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<LEW・PCクリスマスノベル>


Delicious×Danger Xmas







 最後の一味が足りない。
 クリスマスケーキを作ろうと思っているのに、どうしてだろうどこか物足りないのだ。
 きっと材料が足りないのだろう。
 物質的な材料ではなく、そう……料理は愛情的な材料が。
 これは誰かに頼んで取ってきてもらうしかない。
「チーフ?」
 呼びかけられ、チーフパティシエは振り返った。
 心配そうな面持ちでチーフを見つめる支配人の手には、何かのリストが握られている。
「ケーキは順調ですか?」
 支配人は首をかしげチーフに問う。
「それが……」
 チーフは支配人に一味足りないのだと、材料が足りなくて、どうしても納得が出来ないのだということを告げる。
「では、材料の収集を依頼して、引き受けてくださった方もパーティにお呼びしましょう」
「それは名案ですね」
 こうして、材料を集めるための依頼文が各所に掲載された。






依頼:クリスマスケーキの材料集め

 必要な材料が不足しています。皆さんのお力をお貸しください。
 足りない材料は以下の通りです。
 引き受けてくださった方やその関係者、縁者の方全てクリスマスパーティにご招待いたします。

【材料1:枯れない華】
 片翼をなくした少年がいます。翼は両方そろって初めて羽と言えるのに、彼の片翼は何処かへいったままです。彼は探し、彼は訴えます。帰りたい。帰ろうと。

【材料2:不動の音楽】
 永遠の楽譜を求める作曲家がいます。氏はその音楽を作曲するため、不可侵と云われる場所へ行こうとしています。誰もが止めます。一度も帰ってきた人がいないから。

【材料3:魔女の涙】
 笑えない少女がいます。少女は丘の上の魔女の力で感情が固まってしまう魔法をかけられてしまいました。この魔法を解き、少女の笑顔を取り戻してください。













【Carpe Diem】











 音の絶えない街だった。
 喧騒でうるさいとか、東京のように眠らない街だとか、そう言った理由ではなく、街は常に音で溢れかえっていた。
 依頼文が書かれた紙には、何かしら魔法の力でもかかっていたのか、同じ依頼文章を持った一同は、気がつけばこの街に降り立っていた。
 立ち尽くしていても仕方が無いし、この依頼を受けようと思ったのは自分。
 とりあえず居合わせた誰もが協力者。ならば皆で手に入れればいい。立ち話もなんだからと、手ごろなカフェに入り、作戦(?)会議。
 まずは、この依頼文に書かれている“永遠の楽譜を求める作曲家”がどこに居るのかを見つけなれば。
「……永遠の楽譜、か」
 そもそもそんなものをケーキにどうやって組み込むのだろう。食べるときに聞くBGMか何かだろうか。
 そう思いつつ、ぼそりとキング=オセロットは零す。
「作曲家が求める永遠……私個人は流動的な印象を受けるわ。停滞は澱み腐り落ちるような、そんなイメージがあるから」
 向かいの椅子に腰掛けていたシュライン・エマは、うーんと顎に手をあてて考えるように答え、
「それでも、きっと楽しいと思うんです」
 学生でありながらチェロで数々のコンクールに入賞してきた初瀬・日和は、新しく生まれる音楽はどんなものかを想像して、楽しそうにふわりと微笑む。
 ずずずっとストローからジュースを飲んで、コップを空にした千獣は、皆の言葉を聞きながら永遠と楽譜について何とか思考を巡らしていた。
「とりあえず、街の人から情報収集ね」
 ガタリとシュラインが椅子から立ち上がる。
 カフェでこのままお互いの考えを示し合わせていても始まらない。事実を、情報を手に入れるため、早々に会計を済ませ店を出る。
 やはりこの街は不思議な街だった。殆どの家の前にはテラスがあり、人々は各々の楽器を持って3・4人のグループ単位で集まり、ミニコンサートばりに合奏している。中には楽譜に向かって音符を書き込んでいる人もいるため、あのグループの中に件の作曲家がいるかもしれない。
 とりあえず、楽譜を書いている人がいるグループに近付き、声をかけてみた。
「いや、私は作曲家じゃないよ」
「でも、作曲を……」
 していたのではないのだろうか。
 そんな自分たちの疑問に気がついたのか、答えた男性は言葉を続けた。
「私たちも作曲はするが、作る曲は自分が扱う楽器の曲のみなんだ」
 演奏仲間と目配せしあいながら、男性は答える。
「だから、どの楽器の曲も作る作曲家は一人しかいないよ」
 フルートを手に持った初老の女性が顔をあげ、
「そうね。どの曲の作曲もできるのは彼くらいだわ」
 男性の言葉を補足する。だが、その補足に横から突っ込みが入った。
「確かにそうだが、どの楽譜も未完成じゃないか。作曲家と言っていいのやら…」
 作る曲は途中まででもとてもすばらしいのだが、逆に未完成のため世に出ず、彼は今だ無名のまま。
 見合わせた音楽家たちは口々にそう言って、なぜか暗い瞳で顔を見合わせる。
「どうかしたんですか?」
 その表情の意味が分からず、シュラインが尋ねてみれば、
「いえね、最近彼とても思いつめた顔をしていて―――」
 やはり、作曲家という名を冠していながら、完成した曲を一曲も世に出していない落ち込みは酷いのかもしれない。
 才能はあるだけに残念だと音楽家たちは口を揃える。
 そして―――
「間違っても、あの場所へ行こうとしなければいいんだが」
「あの場所?」
 首をかしげて問い返した日和に、一瞬驚くように眼を大きくしたが、すぐさまこの街の出身ではないと悟ったのか、音楽家はゆっくりと口を開いた。

 絶対の音があるといわれる、不可侵とされる――旋律の森。
 その音を聞けば、永遠の楽譜を手にすることができるという。

「……その、ふ、か、しん……ていう、場所に、行く、ことで……その人は、音楽を、作れる、の……?」
 音楽を作ること、その場所に行かなければならない理由のつながりが分からずに千獣は問いかける。
「それは分からない。分からないけれど」
 その場所には、音楽家にとって何かしらの奇跡をもたらすと言われているから。
「ただ…ね?」
「ああ」
 音楽家たちが危惧するのは、楽譜を完成させるために、作曲家があの森へ行きはしないかということ。思いつめた音楽家にとって、かの森の言い伝えは酷く甘美だ。
「彼を訪ねるのなら、伝えて。あの森へは行っては駄目だって」
 彼らが言う音は、材料である“不動の音楽”にどこか通じるものがある。
 だが、彼らは口をそろえていった。
 あの森に行ったものは、今まで誰一人として帰って来ていないのだと。
「承知した」
 オセロットは了承の言葉を短く告げる。
「作曲家さんの家を教えていただけますか?」
 シュラインが道を尋ねると、音楽家たちは快く場所を教えてくれた。
「彼が出かける前に落ち合わなくてはな」
 道の先を確認してオセロットが告げる。
「そうですね。急がないといけませんね」
 頷きそう宣言した日和に、千獣は小さく頷いた。











 たどり着いた民家のテラスには、他の民家と違って誰もいなかった。
 カランとドアベルとして備えられた鐘を鳴らす。
「は、はーい!」
 中から帰ってきたのは青年の声。
 バタバタと、どこかドジっ子そうな足音を響かせてガチャリと玄関扉が開く。
 その前に立つ年齢も様々な女性4人を見て、よれよれの青年はきょとんと瞳を瞬かせた。
 が、
「やあ、君はチェロだね! そっちの君は声楽かな? えっと――」
 青年は、日和とシュラインの姿を見るなり顔を輝かせて、呆然と立つ二人の手と交互に握手すると、オセロットと千獣に向けて眼を瞬かせ、少々困惑したような表情を浮かべる。
「私たちは、彼女らのように何か音楽をやっているわけではないんだ」
「……草笛…くらい、なら」
 ぼそっと呟いた千獣の言葉に、青年はあははと笑う。何がおかしいのか分からず、千獣は小首をかしげた。
「ああ、そうだね。草笛も立派な楽器だ。いやはや申し訳ない。音楽をやっていない人が来ることは珍しくて」
 確かにこの街の人々は皆楽器を手にしていた。
「突然訪れてごめんなさい。あなたがこの街の作曲家さんかしら」
 初対面のはずの彼の反応に驚きはしたが、シュラインは何時もの調子を取り戻し問いかける。
「作曲家…というにはまだおこがましいかもしれないけど……」
 全てとは言わず、数々の楽器の作曲をする人を作曲家というならば、まさに自分だと彼は答えた。
 作曲家の彼は気を取り直すようにパッと顔を輝かせ、急いで家の中に入ると一束の紙を持って帰ってきた。
「そうだ、これを君にあげるよ」
 徐に渡された楽譜に、日和は視線を落とす。チェロをメインとして作曲されたその楽譜を見て、弾いてたみたいという衝動に駆られる。ペラペラと楽譜をめくって、音符を眼で辿って、最後のページで、
「あ……」
 曲は途中書きのまま、終わりを迎えていなかった。
「ごめんね。未完成なんだ」
 それだけではない。彼が作ってきた曲は全て、どれも完成されていない。
 日和の視線に彼は苦笑して頭を軽くかく。
「始めるときはいいんだけど、終わるのが苦手で」
 終わらせられない作品を、世には出せない。けれど、本当は誰かに弾いてほしい。だからつい日和に楽譜を渡してしまったのかもしれない。
「確かに未完成のままだと演奏される機会は少ないですが、有名な作曲家の方々で未完成のままでも、すばらしい作品は沢山あります」
 これもまた、すばらしい作品だと日和は訴える。
「それじゃ駄目なんだ」
 音楽のことは詳しくないため、オセロットたちは二人のやり取りを見つめるが、ふと、招いてくれた家の中がやけに小奇麗なことに気がついた。深入りして言うなれば身辺整理を終わらせたかのような。
「やっぱり、未完成の楽譜じゃ迷惑だよね。ごめんね」
「そんなことありません!」
 日和は宝物でも護るように彼の楽譜を抱きしめる。
 一生懸命な日和に、彼は驚きに眼を瞬かせ、嬉しそうな――けれど、どこか哀しそうな――微笑を浮かべて、楽譜を返してもらおうと差し出した手を引っ込めた。
「そうだ、尋ねてもらって申し訳ないけれど、そろそろ出かけるんだ」
 その言い方が何故だかとても人を拒絶しているように聞こえて、やはり彼は人には言えないようなことをしようと――行こうと――しているのだ。
 間髪いれずオセロットは問いかける。
「不可侵と呼ばれている森に、か?」
「え…?」
 青年の表情にどうして? という色が浮かぶ。
「街の人に教えてもらったわ」
 シュラインは、街の住人ならば絶対に近付かない場所――不可侵と呼ばれている旋律の森のことを唇に乗せる。そして、彼が行こうとしているのではないかと、街の人々が心配しているということも。
「あなたは作曲家だ。ということは、誰かの楽曲が記された楽譜がほしいわけではない、と思っているのだが……どうなのだろう?」
「それはそうですよ! 私は作曲家だ!!」
 オセロットの問いかけに、作曲家は信じられないとでも言うような口調で返す。その剣幕にオセロットは手を軽く上げて「失礼した」と続ける。
「……楽譜、が、永遠、な、わけじゃ、ない……」
 ぼそりと口を開いたのは千獣だった。視線が集まる。
 確かに、紙に書かれた楽譜は、ちゃんと保存さえすれば永遠に『物』として残すことができるだろう。だが、それでは音楽が永遠になるわけじゃない。
「楽譜、は、聞く、人の、心に、残って、人から、人へ、伝わって……」
「知った風な口を利くな!」
 言葉少なにそれこそが永遠の音楽ではないかと告げる千獣に、激昂を含んだ青年の叫びが重なる。千獣の肩がびくっと震えた。
 そんなことは百も承知だった。しかし、自分はそのスタートラインにさえも立てていない。
 才能はある。それは街の人々が認めている。けれど、彼には重大な欠点があった。
「ご、ごめん…」
 伺うような千獣の瞳に、青年は我を取り戻し、小さく謝る。
「さ、さあ、もういいだろう? 街の人たちに何を言われたのか分からないけど、止めても無駄だよ」
 静まり返った場の空気を無理矢理元に戻して、彼は帰ってくれとばかりにそそくさと出かける準備を始める。
「私、知りたいわ。どうしてその場所へ行かなければならないのか」
 聞かせてくれるかしら? とシュラインは青年を見る。
 作曲をするだけならばこの場でもできる。現に彼は今までこの家で曲を書き続けてきた。それなのに、今更そんな伝説じみたことに頼る必要なんてない気がして。
「逸話があるんだ」
「街の人が言っていた、絶対の音?」
 彼は頷く。
「私は完成させたい。私の音楽を」
 森にある絶対の音を聞くことができれば楽譜を完成させることが出来る気がして。
「絶対の音があれば、私の楽譜を、音楽を、完成されられると思う」
 どれだけ曲を書き始めようとも、この先奏でられることがなければ、人の心にだって残せない。だからこそ、青年は楽譜の完成を目指すために森へ行くことを決めた。
「誰も帰ってきていないのに、そんな事が本当に言えるのかしら?」
 逸話が残るということは、遠い過去にその森から帰ってきた“誰か”がいなければ成立しない。
「どういう意味ですか?」
 不確定すぎるのだ。街の人は森には入っては行けないと言いつつ、森の伝承――旋律や絶対の音、永遠の楽譜を手に入れられる等――を知りすぎている。
 誰かがわざと伝承を流したか、過去に戻ってきた人ないなければ成立しないはずなのに。
「本当に、森に行けば、あなたの望む“絶対の音”を手に入れられるのかしら。もしかしたら、あなたが望む音は、森に行かなくてもあるかもしれないでしょう?」
 作曲家が望む永遠が何かは分からないが、シュライン個人としては、どこか流動的な印象を受ける。それに、もしかしたらそれは、命の音――鼓動や呼吸音に似ているかもしれない。それなら、森に行く必要をなくせる。
「私自身、どんな音が欲しいのか分からないんだ」
 この音を、というのが明確に分かったら、きっと逸話になんて頼らなかったと思う。
 何か新しい音を手に入れるために、その最終地点として不可侵の森を選んだだけ。
 例え、自分自身が帰ってこれなくても、楽譜が完成され世に出されるのなら、何の悔いもない。
「その森へ向かった人は、皆さん一人で向かったのでしょうか」
 森へ向かう彼の意思は強いと判断して、日和は単刀直入に問いかけた。
「その音を手に入れるためには、お一人では駄目なのかもしれません」
 一人で森に行った人は帰ってこず、何人かで共に向かった人は帰ってきているのかもしれない。
 それに、彼と一緒に行けば新しい音楽が生まれる瞬間に立ち会うことができる。やはり、その音楽が生まれた本当の意味を知っていれば、音に乗せる感情を込めやすい。解釈の自由がないのは、良し悪しがあるかもしれないが、楽譜には楽譜に込められた本当の想いがあると思う。それを知ることができる機会はそうそうない。
「私、一緒に向かいます。音楽は言葉や、ありとあらゆるものの違いを超えて共有できるもの、音楽を聴いたり奏でたりすることはとても楽しい、嬉しいことです。だから、皆さんが思うほど危険ではないと思うんです」
「え?」
 まさかそうくるとは思っていなかった作曲家は、日和の行動に眼を大きくする。
「でも、彼女が言ったように、帰ってきた人は……」
 シュラインの言葉に躊躇う作曲家に日和は首を振って、ぐっと拳を握り締め、自分の考えを唇に乗せる。
「……あなた、は、あなた、の、永遠を、残し、たい……」
 楽譜という物理的なものをさしていたから、それが森にあると思っていたが、そうではなかった。彼自身の永遠を手に入れるために、森へ行く。
「……そういう、音楽、を、その、場所で、なら、作れる……ていう、こと、なら、ついて、行く……」
 一人よりは二人。もし、本当に牙を向くような森だったら、日和と作曲家だけでは心もとない。千獣に二人を護りたいという意志があったかどうかは分からないが、材料とは別として永遠の音楽に興味を持ったのは事実だった。
「そうね、新しい音楽が生まれる瞬間。とても興味深いわね」
「ま、まさか……」
 あなたの一緒に行くと言うんですか? とでも言いたそうな瞳のまま、作曲家は息を呑む。そして、恐る恐るという風体でオセロットに視線を移動させた。
「どうあっても手に入れたいのだろう?」
 彼は彼の音を完成させるために、その手段として森へ行くことを選んだ。うろたえながらも頷く青年に、オセロットはふっと口角を持ち上げる。
「…勿論だ!」
「では、私も同行しよう」
 作曲家はぐっと息を呑み、降参とばかりに一度眼を伏せ、一同に背を向ける。
「どうなっても知りませんよ!」
 それは了承の言葉。
 各々微笑んで顔を見合わせる。街の人々から、彼が森へ行くことを止めるよう頼まれたが、こればっかりはもう仕方が無かった。











 行くとは言っていたが、やはり真昼間から森へ向かっては、街の人に見つかって止められてしまう。
 それに、彼は家は片付けたが荷物をまとめきっていなかったため、出発は結局夜になってしまった。
「……持つ、よ?」
 小柄な風貌でありながら千獣の力は男性よりも強い。
 彼の作曲家という肩書きは伊達ではなく、重たい荷物なんて今まで持ったことがないのだろう。一生懸命腰を折って重さを分散させつつ足を進めているが、今にも膨らんだリュックに押しつぶされそうになっている。
「い…いや、大丈夫…」
 未完成であれど、大切な楽譜を詰め込めるだけ詰め込んだリュックを、他人には任せられない。
 彼の瞳は真剣で、一生懸命だった。
 街から程近くにこんな誰も入らない――入ってはならない森があるなんて信じがたいが、
「本当はもっと遠かったんだけど、だんだん森が広がってきたんだ」
 と、彼はその疑問に答え、逆に誰も森を整備しないために、結果的に街の近くに森が出来てしまったのだと知ることが出来た。
 もし、もしだが、このまま森が広がり続けたら、あの街は飲み込まれてしまうのではないだろうか。
 そんな思いさえ浮かんでくる。
 大きな森だ。同じところをぐるぐると廻っているような錯覚さえ感じる。
 どれだけ進んだだろうか。ふいに足音が、消えた。
 その違和感にオセロットが眉根を寄せる。
 落ち葉が地面に落ちていても、それを踏みしめる音がしないのだ。
 自分が軽いわけではない。
 千獣も不思議そうに自分の足元を見遣り、たったと軽い足取りで数歩戻る。
 ガサガサガサ――……
 ある一定の距離を越えて、千獣の足音が森に響いた。
 森の深奥に――たどり着いたのだろうか。
「………っ!?」
 どうかしたんですか? と、問おうとした日和の眼が見開かれる。
 声が出ない。
 声が出ないだけではない。
 木々の葉が風にこすれあう音、草が踊る音、鳥のさえずり。
 眼で見えるのにその全ての音が聞こえてこない。
 何故?
 日和は首を押さえ、確かめるような不安も込めた瞳でシュラインを見る。
 シュラインは眼を閉じて集中して耳をすませてみる。だが、返ってくる音はない。日和に向けて首をふる。
 ここは無音。
 完全に無音だった。
 作曲家は音が消えたことさえも気が付いていないのか、どんどん先へ進んでしまう。
 待ってとかける声さえも出ないため、小走りでも追いかけるしかない。
 声が出ないだけなればいい。
 声を雑音と判断して、森が排除しているのならば、なにせ音楽家が絶対の音があると信じている森だ。それは仕方が無いと思う。けれど、森に予めあるはずの自然の音さえも遮断されてしまった森。
 おかしい。やはりこの森は不可侵と呼ばれるだけの何かがあるのだ。
 段々自分の鼓動の音さえも消えてなくなっていっているような錯覚に陥る。
 鼓動を感じなくなったら、人は―――
 鼓動が無くなったら、人は―――
 ぶるっと悪寒が背筋を駆け抜ける。
 そっと胸の手をあててみる。音は薄くなっても、手先から伝わる心臓の動きに変化はない。
 ほっと人心地付く。
 どれだけこの無音の地を歩いただろうか。
 木々の先、拓けた場所が見えた。視線で見える先に立つ大木によって、他の植物が侵入できずに出来た自然の広場。
(え……?)
 その大木が見えた瞬間、今まで何の音さえも拾わなかった主ラインの耳が何かしらの音を広い、その音はシュラインの心に警笛を鳴らした。
(駄目!! その樹は多分――!)
 作曲家はゆっくりと大木に手を伸ばしている。
 シュラインは口を大きく開けて、叫ぼうとするが声にならない。駆け出すが、その足はもつれて崩れる。
 その動きを察したオセロットと千獣は、くっと足首に力を入れ地を蹴る。
 日和は倒れたシュラインに駆け寄り、支えるように手をかけると、心配そうな面持ちで大木を見た。
 走り、跳ぶ。
 作曲家を止めるため。
 ぐっと作曲家の肩を引き、大木から離す。
 尻餅をつくように作曲家はその場に倒れこむ。
 シュラインはほっとしたように安堵の息を漏らした。
 だが、

 ドクン。ドクン。ドクン―――

 鼓動。多分人が持つそれと同じ。
 樹が鼓動を始める。
 その音は、作曲家の鼓動の音と同じリズムを刻んでいた。
「間に合わなかったの!?」
 シュラインの叫びが響く。
 え?
「シュラインさん、声が!」
 シュラインだけではない、驚きに上げた日和の声もこの場に伝わる。
「貴女は何を聞いたんだ?」
 尋常な面持ちではなかったため、思わず駆け出し作曲家を止めようとしたが、どうやらそれは上手く適わなかったようだ。
「なんて言ったらいいのかしら…あの樹から一瞬聞こえた音が、酷く不安で……」
 だから、作曲家を止めなければならないと思った。
「……音…」
 まるで何かのホールにいるかのように大きく響く鼓動の音。こんな大きな音を響かせることは人間には出来ない。
 千獣はその音の出所を探るように辺りを見回した。
「何だか、寒いです……」
 生きている音のはずなのに、こんなにも不安を煽るのは何故?
 音楽は誰しもを楽しくする音だと思うのに、音楽を探しに来た場所で感じた気持ちに日和はぎゅっと手を握り締める。
「大丈夫だよ。この音は、私の音だ」
 樹を見上げ、一人だけ穏やかな笑顔で告げた作曲家に視線が集まる。
 作曲家の背に楽譜の入ったリュックはない。
 楽譜は、まるで生きているかのように作曲家の周りを取り囲み、穏やかな竜巻のように宙に浮いていた。

 ドクン。ドクン。ドクン―――

 それはまさに、身体から溢れ出た命の音そのもの。
 溢れ出る鼓動が音符を形作っていく。
 その神秘的だか異様な光景に何も出来ず、ただ眼を見開くしかない。
 鼓動から音符に変わり、その音符は楽譜に刻まれていく。
 絶対の音。確かに鼓動は、絶対に無くてはならない音。無くなってしまったら、それは即ち……。
「作曲家さんを止めないと……」
 命から刻まれる鼓動という名の音の連なりは、“生”が存在する限り溢れる永遠の音楽。
 最後の楽譜が地に落ちると共に、がくっと作曲家は膝を折りその場に倒れこんだ。
「作曲家さん!?」
 名は知らないため、そう呼びかけて、抱き起こす。
「!!?」
 まだ青年だったはずの作曲家の顔に深く刻まれた年輪。音符に吸い取られた鼓動は、彼の生きる時までも奪い去ってしまった。
 死んではない。いないけれど、この状態ならば森から帰れず、誰も帰ってきた人がいないと言い伝えられても仕方が無い。
「どうしてこんな……」
 信じられなかった。時を奪ってまで生まれた音楽に価値はあるのか。
 楽しいものだと、嬉しいものだと信じている日和には信じられない光景だった。
 地に落ちた楽譜を拾い集め、その最初のページに書かれた見知らぬ題名をオセロットは読み上げる。
「アルバーダ?」
 それは、全てが彼の鼓動の音符によって作曲された楽曲。
 弱々しく作曲家は視線を向け、
「それは、私の名…だね」
 まさにこの音楽は彼そのもの。
「早く、聴きたいな…。そうだ、お願いがあるんだけど」
 彼は早く完成した楽譜を持って街に帰り、演奏者を募って欲しいと支える日和に頼み込む。
「分かりました。分かりましたけど、作曲家さんも一緒に帰りましょう」
 このまま彼を置いていったら、本当に誰も帰らないという言葉通りになってしまう。
 どんな方法であれ、沢山の楽譜が完成したというのに、楽譜を生んだ本人が聞けないなんてそんな寂しいことは絶対にあってはいけない。
「私は…少し、休んでから追いかけるよ」
 彼の目線は早く行ってくれと告げている。
 実際作曲家は悟っていた。自分はもう動けないことを。
「……大丈夫、私、が、残る、から」
 作曲家が納得するまで皆の姿を見送って、その後、千獣がその背に乗せて街まで帰ればいい。
「頼んだ、千獣」
 オセロットは来る時に作曲家が背負っていたリュックの中に出来上がった楽譜を全て積み込むと、軽々といった風体でそのリュックを背負う。
「重くないの…?」
 恐る恐るシュラインが尋ねる。
「ああ、大丈夫だ。私は生身とは少々違うのでね」
 にっこりと笑って答えたオセロットに、シュラインは凄いのねと半分途方にくれたような口調で答えた。
「絶対に集めます、待ってますから、早く帰ってきてくださいね」
 日和はしぶしぶという態で、オセロットとシュラインの後を追いかけた。













 街に帰ってきたとき、空は白み始め日が昇り始めていると分かった。
 これならば、街の人も直ぐに起きだしてくる。
 まずは彼の名を冠した楽曲“アルバーダ”の演奏者を探す。
 この街の住人は皆音楽家だ。いくつものオーケストラが固まって街を作っていると考えてもいい。
「あの、チェロは私が弾いてもいいですか?」
 強くはないが、決意を込めた口調で日和が訴える。
 ただ、ここに自分のチェロは持ってきていないため、誰かに借りる必要はあるだろうが。
 ここに作曲した本人はいないため、誰も答えられないが、逆に言えば誰も否定できない。
「それは構わないだろうな」
「そういえば、彼の家の中にチェロが有ったような気がするわ」
 オセロットは作曲家の家の前のテラスで降ろしたリュックから、チェロパートの楽譜を取り出し日和に渡す。
「後はどの楽器が必要かしら」
 どんな楽曲であれど、オーケストラならば、最低限、木管楽器・金管楽器・打楽器・弦楽器の担当者が必要だ。それに指揮者だっている。
 3人でどれだけの人に声をかけられるか、どれだけの人が快諾してくれるか分からないけれど、やるだけやるしかない。
 場所は講堂のような場所でなくても、このまま外だって構わない。
 ただ、彼の楽譜を演奏してくれるならば。
 楽譜を手にシュラインとオセロットは手分けして各家を回る。
 日和は受け取ったチェロの楽譜を読み込む。シュラインの記憶どおり、作曲家はチェロも所有しており、ほかにも色々な楽器を持っていた。
 太陽が真上に昇り、そろそろお昼が近付こうという時間。
 作曲家を心配していた人々も含め、多くの協力者を得て、街の真中に小さなコンサート広場が出来上がる。
 各々が道具を持ち寄り、即席とはいえ立派な会場になった。
 片隅に録音機が据えられ、後は作曲家が戻ってくるのを待つばかり。
 暫くして、バサバサと大きな鳥が街に影を落とした。千獣だ。
 作曲家を背に乗せて、森から帰ってきた千獣は、彼の定位置と決められた椅子に促され、彼をその椅子に降ろす。
「アルバーダ!?」
 誰もが変わり果てた作曲家の姿に息を呑んだ。
「あはは…ごめんなさい」
 眉根を寄せて苦笑するが、力が入らず上手く行っていない。
「もう、あなたという子は…!」
 街の人は涙を流しそうになるのをぐっと堪え、自分たちの位置へと楽器を手に並んでいく。
 その中には日和の姿もある。
 演奏を担当しなかった街の人たちが観客として辺りに集まり、軽く音あわせをすると、指揮者がトントンと軽く楽譜台を指揮棒で叩いた。
「こんな短い時間で集まって、ぶっつけ本番だ。出来は勘弁しろよ、アルバーダ」
 振り向いた指揮者が悪態交じりに作曲家に言葉をかける。
「ごめん。ありがとう」
 指揮者はすっと指揮棒をあげる。
 演奏者は己が楽器を構えた。
 振り下ろされた指揮棒の動きに音が生まれていく。
 作曲家は眼を閉じた。
 もう、悔いは無かった。こうして誰かが演奏してくれる。しかもこんな立派に。
 音楽に身を任せる。
 楽器から生まれた音が、音符を形作っていく。
 それはまるで、森の中で彼の鼓動が音符へと変わっていった現象と同じ。
 今回はそれが鼓動ではなく、楽器の音なだけで。
 演奏が進むたびに、彼が淡く光る。
 音楽に耳を傾けている人々、音楽を奏でることに集中している人々は気が付かない。
 還る。命が、鼓動が、還る。
 けれど楽譜は消えない。書かれた楽譜はそのままだ。
「やはり素晴らしいものだな」
 演奏者や最前列に座っている作曲家の背中を見つめ、オセロットは呟く。
 即興とはいえ、奏でられた音楽はとても綺麗だ。日和が森に行く前に言っていた言葉は、本当だったとしみじみと感じられる。
 最後の一音が終わり、指揮者が指揮棒を降ろす。そして、振り返った。
「ア…アルバーダ!?」
 指揮者は眼を見開く。日和は口元を押さえ、泣きそうになるのを必死に堪えた。
「ど、どうしたんだい?」
 余りに必死な形相の指揮者に、作曲家は戸惑いを隠せない。
 傍らに立っていた千獣も、小首をかしげて作曲家を見る。
「……あ…」
 森で鼓動を吸い取られ老いた作曲家の姿が、元に戻っていた。
 音楽は廻る。まるで命が廻るように。
 遠巻きにその様を見つめながら、シュラインは寂しそうに眼を伏せ薄く笑う。
「本当に、良かった……」
 もし彼が、一人で森に向かっていたら、帰ってこられなかったら一人になっていた。けれど、日和やシュライン、オセロットや千獣がいたから、彼は街に戻りこうして自分の音楽を受け取ることが出来た。
 作曲家は自分の顔をペチペチと触り――触ったところで分かり難いが――喜びに、指揮者に抱きついた。
 そして、傍らの千獣に振り返り、抱きしめる。
「ありがとう!」
「……ん、良かった」
 次に、観客者の後ろの方にいたシュラインとオセロットに駆け寄り、順番にその手をぎゅっと握り締める。
「ありがとう、ありがとう!」
「素晴らしい音楽だったわ」
「これなら、永遠になれるな」
 二人からもらった言葉に、音楽家は華のように顔をほころばせ、満面の笑みを浮かべた。
 そして、演奏者の中の日和に駆け寄り、
「ありがとう!」
 と、手を差し出した。
 日和はチェロを支えながら、差し出された手を握り返す。
「いいえ。私もこの楽譜を奏でられたこと、誇りに思います」
 きっとこの楽譜は永い時の中で残っていくだろう。











「どうして私を助けてくれたんだい?」
 尋ねる作曲家に、自分たちがここへ来た目的“不動の音楽”が欲しいことを告げる。
「その音楽は私が作曲したもの…と、いうことなのかな?」
 正確には分からないが、あの森で生まれた音楽はまさにそれに値するように思う。
 楽譜を渡すわけにはいかないが、あの時の音を録音したものならばある。
「これでもいいのかな?」
 渡された結晶。
 それが何か分からず首を傾げると、その結晶は録音石と呼ばれ、音を記憶する石なのだと説明してくれた。
「ありがとう」
 録音石を受け取り、作曲家の家を後にする。
 見た目岩塩のような結晶。これでどんなケーキが出来上がるのだろう。
 一同は急いで帰路に着いた。




























【ARRIVEL】








 普段着る機会なんてそうそうないタキシードに身を包み、悠宇は微妙な顔つきで立っていた。
(やっぱり、こういうのって窮屈だよなあ……)
 学校の制服のネクタイでさえ時々窮屈だと感じている悠宇は、今すぐにでも首元の蝶ネクタイを緩めたいが、こういった場で緩めるものではないと理解しているため、こっそりため息をつきつつも辛抱していた。
「悠宇」
 名を呼ばれ、悠宇は顔をあげる。
 白いマーメイドラインを基調とした、柔らかい3段フリルのドレスを身にまとった日和は、黒いファーとサテンリボンが可愛らしいボレロを羽織り、悠宇が気がついたことに微笑むと、ゆっくりと歩み寄った。
「そちらはどうでしたか?」
 別のものを集めることにはなったが、お互いが材料集めに出向いたことを知っているため、日和は問いかける。
「目的のものらしいものは手に入ったけど……」
 なぜ、彼らが人となって地に降りていたのか。
 そういえば、目的ばかりを見て、事の成り立ちを悠宇は何も知らなかった。知らされずに終わってしまった。
 悠宇は自分が材料集めに行って出会った双子と、その行く末、正体は天使だったことを掻い摘んで話す。
 掻い摘んで話してみても、発端を知らないためほぼ全てを話しているのとそう変わらないような気がしたが。
 一通り話し終え、やはり微妙な顔つきの悠宇に日和はやんわり微笑んだ。
「私も話を聞いただけですから、詳しいことは分からないけれど、悠宇たちの存在があったから、きっとその子も独りじゃないと気がつけたんだと思います」
「…そうかな」
 気落ち気味の悠宇の言葉に、日和は「はい」と頷く。
 ふと自分のことばかり話していたことに気がつき、悠宇は照れ隠しに頭を軽くかきつつ、尋ねる。
「そっちは?」
 悠宇と同じく、日和も思うところあったのか、静かに微笑み顔に垂れた髪を耳に引っ掛ける。
 どうしてあんな場所があるのかとか、日和も事の起こりを何も知らずに材料を集めるだけであの場を離れてしまった。
 長居すれば謎が解けたのかと問われれば何ともいえないが、やはり気になる部分ではある。けれど、日和が出会った作曲家は楽しそうに、笑顔で喜んでいた。
 だから、いいのだと、そう思う。
「どうなることかと思ったけれど、材料集めに行けてよかったと思います」
「そっか。良かった」
 日和が満足しているならばいいと、悠宇はほっと安心した笑みを浮かべる。
「ケーキ、どんな味がするんでしょう…とても楽しみです」
 胸の前で手を合わせ、うきうきと話す日和に、悠宇は虚空を見上げるように目線をあげて、しみじみ呟く。
「そうだな。調味料とは言い難い材料だったもんな」
 それを調味料としてしまうのも、チーフパティシエの腕の見せ所なのかもしれない。
 やはり自分たちで集めた材料から出来たケーキだ。それが目当てでもいいじゃないか。それまでパーティを楽しもう。
「では日和お嬢様。参りましょうか?」
 すっと悠宇は日和に手を差し出す。
「もう、悠宇ったら」
 小さく怒ったような声音でも、日和は嬉しそうに笑ってその手を取った。






 ビュッフェ形式のパーティは、誰かが一箇所に止まることもなく、ところどころにグループを作り、話に華を咲かせていた。
 それはどの招待客も同じ。
 パーティも佳境に入り、本日のメインであり、今回材料を取りに行くことになる原因となったケーキが会場に運ばれてくる。
 見た目は普通のケーキだった。
 いや、パーティに相応しく、チョコレートで作った薔薇やあめ細工がふんだんに使われ、切り分けてしまうには勿体無いと思えるような出来栄えだった。
 何処からとも無く感嘆の吐息が零れる。
 けれど、やはり作られたものは見るだけではなく、食べてその味も味わえなければ意味がない。
 しばらく展示として飾られていたケーキは、程なくして奥に引っ込み、適度な大きさに切り分けられたケーキがトレイにのって現れた。
「美味しい……」
「美味しいけれど、何故?」
 ポロポロと涙を零す人。感慨にふけり言葉を噤む人。
 洗い流され、湧き上がる感情に、困惑を隠せない。
 通常の招待客は知らない。このケーキに含まれているか隠し味となる3つの材料を。

 【枯れない華】は祝福を。
 【不動の音楽】は感動を。
 【魔女の涙】は浄化を。

 いや、魔女の涙はもしかしたら友情かもしれない。
 何にせよ、このケーキが訪れた人々に穏やかな笑顔を運んでいることは確かだった。
「メリークリスマス」
 宴の宵はまだまだ続く。
 招待客は各々の時間を楽しみながら過ごした。






















fin.







登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【東京怪談】

【3525/羽角・悠宇(はすみ・ゆう)/男性/16歳(10歳)/高校生】
【3524/初瀬・日和(はつせ・ひより)/女性/16歳(10歳)/高校生】
【1883/セレスティ・カーニンガム/男性/725歳(12歳)/財閥総帥・占い師・水霊使い】
【0086/シュライン・エマ/女性/26歳(13歳)/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】


☆―――聖獣界ソーン―――☆

【2919】
アレスディア・ヴォルフリート(18歳・女性)
ルーンアームナイト

【2470】
サクリファイス(22歳・女性)
狂騎士

【2872】
キング=オセロット(23歳・女性)
コマンドー

【3087】
千獣――センジュ(17歳・女性)
異界職【獣使い】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 D×D Xmasにご参加ありがとうございます。ライターの紺藤 碧です。
 新年明けてのお届けになってしまいまことに申し訳ありませんでした。少しでも楽しんでいただければ幸いです。
 楽しい場所だろうと予想いただいたのに、あんな怖そうな場所で申し訳ないです。ですが最後には救いをちゃんと用意しましたので、ご容赦いただければと思います。またいつか、どこかで今日の曲を弾くような機会があれば嬉しいなと思います。
 それではまた、日和様に出会えることを祈って……