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→興信所に戻って来たら話に挙がった例の刑事が居た話。
…面倒臭そうにこちらを見ている、と思えたのはどうやらこちらの勘違いだったらしい。
直後の状況から、黒冥月は取り敢えずそう判断する。…興信所の前で扉に寄り掛かり、待ちくたびれたとばかりに煙草を吹かしているよれよれの服装をした四十絡みの男。探偵と――草間武彦と共に草間興信所にまで戻って来たところでそんな姿に迎えられ、近付き切らない内に冥月は足を止めてそれとなく警戒した。男の纏う一種独特の空気からして、もしや彼が先程話の中で出た「例の刑事」か、と思い草間に問う――問おうと口を開き掛ける。
が、それより先に当の「刑事らしき四十絡みの男」の方が、おいおいおいおい、とばかりに何やらわざとらしく驚いた風で草間に声を掛けて来た。…まぁ、そんな反応をされたからこそ面倒臭そうにこちらを見ている…と思ったのは勘違いだったかと思い直したとも言うのだが。
「おーおー。草間興信所もついに潰れっちまって夜逃げでもしたンかと思ったら、きれいどころとデートで留守なだけだったたァなァ。やるねぇ怪奇探偵殿も？」
…。
開口一番いきなり言われ、思わず草間を見る。草間も私を見ていて顔を見合わせる形になる。周辺状況も反射的に確認。今現在、草間の周辺にデートの相手と見做されそうな相手はどう見ても私しかいない。…そしてきれいどころと言われても褒められている気がしない。むしろ莫迦にされているような。
「…誰と誰がデートだと？」
「ん？ 御二人さんに決まってっだろ？」
「どの二人だ」
「何だ、違うのか？」
「当然だ」
ばき。
殆ど反射的に手が出た。…この男にではなく草間に対して。手近で殴り易いサンドバッグと言うか、この四十絡みの男の方はどんな相手かまだ見極めが付いてはいないからこそ拳のやり場は草間になった…のかもしれない。私が草間を殴ったのを見た時点で、うお、とか何とか軽く仰け反りつつ叫んでまた驚かれたがどうでもいい。…この男、何やら一つ一つの言動に妙にわざとらしさと余裕があってどれも本気に見えず、少しイラっと来る。一つ間違えば敵対も有り得る行為を平気で行う類の人間か。やり難い。
…ともあれ。今はまず確認すべき事を。
「貴方が常盤千歳か」
「…ひぃ、おっかねぇ。くわばらくわばら。っと、確かに俺ァ常盤千歳ってもんだが…それでどうした？ 姐さん何か俺に用でもあるって事かい」
「ああ。初対面で不躾な話とは承知だが、頼みがある」
■
草間興信所内応接間。
「…刑部和司に会いたいだァ？」
「ああ。どうしても頼みたい事があって刑部和司氏に会いたい。どうにかならないだろうか」
「つか藪から棒にどういうこった」
姐さんがわざわざ俺にそう振って来るってこた、野郎――刑部和司と俺の事ァ草間の旦那にでも聞いてるんだろうがねぇ…と常盤は今度は草間の方に話を振る。…草間も草間で以前に刑部和司への伝手は調べた事があると言っていた訳で――つまり常盤当人にも直接当たったのだろう。常盤からすれば刑部和司に関して他人から訊かれる事は多いのかもしれない。
先程私に拳で殴られた頬を当然のように氷嚢で冷やしつつ、草間も草間で振られた話をすぐ受ける。…ここは草間に任せた方が良かろうと私も私で思っている。初対面でどう相対するべき相手かまだわからないと言う事もあるし、己の過去と相手の職種――過去の自分の敵と言える職種、を考えての都合上もある。ひとまず、私があまり表に出ない方がいい。…暫く様子を見させて貰う。
察したか、草間の方でも自然と常盤との交渉に出る姿勢になった。
「少し説明し難い事情があってな。…まぁ乱暴に言ってしまうと、色々あって死ぬ形で虚無から脱けた霊鬼兵が居る。で、そいつと再会の約束してる奴がうちの身内に居てな。そいつの魂を喚び返すのに、その霊鬼兵の素体だった奴…の血縁者に協力して貰えると助かるって話だ」
「…おい草間」
それは殆ど全部バラしている事にならないか。そう思い、皆まで言わず短く咎めたのだが…草間はと言うと目顔でこちらを抑えて来るだけ。
まぁ、それで大丈夫だとお前が判断するならいいとするか。…厄介な事にはするなよ。草間。
「要するにその『素体の血縁者』ってのが刑部和司になる訳か」
「そうだ」
「…旦那の身内ってなァ誰だ？」
「…。…零だ」
「ほぉ。あの嬢ちゃんかい。てぇと無碍にも出来ねぇなァ…つってもなぁ」
「答えは以前と同じか？」
「そうさなぁ…まず俺が野郎とこっそり連絡取り合えてるって噂についちゃァ、何度も言うが基本ガセだぞ。元住んでたとこァ引き払ってるし俺の知ってる電話番号も現在使われておりませんになってるし新しい連絡先聞いてもいねぇしな？ 勿論、直接顔も合わしちゃいねぇし、別れたっきり電話越しでの会話の一つすらしちゃいねぇ」
「ならやはり無理と言う事か」
私も静かに確かめる。
と、「基本」て言ったろ。と返された。…「基本」？
「ここってインターネット繋がるんだったっけか」
「？ …ああ」
相変わらずほぼ昭和な世界が維持されている草間興信所にも、唯一最大の最新設備として型落ち気味のノートパソコンがある事はある。…『白銀の姫』事件時に導入されてそれっきりとも言うが。
「なら手っ取り早い。ちぃっと貸してくれるか」
「何する気だ」
「いや、ちぃっと書き込みするだけだ。…何処でもいいが取り敢えずすぐ埋もれちまいそうなトコがいいんだが…ゴーストネットでいいか」
「？」
要領を得ないながらも草間はノートパソコンを取り出し、電源を入れる。一応これの所有者は零となっているが、探偵と言う稼業上、何だかんだで所内で普通に共用されている代物でもある。
言われた通りにひとまずゴーストネットにアクセスし、常盤に手渡した。と、常盤はゴーストネット内のスレッドを幾つか見て回り、一番流れが早そうな――話題が盛り上がっていると思しきスレッドに、無記名で「グリーンアイズに連絡乞う」とだけいきなり書き込んだ。そしてその書き込みは話題の邪魔とばかりにほんの数回悪態を吐かれた後に、殆ど無視され流れて行く。
「うし。後は…まぁ、連絡来るの待ってろ。運が良けりゃすぐ来る」
何？
「…どういう事だ」
「いや多分な、野郎、サヴァン・オーケストラのガキ共と組んだの味占めてると思うんだわ。んで最近の御近所の様子としちゃァキナ臭ぇ話も特に無ぇし、それなりに隙見る余裕もあるだろと予想も付く訳だ」
「それと今の書き込みはどう繋がる。…そもそも連絡を乞うと書いてもあれでは書き込んだのが誰だかわからんだろうが」
「ンなもん勝手に向こうが辿って来る。多分、『今』ならこれで行けると思っただけさ」
ってな訳で、何だか今ァ立て込んでるみてぇだし、邪魔だろうから俺ァ帰るわ。
あっさりとそう言って、煙草の灰を灰皿に落としつつ、常盤はソファから立ち上がる。本当にそのまま帰りそうな様子だったが――今の一連の行動は刑部和司と連絡を取る為の事らしいと薄々想像は付くが、はっきりそうだとは一言も言っていない。正直意味不明な行動と言っていい。グリーンアイズ…と言うのが刑部和司を指す語なのかとは想像が付くが、サヴァン・オーケストラのガキ共とは何だ？ 草間は承知のようだが。
横で様子を見ているに、素直にあっさりこちらの要求を呑んでくれたとも取れるが、疑うならば――何かの符牒を使っての、こちらに都合の悪い通報を何処かに対してしたとも疑える。が、草間の方は、そうか、と言ったっきり、特に何も言わない――常盤を引き留めようともしない。
…本当に、このまま黙って信じて帰してしまっていいものか？
「待て」
思わず声が出た。
「…ん？ まだ何か用かい？」
「連絡が来るのを待てと言うなら、それまでここに居て貰う」
「おや。信用しちゃ貰えないってか」
「虚無や霊鬼兵の語が説明無しで通る以上、事はデリケートな話だと察しているのだろう。貴方は刑事だと伺った。初対面の身では不安要素と思うのも当たり前だと思わないか？」
心霊テロリストが絡んでいる要望を、体制側の人間がそんなにすんなり聞き入れるものか？
「冥月」
軽く咎めるように草間から名を呼ばれるが、一度口に出してしまったものは覆せない。
当の常盤はと言うと、んー、と何やら煙草を銜えたままで天井を見て唸っている。
「デリケートそうな話だからこそ『こう』してみたんだが」
「何？」
「そもそも『グリーンアイズ』ってな野郎だけじゃなく俺も指す語だしな。その時点で…面倒な連中の手が近くまで伸びて来たとしても俺が名指しされたんだろって言い張れる。ついでに言やァ『グリーンアイズ』ってな元々スラングみてぇなもんだから、取る方にすりゃどうとでも取れるしな。今、余人にわからんように野郎と連絡取るとなりゃこのくらいしかやりようねぇんじゃねぇかなぁ、って気がした訳よ。俺にはな？」
「…」
「サヴァン・オーケストラってな詳しくァ知らねぇがコンピューターバカなガキの集団。奴らなら何処から書き込みがされてるかくらい辿るのは簡単な話。多分、ＩＯ２ン中に居る奴らだが、実質、独立独歩の愉快犯に近ぇ感触だな。大方、野放しにするよりはって囲われてるだけなんじゃねえかって俺は勝手に思ってるが。当の野郎の方はコンピュータ関係全滅なもんでね、奴らとこっそり組んでる節がある。今時、ネットの方にも網張れねぇと情報関係は片手落ちもいいところだからな？」
んでもって、辿った先の情報と状況の両方を鑑みりゃ、野郎なら探偵の旦那を導き出す。…事と次第に寄っちゃあ、ひょっとすると姐さんの事も導き出すかもしれねぇぜ？
ついでのように常盤はそう続けて来る。含みがあるのかどうかは微妙なところ…そう思ってしまうのはこの男の印象故か…はたまた組織所属の暗殺者であった私の過去故か。…昔は素性を知られず暗躍していたが、所属組織を潰した事で一部で名が知られてしまってもいる。…いや、この手の人種は知らずとも察すると言う事がある。一部にとは言え一度明るみに出た以上、察して調べた結果そこにまで辿り着かれてしまう可能性もある。
…どうする。この常盤一人なら大した障害にもならないが、ここで警察を敵に回すと面倒で草間にも迷惑…いや、それはいいか。
と。
じりりりりん、と不意に興信所のデスク上にある黒電話が鳴り出した。思わず草間と顔を見合わせる――常盤はおどけるようにして肩を竦めている。草間が氷嚢を置いて受話器を取り上げ、通話に出る。軽く驚いたような貌になり、私をちらりと見ると、頷いた。その様子を見てか、お役御免だな、と小さく言ったかと思うと――常盤はひらひらと片手を振りつつ今度こそ応接間を後にしてしまう。
…今度こそ、止める理由が消えてしまった。
■
草間興信所に電話を掛けて来た相手は、刑部和司。まさかの直接連絡に、草間の方でもさすがに驚いたらしい。私も勿論驚いた。曰く、彼と話した事自体は草間も一応あるようで、その草間が当人だと判断したらしい。そして電話をしては来たが――開口一番、どうも常盤が御節介を焼いたようだと拝察しますが、と苦笑混じりの確認をされたのだとか。
そして、近い内にそちらに伺うので用件の詳細はその時に。とだけ伝えられて、何を言う間も無く通話自体はすぐに切られた。が、その直後にノートパソコンの方にメールが届く。送信者名は「greeneyes」、内容の文面は携帯のものと思しき番号――十一桁の数字の羅列だけ。
「…ただのスパム…じゃないよな」
タイミング的に。
「掛けてみるか？」
言いつつ、私は自分の携帯にその十一桁の番号を打ち込む――打ち込むその途中で、当の携帯に電話が掛かって来た。まさか常盤の言うように本当に私の方にまで連絡が来るとでも言うのか？ と軽く驚くが――非通知のその電話に出てみたら、相手はエヴァ・ペルマネントだった。…彼女にならば私の携帯の番号は教えてある。驚くような事じゃない。
が、当のエヴァの方は何やら少し焦っている様子に感じた。…湖藍灰と話したって？ と何処か硬い声で訊いてくる――ああ、探りを入れて来た訳か、とすぐに気付いた。
…まぁ確かに、エヴァは元々、湖藍灰の事を挙げはしたが、同時に彼を巻き込む事自体躊躇っていた節もあった訳で…そんな湖藍灰が本当に絡むらしいとなると、今話がどうなっているのか余計に気になるところでもあるだろう。…にしてもそのくらいの事で気を揉むとは。可愛い奴だな本当に。
（で。…大丈夫、だったの？）
「どうだかな。…もう少し纏まってから話す。色々覚悟しておけ」
と、それだけを送話口に告げて、意地悪に笑い切る。…慌てる姿が目に見えるようだった。
（ッ、ちょっとっ）
ぴ。
…殆ど一方的に通話も切る。
その様子に、何やってんだとばかりに草間が呆れている。…ひとまず、私の様子からして刑部和司からの電話では無いとは察しているらしい。相手がエヴァと言う事は…まぁ、これも察しているかも知れない。
そうこうしている間に、外出していた零も帰って来た。
…何故か、大量のエビフライが入った袋を両手にぶら提げて。
■
「ええっと…買い出しの途中で…行きつけの八百屋さんに、食べるのを手伝って欲しいと頼まれてしまいまして…」
それで、ご飯の献立の足しにもなると思って、たくさん分けて頂いて来た訳なんですが、と零は大量のエビフライを取り敢えず大皿に出して、応接間のテーブルにまで運んで来ている。付け合わせにと刻んだらしく、大量のキャベツの千切りもそこに添えてあったりした。
そしてそんな大皿を前にして、何やら探偵は…眉間に皺を寄せて苦悩している。
「…何だか何処かであったような状況の気がするんだが気のせいか。ほら、前ーにうちにも嫌がらせ染みた間違いの出前が届いた事があったような」
大量のエビフライ。
「あ、そうなんですよ。何だか嫌がらせ染みた出前が届いたとかで、八百屋さんも当のお店の人に掛け合ってみたらしいんですけど、そうしたら全部食べ切れたらお代は無料でいいとか何とか言われたって」
なので折角なのでお手伝いして差し上げようと。
「…。…やっぱり確かに似たような事があったぞ。何だ、この既視感は」
「草間。多分そこは触れん方がいい話だ」
「折角ですから冥月さんもどうぞ」
エビフライ。
「ああ。折角だから頂こうか。…ふむ。なかなか美味いじゃないか」
取り敢えず勧められた通りにエビフライを一つ頬張ってみつつ、素直な感想を。それだけでも、美味しいなら良かったです、とばかりに破顔する零。そんな零の頭を、ぽんぽんと撫でるようにして軽く叩いてみる。
「？ 冥月さん？」
「いや。その内頼み事があるからその時は頼むな？」
「？ 良くわかりませんけど…私に何か頼み事があるのはわかりました」
私に出来る事なら。
あっさりそう答えて来る零の声に、私は頷いて見せる。草間の方はと言うと、そんなこちらの様子をちらっと見ただけで特に何も言っては来ない。取り敢えず今現在の零の気持ちに応える為か、ただ目の前のエビフライに挑んでいる。
…その反応が出来るならまぁ、事を起こす時まで上手い事誤魔化せるか、とは思う。
今のこの状況では、零に隠れてどうこう、と言う訳には行かない。
取り敢えずはある程度エビフライを片付けて、後は零の居ない時を見計らって仕切り直しが必要か、と思う。
ひとまず、メールにあったあの番号を確かめるのは後でもいいだろう。
…念の為、メモリに入れておくくらいで今のところは充分だ。
【興信所に戻って来たら話に挙がった例の刑事が居た話。
…何やら連絡を取りたい当の相手から連絡が来たり謎の番号がメールで届いたりしましたが】
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登場人物紹介
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■PC
■2778／黒・冥月（ヘイ・ミンユェ）
女／20歳／元暗殺者・現アルバイト探偵＆用心棒
■NPC
■常盤・千歳
□草間・武彦
■刑部・和司
□エヴァ・ペルマネント
□草間・零
（名前のみ）
■サヴァン・オーケストラ
■鬼・湖藍灰
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ライター通信改めNPCより
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…出された名が複数だったので座談会方式で。
常盤「てな訳で今回は俺らの御指名と発注有難う御座いました…っとくらぁ。それと随分待たせちまっててそこも申し訳無いってライターが言ってたな」
草間「…取り敢えず。思いっきり警戒されてたな。不良刑事」
常盤「つーかおっかねぇ姐さんの昔なんぞ掘り起こすのおっかねぇし。折角何ンも無くって美味い煙草喫えてる状況なんだからわざわざ面倒に首突っ込みたくねぇし。何かやらかしてそうだなって気配はしても草間興信所に居る以上そもそもケイサツで手ぇ出せる類のやり方してねぇ事だって充分有り得るし。だからって別にＩＯ２とかその筋に御注進に及ぶような義理無ぇし」
草間「…まぁ、結局こういう奴な訳だ」
常盤「一言で紹介されちまったよ」
草間「そんな訳で、この不良刑事相手で過去の事についてそこまで心配するような必要はまぁ無いだろう。腹の底を見せないままで消える気満々な胡散臭い奴なのは確かだが」
草間「で、だ」
常盤「ンだよ改まって」
草間「要するに、連絡取り合ってたって事なんだよな？」
常盤「あー…連絡取り合ってるっつーより単にお互い相手のしそうな事の予想が付いてるってだけの話」
刑部「その通り。こちらの状況を読んであんな真似をするのは常盤くらいだと思っただけで。ああ、お送りしたメールに載せた番号は足の付かない飛ばしの携帯の番号でして。何か改まった御用がおありのようでしたので、緊急連絡用に草間さんの方に一応お伝えしておこうと思いましてね。勿論、作中でお伝えした通りに折を見て直接伺うつもりではありますが、念の為に」
草間「…警察が飛ばしの携帯使うんだな」
刑部「そうでもないと俺の立場では自由に動けないんですよ。草間興信所に掛けたあの電話も、こちらの事情の関係で盗聴されてた可能性すらあるもので」
エヴァ「…たまに思うんだけどＩＯ２って何なの。うちと大差無くない？」
常盤「…取り敢えずな。こいつ基準にしない方がいいたァ思うぞ」
刑部「ええ。俺を基準にされると他の真っ当な方々に申し訳無いかと（笑）」
エヴァ「…まぁいいわ。それよりエビフライって何あれ」
零「恐らくはシナリオオープニングを意識して頂いたって事じゃないでしょうか。わざわざ有難う御座います」
エヴァ「…そこは礼を言うべきところなの。姉さん」
零「えっ、違うんですか」
エヴァ「…まぁいいわ。じゃ、ライターからの伝言に移るわね。『今回はゲームノベルでこんな形になりましたが、如何だったでしょうか。少なくとも対価分は満足して頂ければ幸いです。まだまだ着地点が見えない感じではありますが（笑）、こちらこそ今後とも宜しくお願い致します』だそうよ」
零「はい。あ、こんな機会滅多に無いんだから私たちもお礼を言っとかないと。冥月さんには私たちの為に色々して下さって有難う御座います」
エヴァ「…作中ではまだその事知らない筈なんだけど姉さんは」
零「細かい事はいいんです。そもそもここは実際は顔合わせるなんて有り得ない面子が話してるライター通信代替の座談会なんだからメタで構わないんです。それよりあなたもきちんとお礼を言わないと！」
エヴァ「…。…まぁ、色々世話掛けてるとは思ってるわよ」
零「それはきちんとしたお礼じゃないです」
エヴァ「っいちいちうるさいわね、どうでもいいでしょっ」
零「どうでもよくないです！」
草間「…取り敢えずな。口喧嘩で終わるのもどうかと思うんだが」
…でもこれで幕。
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