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<東京怪談ノベル(シングル)>


暗殺指令 ミッション01
 自衛隊、《特務統合機動課》
 自衛隊の中に非公式に設立された暗殺、情報収集等の特別任務を目的にした特殊部隊である。魑魅魍魎の類のせん滅も重要な任務としている。
 その特務統合機動課に所属する戦士が一人水嶋・琴美(みずしま・ことみ)19歳。代々忍者の血を引き継いだ家系の生まれで、現代の世でもくの一としてのクナイを主要武器として扱うプロフェッショナルである。
 はちきれんばかりのバストとくびれたウェスト、形の良いヒップ。その豊満な肉体から発する隠しきれない艶やかさは数多くの男を魅了する。
 危険な任務に従事しながらもこれまで数々の任務を完璧にこなしておりその体には傷が一切ない。
 その琴美が、今司令部に呼ばれてひとつのミッションを受領しようとしていた。
  琴美がその肉体美を強調するかのような、色っぽいタイトスーツとタイトスカートを着て司令室に入ると司令官は早速用件を告げた。
 暗殺指令――
 司令官が告げたターゲットの名前は鬼鮫(おにざめ)。アメリカに本部を置くIO2(International OccultCriminal Investigator Organization)のエージェントである。
 IO2とは怪奇現象や超常能力者が民間に影響を及ぼさないように監視し、事件が起ころうとしているならばそれを未然に防ぐ超国家的組織である。
 司令官が渡した資料には、ターゲットの詳細が書かれていた。
 本名、霧嶋・徳治(きりしま・とくじ)。IO2に所属するジーンキャリア。
 元はヤクザで過去に娘と妻を超常能力者に殺された。そのため最初は復讐の為に戦っていたが、次第に超常能力者と戦って殺す事の面白さに熱中し始めてしまい、超常能力者と戦って殺す事に異常な執着を示し、超常能力者の殺戮が問題となっている危険人物だった。
 この人物を暗殺するのが琴美の今回のミッションだった。
「指令、確かに拝領しました」
 琴美は軍人口調で命令を受領すると、司令室を出て行った。そして女性隊員の更衣室に入り自分専用のロッカーの扉を開く。
 スーツを脱ぐとたわわな胸が弾けるように揺れる。スカートを脱ぐと魅惑的なヒップラインがはっきりと見えた。
 靴と靴下を脱いで戦闘用の衣装を取り出す。
 まず琴美は下着の上からボディラインにフィットする黒のスパッツを履き、ミニのプリーツスカートを着用する。
 太ももにベルトを付けクナイを括りつけると、編上げで膝まであるロングブーツを履き、ブラをはずして改造された着物をその上から纏う。
 その着物は両袖を戦闘用に半そでのシャツ位まで短くして、帯を巻いた形に改造したものである。
 それらを着用すると、琴美は彼女のボディラインをはっきりと浮き出させる色っぽい肢体を顕にしていた。
 うなじと鎖骨は男を誘うようにあらわにされており、形の良いバストは重力に逆らい上を向いている。くびれたウェストは華奢のようでありながら膨よかでもあり、ミニのスカートからは美しいヒップラインがはっきりと強調され、スパッツが蠱惑さを増している。
 琴美専用に最先端の素材で作られたそれらの戦闘服を身に纏った彼女は本当に艶やかであり、長い髪をなびかせた彼女は自信たっぷりに微笑んだ。
「鬼鮫……相手にとって不足はありませんわ。待っていらっしゃいまし。必ず私が殺してあげるわ……くすくす」
 己の能力を自負しているからこそ出るセリフだった。
 琴美はロッカーに脱いだ衣服をしまい扉を閉めると、振り返って歩き出した。そして、玄関を抜け駐車場に向かう。車のカギを開けると乗り込んでシートベルトを締める。シートベルトが琴美の胸に食い込み、形をはっきりとさせる。
 エンジンを掛け車を発進させる。検問所のゲートを抜けると彼女はIO2のとある支部へと向けて車を走らせた。そこに鬼鮫がいるはずであった。

 そして、琴美はIO2の支部まで徒歩30分のところで車を降りると、街灯の上に飛び乗る。そして街灯と街灯の間を常人には目視不可能な速度で飛び移りながら移動する。
 30分の距離を10分で移動してIO2の支部に到着すると、塀のそばに生えている木に飛び移りそこから飛び降りる。木の枝がしなり葉っぱが数枚落ちた。
 地面の上を音もなく走りぬけ、裏門を見つける。見張りはいない。ドアを引いてみる。鍵がかかっているようで動かない。
 錠開けの道具を取り出し鍵の解除を試みる。3分後に鍵が外れる。
 油をさして扉をゆっくりひらくと琴美は慎重に施設内部に侵入した。
 そして監視カメラに捉えられないような速度で移動しながら鬼鮫を探し始めた。
「それにしても人気がないわね……何か大規模な作戦中なのかしら……」
 琴美の独り言が通路に響いた。
 そして……

 続く