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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


DEAD or LIVE!


「うちのライブハウスに何か出るみたいなんです」

 草間興信所に現れた、いかにも音楽やってますという風貌の青年はそう切り出した。
 またしても怪奇系の依頼に、所長・草間武彦はぴくりと眉を動かす。うちは浮気調査とか身辺調査なんかを扱う普通の興信所なのだと言い返そうにも、数ある不本意な実績が積まれた今となっては単なる空言に過ぎない。
「俺はP.A――音響をやってるんですが、最近出演してくれてるバンドのライブ中に不可解な事が続いていて……」
「不可解、というと?」
「小さいハコなんで、大抵アマチュアの子たちが複数出演するんです。その時に――トリのバンドの演奏だけ、変な事が起こるんです」
 その現象が起こり始めたのは一ヶ月前。
 最初はマシントラブルだった。それくらいは取り立てて騒ぐ程の事ではない。しかし、現象は回を重ねる毎にエスカレートし、先週末のライブではとうとう怪我人が出てしまった。演奏中、突如照明が落下してきて、避けきれなかったボーカルの少年が足の骨を折る重症を負ったのだ。
「出演してくれてるバンドも、トリは気味悪いからちょっと、て雰囲気になってるんですよ。店側としても、怪我人が出てしまった以上このままにしておく事もできないんで……こういうのに詳しい方に、その……囮をお願いする事ってできないですか?」
 こういうのに詳しい方はいません、と草間が言おうとするのを、彼の背後から黒・冥月が遮った。
「お前向きの仕事だな、怪奇探偵?」
 草間が座るソファの背凭れに肘を付いて揶揄うように言った冥月を、怪奇探偵と呼ばれた男はもの凄い形相で振り返った。その肩越しに、少し安堵した表情の依頼人が見えた。
「今日も暑いですね」
 どうぞ、とシュライン・エマが依頼人の前に新しい麦茶を置いた。炎天下を歩いてきて余程喉が渇いていたのか、最初に依頼人の前に出された麦茶はもうすっかり空になっていた。依頼人は恐縮したように頭を下げて礼を言うと、早速麦茶に口を付けた。
 断れない事を悟ったのか、んん、と咳払いをして、草間が二人を紹介した。
「黒・冥月とシュライン・エマです。この二人を調査員として派遣しますので、囮でも何でも使ってください」
 よろしくお願いします、と再度頭を下げて、依頼人は冥月とシュラインに視線をやった。冥月とシュラインを数度行ったり来たりした視線は、放心したような溜息と共に草間に戻った。
「どうしました? どちらも女性ですが、優秀な人間ですよ」
「いえ、そうではなくて」依頼人は慌てて首を振った。「お二人ともあまりにクールビューティーなんで、びっくりしただけです」
 はぁ、と草間は間の抜けた相槌を打ち、シュラインはクスッと笑みを洩らした。冥月はあまりに明け透けな言葉にピクリと眉を顰めた。

 草間に促され、依頼人は気を取り直して件の現象について詳しく説明を始めた。
 ライブハウスを利用しているバンドのジャンル、今の所客側に被害はなく演奏側がトラブルに遭っている事、そして最後にボーカルが一番被害に遭っている気がする、と依頼人は話した。
「バンドか。私は音楽の類は得意ではないが……柄でもないし」
「そうですか? 雰囲気もあるし、魅力的ですから向いていると思いますよ」心底そう思っている口振りで依頼人が微笑む。
「そうだそうだ。お前みたいな男前女が舞台に立ったら、女の客が騒いで人気が出るぞ」
 まるで先程の怪奇探偵発言のお返しのように、ニヤニヤと笑った草間が冥月を横目に言った。すかさず草間の首に手刀を食らわせると、所長はグフッと汚い呻き声を上げて息を詰めた。
「ところで」苦笑しながら依頼人が口を開く。
 恨めしそうに視線をくれる草間を無視し、冥月とシュラインは依頼人に顔を向けた。
「ライブの際にやっていただくパートなんですが、何かご希望はありますか?」
 できればボーカルはお二人のどちらかにやっていただきたいんですけども……、と依頼人は申し訳なさそうに言う。これまでの事を考えてみれば一番被害に遭う可能性が高いパートをやってくれと言っているのだから、当然の表情かもしれない。
「私は何でもいい……ボーカル以外なら」
 最後の所を少し強調して冥月は言った。被害に遭うのが嫌だ、という訳では断じてないが、人前で歌うなんて考えただけでも恥ずかしくて無理である。それに、万が一異変が起きた場合、演奏側・客側双方を守る事を考えるとボーカルの位置――舞台の前方真ん中にいるのは好ましくない。
 そんな冥月の少し言い訳じみた思考など知らず、不思議そうな顔をしたシュラインと依頼人が視線を合わせた。じゃあ私が、と苦笑してシュラインが言う。無意識にだが、冥月は僅かに安堵していた。
「黒さんは何か楽器の経験とかあります?」依頼人が訊ねる。
 暗殺者時代には色々な技術を学ばされた冥月であるが、暗殺術だけではなく芸術面の教育も受けた。その為どの楽器もそれなりに弾けるのだが、一番の得意はピアノであった。その事を依頼人に告げると、じゃあキーボードが良いですかね、と言った。
 足りないパート――ドラム・ギター・ベースはサポートの人間を用意しておく、演奏してもらう音源は後日改めて連絡すると言い置いて、依頼人は事務所を去って行った。

「ライブか、最近ご無沙汰で懐かしい」
 依頼人が帰った後、ふぅと一息吐いてシュラインが呟く。
「一番盛り上がった時に起こるらしいからな、まぁ頑張れよ」
「盛り上がると、か」草間の言葉を受けて冥月が口を開く。「霊も音楽に興奮するのか?」
「だとしたら霊も人間も同じね」シュラインは少し微笑みながら答える。「耳が肥えた何かなんだろうけれど……」
 そう言ってシュラインは考え込んだ。つられて冥月も考える。一番盛り上がった時に起こる怪奇現象。被害に遭うボーカル。
 物理的な攻撃や存在なら影で拘束できる。しかし霊のように肉体のない物には手出しができない。それだけが、少しだけ気がかりだった。 



 次の日、冥月とシュラインは早速図書館に向かい、怪奇現象が起こり始めた頃及びその前の死亡記事や事故記事を確認する事にした。しかし、それらしい記事は見つからず筋肉が強張ってきた頃、シュラインの携帯に草間からのメールが届いた。
「依頼人さんから昨日頼んでおいたFAXが届いたみたい。一度事務所に戻って、後はライブハウスで聞き込みしましょうか」
 冥月は頷いて了承し、シュラインと連れ立って事務所に戻った。

 事務所に戻ると、シュラインは早速FAXを確認して依頼人に電話をかけ始めた。彼女は使い込まれた道具に何かが宿ったという可能性も考えているらしい。
 シュラインが何かメモして電話を切った所で、冥月は彼女を振り返った。
「どうしたんだ」
「少し怪しいバンドがあるみたい。これから接触してみましょう」
 怪奇現象が起こり始めた少し前、ライブをドタキャンしたバンドがあったらしい。幸い、キャンセルしたバンドが前もって代理のバンドを立てていた為穴は開かなかったらしいが、そのバンドはキャンセルした日以来ライブを行っておらず、活動自体も休止しているのだという。
 教えられた携帯に電話をかけると、若い男が出た。こちらの身元を明かし少し話が聞きたいと言うと、少し訝し気にしてはいたが、夕方ならば、という男の言に従って会う事になった。

「興信所の人?」
 待ち合わせた場所に現れたのは、肩掛けの黒い鞄を提げた二十歳そこそこの男だった。不機嫌そうな目を冥月とシュラインに向けた後、用件を急かすように「それで?」と言った。
「あのライブハウスで起きている怪奇現象について調べている」
 何か知っているか、と冥月が訊ねる前に、男は斜め下に視線を落として眉間をひくりと動かした。何か心当たりがある、冥月はそう直感した。
「今、バンドの方は活動休止なさっているとお聞きしましたが」シュラインが間を繋ぐように訊ねる。
「今ボーカルがいないんですよ」
「いない、というと?」
 男は不快そうな表情を浮かべた後、それまでボーカルを務めていた男性が一ヶ月前にバンドを抜けたのだと話した。ライブをドタキャンした日の、少し前の事だという。
(時期的にはぴったりだな)
「その男は何故辞めたんだ?」
「……口論になって、辞めたと言うか、連絡取れないっつーか」
 男の言葉に寄れば、その男は音楽のセンスは抜群だが人間として問題が多いらしく、もう耐えかねると注意した所激しい口論になった。その後彼はその場を飛び出して、辞める辞めないという問題が有耶無耶になったまま、今に至っているのだという。
 バンドの他のメンバーが彼に連絡しても繋がらない状態が、かれこれ一ヶ月続いているらしい。
「家を訪ねたりとかはならさないんですか?」
「別に、する必要ないでしょ」
「それでも仲間か?」
 冥月は男を睨み付けながら言葉を吐いた。男は苛立った目で睨み返して来たが、冥月は引かなかった。
 バンドという一つの共同体がどの程度の絆で繋がっているのか、冥月には経験がない為わからない。同様に、一緒に活動して行くメンバーとしてどういう点を重要視するのかという事についても、口を出す権利はない。
 しかし、人と人との繋がりをこんなにも軽く捉えている事には腹が立った。
「あの、そのボーカルの方が作った曲や思い入れのあった曲はありませんか?」
 冥月を宥めるように彼女の肩に手を置いて、シュラインが男に訊ねた。眉間に皺を寄せたまま冥月を見ていた男は、黙ったまま鞄の中に手を突っ込みUSBメモリを取り出すとシュラインに渡した。
「最後の日にあいつが持ってきた曲です」
 不思議そうな顔をするシュラインに、男は小さな声でそう言った。もういいですか、と有無を言わせぬ語調で言ってくる男に仕方なく首を縦に頷かせると、男は別れの言葉も言わずに去って行った。
「なんなんだあの男は」
 冥月は男の背中が見えなくなってからそう吐き捨てた。彼女の腹の中はまだ沸き立っている。
「ちょっと無関心かもしれないわね」でも、とシュラインはUSBメモリを指で摘む。「全く気にしてない、て事はないのかも。コレ、持ち歩いてた訳でしょ?」
 最後の日、という事は一ヶ月以上持ち歩いていたという事か。確かに、全く気にも留めていないのであればそれ程長く持ち歩く事はないだろう。
「……」
 もしかしたら彼は、意地になっているだけなのかもしれない。なんとなく、そう思った。



 その後、ライブで演奏する音源を渡されたり、ライブハウスで客やスタッフに聞き込みをしたり、スタジオに入って確認をしたりして慌ただしいままに時間が過ぎて行った。
 そして、何やかやでライブ当日。
「い、いやだ……」
 ライブハウスの控え室で、衣装にも着替えメイクも終えた冥月はその真白な肌を真っ赤に染めていた。
 遡る事一時間前――。
「ほんっとに突然で申し訳ないんですが、黒さん歌ってもらえませんか?」
 依頼人が土下座しそうな勢いで頭を下げた。というのも、一番最初のバンドが白熱した演奏を行ったおかげで、店のキーボードが壊れたのだ。更に困った事に対バンのバンドでキーボードを使うグループがない為代わりも用意できない。予め必ず必要だと伝えておいた三曲目にはどうにか間に合わせるが、一、二曲目は諦めてほしいと言われた。
 シュラインはどうするのか、と訊ねると、元々彼女にはギターも弾いてもらう予定だったから、冥月が歌ってくれるのならシュラインはギターに専念してもらう、と泣きそうな顔で言う。
 まさかそんな土壇場で、しかも必死に懇願されているのを無下に断れる程、冥月は酷い人間ではない。
 快く、とはいかないが、了承した。了承はしたが、心の準備はできていない。
 そんな事はしなくても歌えるのだが、渡された音源をイヤホンで聴き直しながら、他のメンバーが楽器の準備をするのを袖から眺めていた。顔が火照って仕方がない。
 薄暗い会場には抑えられた音量でSEが流れている。バンドサウンドのインストルメンタルだが、冥月にはその曲が誰のどんな曲なのかわからなかった。落ち着いて聴ける状態ではなかったとも言える。
 こっそりと盗み見た会場の後ろの方、依頼人がいるブースの傍には銜え煙草の草間の姿があった。
(何故いる…!)
 先日の草間の言葉が蘇り、冥月は更に顔を赤くさせた。
 SEの音量が少しずつ小さくなり、やがて消えた。客の歓声が聞こえた。
「どうぞ」
 スタッフに背中を押され、イヤホンを彼女に預けると、冥月は大きく息を吐いてから舞台に歩み出た。

 薄暗いまま演奏が始まり、少しずつ照明が灯る。俯いていた冥月は、歌が始まる所で顔を上げた。思った以上に客の顔がよく見える。
 最初の曲は、抑え目のAメロの後、ガラリと雰囲気の異なるサビに入るのだが、
(マズいな)
 客は放心したように惚けて冥月を見つめている。
 一番盛り上がった時に起こる現象。つまり、客を盛り上げなければ現象は起こらない可能性がある。
(……クソ!)
 半ば自棄になって、真直ぐ突っ立ったマイクを覆うように掴む。打ち付けるように声を出し、なるべく何も考えずに歌詞とメロディだけを追い上げた。下ろしたままの黒い長髪が揺れる。
 一曲目が終わる頃には、照明の所為か緊張の所為か、首筋から汗が流れ出していた。
 曲が終わった事を告げるようにドラムが鳴っても、客は微動だにしなかった。さすがに失敗したかと不安になった冥月だが、一瞬の後、
「キャー!!」
という女性客の黄色い声に思考を吹き飛ばされた。
「なッ……」
 客側とステージを隔てる柵に身を乗り出して叫ぶ客は、明らかに興奮していた。女性だけでなく、Tシャツにジーンズ姿の男性たちも両手を上げたり拍手をしたり、各々の仕草で賞賛していた。
 盛り上がっていた。素直に驚いてしまう位に。
 普通ならここでバンド名やら挨拶やらをするのだが、そのまま二曲目に移った。シュラインのギターリフが始まると客がまた声を上げた。
 二曲目はスタンダードなロックナンバーで、終始急き立てるような疾走感に満ちた曲だ。冥月は盛り上がっている事を確認して少し落ち着いたのか、二曲目は比較的気楽に歌えた。
 最後のサビを歌っている時、頭上に何か気配を感じた。咄嗟に、影で舞台全体を覆うドームのような盾を作った。
 ガシャン――という音が響いて、ステージ上に設置された大きめ照明が三つ、光を失った。
(来た)
 冥月はシュラインに視線を送った。全ての照明が落ちた訳ではなかった為、しっかりと視線が合った。
 冥月の影のおかげで、単なる照明のトラブルとして認識され演奏は滞りなく続いた。二曲目が終わった時、シュラインがコーラスに使っていたマイクに顔を近付ける。
「次がラストの曲です」客側から残念そうな声が上がる。「ゲストの方に参加していただこうと思います」

「stratoleaksのコージさんです、どうぞ」

 シュラインはエレキギターをアコギに持ち替え、冥月は舞台の端にちょこんと設置された、間に合わせにしてはしっかりしたアップライトピアノの前に座った。
 シュラインの、トントントン、とギターを叩く音を合図に演奏を始めた。どうやら調律されていないらしく、冥月は鍵盤を叩きながら僅かに眉を顰めた。少しズレている音が気持ち悪い。
 客はシーンとしていた。それはそうだろう、誰も立っていないマイクにスポットライトが当たっているのだ。
 気配から実体がない事はわかっていたが、果たして現れてくれるかどうか――。
 これは賭けに近かった。この怪奇現象を引き起こしているのが例のバンドのボーカル――stratoleaksのコージという人物だという確証はなかったし、彼が作ったという曲を演奏した所で大人しく出て来てくれるかもわからない。それでも、一番可能性は高かった。
 USBメモリの中に入っていた曲の一つに、「コージ一押し!笑」というファイル名の曲があった。ボーカルはなく、ピアノの旋律とアルペジオだけのロックバンドらしくない曲だったが、彼がこだわっているとすれば、この曲だと思った。
 曲の中盤まで、ただピアノとギターの音色が響いていた。間奏らしいパートを弾いている時、舞台上に気配を感じた。
(声が――)
 少し高めの、男性の声だった。情緒的で、訴えかけるような切ない歌声。
 声が聞こえ出すと客はざわめいたが、すぐにまた静かになった。

 曲が終わると、少しずつ薄くなるようにして気配も消えた。
 拍手は疎らだった。しかし決して盛り上がらなかった訳ではなかった。皆、心に何か落とされたような表情をしていて、ある女性客は涙を流していた。
(気が、済んだ……かな)
 妙な高揚感、興奮、感動。色々な感情が綯い交ぜになって、言葉が出てこなかった。
 冥月は目を瞑って上を向いた。気配を辿るようにゆっくりと息を吸い込んだが、先程までいた気配はどこにも感じなかった。



 ライブ終了後、驚くべき数の女性ファンに出待ちされた冥月は仕方なく従業員入口からこっそり出してもらった。しかしそちらにも張り込んでいた者もいて、シュラインと共に逃げるように興信所に戻った。
 ――それが、三日前。
「いやぁ、ありがとうございました〜」
 依頼人はニコニコと笑顔でお礼を言った。冥月らがライブを行った次の日にもライブは行われたが、大盛り上がりにも関わらず怪奇現象は起こらなかったらしい。
 また、失踪中だったstratoleaksのボーカルも連絡がついたらしく、メンバーに復帰して活動を再開したとの事である。
 どうやら冥月の与り知らぬ内にすっかり解決したらしい。
 与り知らなかったのは何も冥月が後処理を怠った所為ではない。ライブ後、全く仕事にならなかったのだ。
「ハァ……」
 依頼人がやって来たのはお礼を言う為だけではない。冥月に宛てたファンレターやプレゼントの類を届けに来たのだ。
 どこから調べたのか冥月が草間興信所でアルバイトをしていると知ったファンが、興信所の近くで冥月が出てくるのを張り込んでいた。さすがに中まで押し入ってくる事はないが、一歩外に出ようものなら呼び止められ話しかけられ尾けられ…etc、とても探偵業のできる状態ではなかった。その為、依頼人に窓口になってもらうという事で丸く治まったのだが、この量はありえない。
 紙袋一杯の手紙とプレゼント。
「俺の言った通りだな」
 ニヤついて言う草間に再び手刀を食らわせ、冥月は再び溜息を吐いた。
 魅せられはした。緊張はしたが、少し爽快だとは思った。しかし、
「もう音楽はこりごりだ」
 もう頼まれたってボーカルなどやるまい。心の底から、そう思った冥月であった。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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[PC]
・黒・冥月 【2778/女/20歳/元暗殺者・現アルバイト探偵&用心棒/Vo & piano】
・シュライン・エマ 【0086/女/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員/ Gt & cho】


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■         ライター通信          ■
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黒・冥月さま

 この度は「DEAD or LIVE!」にご参加くださいましてありがとうございました! はじめまして、ライターのsiiharaです。
 大変お待たせしてしまい申し訳ありませんでした…!
 プレイング楽しく読ませていただきました。うまく反影できていれば良いなと願うばかりです。
 PCさんの意向を尊重しまして、冥月さんには半分無理矢理歌っていただきましたが、いかがだったでしょうか? 私は、赤面して狼狽える冥月さんが書けて、幸せでした(笑)

 それでは、また機会がありましたら宜しくお願いします!