<あけましておめでとうパーティノベル・2005>


『花×花』


 好きだよ、璃生。大好きだよ、璃生。
 ―――――璃生の笑顔は、私が守るからね。


「あけましておめでとう、璃生。今年もよろしくね♪」
 大晦日の深夜から元旦に変わった瞬間、00時00分に水鈴はお蕎麦を食べていた箸を置いて、とても幸せそうな笑顔を浮かべた。
 その笑みがとても嬉しいようにそして、とても眩しそうに璃生も青い色の瞳を柔らかに細めながら小さく傾げた顔に優しい笑みを浮かべる。
「うん。私の方こそ、今年もよろしくね、水鈴」
 二人で微笑みあいながらおでことおでことを合わせて、すぐ近くにある目を見詰め合って、くすくすと笑いあう。
 それはとても幸せで満ち足りた、優しい時間。
 水鈴は璃生が大好きで、璃生も水鈴が大好きでとても大切な妹のような存在。
 運命は惹き合わせた、二人を。
 テレビでは世界各地の新年が明けた喜びを伝えている。こんな世界の情勢だからこそ。
 炬燵に入ってお蕎麦を食べ終わった水鈴はそのまま、炬燵の上に置かれていたザルの中の蜜柑に手を伸ばして、二番目に大きな蜜柑を手に取って(もちろん、一番大きいのは隣に座る璃生にあげた。)、皮を剥いて、食べ始めるが、半分も食べ終わらないうちに温かい炬燵の魔力に負けてうつらうつらと眠り始めてしまった。
 璃生はくすりと微笑んで、炬燵に突っ伏す形で寝ていた水鈴を起こさないように横に寝かせて、そっと毛布をかけてやる。
 幼い子どものように無邪気な顔をして寝ている水鈴の髪をそっと撫でてやってから璃生は立ち上がり、そして箪笥にしまってあった上質の包み紙に包まれた着物を取り出して、それを水鈴の枕元に置いた。
 目覚めた彼女がそれを見て、どのような嬉しそうな顔をするのか考えただけで笑みが零れてくる。
「初詣は一緒に着物を着て行きましょうね、水鈴」
 それはきっととても楽しい時間になるから。
 予知夢でも見ているのであろうか、水鈴の発した寝言に璃生は目を見開いて、その後にくすくすと笑った。
「うわぁー、梅の着物だぁー。ありがとう、璃生♪」



 +++


「うわぁー、梅の着物だぁー。ありがとう、璃生♪」
 と、言った瞬間に口に手を当ててくすくすと笑い出した璃生に水鈴は不思議そうに小首を傾げた。
「どうしたの、璃生?」
 おかしいなー、私は何も笑うような事は言ってはいないのに?
 小首を傾げる水鈴に璃生はちろりと舌を出して、そして嬉しそうに両腕で着物を抱え持つ水鈴の髪に手櫛を入れる。
「じゃあ、まずはこれを着て、水鈴」
「これを着物の下に着るの?」
「そうよ」
 水鈴はるんるん気分で長襦袢を着て、いつも璃生が化生をする時に座る三面鏡の前の椅子に座る。
 璃生はにこにこと微笑みながら櫛を入れて水鈴の美しい銀糸のような髪を梳いて、お団子にする。
 それからいつも璃生が使っている化粧品でメイク。
 璃生の手でそっと優しく水鈴の唇にルージュが塗られる。
 そして水鈴の薄く形のいいかわいらしい唇に塗っていた淡いピンクのルージュを持つ手を腰に置いて、じぃっと瞼を閉じている水鈴の顔をしばし眺めてから璃生はうん、と満足気に頷いた。
「もう目を開いてもいいよ」
 瞼を開いて見えたのは、璃生のとても嬉しそうなにこにことした顔。それを見ているだけで水鈴はものすごく嬉しくって、幸せな気分になれる。
「うん。あ、ねえ、璃生。鏡を見てもいい?」
 飛び跳ねるように背伸びして顔を覗き込んでくる水鈴の両肩に璃生は手を置いて、笑う。
「まだダメよ、水鈴。着物を着てからね」
 そう言って水鈴が見る前に三面鏡を閉じる璃生。
「ぶぅー」
 頬を膨らませて唇を尖らせる水鈴を宥めるように璃生は優しく微笑んで、そして包み紙に包まれていた着物を取り出すと、
「水鈴」
 と優しく呼ぶ。優しい姉のように、優しく、優しく、砂糖菓子が水に溶けるように優しく繊細な声で。
 それだけで水鈴の尖っていた唇から頬を膨らませていた息が零れ出て、続けてくすくす笑いも零れ出る。
「はーい。次は着物ね、璃生」
「ええ。もうしばらくじっとしていてね」
「うん。あ、璃生のは私がしてあげるね♪」
「あら、水鈴に着物の着付けができるの?」
 ちょっとからかうような口調で璃生が言ってやると、水鈴はちっちっちっと右手の立てた人差し指を横に振った。
「これから璃生がやるのを見て覚えるの」
 得意げに言う水鈴に璃生はひょいっと肩を竦める。
「そんなに簡単には覚えられません。それに私はひとりでも着付けができるから大丈夫です」
「ぶぅー。私が璃生の着物を着付けしてあげたかったのに」
「だったら、また今度。今日や他の日に教えてあげるから、着付けができるようになったら水鈴に頼むわね」
「うん♪」
 水鈴に着物を羽織らせ、そして慣れた手つきで背縫いが水鈴の背中にくるように着物を調えて、衿を決めて着物が崩れないように腰紐を結ぶ。皺チェックをしてから帯を結んで。「はい。着付け終了」
 璃生はそう言って、水鈴の着物の帯から手を離し、立ち上がって、姿見にかけられていた布を捲り上げる。
「水鈴、鏡に自分の姿を映してごらん」
 水鈴は嬉しそうに自分の着物姿を映した姿見をしげしげと覗き込んで、そしてくるりんと回転して、えへへへと照れたように微笑んだ。
「ありがとう、璃生。すごく綺麗な着物で私、嬉しいな」
 ぴょんぴょんと飛び跳ねるような勢いで背伸びしてそう言う水鈴に小首を傾げさせた璃生があら、っと笑う。
「綺麗なのは着物と、それと水鈴でしょう」
 そっと水鈴の銀の髪に触れて、ちょっと崩れた髪型を整える。
 その璃生の手に水鈴は自分の手を重ねて、とても嬉しそうな笑みを浮かべた。
「綺麗だよ、水鈴。着物、似合っている」
「うん、ありがとう、璃生。あ、ねえ、早く璃生の着物姿も見たいな」
 胸の前で手を合わせて、嬉しそうに強請ってくる水鈴に璃生ははいはいと笑って、自分で着付けを始めた。璃生の着物は臙脂色の生地に桜柄の着物。



 +++


「どうしたの水鈴?」
 神社に来るまでものすごく浮かれていたのに、神社の鳥居の前に到着した途端に水鈴がしゅーんとした。お腹が空いた?
「お腹が空いたの? それとも帯がきつかった?」
「ううん」
 ふるふると首を横に振る水鈴。
「えっとね、こんなにもたくさんの人が居て、ちゃんと私のお願いを神様が覚えられるかな、って心配になったの」
 なるほどこの神社はすごい人で溢れかえっている。これはさすがにあの聖徳太子だって一度に聞き分ける事は難しいかも。
 だけど、しゅんとする水鈴に璃生はふわりと花が咲き綻ぶように微笑んだ。
「大丈夫。大丈夫だよ、水鈴。神様はすごい存在なんだからちゃんと水鈴の声は聞こえてるよ」
「本当に、璃生?」
「うん」
 こくりと頷く璃生に水鈴は花が咲き綻んだような笑みを浮かべた。
 そしてそうなった途端に水鈴はお腹を両手で押さえる。
「うぅ〜〜、璃生。安心したらお腹が空いちゃった。璃生、お参りが終わったら何か食べようよ♪」
「はいはい。じゃあ、お参りが終わったらね」
 苦笑を浮かべながら璃生は水鈴に手をひかれるままに社の方へと歩みゆく。
「こら。そんなに早足で動くと着物が着崩れしちゃうわよ、水鈴」
「うん♪ 気をつけてるから、大丈夫だよ、璃生」
 くすくすと笑いあいながら璃生と水鈴は仲良く手を繋いで、鳥居をくぐろうとして…
「あ、ダメ。水鈴」
 璃生の声にびくりと足を止める水鈴。
「どうしたの、璃生?」
 璃生の切羽詰ったような声に水鈴も神妙な顔をして、そう問うた。
 しごく真剣な顔をして璃生は人差し指一本立てて、それを言う。
「うん、あのね、水鈴。神様はこんなにも大勢の人に一度にお願い事をされても大丈夫だけど、でもそれはちゃんとお参りの礼をつくしてこそだと想うの」
「え、お参りの礼をつくすって、お参りにやり方があるの???」
 びっくりしたようにそう訊く水鈴に璃生はこくりと頷いた。
「えっとね、まずは鳥居をくぐる前に2回お辞儀をして、それから真ん中を通ってはダメなの」
「うんうん」
 璃生と水鈴は作法に乗っ取って、鳥居の前で2回礼をして、そして二人一列となって鳥居の隅をくぐる。
 くぐった後に二人は顔を見合わせあって、そしてくすくすとまた仲良さそうに笑いあう。
「ねえ、他には何かあるの、璃生?」
「うん。次はお参りする時の作法ね。次は身を清めるという意味で、手を水で洗うの」
「うん、わかった」
 水鈴は背伸びして、人ごみの隙間に手洗い場を見つけた。にこりと銀色の髪の下にある顔に笑みを浮かべる。
「こっちだよ、璃生♪」
「水鈴、あんまり急がなくっても大丈夫だよ。手洗い場は無くならないから」
「うん。でも待ちきれないの♪ だから急ごうよぉ、璃生」
 そう言ってはしゃぐまま前へ前へと飛び跳ねるように行く水鈴の嬉しそうな背中を見据えながら璃生はくすりと笑った。優しい母親があまりはしゃぐと転ぶわよ、と言っても聞かないで飛び跳ね回る幼い我が子を見つめながらしょうがないな、というような無条件の愛情に満ち溢れた笑みを浮かべるように。
 並んで手を洗って、そして二人で社の前に立つ。
「礼はさっきしたからしなくってもいいの」
「じゃあ、拍手をして、お願いをするの?」
 周りの拍手をしてから手を合わせてお願いをしている人々を見回しながら水鈴は璃生に訊く。だけど璃生は首を横に振った。
「あのね、私と水鈴は女の子だから拍手はしなくってもいいんだよ」
「え、そうなのぉー!!!」
「うん」
 想わず拍手しそうになっていた両手をあわてて体の後ろに回す水鈴。
 そして二人で神様に両手を合わせて、お願いをする。
 心をこめて、
 心の奥底からそれが叶う事を願って―――


 璃生とず〜っと一緒に元気で笑顔でいられますように。それから美味しい物、たくさん食べられますように。



 大切で大好きな人たちのこの一年が健やかで心温かくあります様に。



 閉じていた瞼を開いて二人同時に横目でお互いの顔を見合って、微笑みあう。
 それだけでわかる。璃生と水鈴、二人が通じ合っている事が。
「行こうか、水鈴」
「うん。璃生♪」



 +++


「ふぅわぁー、すごく美味しそうな屋台がいっぱい!!!」
 胸の前で両手を合わせて嬉しそうな声を出す水鈴に璃生は口許に手をあててくすくすと笑った。
 たくさんの屋台。とても美味しそうな香りはどの屋台からも香ってきていた。
「えーっと、えーっと、何がいいかな、璃生?」
 目をキラキラと輝かせている水鈴に璃生はくすりと笑って、周りの屋台を見回す。
 そして温かな湯気をあげる鍋を掻き回しているおばさんを青の瞳に映して、微笑んだ。
「風が冷たくって体が冷えちゃったから、甘酒をもらおうか、水鈴?」
「あ、うん。そうだね。温かい甘酒がいいな」
 二人は手を繋いで甘酒屋さんに行く。
「いらっしゃいませ」
 にこりと穏やかに笑うおばさんに璃生と水鈴はぺこりと頭を下げる。
「甘酒を二つください」
「うーんと美味しくって温かいのを二つね」
「はいはい」
 おばさんはにこにこと微笑みながら紙コップに甘酒をよそってくれた。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
 璃生が受け取って、水鈴に渡す。
 おばさんはにこにこと笑いながら二人に言った。
「仲の良い姉妹さんね。それもものすごくお綺麗で。どうだい、お二人のどちらかうちの息子のお嫁さんに」
 そう言うおばさんに璃生と水鈴は顔を見合わせて、真っ赤になってしまった。
 甘酒はとても美味しくって温かかった。



 +++


「林檎飴、美味しかったぁ〜〜♪」
 とても美味しい林檎飴を食べ終わった水鈴は満足そうに璃生に微笑んだ。
 璃生は屋台と屋台の間に設けられている小さなドラム缶に林檎飴の棒を捨てて戻ってくる水鈴に綺麗な巫女さんたちが居る方を指差して言う。
「ねえ、水鈴。おみくじ引きましょうか?」
「おみくじ! うん、引きたい、引きたい、璃生」
「じゃあ、向こうに行きましょうか」
 手を繋いでおみくじ売り場へ。
 引いた番号を黒髪の綺麗な巫女さんに伝えると、彼女はにこりと微笑んで、後ろに置かれたたくさんの引き出しがある棚から二つの包み紙を取り出して、水鈴と璃生にそれを渡してくれた。
 どんな事が書かれているんだろう? 楽しみだなぁ〜。でも嫌な事が書かれていたらしょんぼりだなぁ〜。
 ドキドキと外に聞こえそうなほどの心臓の音を聴きながら水鈴は受け取ったおみくじを開いた。65番。大吉。今年の運勢――――
 つい、まじまじと覗き込んで、書かれている良い事にはうんうんと頷き、悪い事にはそんな〜とげんなりしてしまう。それもまたおみくじを引く楽しみのひとつ。
 くすくすと笑うのは璃生。璃生のおみくじにはどんな事が書かれていたんだろう?
「璃生はおみくじ何だった?」
「大吉」
「じゃあ、私と一緒だね♪」
 おみくじをお互いに見せ合って、やっぱり良い事には嬉しそうな顔。悪い事にはうーん、と唸ってしまう。
 それと今年の恋愛運。二人して書かれている事に年頃の女の子らしくきゃっきゃっと騒ぎあう。
 そうして二人して神社の木を見上げた。146センチぐらいの水鈴には高い場所の、160センチぐらいの璃生には背伸びして手を伸ばせば何とか届くぐらいの位置にある木の枝にはたくさんのおみくじが結ばれている。
 その枝を見上げていた璃生が嬉しそうな笑みを浮かべた。
「どうしたの、璃生?」
 そしてそんな彼女の横顔を見つめながら水鈴が嬉しそうに訊く。
「あそこを見て、水鈴」
 璃生が指差す先にあるのは蝋梅。薄黄色で中央部が紫の蝋燭細工のような花。冬の青空をバックにすると、そのコントラストがとても綺麗だった。
「綺麗だね、璃生♪」
「うん。お店にはチューリップやスィートピーが入荷しているけれど、寒空の下で咲く花を見つけるとやっぱり嬉しくなるわね」
「大吉の効果かなー、璃生。こんなにも嬉しい気分になれたのは♪」
「そうだね。大吉の効果かな。新年早々、ありがたい事だね」
 胸の前で手を合わせて柔らかに微笑んだ璃生に水鈴はうんうんと頷き、それからものすごく良い案が浮かんだ♪ って、手をぱちんと叩く。そして、
「ちょっとここで待ってて、璃生♪」
 璃生に待っててもらうのは、もちろん大好きな彼女をもっと喜ばせたいから。
 喜ばせる方法? 璃生の良い運を逃がさないように、もっと璃生に良い運が来るように破魔矢と熊手をプレゼントするの♪
 水鈴は人込みを掻き分けて、破魔矢と熊手を売っている巫女さんに「くださいな♪」と、かわいらしく破魔矢と熊手を買い求めた。
 そしてそれを抱え持って、人込みから出ると、そこは売り場の横。人込みを避けて早く璃生の所へ戻れる道を選んだら、そこに出た。それは偶然。偶然なんだけど、だけど大吉の恩恵は璃生に幸せを与えただけでなくって、水鈴にも嬉しい再会を―――
 その売り場の横、一本の木の根元に花期は春のはずのスノードロップの花が咲いていた。ひっそりと小さな白い花が。
「わぁー、花期は春のはずなのに」
 ひょっとして私がここに来るのがわかっていたのかな?
 水鈴がここに来る事がわかっていたから、ここに咲いているのか、
 それともここにこのスノードロップの花が咲いているから、だから自分はこの花の下に来たのか。
 ううん、どちらでもいい。
 出逢えた事が嬉しいから。
 水鈴はその場にしゃがみこんで、嬉しそうな懐かしそうな笑みを浮かべる。
「あのね、大好きな大好きな運命の人に私は出逢えたんだよ、妖精さん。世界は大変だけど、私はと〜〜っても幸せだよ」
 そっと水鈴は伝える。
 風に揺れる小さな花は、ほんとでしか! 良かったでしね、水鈴さん♪ と、喜んでくれているように水鈴には想えた。



 +++


 人込みの向こうに嬉しそうに消えていった水鈴の背を見送ってから璃生は髪を掻きあげながらもう一度、蝋梅を見つめた。
「もう少ししたら、梅も咲くわね」
 感慨深げに、そして憧れるように呟く。
 懐かしさが混じる優しい香りも、迎えてくれるように伸ばされる枝も、可愛らしくて上品な花も大好き。
 それを待ち望む日々は楽しく幸せで、そしてそれを見られる日はとても嬉しい。
 想うだけで笑みは自然に零れた。自然に溢れ出るように笑みが零れる。胸にある心からどんどん溢れ出すように、幸せと想える想いが。
 そう想えるのは、そんな風に感じられるのは、大好きで大切な人たちが傍にずっと居てくれるから。
「璃生ぉー♪」
 人込みから飛び出て、両腕で破魔矢と熊手を抱いて、駆け寄ってくる水鈴の方へ璃生も歩み寄る。
 そう、あの日あの時に出逢えた奇跡。あなたが居てくれる、その幸せ。お互いの中に自分の存在する意味を見られる、その嬉しさ。
 出逢えて良かった。
 あなたが居てくれて良かった。
「水鈴。破魔矢と熊手を買ってきてくれたの?」
「うん。これでもうパーフェクトだよ、璃生♪」
「うん」
 二人して微笑みあい、手を繋ぐ。
「さあ、帰りましょうか?」
「うん。あ、そうだ。帰る途中に神社の前で売っていた大きくって美味しそうな肉まんを買おうよぉ♪」
「はいはい。じゃあ、私はあんまんを買おうかな」
「一口頂戴ね♪」
「はいはい、水鈴。水鈴のも頂戴ね」
「うん。璃生♪」
 二人して手を繋いで、帰る。
 繋いだ手の温かさに幸せと喜びを感じて。
 水鈴の優しい想いが繋いだ手の温もりから伝わってくる。
 だから璃生もその水鈴の手をぎゅっと握り締めた。
 二人して、歩いて帰る。二人の帰る場所へ。二人の居場所へ。



 あなたが居てくれて、良かった水鈴。
 あなたと出逢えて、良かった水鈴。
 あなたが居てくれる事に、あなたと出逢えたことに喜びを感じ、感謝する。



「水鈴。梅の花が咲く頃にまた来ましょ」
「うん。璃生。また梅の花が咲く頃に来ようね♪」



 ― fin ―


 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┏┫■■■■■■■■■登場人物表■■■■■■■■■┣┓
┃┗┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┛┃
┗━┛★あけましておめでとうPCパーティノベル★┗━┛゜

【ウェブID / PC名 / 性別 / 年齢 / クラス】

【w3a395ouma / 水鈴 / 女性 / 17歳 / セイレーン】



【w3a395maoh / 笹川・璃生 / 女性 / 22歳 / 直感の白】



□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■         ライター通信          ■
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□

こんにちは、水鈴さま。
こんにちは、笹川璃生さま。
あけましておめでとうございます。
このたび担当させていただいたライターの草摩一護です。
ご依頼、ありがとうございました。^^
こちらでは初めましてのPCさんたち、という風になるのでしょうか?
ですが、水鈴さん、璃生さん、このお二人のこのような関係が書けて、とても嬉しく、そして楽しかったです。
うーんと待たされた分だけ、本当に二人とも仲良さそうに幸せそうにしているのですね。
こんな風に幸せに、そして仲良くしている二人の絆があれば、どんなに大変な世界も乗り越えていけますよね。^^



水鈴さん
出逢えたのですね。運命の人と。^^
世界はものすごく大変そうですが、でもやっぱり二人一緒なら大丈夫だと想います。
今回は璃生さんをとても大事にし、彼女にかわいく甘えている水鈴さんを書けて本当に幸せでした。^^
そして、妖精さんに話し掛けているシーンも本当に嬉しく。プレイングを見た瞬間にこのシーンは自然と浮かび上がりました。^^


璃生さん
優しいお姉さんとして、水鈴さんを見守っている璃生さんを書けるのも本当に嬉しく、楽しかったです。
本当に璃生さんは水鈴さんを、水鈴さんは璃生さんを必要としているのだなーと。^^
そういうのがプレイングや設定から読み取れて、それを文章に織り交ぜて綴るのがとても幸せでした。
蝋梅の描写もとても素敵で綺麗で、そして梅をまた一緒に見に来ようという璃生さんの言葉がじーんと来ました。^^
こういう世界だからこそ、余計に花などはとても愛しい存在なのかもしれませんね。^^


それでは今回はこの辺で失礼させていただきますね。
ご依頼、本当にありがとうございました。
失礼します。