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<東京怪談ノベル(シングル)>


メイド服暗殺指令01
 自衛隊 特務統合機動課。
 自衛隊の中に非公式に設立された暗殺、情報収集等の特別任務を目的にした特殊部隊。魑魅魍魎の類のせん滅も重要な任務である。
 そこに所属する水嶋・琴美 (みずしま・ことみ)は代々忍者の血を引き継いだ家系の生まれで、現代の世でもくの一としてのクナイを主要武器として扱い、常人離れした素早い身のこなしを駆使して戦う。
 実力は若いながらも並ぶ者が居ない位の優れた実力を誇っている。
 ロングヘヤーでグラマラスな体型の日本人で、豊満な肉体から発する隠しきれない艶やかさを漂わせている。
 これまで数々の任務を完璧にこなしており、之まで一切の傷を負わずに之まで勝利してきた。
「さて、鬼鮫……死んでもらいましょうか」
 暗殺のために、表向きは富豪の豪奢な屋敷だが、地下は敵対する勢力の秘密基地となっているに屋敷メイドとして潜入した琴美は暗殺実行を決意する。
 まずは自室で服を脱ぎ全裸になると、乳房と臀部が顕になった。そして新しいパンティーとブラジャーに履き替え、色っぽいミニスカートのアンジェラブラックメイド服を身につける。グラマラスな巨乳があふれ出て谷間が強調される衣装だ。
 次にガータベルトのニーソックスを履く。琴美の美脚はガーターベルトによって執拗なまでにいやらしく、艶かしく表現される。そして最後に膝まである編み上げの皮のロングブーツを履く。
 メイド服は特務自衛隊が他のメイド服にまぎれさせて搬入した、形は屋敷の物と同じだが戦闘用特殊素材のメイド服だ。
 頑丈さがほかとは違う。
 琴美はファイルを取り出し暗殺対象を確かめる。
 琴美の暗殺の対象は鬼鮫。本名=霧嶋・徳治(きりしま・とくじ)。
 IO2に所属するジーンキャリア。元はヤクザ。
 過去に娘と妻を超常能力者に殺された。最初は復讐の為に戦っていたが、次第に超常能力者と戦って殺す事の面白さに熱中し始めてしまい、今では復讐心は忘れかけている。
 超常能力者と戦って殺す事に異常な執着を示し、結果として超常能力者の殺戮が問題ともなっている。極度の嫌煙家で、煙草を吸う者を毛嫌いする。喫煙者でも超常能力者でもない、堅気の人間に手を出す事はなく、ヤクザ的に下手に出る。
 これが彼女の得ている対象の情報全てだ。何のジーンキャリアなのかなど特殊能力は明らかになっていない。
 琴美は己への自信から鬼鮫を倒して任務を遂行することは可能だろうと余裕たっぷりに考えている。
 着替えが終わった琴美は屋敷内を移動すると鬼鮫を発見し、鬼鮫の後を付ける。
 気付かれないように尾行することしばし。琴美もプロの忍者であるので気配を消すのはお手の物だ。
 琴美は鬼鮫のあとをつけて右へ左へと通路を進む。鬼鮫はどこに向かっているのだろうか?
 鬼鮫はやがて無人の地下室に入っていった。琴美はそれを追って部屋の中に侵入する。音を立てないようにするのを忘れない。グローブを嵌め中に入る。
「こんにちは、超常能力者殺害常習犯さん♪」
 その言葉と共にクナイの鋭い一撃が鬼鮫の胸板を切り裂く。
「んだてめえ? なんでメイドがこんなことしやがる」
「霧嶋・徳治。通称鬼鮫。私はあなたを暗殺しに参りました。ジーンキャリアごときが私に勝てるはずがありません。早めに降参してくださいね」
 琴美は自信たっぷりにそう告げる。
「……ずいぶん自信たっぷりじゃねえか。どこの組織だ、お前?」
「所属を正直に喋る暗殺者がいると思いまして?」
 琴美が見下したように言うと鬼鮫は笑った。
「それもそうだな。しかし惜しいな……」
「なにがですの?」
「お前ほどのいい女を、暗殺の駒に使い捨てることがさ。その体を使えばもっと諜報で活躍できるだろうに」
「あたくしは女を安売りしないのですわ」
「そうかい。もったいねえな……オレがいただいてやる」
 鬼鮫が舌舐めずりする。
「誰がおまえなんかに……」
「しかしメイド服が似合うねえ……」
「あら、ありがとう。これを着てお仕事をするのははじめてなのよ」
「そうかい。じゃあ、これで最後にしてやるよ!」
 そう言うと鬼鮫は刀を抜いて構えた。