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＋ 女二人・誘拐の目的 ＋
「このボケがぁ！ 何で女一人にやられとんじゃぁ！！」
「しかしその女っつーのがやけに強い女でして」
「じゃぁかしい！ 人質として連れてくんのは一人だと言うとろうに二人も連れてきよって、どこまでボケ倒す気じゃ！」
明姫 クリス（あけひめ くりす）が目覚めると自分を心配気に覗き込む響 カスミ（ひびき かすみ）の姿を見つける。
それとほぼ同時に叫ぶ男の声が聞こえた。
不快そうに眉を寄せて瞳だけで視界を動かす。其処にはいかにも不良ですと言わん男達が二、三十人並んでおりその中央にスーツ姿のヤクザらしき男が一人の男を叱り付けていた。
場所は何かの工場か倉庫のよう。内装の古臭さや錆びた鉄の柱の様子から今は使われていない事を知る。
ずきん、と頭に痛みを走らせながら何があったのかクリスは記憶を漁った。
それは休日の事。
街を歩いていたら偶然自分の教師であるカスミと出会い、折角なので連れ立って歩いていたら車に押し込まれ何かを嗅がされ意識が無くなった……、其処まで思い出してクリスは上半身を起こそうとする。しかし腕は後ろで括られており中々上手く起き上がれない。自分達が誘拐されたのだと気付くには充分な要素である。
クリスが起きた事により怒鳴り声は止み二人に男達の視線が集まる。
「よぉ、気ぃつきよったか」
「貴方達、一体何が目的なの？」
「あー、姉ちゃんの知り合いがこのボケを以前滅茶苦茶にしよったらしぃーてな。そいつにケツ持ってもらう為に姉ちゃんらはそいつ呼び出すための人質になってもらおー思てな」
「嘘……、貴方達こんな事止めなさい。警察が黙っちゃいないわよ！」
「そうね。止めた方が貴方達の身の為だと思いますわ。……面倒な事になりそうですし」
「はっはっは、何言うてんねや」
クリスの問いに男は素直に目的を答える。
それが本当かどうかは分からない。だがヤクザの男はイヤラシイ視線と口調で気丈に説得するカスミとクリスの言葉を嗤い飛ばした。カスミは親友というのが『誰』なのか察している。だからこそ「面倒」という単語に変えて呟いたのだが。
「しかし姉ちゃんらはイイ身体付きしてんなぁ。顔付きもええし、これならええ映像取れるやろ」
「俺はこっちの外人の女がイイと思うっすよ。豊満な胸とか良くねっすか？」
「金髪も良いけどやっぱ日本の女がいいだろ」
「俺はあっちの女が良いけどな」
「じゃあ俺は金髪ねーちゃん」
「俺も」
「わいは金髪姉ちゃんかの。そのめっちゃ強い女も合わせて三人で目茶目茶狂わしてやるのが楽しみや。最悪クスリ使うても構わんわ」
男達は下心露わに二人の顔や身体を指差し品評する。
勝手にクリス派とカスミ派と別れあれやこれやと言う態度、ねっとりとした視線に二人はぞっとした。
「ッ、最低！ カスミ先生は関係ありませんわ！ 何かするなら私一人にして下さい！」
「いえ、生徒に手を出さないで。クリスさんに手を出すならまず教師の私からよ」
教師と生徒、互いに互いを庇いあう姿は美しくもある。
だがそんな事は男達には関係ない。そもそも思いあう心を清く感じる心など持ち合わせていない。リーダーだと思われるヤクザの男はクリスに近付く。カスミが慌てて庇おうと身を出すも彼女は他の男に押さえられしまった。
クリスの身体を抱き締めその柔らかさを確かめる。
「若い女の肌はやっぱええのう。髪の匂いも悪ぅない」
「っ、や、離れて下さい！ いや、いやっ！」
「そっちの女もまだまだ若いけど十代辺りは触り心地がええんや。ほれこんなにも反応ええしな。まだまだスレてへんとことかもいいんや」
「ぅ、や、気持ち悪い……！」
男はクリスの身体を自分勝手に撫で回し反応を楽しむ。
暴くような言葉、這いずり回る手、張り付くような多くの視線。
かぁ、と内側で燃えるのは何か――クリスは心では嫌悪する。しかし皮肉にもその身体は……。
―― ぁ、駄目、私のサキュバスとしての部分が目覚めちゃう……っ。
その秘められた心中からむずがる様子に興奮したのか男はクリスの唇を奪おうと覆い被さろうと――した瞬間、場内の空気を一瞬で変えてしまう爆音が響く。音に驚いた男達が振り返れば一台のバイクが飛び込んできた。
土煙を上げ急ブレーキを掛けて止まったそれは被っていたヘルメットを取った。
「ぁっ……貴方は」
…… to be continue →
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■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
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【8074 ／ 明姫・クリス（あけひめ・くりす） ／ 女性 ／ 18歳 ／ 高校生／声優】
【NPCA026 ／ 響・カスミ（ひびき・かすみ） ／ 女性 ／ 27歳 ／ 音楽教師】
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■ ライター通信 ■
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発注有難う御座いました！
お色気内容となりましたのでこの様に。魅力を引き出せていることを祈りつつ！
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