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<東京怪談ノベル(シングル)>


【新戦闘服とリベンジ】

「おっ待たせー!」
 扉を勢いよく開いて姿を現した、だらしなく白衣を着た人物は、開口一番、そう言った。ソファーに腰掛けていた琴美は、そちらに振り向くと、
「いえ、それほど待ってはいませんわ。それよりも」
 琴美は視線を周りに走らせ、
「もう少し片付けてはいかがですの?」
 PCデスク上の大量の資料、ソファー前にあるテーブルの食べかけのお菓子や飲みかけのコーヒー、簡素なベッドの上の脱ぎ捨てられたくしゃくしゃの衣服。いつ来てもそうだが、なんとも散らかり放題な部屋である。
「いいの、いいの。私は気にしないし、困らないから」
 しかし、この研究室の主である、目の前の女性はあっけらかんとそう言った。
「はあ……」
 琴美は大きな溜息をついて、私が気にしますのよ、と内心で零した。
 目の前の女性は、眼鏡をかけた、まだ若い、二十代の半ばくらいだろうか、見目麗しい女性だ。色んな事に頓着しない性格で、自分が興味のあること以外には、まったくと言っていいほど無関心。その為、この部屋の惨状である。
 ここは特務統合機動課の拠点である。その一室を、この女性専用の研究室とはいえ、ここまで散らかしていいのかしら、と疑問に思う。
「それより、これ! 見て、見て!」
 彼女は、まるで、玩具を自慢する子供である。彼女は手に持っていたものを琴美の眼前に、ぐいっと突き付けた。
「この世界の不思議の一つよね。なぜ、あなたのようなファッションや、衣服に無関心な女性から、これが生み出されるのかしら?」
 琴美はそんな憎まれ口を叩きながら、女性の持つ服、琴美専用の新しい戦闘服に、視線を向けた。
「それは『愛の力』ですよ! 琴美ちゃんへの愛! 琴美ちゃんの着る戦闘服への愛! そして、その二つが一つになった時の愛! そう、愛は世界を救うのです!」
「まったく、意味が分かりませんわ……」
 琴美は呆れた眼差しを女性に向けた。彼女は、琴美ちゃんは素敵ですー、この服も素敵ですー、つまり一緒になれば最強じゃないですか、これ! やばっ、愛の力、やばっ! などと、訳の分からないことを言いながら、完全に自分の世界にトリップしてしまっている。
 琴美は認めたくないが、この女性こそが、琴美専用の戦闘服を開発してくれている研究員なのだ。この女性の、今の興味の対象は、琴美と琴美の着る戦闘服である。その熱意の込め方は、なんというか、少し怖いほどで、琴美は若干、引いている部分もあったりするのだが。
 そんなこと、絶対、本人には言えませんわね。なにせ、そんな事を言ったら、何が起きるか想像できませんもの。
 琴美は思わず、引き攣った笑みを浮かべた。意識を切り替え、もう一度、新しい戦闘服に視線を向ける。
 悔しいですが、この人の作る戦闘服は、やはり一流ですわね。
 琴美は内心でそう呟いた。機能性、デザイン、どれを取っても、それは認めざるを得ない事実だ。
「琴美ちゃん、さっそく試着してみて下さいよ!」
 女性は、ずい、ずい、と戦闘服を押し付けてくる。
「わ、わかりました、分かりましたから」
 琴美は戦闘服を受け取ると、立ち上がり、着替えを始めようとして、
「どうしました、琴美ちゃん?」
 不思議そうに見詰めてくる女性に笑顔を向けると、
「着替えますので、暫く外で待っていて下さい」
 背中を押して、女性を部屋の外に追い出し、しっかりと鍵を閉めた。
「ど、どうしてですか、琴美ちゃん!? 女同士なんですから、恥ずかしがる必要はないんですよ! 琴美ちゃんの豊満で美しい身体なら、尚更です! いえ、むしろその美しさは人に披露すべきです! そう、例えば、私に! さあ、その生まれたままの姿を、是非、私に見せて下さいー!」
扉の外で、何やら、女性が騒いでいる。琴美はそれらを聞こえない事にして、淡々と着替えるのだった。


 鏡に映る自分の姿を見て、琴美は思わず笑顔を浮かべ、その場でターンした。
 悪くないですわ。
 琴美の新しい戦闘服は、その色っぽく肉感的なボディラインを浮き出させるもので、編上げで膝まであるロングブーツにグローブをし、ミニのプリーツスカートに、引き締まったお尻にフィットするスパッツをはき、着物の両袖を戦闘用に半そで位に短くし、帯を巻いた形の上着、その下は黒の豊満な胸の形をそのまま出るよう体に密着しているインナーを着ている。基本的な構造は、以前のものと変わらないが、細かな所に違いがあり、何よりも感じる大きな違いは、
「どう? 前のとは全然、違うでしょー?」
 訓練場と呼ばれる、隊員が訓練を行うための施設にいる琴美に、モニタールーム、訓練をしている隊員をモニターできる、訓練場よりやや高い位置にある部屋の窓から、この戦闘服の制作者である女性が手を振りながら、声を掛けてきた。
「ええ、確かに全然、違いますわね」
 琴美は頷いて、前蹴り、手刀、肘打ち、身体を入れ替えての、足払い、上段回し蹴り、掌底、という型どおりの動きをして見せた。
「キャー、琴美ちゃん、格好いい! 録画し損ねちゃった! もう一回、もう一回やって!」
 何やら、外野が騒がしいが、やはり素晴らしい戦闘服だ。手に取った時、そして実際に着てみた時にも感じたが、動いてみる事によって、それは更に顕著に感じられた。素材が軽量化され、フィット感が断然UPしている。目を閉じれば、まるで何も着ていないかのようだ。
「すごいでしょー? 天女の羽衣をイメージして作ってみました!」
 女性は自慢げである。
「それに、防御力もUPしてるんだよー」
「防御力も?」
 軽くなったのに、防御力が上がっているんですの、と琴美は感心するように思った。
「だって琴美ちゃん、この前の任務で戦闘服に穴あけちゃったでしょ?」
「そ、それは言わないでくださいますか! あれは少し、ほんの少しだけ気が緩んでしまっていただけですのよ」
 琴美にとって、それは一刻も早く忘れ去りたい失態だ。あんな失態はもう二度としませんのよ。琴美は心の中で、強くそう誓う。
「きっと、あの穴のあいた服を着た琴美ちゃんも、色っぽくて素敵だったんだろうなあ……」
 女性はその姿を想像したのか、ぐへへ、と奇妙な笑い声を上げている。
「そ、そんな物、想像しなくていいですのよ!」
「ちぇー、あの製薬会社の警備部隊の人たちはいいなあ。私も琴美ちゃんのあられもない姿、見たかったなー」
「もう、その話は結構ですわ! それで、防御力UPとその話が何か関係ありますの?」
 もうそれ以上、蒸し返さないで下さいませ、と琴美はそう質問を投げ掛けた。
「あぁ、そうだったね。それで、その新しい戦闘服の素材は、こんな風に改良してあるんだ」
 女性はそう言うと、手元の機械を操作した。すると、訓練場に琴美の着ている戦闘服と同じものを着たマネキンが、床から出てきた。その次に、十メートルほど離れた位置に、見覚えのあるサブマシンガンが現れた。この前の任務の時、敵部隊が使用していたものだ。
「いっくよー」
 そんな軽い掛け声とともに、女性は手元の機械を操作した。
 訓練場がサブマシンガンの炸裂音と、硝煙の匂いに満ちた。何の説明もなく、突然、そんなことが起きれば、普通は驚くなり、身体を強ばらせるなりするのだろうが、琴美は平然とした顔で、その様子を眺めていた。
 弾丸は、マネキンに直撃するのではなく、スカートの裾や着物の袖といった所に撃たれていた。それはまさしく、以前の任務で琴美が弾丸を食らってしまった所だ。
「はーい、ストップー」
 女性がそう言うのと同時に、サブマシンガンの銃撃が止まった。床には百発近くの薬莢が転がっている。
「さ、琴美ちゃん、マネキンに近付いて見てみてー」
 女性はウキウキとした表情で、琴美を促した。
 これは本当に、凄いですわね。
 半ば以上、想像していた光景だったが、実際に目の当たりにすると、やはり驚愕的だった。マネキンの着ている戦闘服は、まったくの無傷だった。
「すごいでしょー。これ開発するの大変だったんだからー。この素材はね、ダメージを吸収するんじゃなくて、受け流す事に特化してるんだよねー」
「受け流す?」
「そう。琴美ちゃん、ちょっとマネキンから離れてみてー」
 琴美は女性に言われた通り、マネキンから数歩離れると、女性の操作に従って、再びサブマシンガンが火を噴いた。しかも、今度はマネキンに直撃コースだ。
 激しい破壊音と共に、マネキンが吹き飛んだ。
「さ、マネキンを見てみてー」
 見るまでもなかったが、マネキンは胸から、見事に破壊されていた。そして、
「戦闘服にも穴があいちゃってるでしょー?」
 女性の言葉通り、戦闘服の胸の所には、見事に穴が穿たれていた。
「つまりねー、スカートの裾とか、着物の袖とか、ふわふわしている所とか、弛んでいる所は弾丸の勢いを受け流して、傷つけられる事は無いんだけど、ぴんっと張ってるとことかに真っ直ぐダメージを受けちゃうと、さすがに防ぎきれないってわけなの。まあ、つまり、この戦闘服だったら、この前の任務も、琴美ちゃんは無傷で帰還できたってことだねー。それに、琴美ちゃんに限って、真正面から銃弾を食らうなんて事は無いだろうし、こういう素材の方がいいかなあって」
 私は別に、この前の任務でも無傷で帰還しましたわ。ただ、少し服に穴を開けてしまっただけで、と言い返そうとも思ったが、琴美はその言葉を呑みこんだ。女性は前の任務の、琴美の失態を考慮して、この新しい戦闘服を開発してくれたのだ。しかも、前の任務から、まだほとんど日が経っていないというのに。そう考えると、感謝しない訳にはいかないですわね、と琴美は思った。
 琴美はモニタールームの女性に視線を向けた。女性も、琴美が感謝の言葉を述べてくれるのだろう、と期待していた。
「この戦闘服を開発してくれた事には、素直に感謝いたしますわ。ありがとうございます」
 琴美は律儀に頭を下げた。期待通りの言葉を投げ掛けられ、女性は、いえいえー、琴美ちゃんの為ならこんなの朝飯前ですよー。ただ、どうしてもお礼がしたいとおっしゃるのなら、その大きくて魅力的な胸を少しだけ、ほんの少しだけでいいので触らせて下さい! などと言おうとして、あれ? と小首を傾げた。頭を上げた琴美がニヤリ、と不敵な笑みを浮かべていたのだ。
「ただ、この戦闘服の機能は今後、二度と効果を発揮することはありませんわ」
 琴美は女性に指を突きつけ、胸を張り、
「なぜなら、私自身が無傷なのはもちろん、二度と戦闘服にも敵の攻撃を掠らせすらさせませんもの」
 琴美は自信満々に、そう宣言した。
 そう、この先、どんな任務が待ち受けていたとしても、私は完璧に、そして優雅に、任務を完遂してみせますわ。
 琴美は胸を張り、強く心の中で、そう思った。
 その姿を見ていた女性は、それでこそ琴美ちゃんですよねー、と思い、次いで、琴美の胸を凝視し、あれだけ胸の部分がパツンパツンに張っていたら、絶対に攻撃を受け流せませんよねー、などと思うのだった。


 戦闘服の性能がどれほどのものか、というのは先程の検証で分かったが、せっかくなので琴美はこのまま訓練場で少し訓練をすることにした。
 と言っても、琴美の訓練は孤独なものだ。基本的に琴美の訓練は一人で行う。例えば、組み手といった実戦的な訓練をしようと思っても、琴美の相手を務まる者がいないのだ。琴美はいつも通り、一人での訓練を始めようと準備運動をしているとき、閃いた。
「ねえ、あのサブマシンガンをあと七つ用意できないかしら?」
 モニタールームで訓練を眺めていた女性に、琴美は尋ねた。
「うん? そりゃ、そのくらいできるよー」
「それでは、すぐに用意して下さいませんか」
「琴美ちゃん、何をする気?」
 女性はとっくに琴美の真意を察しているくせに、わざとらしくそう質問した。それに対し、
「リベンジですわ」
 琴美は決然とした様子で、そう答えた。


 用意されたサブマシンガンを前に、琴美は気負った様子もなく立っていた。
「さあ、始めてちょうだい」
 琴美の言葉で、女性は手元の機械を操作した。設定は生命反応のあるものに対し、弾切れを起こすまで自動照準で弾を撃ち続けるようにしてある。それは、実際の現場でも侵入者や襲撃者を撃退するために使用されているプログラムと同じものだ。
 さすがにこれは琴美ちゃんでも危険なのではないか、と女性は心配したが、琴美は、
「いいから、実戦で使用されている、この施設にある最も優れたプログラムを使って」
 と引かなかった。琴美のことを信じてないわけではない。だが、このプログラムは訓練で使用するには、あまりに危険なものだった。それでも琴美の押し切られ、渋々ながら、女性はその要求に応じ、もしもの時は自分がプログラムを止めよう、と密かに決意していた。
「それでは、いきますよ」
 このときが、琴美がこの女性と出会って、初めてシリアスな声を発した瞬間かもしれない。琴美は頭の片隅で、そんなことを思った。


 なんて美しいんだろう。
 女性はそう思った。
 プログラムをスタートさせた瞬間、八丁のサブマシンガンが同時に、火を噴いた。思わず目を瞑りそうになるのを堪えて、女性は訓練場に視線を向けた。そして、女性は当惑した。琴美の姿が見当たらないのだ。そんな中、サブマシンガンは縦横無尽に、その弾丸を撃ち出し続けている。それも、八丁のサブマシンガンはすべて、同じ方向へとものすごい速度で、照準を移しながらだ。
 そこで、女性は気づいた。琴美の移動速度が速すぎて、私が捉えられていないだけなのだ、と。先程、起動させておいた、訓練場のカメラの録画映像をモニターに映し出し、スローで再生する。すると、スロー再生にもかかわらず、ひどくぶれてしまっているが、琴美の姿が確かに映し出された。
「これが、『神速』と呼ばれる、琴美ちゃんの実力」
 思わず、そんな言葉が女性の口から漏れていた。
 暫く、そんな状況を女性は見守り、琴美ちゃんの姿が見えないのは残念だけど、見えないってことは琴美ちゃんは無事で、元気に訓練場を駆け回ってるってことだもんね、と思うようになっていた。
 そんなとき、訓練場の様子が変わった。サブマシンガンの動きが鈍りだしたのだ。何かの故障かしら?
 女性はそう思ったが、違った。原因はすぐに分かった。琴美の移動速度が遅くなっていっているのだ。それは明らかで、すでに女性の目にも琴美の姿がはっきりと捉えられるようになっている。
 もしかして、どこかを撃たれたの?
 女性が慌てて、プログラムを止めようとしたところで、琴美が左手をこちらに向けていることに気づいた。何かと思って、よく見ると、それはOKサインのようだった。女性はもう一度、琴美の様子をじっくりと見た。そうしているうちにも、琴美の移動速度は段々と落ちていく。
 本当に大丈夫なの?
 そう思ったが、確かに琴美にどこか怪我をした様子はなかった。もちろん、戦闘服にも傷一つ無い。
 安堵の息を吐き、もう一度、琴美を見た。
 琴美はまるで舞を舞っているかのようだった。全身を柔軟で躍動的に動かし続けた。胸を反らし、しなやかに後方に宙返りをしたかと思うと、右手を床につき、その手を軸に足を伸ばし身体を回転させる。円運動の連続だ。それはどこまでも自由で、美しい舞だった。


 サブマシンガンが弾切れを起こすのと同時、思わず女性は琴美に駆け寄っていた。
「琴美ちゃん、すごかったよー! まるで踊ってるみたいに綺麗で、でもすっごく心配したー」
 彼女は興奮したようにそう言うと、琴美の手を取って、安心したように、肩の力を抜いた。
「ふふ、私があの程度の攻撃を受けるわけないでしょ」
 琴美は余裕の笑みを浮かべ、
「それにしても、やはりこの服は素晴らしいわよ。とっても動きやすいですし、本当にあなたには感謝しないとですわね」
 琴美は優しく、女性に微笑みかけた。
「いやー、琴美ちゃんにそう言われちゃうと、堪らないなー」
 女性はでれでれと頭を掻いた。
「見事、リベンジも成功ですし、昨日といい、今日も素晴らしい一日になりましたわ」
「そう言えば、どうして途中からスピードを落としたりしたんだい? 私はてっきり怪我でもしたのかとはらはらしたよー」
「あれはリベンジに必要だったんですわ」
 なぜなら、この前の任務で弾丸を食らってしまったのは、スカートの裾と、着物の袖を回避範囲の計算に入れていなかったのが原因だ。だから、今回はその範囲を計算に入れて、必要最小限の動きで弾丸を躱してみせたのだった。そんな説明を琴美から受けて、
「琴美ちゃんはすごい、すごいって話には聞いてたけど、なんか反則的だね」 
 思わず女性はそんな感想を漏らした。それに対し、
「そんなことありませんわ。確かに私が凄いのは確かですけど」
 琴美は謙遜しているのか、していないのか分からない返事を返した。そんな琴美を見て、
「これだけすごい琴美ちゃんだったら、昨日琴美ちゃんが買っていた白いワンピースで任務に臨んでも、大丈夫かもねー」
 冗談めかして女性がそう言うのを聞いて、
「あれ? どうしてそのことを知っているんですの?」
 琴美は疑問に思った。昨日の買い物の話は誰にもしていないし、あのワンピースだって、昨日街中で着ただけで、今は自室のクローゼットに仕舞ってある。それに、どうして任務にあのワンピースを着て、臨むのも悪くないかも、と思ったのを知っているのだ。
「やば、こっそり盗聴と、盗撮をしていたのがバレちゃう」
 そう口に出してしまっている時点で、完全にアウトだが、女性は一目散に逃げ出した。琴美から、走って逃げられるはずもないのに。
 しかし、琴美は女性を追いかけることはしなかった。彼女は私のために、わざわざこの戦闘服を開発してくれたのだ。今日のところは許してあげましょう。
 琴美はそんな風に思い、それから、
 私に気づかれずに、盗聴と盗撮をしていた人物がいるということですわよね? そんな人物がこの拠点にいるのだとしたら、是非とも手合わせ願いたいものですわ。
 そう思わずにはいられなかった。
 まだまだ、私の知らない強者がこの世界にはたくさんいるのですわね。
 そのことが何とも琴美には心躍る事実で、
 だけど、私はどんな強者が相手でも絶対に負けませんわ。
 心の中でそう決意するのだった。
 私はこれからも任務を完璧に遂行してみせますわ。
 なぜなら、
 任務は優雅にテキパキと、ですもの。