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<PCあけましておめでとうノベル・2006>
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超時空温泉と初日の出と
------<オープニング>----------------------------------------------
――トリニティ学園パトモス軍学校特殊機甲科
「翠乃原、今年のクリスマスはどうだった?」
「‥‥余計なお世話です。沖田教官」
サングラスの男と翠乃原咲子の会話は一瞬沈黙した。再び沖田政宗が口を開く。
「‥‥訓練生の件だが、年末年始に連絡は取れないか?」
「はぁ? 学校は休みですが‥‥何か考えているのですか?」
「‥‥温泉旅館に行って初日の出を見ようと思っている」
青い帽子とツナギ姿の細い男の背中を見つめていた女は感嘆の声で応える。
「いいですね☆ 今年の反省と来年の抱負を語るのですね。教官らしい考えです。それで、どこの温泉旅館へ?」
長身の男はスッとチラシをデスクへ落とす。それは断崖絶壁に建てられた旅館が描かれたものだ。赤茶のクセっ毛をポニーテールに纏めた女は表情を戦慄かせた。
「こ、この旅館は‥‥噂では不可解な磁場が発生していると言われている所ではありませんか!? しかもファンタズマが管理を任されているとか‥‥サーバントや異世界の者が召喚された等とも聞いています。‥‥訓練のつもりですか?」
「‥‥初日の出がよく見えるらしい」
再び室内は沈黙に包まれた――――。
――2005年12月31日。
こんこんと雪が舞い降る中、一台のバスは山道を登っていた。
行き交う車両も無ければ、追い越してゆく車両も無い。まるで異空間にでも紛れたしまったような錯覚を覚えるほど、路上には人一人ですら確認できなかった。師走となり、町は殊更慌しいというのに――――。
●温泉旅館『かなん』へ向けて
霧生勇は車内に視線を流した。
初老ながら筋骨逞しい男の瞳に映るのは、運転手を除いた総数9名。
右前列にトリニティ学園パトモス軍学校特殊機甲科13クラス教官達である、幾瀬楼、月代千沙夜、シンクレア。そして勇本人の後に13クラス訓練生の、星渡学、ジャスミン・ウィタード、綺堂章仁がいる。左前列からは、同じ学園の14クラス教官達である沖田政宗と翠乃原咲子。その後に14クラス訓練生の、九条縁だ。眠っている者もいれば、読書に勤しむ者もいる。それぞれが旅路を思い思いに寛いでいた。
そんな中、騒がしい声をあげているのは縁だ。筋骨逞しい長身の青年は、手前の席に寄り掛かり、未だ少年らしさの残る風貌に、眉間を戦慄かせる咲子教官の横顔を捉える。
「どーよどーよッ! 俺って優秀な訓練生だよな? 訓練以外にもキチンと顔を出す! この謙虚さ! 俺が生徒でそれなりの胸も張れるってもんだぜ! な、咲子教官♪」
「‥‥それなりってのが気に障るけど、静かにしてくれればもっと嬉しいわ。それに強制参加ではありませんから、優秀だと判断もできません」
笑顔も見せず、瞳を閉じて冷静さを維持しながら忠告するが、青年の陽気な声は消えやしない。
「おっと、悪気は無いんだぜ。でかい胸に見慣れちまっててさ。そんな顔しないで下さいよ教官☆ 大学の方の卒論も何とか仮提出が終わったし、バイトも休みだし修学旅行と洒落込んで馳せ参じたんだぜ?」
――それって暇だったんじゃ‥‥。
誰もが思いながら口に出さない中、金髪ソバージュの小柄な少女がヒステリックな声を響かせた。
「うるさいですわ! 暇人ッ! 少し静かにできませんのッ!」
「ジャスミン、駄目だよ。他のクラスに文句言っちゃ‥‥」
学が咎めるのも気にせず、ジャスミンは細い腕を組んで縁を睨む。フリルやレースの施された衣服から裕福な身の上と察しはつくが、12才位の少女に言われたままで黙る訳にはいかない。
「なんだよ、このチビガキ。おまえも訓練生かよ? おこちゃまは大人の会話に口出すなよな」
「チ、チビガキですってッ!」
「フッ、大人の会話だってさ。笑っちまうよな、月代教官」
お嬢様が遂に立ち上がる中、呆れた声をあげたのは、アフロのようなボリュームのあるヘアスタイルの青年だ。勇の隣に腰掛け、前の座席に映る美女の谷間を覗き込みながら同意を求めた。千沙夜が視線も流さず乾いた微笑みを浮かべる。
「そうね‥‥綺堂クンも大人の会話ができているとは思わないけどね」
「綺堂さん、ここは教官の席ですよ。自分の席に戻って下さいね☆」
これでは、彼と一緒ですよ♪ 穏やかに微笑みシンクレアが諭した。縁より目立たないだけで、章仁とて相手にしない千沙夜に声を掛け続けていたのだ。
一気に車内に喧騒が溢れ出す。そんな光景を初老の男は微笑ましく眺めながら、サングラスの男に声を掛ける。
「やれやれ、若い者は元気だね」
「‥‥若者ですからね。訓練時なら怒鳴る所だが、偶にはいいでしょう。それに、我々に被害もない」
――沖田教官?
喧騒を止めるべく努める咲子教官は、彼の言葉に固まった――――。
●厨房只今奮戦中
「シンクレア、‥‥ちょっといいかしら?」
一瞬千沙夜は躊躇った。何故なら逢魔の娘は、慌しく動いていたからだ。彼方此方の鍋が火の点いたまま湯気を漂わせており、台に並べた幾つものマナ板に食材を並べては途切れる事のない包丁の音を響かせていた。左右の三つ編み銀髪を揺らし、パタパタと手を動かしながら答える。
「あ、千沙夜さん? 今とっても忙しいの!」
「‥‥見れば分かるわ。そこでお手伝いさんを連れて来たんだけど、使ってくれないかしら?」
「未亜です! うわあぁ☆ すごーい!」
少女は広い厨房に赤い瞳を爛々と輝かせた。これほど大きな厨房は見た事がない。しかも、見慣れない道具の数々に感嘆の声をあげっぱなしだ。
「まあ☆ 可愛らしい娘さんですね♪ でもファンタズマじゃないし‥‥どなたなの? 浴衣、着てますけど‥‥」
シンクレアは眼鏡に早春の雛菊 未亜を映し、腰を屈めて微笑みを浮かべた後、小首を傾げて口元に人差し指を当てる。きっと頭の中に大きな?マークが浮かんでいるに違いない。苦笑しながら千沙夜が説明する。
「どうやら異世界から迷い込んだみたいなのよ。海に落ちるのを見たわ。暫らく預かる替わりに未亜クンが手伝いをしたいって。彼女、異世界では料亭を任されるほどの腕らしいわよ」
「へぇ〜♪ 分かりました。未亜さんは私が引き受けるわね☆」
こうしてシンクレアは未亜という助っ人を得て再び戦闘を繰り広げる事となる。
「いい? メニューは近隣の海の幸を使った活造りよ。大晦日なので年越し蕎麦は温かいのと冷たいの好みがあると思いますので両方用意しておきます。メインはコレ位であとは調達できた食料で適当に、和洋中華独仏印亜無国籍に作っちゃいましょう!」
「‥‥えっと、それじゃ、未亜は海の幸を手伝います!」
はにかむ少女にシンクレアがハタと気付く。
「あ、そうよね。国の事を言っても分からないわよね♪ そうだ! 未亜さんは好きな食材で得意な料理を作って☆ 異世界の料理なんて滅多に食べられるものじゃないわよね♪」
「え? いいんですか! はいッ! 未亜がんばっちゃいますッ!」
「頑張ろうね♪」
おーッ! と二人が声を合わせて腕を掲げた。
流石に異世界で料理が得意というだけあり、未亜の包丁捌きは感嘆の声を洩らす程だ。魚もいるらしく、みごとに身と骨を切り分けてゆく。多少、使い方の分からない道具や機械に戸惑ったものの、腕は確かなものらしい。何より楽しそうに調理する姿が印象深いものがある。
「未亜さん、楽しそうね☆」
「はい! 色んな便利な道具が沢山あるし、見慣れない食材もあってとても楽しいです! あの、これ使っても良いですか?」
「ええ、良いわよ♪ よーし、私も頑張るわよー☆」
互いに触発されながら作られて行く様々な料理たち。夕食会の予定が遅れたのは言うまでもないだろう。
●大広間の反省夕食会
「さて、諸君、今年のカリキュラムご苦労だった。これから今年の反省を踏まえて宴会を行う訳だが、その前に伝えておく事がある」
浴衣姿の沖田が話し続ける中、パタパタと忙しなく動き回り、料理や飲み物を運ぶのは、シンクレアと未亜、そしてファンタズマだ。サングラスの男は緑髪を舞わせて駆け回る少女を捉えて再び口を開く。
「皆も気付いていると思うが、我々の宴会に加わる者が数名いる。おまえ達が席で俺の話を聞いている間も働いているオマエ達よりも明らかに年下の少女、未亜だ。そして、サバランと四方神結。以上、三名が加わる」
「未亜です! 今回は料理のお手伝いをさせて頂きました☆」
「‥‥サバランです。突然、私達の世界から魔法で飛ばされたらしくて‥‥お世話になります」
「四方神結です。えっと、取り敢えず迷子になった訳あり娘と言うことで‥‥宜しくお願いします」
名前を呼ばれる度に、少女達が立ち上がり挨拶した。次に咲子教官がグラスを手に立ち上がる。
「それでは皆さん、今年はよく頑張ってくれました。今宵の反省をこれから述べて頂きますが、同じ反省をしないよう頑張って下さい。コホンッ☆ では、皆さん、お疲れ様でした。乾杯ッ♪」
一同が声とグラスを合わせる音が大広間に響き渡った。
勿論、18才未満にはジュースが振る舞われ、成人達には各種アルコールが酌み交された。運ばれた料理も様々な食材をこれまた様々な調理を施しており、バリエーションも豊富だ。流石に調理を引き受けたシンクレアと、異世界の料理を作った未亜の腕前は、それぞれの舌を十分に満足させた。後ほどには年越し蕎麦も振る舞われるという。
そんな宴会も盛り上がる中、それぞれの反省が述べられてゆき、千沙夜の番となる。
「次からは加減抜きでやるわ。ついて来れない生徒は落とす。ついて来る訓練生には最大限に応えるわ」
その宣言に顔を引き攣らせる生徒もいたが、アフロヘアの青年は「最大限の応え」に様々な想像を巡らしてニタリとだらしない表情を浮かばせた。
次にシンクレアが立ち上がり、人差し指を口元に当て、困惑したように口を開く。
「反省会で反省することは特にありません。うーん、強いて言うならPB駆動の自動車開発に乗り出す時期を見誤ったくらいですね」
――なんの話だ?
まあ彼女は魔皇のサポートで副教官を務めるような感じなだけに、それはそれで良しとしよう。
教官達の反省が終わり、生徒達つまり訓練生の番となる。立ち上がるは茶髪の青年だ。
過去を振り返り、様々な出来事を話した。
「まあ、真面目に不真面目な訓練態度だったと思うけどよ、来年も似たような感じで俺は突っ走るぜ!!」
――それは反省か? 反省する気がないのか? 逢魔のフォローに期待‥‥したい。
●露天風呂にて
「あら? 誰もいないようね。シンクレア、一番風呂みたいよ」
「本当? それじゃ、月見酒と洒落込みますか♪」
混浴と承知の上で、千沙夜とシンクレアは露天風呂へと足を踏み入れた。辺りは静寂に包まれており、湯の流れる音だけが響き渡っている。二人が湯気の発ち込める場所を歩いてゆく。刹那――――。
「シンクレアさん達だぁ☆」
未亜が両手をあげて湯船から飛沫を散らせる。誰もいないと思ったばかりに、千沙夜は身構えたまま固まり、シンクレアはお銚子とお猪口を乗せたお盆を落としそうになって慌ててバランスを取っていた。湯気の中には苦笑を浮かべる14クラスの女教官も見える。
「一番風呂じゃなくてゴメンなさいね」
「いえ、構わないわ。ちょっと驚いただけよ」
「未亜さんに翠乃原教官☆ いかがです? 月見酒♪」
こうして露天風呂は四名の女達の宴会場と化した。勿論、例え異世界の者だとしても、未亜にお酒は勧められない。三人が頬を紅潮させて至極の表情を浮かべる中、ちょっぴり少女は残念そうに指を口元に当てていた。
平穏な刻が流れる露天風呂。しかし、それは束の間の出来事となる。
『ひぃやっほーい!! ブラボーッ! こーんよーくーッ!!』
『おいおい、恥かしいだろそりゃあ‥‥』
響き渡ったのは男の破廉恥な程の叫び声だ。後に続く落ち着いた声は恐らく彼だろう。咲子は思わず咽り、未亜が背中を擦る中、千沙夜とシンクレアは軽く溜息を吐くと、湯から上がる。
「随分と楽しそうね♪」「こんばんわ☆」
「おぉーッ!! 月代教官にシンクレア教官ッ!」
縁の青い瞳に浮かんだのは、火照った身体にバスタオルを巻いた二人の美女だ。滴り落ちる水滴も艶かしく、千沙夜の豊満な胸は窮屈なほどタオル越しにシルエットを際立たせており、シンクレアはぺコリとお辞儀するものだから、柔らかそうな谷間が更に男共を直撃した。
「うっひゃあぁッ! 混浴バンザイだぜ! ナイス旅館かなんッ!」
思わず青年達はオーバーリアクションで仰け反る。逢魔の娘はクスクスと笑って見せるが、魔皇の美女は腰に手を当てて軽く溜息を吐く。
「奇声もそれ位にしてくれるかしら? 裸の付き合いだし、背中くらい流させてあげるわ」
「私はお背中を流させて頂きますね☆」
「ま、マジかよッ! 背中って何で洗っ‥‥いてッ★」
――縁よ、ほどほどにしておけ。
かくして、章仁が千沙夜の白い背中を恍惚とした表情で洗い、シンクレアが縁の背中を泡だらけにしていた。そんな最中、引き締った背中を向ける青年が口を開く。
「そう言えばさ、翠乃原教官見なかった?」
「え? 翠乃原教官ですか? んー? 見てないわよ」
シンクレアは少し考えた後、嘘で答えた。こうして男共の相手をしているのは彼女が慌てた為でもあるのだ。恐らく湯の中で悪寒を感じているに違いない。
「そうかよ‥‥教官とも裸の付き合いをしたかったんだけどな」
「あら? 私じゃ不満って事ですかぁ? 次は私の背中をお願いしたかったんだけどぉ」
「え? マジマジ? 不満なんてバチが当るぜ!」
『未亜ちゃん? もうあがったぁ? 私、そろそろあがるわ』
高い木製の衝立越しに少女の気だるそうな声が響いた。刹那、縁の瞳が研ぎ澄まされる。
(今のはサバランの声じゃん! なんだよ、女湯かよ〜。あの娘もグンバツなプロポーションだったよな! 褐色ってのが野性的で堪らないぜ! この障害物の向こうに‥‥)
青年はスックと立ち上がり、シンクレアが視界に飛び込んだ醜い桃に悲鳴をあげる中、刻印を輝かせる。頭部に召喚されようとするは一対二門の速射型小型銃だ。
「唸れッ! 真ライオットファランクスっ!!」
「やめなさいッ! バカッ!!」
桶に素早くお湯を掬い、千沙夜の全力投球が暴走した青年に叩き込まれた。オマケに刻印を浮かび上がらせると、真凍浸弾<コールドシュート>を叩き込む。忽ち縁は氷付けだ。
「こ、これが魔皇のダークフォースかよ‥‥」
千沙夜を本気で怒らせないようにしようと章仁は誓った――――。
●今年の抱負を胸に
――2006年1月1日AM。
「いっひひひ、それじゃ、行くぜ!」
楼は二カッと笑みを見せると、前方に手を翳し、魔の刻印を輝かせた。腰ほどまで伸びた黒髪が舞い踊る中、手に装着されたのは爪型魔皇殻『セーフガードマスタリー』だ。彼女は尚も力を解放し、翳した先に円形状の障壁を模らせた。それをゆっくりと移動させ、地面に下ろす。
「さ、乗った乗った♪」
「わあ☆ えいッ」
誰もが躊躇する中、未亜が軽く緑髪を舞わせてピョンと障壁に乗る。慌てたのはサバランだが、魔法の一種と納得したものの恐る恐る足を踏み入れ、次に結が続いた。残るはトリニティ学園の面々だが‥‥。やはりオリジナル魔皇殻には一抹の不安が残る。
「本当に大丈夫なの?」
「ここからでも初日の出はよく見える筈ですけど」
「いいじゃん♪ より高い方が眺めも良いぜ? ほら、星渡、てめぇが先に乗らなくてどうすんだよ!」
仕方なく不安気に学が上がる。千沙夜、シンクレア、追って章仁、縁と続き、残ったのは沖田と咲子、そして、勇、ジャスミンだ。初老の男が小刻みに震える金髪ソバージュの少女に青い瞳を向ける。
「なんだ怖いのか? 背中に乗るかね?」
「けっ、結構ですわ! きゃッ、ちょっと、こら、セクハラ親父!」
灰色髪の男は軽々とジャスミンを肩車して、喚き捲る少女が頭上で暴れる中、そのまま微笑みながら障壁に上がった。仕方がない。二人の教官も後に続いた。全員乗ったのを確認すると、桜はゆっくりと翳した手を天空へと掲げてゆく。
「行っくぜーッ! そーらッ高い高ーい♪」
魔皇の手の動きと共に障壁が舞い上がった。未亜は楽しそうに満面の笑みを浮かべるが、サバランはあまりの高さにピッタリとしがみ付いて離れる気配がない。暴れていたジャスミンは勇の灰色の髪を思いっきり掴んで「落としたら承知しませんわよ!」と震える声を洩らしていた。
「お、初日の出だぜ!!」
水平線の彼方から、太陽が浮かんで来る。次第に輝きを増してゆき、放射される陽光が闇を照らし出す。頃合を見て、サングラスの男が口を開く。
「さあ、今年の抱負だ!! 皆、それぞれの胸に刻めッ!!」
手を組む者もいれば、掌を合わせる者もいる。昇ってゆく朝日に向けて瞳を閉じた。
刹那、異世界人の身体から光の粒子が舞い出す。それぞれが瞳を開き、別れの瞬間を感じた。
「シンクレアさん、一緒にお料理できて、未亜、とても楽しかったよ☆」
「私も楽しかったわ♪ 向こうでも美味しい料理を作ってよね☆」
「うんッ! 未亜、頑張るよ☆」
緑の髪をふわりふわりと舞い揺らし、端整な風貌に涙を潤ませながら、千沙夜達にもお別れを告げてゆく。そんな中、粒子が瞬く間に泡の如く舞いあがると、そのまま異世界人は消失した。
きっとそれぞれの世界で暮らしてゆく事だろう。
――グラリ★
「‥‥あぁッ! い、幾瀬教官ッ!!」
学が慌てて眼下に向けて叫んだ刹那、障壁は彼女がクテンと眠り込むと共に、海中へと落下した。総数9名を乗せた障壁は派手な水飛沫をあげたのは言うまでもだろう――――。
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┏┫■■■■■■■■■登場人物表■■■■■■■■■┣┓
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┗━┛★PCあけましておめでとうノベル2006★┗━┛
【整理番号(ウェブID)/PC名/性別/年齢/職業】
【w3a525maoh/九条・縁/男/25歳/特殊機甲科14クラス訓練生】
【w3a548maoh/月代・千沙夜/女/30歳/特殊機甲科13クラス教官】
【w3a548ouma/シンクレア/女/23歳/特殊機甲科13クラス教官】
【w3g589maoh/幾瀬・楼/女/24歳/特殊機甲科13クラス教官】
【w3k917maoh/霧生・勇/男/61歳/特殊機甲科13クラス教官】
【3941/四方神・結/女性/17歳/学生兼退魔師】
【1055/早春の雛菊 未亜/女性/12歳/癒し手】
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■ ライター通信 ■
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明けましておめでとうござ‥‥と言える時期ではありませんね(^^;
今年も宜しくお願い致します。お久し振りです☆切磋巧実です。
この度は発注頂き、誠に有り難うございました☆ 値上げしておりますのに、沢山参加して頂き、嬉しい限りです。
さて、いかがでしたでしょうか? アクスの皆様も普段以上に描かせて頂いたつもりです。切磋的には、異世界人も召喚され、おかげさまで物語の幅も広まったと思います。‥‥と言いますか、広がり過ぎてバランス調整させて頂きました。つまり他のノベルに登場していたりする場合もあります。よろしければチェックしてみて下さいね。
実は逢魔参加はシンクレアさんだけです。おかげさまで料理のバリエーションも増え、未亜ちゃんとのコンビネーションで至高のメニューを作り上げた事でしょう。適材適所ナイスでした☆
楽しんで頂ければ幸いです。よかったら感想お聞かせ下さいね。
それでは、また出会える事を祈って☆
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