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<東京怪談・PCゲームノベル>


  明日に繋げし夢紡ぎ 〜観光案内の裏側編〜

 手品を終え、ブルーシートを片付ける少年に、みなもは小さなノートを片手に声をかけた。
「世界遺産観光?」
 一流は作業をしつつも、青い髪の少女を振り返る。
「はい。それを参考にして、目的を明確にしたコースプランをつくってはどうかと」
「目的を明確にしたコースプランかぁ、それはいるかもね。観光となると目玉がいるし、プランがあった方がガイドもしやすいし」
 二人が話しているのは、自分たちの旅行の話ではなく旅行者を案内するための企画のことだ。
 たった13、14の子供たちが何故そんな企画するかというと、それにはモチロン理由がある。
 そこは、普通の観光ツアーで行けるような場所ではない。
 獣人たちの住む夕焼けの森。雪のように花びらが舞う人魚の水辺。高く青い空に逆さの建物が伸びる翼人の浮島。
 1つの世界に、3つの空。異なる種族と様々な生活。
 夢から派生した、けれど確かに存在するもう1つの世界。
 夢使いの藤凪 一流が案内人を務め、人魚の海原 みなもがコウモリ娘として暮らす場所。
 そこの世界のことは、他の誰でもない二人が管理することになっているのだった。
「ただ僕、世界遺産の観光とか行ったことないんだけど、どんな感じなのかな」
 看板や鞄をひとまとめにして抱えあげ、好奇心に満ちた瞳がみなもを見返す。 
「えっと、あたしもそんなに詳しいわけではないんですけど、屋久島には行ったことがあります」
「自然遺産だっけ。樹齢何千年だかの縄文杉があるんだよね」
「はい。屋久杉やガジュマルの樹も素敵ですし、千尋の滝や大川の滝も迫力がありましたよ」
「そうなんだ。それは使えそうだなぁ。歴史は浅い分、自然の魅力で推したいもんね」
 そんなことを話し合った後、それぞれの見所とコースプランを決めるため、夢世界へと向うことにする。
 手を取り合い、互いのイメージを同調させて世界を想い描く。
 光に包まれ、その先には自然の広がる別世界が広がっていた。 
 

 空中に現れた二人は、一先ず獣人の森へと降り立った。
 深い森と草原、岩山には洞窟があり、高さのある滝と、そこから流れる川。
 最近では住民たちの耕し始めた畑なども見られるが、ほとんどは自然そのままの光景だ。
「僕が思うには、まず名前をつける必要があると思う」
「……え?」
 崖の上から滝つぼを眺めながら、つぶやかれた言葉に聞き返す。
「さっきみなもちゃんの話を聞いてて思ったんだ。名所にするには、名称が必要なのだと! 千尋の滝しかり、グランドキャニオンやグレートバリアリーフもしかりだ。まずは呼び名をつけなくちゃあ」
「そ、そういうものでしょうか」
 みなもはよくわからない様子で首を傾げる。
「というか、よく考えたらこの世界って地名とかものの名前とかってほとんどないからね。案内するときにもここが滝です、洞窟です。じゃあ、あまりに味気ないじゃない」
 それは確かに、と思わず納得してしまう。
「ガイドをするなら、その名前の由来やいわれも必要ですね」
「……ちなみに、千尋の滝の名前の由来って?」
「1尋は人が両手を広げた長さなんですけど、その千人分くらいの大きさの花崗岩があるんです。すごく大きな一枚岩で」
「うーん、さすがだなぁ。なんか、対抗できないような気がしてきた……」
 みなもの説明に、一流は腕を組んで考え込む。
「と、とりあえず。コースを決めましょう。どこをどう見所にするかによって、名前をつける場所も変わってくるかもしれませんし」  
 真剣に悩んでいる様子なので、みなもは慌ててフォローをいれた。
 すると、相手はにこっと愛嬌のある笑みを浮かべて。
「そうだね、そうしよっか」
 と明るく答えるのだった。
 

 どういった観光スポットがあるのかは、随分前にも聞いてまわったことがあった。
「滝を見たり山登りをしたり、後は鍾乳洞めぐり、だっけ。観光としてはそれが一番よさそうだよね。ちょっと見に行ってみようか」
 前回は聞いてまわっただけだったので、実際のその現場に行ってみることにする。
「鍾乳洞か。ここを観光地にはしたくないんだが、あんたがいうなら仕方ないのかな」
「観光地にしたくないって……おすすめスポットじゃなかったの」
 狼の獣人である青年に、一流が不思議そうに聞き返す。
 以前、みなもに聞かれてそこを勧めたのは彼自身だったはずだ。
「この世界の住人にはそうだよ。けど観光客の連中には、ちょっとな」
 吐き捨てるようなセリフに、みなもと一流は顔を見合わせた。
「あの、何か……あったんですか?」
 みなもが聞くと、狼男は耳の後ろを軽くかいた。
「あれだよ」
 そういって指さされたのは、焼け焦げた木々の積み重なった巨大な焚き火のあとだった。
 二人がそこを覗き込むと、焦げあとには空き缶や空き瓶がゴロゴロと転がっていた。
 ビニールやプラスチックが溶けて張り付いたものまである。
「観光の連中が置いていったもんでな。食えるもんでもないし肥料にもならんから燃やしちまおうかと思ったが、くさい煙は出るわ燃え残るわで、散々だったぜ」
 燃やしてしまおうと考えてしまうのも無理はない。
 こうした素材の全てが、こちらの世界の住人にはなじみのないものだったのだ。
 彼らの使うものは全てリサイクルが可能な自然のものばかりだったのだから。
「ゴミが……」
 みなもはショックを受けた様子で、小さくうつむく。
「フジヤマの二の舞、ってヤツか」
 日本一の山だと言われる富士山も、その上はゴミだらけで景観が悪いのだと、何かで聞いたことがある。
 その美しさを堪能しにいくはずの人々が、その場所をどんどん汚していくのだ。
「でも、浮島ではそんなことは……」
「そりゃそうさ。浮島でものを捨てりゃ、海に落ちるからな」
 みなもの必死の反論にも、さらりと答えが返ってくる。
 この世界の魅力を皆に知って欲しいと思っていた。
 異なる世界の人たちが仲良くなって。互いを理解し合って……。
 そんなことが、できたならと。
 けれど現実世界で当然のように起こっている出来事が、ここでは起こらないなんていう考えは、あまりにも虫が良すぎるものだったと痛感する。
「それだけじゃない。洞窟の壁にラクガキされたりもしてな。鍾乳洞も同じだ。とりあえず、あっちだけは封鎖しといたけどよ」
 狼男はため息をつきながら、更につけ加える。
「川ん中にも色々投げ込まれるから、飲んだヤツらが腹壊したりもしてるし、人魚のヤツらも怒ってたぜ。正直言って、鍾乳洞だけじゃなく観光自体やめて欲しいくらいだ」
 そこまで、思われていたんだ。
 最初のうちは皆、新しい人たちが来てくれることを喜んで、楽しんでいたようだったのに……。
「……とりあえず、見学だけでもしてきていいかな。観光地として解放するかどうかは、後でもう一度検討してみるよ」
 打ちひしがれるみなもの肩を軽く叩き、一流が狼男に提案する。
「あぁ。頼むぜ、案内人」
 狼男は軽く苦笑し、二人を送り出した。


 オオコウモリのみなもは完全な暗闇では目が見えないので暗いところは、と思っていたのだが、中は光るコケでうっすらとライトアップされていた。
 外よりもひんやりした涼しい空気。
 白っぽいつららのようなものが天井から伸びて、ぴちょん、ぴちょんと滴を垂らす音が響き渡る。
 地面には、垂れたものが固まってところどころに石筍と呼ばれる突起ができている。
「足元気をつけてね。湿ってて滑りやすいから」
「はい……。わぁ、すごい。こっちには石柱ができていますよ」
「不思議だね。鍾乳石と石筍って、1センチ成長するにも何十年とかかるはずなのに」
 感嘆の声をあげるみなもに、一流も不思議そうにつぶやいた。
 実際には生まれて間もないはずの世界。歴史などないはずの場所。
 それでも風習があり、生活があり、民族性がある。
 こうした地形の形成にも、辿れば歴史が見えてくるのではないかと、そう感じているようだった。
「……あるんですよ、歴史は。あたしは知っています。物心ついてからずっと、この世界を見てきましたから」
 実際には、その記憶は後からつくられたはずのもので。
 みなもが生まれ育った場所は、現実世界に他ならないのだが。
 彼女の記憶している世界の歴史が、今の世界につながっているのは確かなのだろう。
 世界は息づいている。
みなもが生まれる以前の記憶さえ内包して、きっと、みなもがいなくとも絶えず続いていくのだと。
「鍾乳洞って、石灰石が固まったものでしたっけ。色んな形をしていておもしろいですよね」
「こういうのにも名前をつけてくとおもしろいよね。ほらアレとか、『悩める横顔』とかどう?」
 妙な形の石柱を指さす一流に、みなもは思わず笑ってしまった。
 しばらく歩くと、水の流れる場所に出た。
 頭上には穴があいていて、光が差し込んでキラキラと洞窟内に反射する。
 蔓が垂れ下がり、水がちょろちょろと流れて地面を濡らしていた。
 その付近は苔むしていて、岩肌を緑に染めている。
「この辺はもう、鍾乳洞じゃないのか。でもキレイだね。反射してる光が、まるで宝石みたいで……」
「宝石ですよ」
「えっ!?」
 さらりと答えるみなもに、一流が素っ頓狂な声をあげる。
「まだ加工していないんで、正確には鉱石でしょうか。前に狼さんが言っていた、キレイな石が取れるっていうのは、ここのことみたいですね」
「そうなんだ……。すごいけど、ここはちょっと立ち入り禁止にした方がいいかもなぁ。本物の宝石が取れるんじゃ、観光客に乱獲されそうな気がする」
「そう、ですね。素敵な場所なのに、もったいないですね……」
 みなもは少し寂しげに、もう一度辺りを見渡す。
 キレイなものが沢山ある、素敵な場所。
 だからこそ、踏み荒らされてはいけない場所。
「――神に降り立つ場所」
 ぽっかりと穴のあいた頭上に目をやりながら、みなもはつぶやいた。
「え?」
「あ、いえ……そんな話を、前にお父さんから聞いた気がして。この世界には、いくつか神の降り立つ場所があるんだって。そこは恵まれた場所で、他の種族のものが勝手に立ち入ってはいけないそうです」
「へぇ、そんな言い伝えがあるんだ。それはいいね。ここの上には登れるんだっけ?」
「多分」
「じゃあ、入れないようにして上から覗けるようにしよう。『神の降り立つ場所』、うん。いいね」
「それがここのことなのかどうかはわかりませんけど」
「うん。でも、その方がいいでしょ」
 ――その方がいい。
 別に本当じゃなくても、観光名所になればいいということ?
 まさか、藤凪さんがそんな考え方をするわけない。
 だけど……。
 ゴミを捨てた観光客の話を聞いて、狼さんがここに通すことを嫌がっていると知っていながら、彼はここに来た。
 宝石を守ろうという考えはあっても、自然を守ろうという考えはもしかしたら、ないんだろうか……?
 みなもは、底知れない不安を覚えた。 
「獣人の森はやっぱり鍾乳洞と滝だね。あの洞窟の上がちょうど滝のてっぺん近くでもあるから、鍾乳洞めぐりのあと、ハイキングコースで上にあがる感じでどうかな」
「あ、はい……そうですね」
「でもなんか、一味足りないよね。せっかくの夢世界観光なんだし、船で滝つぼダイブとかしてみようか!?」
「そ、それは危険なのでは」
「んじゃあ、獣人の森だから、獣人……そうだ! この崖をケンタウロスで駆け下りるとかどう!?」
「一ノ谷の戦いですか……」
「おぉ、さすがみなもちゃん。そうです、義経の逆落としです。鹿がおりることができるなら馬がおりられないはずはない、と」
 奇襲する必要はないのに、何故馬で駆け下りなくてはいけないのだろう……。
 みなもは若干困ったような笑みを浮かべる。
「あー、でも船もやっぱ捨て難いなぁ。翼を生やして滝から飛ばせようか。飛ぶ船なら浮島でも使えるし、水辺観光のときにはグラスボートにして……いや、水中なら潜水艦のがいいかなやっぱり」
 一流は頭を抱えて、必死になって考え込む。
「……藤凪さんは、どうしてそんなにも一生懸命なんですか?」
 以前にも、似たような質問をした気がする。
 そのとき、彼は一体なんて答えたんだろう。
「なんでって、僕は案内人だから」
「それがお仕事だからですか? そのためなら……そのためなら、ここが」
 ここがどうなってもいいんですか。
 どんな風に荒らされても、問題ないと……。
 そう続けることは、みなもにはできなかった。
「皆に楽しんでもらいたいからだよ。みなもちゃんだってそうでしょ?」
 しかし一流は、当たり前のように微笑んだ。
「で、でも……」
「モチロン、色々と問題はあるよ。ゴミのことは僕の監視が足りなかったせいもあると思う。でもこのくらいのことは予想の範囲内だ。まだまだ、これから大きな問題が起こると思う。このくらいのことで音をあげていられないよ」
 このくらいのこと。確かに、小さな問題なのかもしれない。
 だけどそうしたことの積み重ねが、いずれは大きな環境問題に発展することもある。
 ゴミを燃やしたガスが空気を汚し、排水が川を汚染し、土壌を侵して。
 この美しい世界が汚れていく様が、目に浮かぶようだったから。
「それとも、君はもうやめたい? 観光客は二度とここに呼びたくない?」
 一流は責めるでもなくなだめるでもなく、静かに問いかけてきた。
 せめぎ合う。
 自分の世界を汚すよそものが許せないという想い。
 自分の世界の人たちを追い出して否定したくないという想い。
 二つの世界に生きるもの故の、引き裂かれるような感情。
 みなもは、答えられずにいた。
 どう答えても、それは間違いになってしまうような気がしたから。
「……僕も、ここを汚されるのは嫌だけどね。素敵な場所だから独り占めしたいとも思う。だけど、それよりも先に浮かぶんだ。この光景を目にした人たちの、たくさんの笑顔が」
 たくさんの笑顔。
 そのために、彼は頑張るんだ。
 この世界のことが、どうでもいいわけじゃない。
 素敵なところだから紹介したいと思う。 
 知って、好きになってもらいたい。
 その気持ちは、みなもも同じだった。
 だからコースプランを考えて、少しでも観光旅行をよいものにしたいと思った。
 その想いはこの世界のみなものものなのか、それとも現実世界のみなものものなのか、よくわからないけど。
 きっと、どちらでも同じなのかもしれない。
 この世界を大事に想う気持ちに変わりはないから。
「……コースプランだけじゃなく、ゴミ袋の用意も必要になりそうですね」
「そうだね。ゴミ投げたら狼が噛みつきますよ、とでも言ってみますか。ライオンとでも触れ合えちゃうナチュラルサファリもあることだし。あ、そーいうコースプランもあっていいかもね。ともかく動物と戯れる感じの。トラと昼寝とか? さすがに怖いか」
 みなもの提案に、独り言のようにぶつぶつと声をあげる一流。
 不安に思うよりも先にまずは前に進もうとする。
 その姿勢は大事なのかもしれない。
 あたしも、負けてられないな。
 この世界の魅力を誰よりも知っているはずなんだから。
「とりあえず、水辺や浮島にいってみませんか」
「そうだね、よそとのバランスもとらないと、1つだけ目立つのもよくないし……他の2つにも、そんな名所っぽいとこあったっけ?」
「ありますよ。キレイな場所もそうですが、神話や伝説の場所がたくさん。どこまで観光地にできるかはわかりませんけど」
「そうなんだ。でも伝説の場所とかいうのはいいね。歴史が浅いところだから、そういうのはないんじゃないかと思ってたよ」
「ですから、歴史はあるんですよ」
 みなもが少し頬をふくらませると、一流はごめん、と片手をあげて謝ってみせる。
「でも確かに、少し前までは何の作物も育てない原始的な生活だったのが、今では道具を使って農業してるんだもんな。それだけでも十分な進化だよ」
「それだけじゃないですよ。織物の技術も発展しています。ほとんどが毛皮におおわれているんで衣服ではなく寝床やカーテンに使われていますけど。染物なんかもやってます」
「文化が生まれ始めてるってわけか。短期間の割りにすごい進歩だね」
「進歩だけでなく、全体的に変化していっているんです。地形がいつの間にか変わっていたり、水の流れが変わったり……」
「そういえば、砂浜ができたりしてたね。原因は、よくわかんないんだっけ。今のところあまり影響はないんだろうけど、なんか少し怖いね」
 一流の言葉に、みなもは不安げにうなずいた。
 その変化がいいものなのか悪いものなのか、よくわからないから。
 それでも世界は止まることなく変化していく。
 今まで立ち止まっていた分も吸収しようとするように、目まぐるしい速度で。
 みなもは邪魔をしないように、けれどできるだけ悪い方向には進まないようにと危惧しながらも、見守っていく。
「いいコースプランができるといいですね。……じゃなくて、しましょうね」
 できるだけ前向きに、と意気込むみなもに一流は明るく賛同する。
 どんな問題が起ころうと、何とか解決していけばいい。
 ただ守るだけなら、観光の人を寄せつけなければいいだけなのだけど。
 それを受け入れることによって成長を始めた世界を止めることはもうできないから。
 この観光旅行が、どちらの世界にとってもよいものになりますように。
 互いに刺激を受けて、理解し合うことができますように。
 理想論かもしれないけれど、みなもは切に願うのだった――。

 
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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号:1252 / PC名:海原・みなも / 性別:女性 / 年齢:13歳 / 職業:中学生】

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■         ライター通信          ■
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 海原 みなも様

いつもお世話になっております。ライターの青谷 圭です。ゲームノベル「明日へ繋げし夢紡ぎ」へのご参加、誠にありがとうございます。
お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。

今回は観光旅行でのコースプランの提案だったのですが、全ての区域でのコースプランの決定に辿り着けず申し訳ないです。
下見という形で観光客は連れずに行動することになりましたが、いかがでしたでしょうか。

ご意見、ご感想などございましたら遠慮なくお申し出下さい。