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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


退魔のアルバイトさせてくださいPert2

 喫茶「エピオテレス」の店長、エピオテレスは困っていた。
 最近の猛暑で、外食する人間が減って店が店として機能していない。
 ――というところは、特に問題ないのだ。今までの稼ぎで充分彼女と彼女の兄、そして居候2人は食べていけるのだが、
「……腕がなまるって、言うのよね、みんな……」
 店のメンバーは退魔師なのだった。

 以前もゴーストネットOFFで退魔のアルバイトを募集したことがある。
 腕をなまらせないためにもう一度募集してみようか――

「まあ……しないよりは、いいわよね」

 早速ゴーストネットOFFに書き込んだ。

 投稿者名:喫茶「エピオテレス」店長
 内容:当方、退魔の仕事を請け負っております。ぜひ退魔のお仕事の手伝いをさせてください。
    以下の4人がおりますので、お好きな退魔師をお選び下さい。

    1人目:2刀流剣士・魔物の浄化等が可能
    2人目:符術による式神使い
    3人目:四元素魔術師
    4人目:退魔的能力はないが、銃の腕前や特殊弾丸で怪魔をも滅すること可能。

    ご希望の方はメールでお知らせください。

 ■■■ ■■■

 早速舞いこんできたのは、喫茶「エピオテレス」の常連からのメール。
『下記に4人で来い。十分準備しないと死ぬぞ』
 という文面の下に地図。
「わー」
 のぞきこんだクルールが、
「また豪快だねえ、文章が」
 ようやく読めるようになってきた日本語を読んで感想をもらす。
「分かりやすいことだ」
 とエピオテレスの兄ケニーが煙草をふかして、プリントアウトされているメール文面と地図を見比べる。
「あいつ、ちっとは遠慮ってもんがないのか」
 フェレが舌打ちした。しかし、
「なんだフェレ。中途半端な仕事が欲しいのか?」
 ケニーに言われ、「いや……」と詰まる。
「何だか分からないけれど、しっかり気を引き締めていきましょう」
 とエピオテレスがまとめて。
 4人は店を閉め、出かけることにした。

 たどりついたのは、山奥にある廃屋――と呼ぶには少々大きい。廃屋敷とでも呼ぶべきか。手入れがされていればさぞかし荘厳だっただろう見事な煉瓦造りの外観に、重厚な扉。
「いねえじゃねえか、あいつ」
「扉の奥だ」
 フェレのつぶやきに、察知能力の高いケニーが素っ気なく言って扉を押す。
 果たして、そこにあいつ――黒冥月はいた。
「よく来たな」
 冥月はいつもの黒尽くめの格好で、腰に手を当ててゆったりとした構えでいた。
 『十分準備しないと死ぬぞ』
 その言葉の割りに、今の冥月は悠然としている。軽い笑みまで浮かべているようだ。
 クルールが訝しそうに、早速取り出した2振りの剣をくるくる手首を返して回しながら、
「冥月……結局、何の依頼さ?」
 エピオテレスも動きやすい服装でいる。怪訝そうに、冥月を見つめる。
「まあ、面倒ごとがあってな」
 冥月はやはり泰然としている。ケニーが煙草を落として床で踏み消すと、
「奥か」
 その一言だけ言った。
 冥月はその場では答えなかった。ただ、違う話を始める。
「最近巷を騒がせている連続殺人犯を知っているか?」
「え? ええ。ニュースでよく流れていますわ」
「そんなんあったっけ」
「いちいち見てねえ」
「あるな。犠牲者はすでに2ケタを超えた」
 ケニーの言葉に、冥月は軽くうなずいて、
「その正体は怪魔化した人間だ。元傭兵、武器はナイフ。人間離れした素早さとパワー、回復力に魔力耐性がある」
「ははん……その相手をしろっての」
 クルールが小首をかしげる。「冥月なら倒せそうなもんなのに」
 それにも応えず、冥月はただ、
「かなりの手練だが、お前らなら2人もいればいけるだろう」
「は?」
 フェレが間抜けな声を出した。「じゃあなんで4人呼び出したんだよ」
 そこで初めて――
 冥月は、すっと目を細めた。
「そういう契約だからだ」
「契約?」
「私はそいつに護衛を頼まれた身でな。弱い敵は奴に回し、強い敵だけ退ける役目だ」
「え? ちょっと待っ……」
「奴は奥だ、2人だけ行かせてやる。残りは私と遊んでいけ」
 ぽかんとするのはクルールとフェレだ。
「あの、冥月さん、本気で――」
 エピオテレスが言うのと同時、冥月の目がぎらっと光った。
 その場の空気が一瞬で凍るような、それは激しい殺気。
 ――彼女の本気を示す――
「そんな馬鹿な! ふざけんなよ!」
 フェレが大声を上げる。
「いいからさっさと役割を決めろ」
 冥月は影からひゅるっと剣を取り出した。
「―――!」
 エピオテレスがきゅっと唇を引き締める。
 ケニーが背広の内側に手を入れて、ホルスターから銃を抜いた。
「クルール、フェレ、奥に行け」
 彼の冷静な声に、若い2人がぎょっと兄貴分を見る。
「彼女の相手は俺とテレスがする。行け。とっとと片付けてこい」
「ケ、ケニー」
「テレス……!」
「大丈夫」
 エピオテレスはにっこりと居候たちに笑顔を向けた。
 冥月はバンと自分が前に立っていた扉を叩いた。
「さあ、この奥だ。行け!」
「―――!」
 雄たけびを上げるような表情で、クルールとフェレは扉を蹴破って中へと飛び込んで行った。
 そして残されたのは、黒尽くめの女と、兄妹――

 ■■■ ■■■

 扉の奥、応接間のようになっている場所で。
 1人のがっしりとした体躯の男が、ぶつぶつと何事かをつぶやきながらナイフをもてあそんでいた。
 クルールとフェレは怒りのままその男に向かっていく。
「てめえのせいで――!」
 フェレは符術師だが、今は屋内だ。符術を使うには適していない。だからあらかじめ、以前冥月がくれた剣を持ってきていた。
「よくも、冥月とあたしらを敵対させた!」
 クルールは剣を振りかざす。
 殺人鬼がふっと2人に振り向き、ざっと横に動いた。
 クルールの1撃目がはずれる。しかし傭兵が動いた先にはフェレがいて。
「抜けると思うな!」
 元は剣士だったフェレである。鮮やかな剣さばきで傭兵の脇腹をえぐる。
 えぐった場所、ぶくぶくと泡を吹いて回復を始めた。
「ちっ」
 舌打ちと共にもう一閃。しかし今度はかわされた。次の瞬間ナイフが目の前にあって、フェレは大きく身をそらした。ナイフが体の上すれすれを通っていく。
 その間にクルールの剣が殺人鬼の足を狙った。足には急所が多い。思い切り剣を叩きつけると、腱はたやすく斬れた。
 しかし回復が始まる。その上、アキレス腱を斬ったというのに怪魔化したその男は動きを衰えさせない。ナイフを横薙ぎに振るって2人の若者を翻弄する。
 本来なら冥月の言う通り――2人がかりでそれほどてこずる相手ではなかったはずだ。
 しかし今、2人は冷静さを欠いていた。
 ――早く終わらせなければ。
 ――早く終わらせなければ、扉の向こうでは、3人が
 そう思えば思うほど、若い彼らの動きには荒が目立って。とどめを刺すのを遠くさせる……

 ■■■ ■■■

 エピオテレスが精神集中、魔力を高める。彼女は精霊の名の下、四大元素を操る魔術師である。
 ケニーは銃。
 くしくも、兄妹揃って遠距離攻撃型だ。
 冥月は片目を細めて、
「一応聞くが……まさか私が剣を取ったから、遠距離攻撃の人間を残したとは言わんな?」
「まさか」
 ケニーは軽く否定した。「あなたの能力を考えたら、遠距離近距離など関係ないだろう」
 冥月の能力は影を自在に操ることだ。影のあるところすべて彼女の意のまま、そして兄妹の足下にも影はあるわけで、つまるところ、彼女に距離というものはない。
 ふむ、と冥月はケニーを見る。すべてを決定した男を。
「理屈をつけろと言うなら」
 ケニーは銃の照準を冥月に合わせた。
「……中にいる人間は魔力耐性があると言った。だから、テレスを中に行かせるのは得策ではないと考えた」
「理屈でないなら?」
「単純だ。クルールとフェレに、あなたを攻撃することは絶対にできん」
 く、と冥月は苦笑した。
「相変わらず甘い奴らだ。――ではお前らなら、私を攻撃できると?」
「正しく言えば、俺たちの中であなたを攻撃できるのは俺だけだろう」
 ケニーはきっぱり言い切った。
 冥月はうっすらと笑った。
「そうだな。――そうだろうな」
 そしてエピオテレスは、単にケニーの補佐をするためだけに残っているのだ。彼女は攻撃を主体としていない。
 エピオテレスにはそれが出来るから。唯一、それができるから。
 だから残った。ただそれだけのこと。
「まあもうひとつ理由はあるんだがな」
 言った瞬間、ケニーの銃が火を噴いた。
 冥月は軽く半身をかたむけるだけで、軽々と弾丸を避けた。
 ケニーが皮肉気に唇の端を上げる。
「俺の銃であなたを傷つけられる可能性が、ほぼ0%であるということ――」

 ケニーの腕が悪いわけではない。むしろ彼は特筆すべきガンマンだ。
 だが、相手が悪い。冥月という影を操る女を相手にしては。
 ケニーの放つ弾丸は間違いなく冥月を必殺とも言うべき命中率で狙うだろうが、冥月はそれを軽く避けることができる。
 だから、ケニーの弾丸が冥月を傷つけることはない。

 これは、冥月に怪我をさせない最良の方法――

 冥月にはそれが分かっていた。
 甘い奴らだ。どこまでも甘い奴らだ。ああ本当に――憎らしいほどに。
「だが、私は本気で行かせてもらう」
 依頼人との契約は絶対。それは彼女の信条。
 たとえ依頼人が殺人鬼であっても。
 そして冥月は楽しみでもあったのだ。甘い奴らではあるが、ケニーも馬鹿ではない。冥月にやすやすとやられたりはしないだろう。どんな手を使ってくるか――
 冥月は床を蹴った。
 銃を向けてくる男に向かって。

 ■■■ ■■■

 銃声が聞こえた。扉の向こうからたしかに。
 クルールとフェレの動きが乱れた。今この廃屋敷内に、銃を使う人間など1人しかいないはずだ。
 それは誰か――
 一瞬そんなことを考えた隙に、殺人鬼のナイフがクルールの腕を切り裂いた。
「………っ!」
 クルールは意地でも剣を手放さない。天使は回復力が高い。放っておけば治るのだ。
「許さない……許さないからな……っ」
 ケニーの銃を冥月に向けさせたことも。
 優しいエピオテレスを冥月と敵対させたことも。
 フェレの剣は聖剣。どうやら、フェレの剣で傷つけた脇腹の傷やその他、着実に増やしている殺人鬼の怪我は完全には回復に至らないらしい。それはクルールの2振りの剣の内、『浄』も同じで、怪魔化している殺人鬼には効果覿面だった。
「クルール! 俺が動きを止める、行け!」
「OK!」
 普段は仲の悪い2人もここぞとばかりのコンビネーション。目立っていた荒もなくなってきた。
 フェレの剣筋に気を取られた殺人鬼の死角から、クルールの一閃が飛ぶ――

 ■■■ ■■■

 銃声が響く。廃屋敷の中に。
 それは確実に冥月を狙っていた。
 冥月は軽く身を動かすだけでそれを避け続け、ケニーに迫る。
 その瞬間に、嵐が起きた――エピオテレスの魔術。横殴りに冥月を打ち、ダメージはないが動きを乱される。
 その中で、ケニーもトリガーを引いた。嵐の中だ。弾丸も軌道を曲げるというのに――
 否。
 それを計算した上で。
 弾丸が急カーブを描いて冥月を狙う。背筋をかすめていった。冥月はふん、と鼻を鳴らした。
 嵐の中で剣を振るう。ケニーの体すれすれを剣筋が通っていく。通り過ぎた瞬間に、再び下りる撃鉄の音。銃声。
 キン、とぎりぎりのところで冥月の剣が弾丸を弾いた。
 嵐から抜けるには――
 悪いが、と冥月はその場から姿を消す。
 そして、ケニーの背後となる、エピオテレスの影から姿を現した。
「あ……っ!」
 エピオテレスが目の前に現れた冥月の姿に狼狽する。この辺り、彼女はまだまだ戦闘経験が足りていない。
 気配に敏感なケニーは後ろを向いたままトリガーを引いたようだ。冥月は首をそらして避けた。エピオテレスには当たらない。そういう弾道だ。
 銃声は続く。エピオテレスを攻撃する隙を与えないつもりらしい。こちらを見ないまま大した腕だと思いながら、冥月は再び影に沈んだ。
 次に現れるのはケニーの足下――
 影から現れるなり、剣を振り上げた。
 ケニーの背広に派手に切れ目が入った。だが彼もぎりぎりのところで体をそらして避けて、血は流していない。
 冥月はそのまま2撃目に入る。だが下にだらんと下げられていたと思っていたケニーの銃を持つ手が動いた。しまった剣を振り上げた体勢だ、避けるには――
 もう一度影に沈む。銃声が通り過ぎていくのを感じた。
 冥月はいったん、兄妹たちから離れた場所へと移動する。
 影から姿を見せた瞬間に弾丸が飛んできたが、剣で弾いて避けた。
 そして剣を持つ手の反対側に、影から取り出した銃を持つ。飛び道具は好きではないが――この場で使うのは面白い。冥月は連射する。
 狙ったのはケニーではなかった。
 ケニーは即座に妹をかきだいて横飛びに飛んだ。すべての弾丸が、一瞬前までエピオテレスのいた場所に命中する。妹を抱いたまま、ケニーが反撃の一弾。冥月はそれを撃ち落とした。
 エピオテレスが兄に抱かれたまま、凍りつく風を呼び出す。冥月の腕を狙っていた。広範囲に渡る魔術を避けるには影に沈むしかない。冥月は影の中を駆け巡る。
 自分が本気になれば――
 少なくともエピオテレスは一撃必殺で沈めることができるが――
(……私も甘いということか)
 そもそも今回の依頼を喫茶「エピオテレス」に出したのは、プロ意識からたとえ殺人鬼であっても依頼はこなすけれど、あの殺人鬼を放っておいてはいけないと判断したからだった。
(……ケニーとエピオテレスを、殺したいわけじゃない)
 それは甘いと言うべきなのか、それとも戦略上の決定と言うべきなのか。
 影の中で、冥月はひそかに苦笑する。
(まずいな。判断できなくなってきているほど、情が移っている……)
「どうした冥月!」
 珍しく、ケニーが名を呼んだ。
 戦闘の高揚感を思い出し、冥月は影から飛び出した――

 その瞬間に。
 閉められていた奥の扉が、バンと開けられた。
「終わった!」
 クルールの大声に、冥月ははっと振り向いた。
 そこには腕を斬られた痕を残しているクルールと、体のあちこちにかすり傷を残しているフェレがいた。

 ■■■ ■■■

 怪魔化した傭兵は、ぼろぼろと体が腐り、崩れ落ちてやがて消えた。
 冥月はそれを見届けた。そして即座に、剣と銃を消した。
「私の仕事は終りだ」
「ミ、冥月……!」
「じゃあな、楽しかったぞ。報酬は犯人の財宝を持っていくといい」
 くるりと背を向けて歩き出す。
「結局何にも言わずに……この、馬鹿ぁ!」
 クルールの泣くような声が追いかけてくる。
 しかし冥月は最後まで真意を語ることなく、その廃屋敷から姿を消した。

「何だよ、何なんだよ……!」
 クルールが床を蹴る。「何で冥月と戦わなきゃならなかったんだよ……!」
「……信用されていたんだ。そう思え」
 ケニーは弾丸を入れ直して、「今回は報酬なしでいいな」
「はい、兄様」
 エピオテレスが恐縮している。兄が多少の不利を強いられたのは自分のせいだという自覚はあった。
 そして彼女は、若い2人の怪我の応急処置をする。
 黙ってそれを受けるクルールとフェレ。エピオテレスは彼らの傷を見ながら、ぽつりと兄に言った。
「ねえ兄様。兄様の言う通り、兄様の弾は一度も冥月さんを傷つけなかったわ」
「ああ」
「……あの人を傷つける方法、あったのかしら……」
「なぜそんなことを訊く?」
 ケニーは頬を吊り上げる。「俺たちが彼女を傷つける必要など、どこにもないだろう」
「そうじゃない……の。ただ……」
 エピオテレスは目を伏せて、
「この間は大怪我をしていたけれど……基本的に、冥月さんって怪我をなさらないのよね。……怪我を忘れてしまった人間の体は、弱るわ。多分、だからこそこの間の大怪我は治るのに少し時間が必要だったの」
「そうかもしれないな」
 だが――、とケニーは切れ目の入った背広を脱ぎ、肩にかついだ。
「……彼女は、これからもああやって戦っていくさ。傷ひとつ負うことなく。……心に傷だけを負って」
 クルールとフェレがはっと顔を上げる。エピオテレスがぎゅっと目をつむった。
「冥月さん……」

 彼らが知ることはない。黒冥月という女性の生き様を。
 心の中を。
 その心に負ったものを。
 心の中に大きな傷を負って以来、多少の傷などもろともしない、そんな生き方。
 彼女が選んだのはそんな道――

「それでも、わたくしたちの家は、あなたの家でもあるのよ。冥月さん」
 エピオテレスのつぶやきが、冥月に届くことはあるのだろうか――


 ―FIN―


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【2778/黒・冥月/女/20歳/元暗殺者・現アルバイト探偵&用心棒】

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■         ライター通信          ■
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黒冥月様
いつもありがとうございます、笠城夢斗です。
今回もお届けが遅れまして申し訳ありません。
まさか冥月さんご自身と戦うことになるとは思いもよらず、戸惑いながら書きました(笑)冥月さんらしくなく、情に流される描写が多くなってしまいましたが、こんな感じでよろしかったでしょうか?
よろしければまたのご来店、お待ちしております。