ええ。ですが、私はキティが居ればそれ以上に大切なものなのどありませんので」
「では、有り難く頂きます」
 恐らく、写真一枚でその誠意が片付けられたことに不満を感じたのだろう。納得のいかない様子で、それでも写真をくれた男は、それでは、と最後に軽く会釈をして出口の方へ向かっていく。
 鳥塚にとっては、これもまた金銭と同等の価値を見いだせるものなのだが。
 写真に写る猫を目を細めて眺めていると、不意に入り口の方から声が聞こえた。あの、キティの飼い主の声だ。
 慌てた様子でキティを呼ぶ声に何事かと視線を上げるや、黒猫が鳥塚に向かって走ってくるではないか。
 俊敏な足ですぐに鳥塚の足下までやってきたキティは、軽い身のこなしで鳥塚の肩へ飛び乗ると、なぁおと一つ鳴く。と、次に聞こえてきたのは、耳を疑う声だった。
「まったく、余計なことをしてくれる。折角安成に会いに来たと言うに」
「……空耳でしょうか」
「そう思うのなら勝手に思っておれ。だが、まぁ、いつまでも墓地になんぞ居れたものじゃないと思っていた矢先だからの。あの飼い主の元も、居心地は悪くない。今回は大人しく、一緒に帰ってやるとするよ」
 ではな、鴉の。
 そう言って鳥塚の肩を降りていったのは、他でもないあの黒い猫だ。
 人間のように流暢に耳元で喋っていたのは、気のせいなのではないかと思うほど颯爽と、キティは飼い主の腕の中へと戻っていく。
 漸く二人分重なった影が、街灯に照らされて墓地を後にした。
「これはこれは。キティちゃんの方が、一枚上手でしたか」
 帰りしな、猫の振った尻尾の先が、微かに二つに割れていたような気がする。さっきまでは、確かに普通の黒猫だった筈なのに。
「あやかしの気配をも消してしまえる猫でしたか」
 微笑みは崩さぬまま、ほんの少し驚いたように独りごちて。
 けれど、と思い返すのは、先程の猫の言葉だ。
 もしかするとあの猫は、帰るタイミングを掴み損ねていたのかもしれない。
 どんな関係であったのか、それは鳥塚の知る所ではない。しかし、あの飼い主の祖父へ会いに来たと言った猫は、あの飼い主の元もまた、居心地が良いと感じているようだった。
 そこには、鳥塚の知ることもない、信頼関係というものが成り立っているのだろうか。
 信頼というものを感じたことのない彼女はわからないけれど、きっとキティは幸せなのだろう。
 今は一人佇む墓地で、彼女は静かにそう思った。

◇ 了 ◇
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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【7566 / 鳥塚・きらら/ 女性 / 28 / 鴉天狗・吟遊詩人】

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■         ライター通信          ■
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鳥塚様。
初めまして、こんにちは。
この度は、「黒猫の鳴く刻」の参加依頼ありがとうございます。
東京怪談のリプレイは始めてだったので、どうしても「妖怪」という要素を絡めたく、試行錯誤してこういった形に相成りました。
当初は別の物語も考えていたのですが、文字数の問題と、少々血生臭いものになりそうだという理由から、普通の猫捜しに落ち着いたという逸話付きです。
作者自身大の猫好きですので、ご依頼頂けたことにとても感謝しております。
淡々と、ほのぼのと、でもすこしずつじんわりと何かを感じて頂けるような、そんな作品になっていれば良いなと思います。