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<東京怪談ノベル(シングル)>


魔獣化・西の白虎

「白蓮・穿牙士……あたしも、まだ数人しか見たことないなー」
 瀬名・雫が海原・みなもの持つ転職アイテムを珍しそうに見ながら呟く。
「お父さんからの教えなのですが、白虎は五行思想での西と金行、そして大道を司るそうです。金行は水を司るそうですし、大道は道が開かれる的な感じでいいような気がします」
 海原の言葉に「そういえば、白蓮・穿牙士の人って水攻撃が多かったっけ……」と瀬名は思い出したように呟く。
「今すぐ転職しちゃう? もう少し様子を見るのもいいと思うけど……どうする?」
 瀬名の問いかけに「せっかく入手出来たんですし、今すぐしたいと思います」と海原は答える。
 転職後の装備や魔法、技、それらの件も考えないといけないため、海原はなるべく早く転職をしたいと考えていた。
「だったら、そのアイテムを使う、で大丈夫なはずだよ」
 海原は瀬名から言われた通り、転職アイテムを使用する。
 すると、周りが一面輝き、その光が無くなると、既に海原は転職が終わっていた。
(意外と呆気ないものなんですね……)
 もう少し特別な演出があるのかと思ったのに、と海原は心の中で愚痴を零した。
「転職後はレベルが半分以下に下がるし、しばらくはレベル上げに専念した方がいいかもね。あと、装備品はどう? 初期装備はついてくるけど、お金に余裕があるなら買い揃えた方がいいね。白虎だし、爪とかが装備できると思うよ、外見もちょっと魔獣って感じだし!」
 瀬名に言われ、近くの湖で海原は自分の姿を確認すると、虎耳に虎尻尾のついた姿だった。
 ステータス画面を見ると、素早さと攻撃力に特化しており、やや防御面が心配かもしれない。
 それでもレア職業ということもあり、普通の職業よりは遥かにステータスは高いのだけれど。
「あたしが前に見た白蓮・穿牙士の姿とはちょっと違うね、レア職業ってそれぞれちょっとずつ姿が変わるって話だし、みなもちゃんの姿が一番可愛いと思うよー、お世辞抜きでね!」
「ふふ、ありがとうございます。ちょっと軽く戦闘をしてみたいのですが、大丈夫でしょうか?」
 海原が瀬名に問い掛けると「この辺の敵なら大丈夫じゃない?」と答える。
「いい具合にあそこに敵がいるから行ってみたらどうかな? 危なくなったらあたしが助けに入るから!」
 海原は瀬名の言葉に甘え、まずは1人で戦ってみる事にした。
「……!」
 まず海原が最初に感じたのは動きやすさだった。
 以前の『武闘術師』の時もそれなりに動きやすかったけど、この白蓮・穿牙士は武闘術師の比ではない。
 敵が1回攻撃する間に、海原のターンが3回来る。それだけ段違いの素早さを持っている。
(攻撃力をあげて、短期決戦を狙うか…防御力をあげて長期戦に備えるか……素早さが高いと、どちらでも選ぶことが出来ますね)
 スキル欄を見ると、まだ転職したばかりのせいか何も覚えていない状態だった。
 スキル屋にも白蓮・穿牙士のものはあるだろうし、レベルアップで覚える物もあるだろう。
(また最初からになってしまいましたけど、これはこれで楽しみが1つ増えましたね)
 何を覚えるか、どんなスキルを覚えるのか、まったく分からない状態から始まるのだから。
(確か、雫さんが言うには水系のスキルを使ってる方がいると言っていましたよね……この職業で戦闘に慣れたら、街にいってスキルショップを覗いてみるのもいいかもしれませんね)
 そんなことを考えながら、海原は敵に攻撃を仕掛ける。
 初期装備と言えど、攻撃力も高いせいか、ダメージを受ける前に倒すことが出来た。
「凄いじゃん! ただ難点を言えば、レベルアップまでの経験値が高いことだね……前の職業で経験値100であがるところが200って感じになってるし、レベルあげには苦労するかも」
 瀬名が苦笑混じりで呟くけど、それに代わる強さがあるから問題はないだろう。
(こうやって、少しずつでも強くなっていき……そして、いつか異変を解決してみせる)
 海原は拳を強く握り締めながら、澄み渡る青い空を仰いだのだった――……。


―― 登場人物 ――

1252/海原・みなも/13歳/女性/女学生

NPCA003/瀬名・雫/14歳/女性/女子中学生兼ホームページ管理人

――――――――――

海原・みなも 様

こんにちは、いつもご発注頂き、ありがとうございます!
今回は転職話&転職後の話でしたがいかがでしたでしょうか?
本編シナリオの方も、更新していきたいと思いますので、
興味がありましたら、またお付き合いいただけますと嬉しいです……!
いつも本当にシナリオを書かせて頂き、ありがとうございます。

どうぞ、これからも宜しくお願い致します。

2014/12/03