■そして、また会う日まで。■ |
商品名 |
流伝の泉・ショートシナリオ |
クリエーター名 |
からた狐 |
オープニング |
流伝の泉にて。泉に浸かってくつろいでる逢魔の伝の元へ、魔皇の鮎原・晶と逢魔・シズカが訪れた。
「あのね。ボク、引っ越す事になったの」
寂しそうな表情で告げる晶に、伝は軽い感じで問いかける。
「引っ越すってどこへだ?」
「アメリカ」
「そりゃまた遠くな」
あっさりと告げる晶に、さすがの伝も軽く目を瞠る。隠れ家は日本にしかなく、その通路もほとんどが国内に通じている。これまでのように気安い行き来はできないだろう。
「晶様の母上様のお仕事の都合です。急な話ですし、かなり迷われたようですが、晶様はまだ小さいですし一緒に連れて行く事にしたようです」
晶の家は母子家庭。魔皇として覚醒している事も知っている。かなり悩んだようではあるが、結局少しでも手元に置いとく方が何かあっても安心できる、といった所らしい。
「‥‥それで、私も晶様のお傍を離れる訳には参りませんし、着いて行く事になりました。幸いというべきか、向こうでの神帝軍の様子を調べて欲しいという、密としての依頼もありましたし」
海外にもテンプルムはあるし、逢魔の密もいる。日本での神魔の争いは講和の動きが活発化しているが、海外においてはなかなか情報が得られない。向こうの密にしても、日本の動向を聞くのは有益となろう。
「なので、本日はご挨拶回りに。伝様には長らくお世話になりました。いつ頃帰れるかは現時点では分かりませんが、どうぞお元気で」
「ありがとうございました」
折り目正しくシズカが礼を述べた後で、晶がぴょこんと頭を下げた。
「という訳で。二人がいなくなる話は聞いているだろうか」
流伝の泉に魔皇らを集め、伝は告げる。初耳の者もおれば、がっくりと肩を落としている者もいたが、その顔を見回して告げ。
「ま、それなりに世話になったしな。餞別にぱーっと送り出してやろうじゃないか。その方法は‥‥ま、俺よりも魔皇様方が考える方がいいだろ。何なら酒も用意してやる」
にやりと笑って伝は告げた。
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シナリオ傾向 |
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参加PC |
柴田・こま
娘萌・眼鏡
緋井路・朔夜
御神・咲夜
十六夜・さとり
津和吹・拓斗
伊里月・ユキナ
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そして、また会う日まで。 |
鮎原・晶が親の都合でアメリカへ。逢魔・シズカも晶に着いて行くという。
突然のお別れに、伝から連絡を受けた魔皇達は送別会をしようと、会場設置を急ぐのだが。
「なんで、わしまで借り出されにゃならんのじゃい」
ぶちぶちと軽く不平を漏らすのは、その逢魔の伝である。ちなみに種族はセイレーンの親父だったり。
「文句言わない。やっかい事を色々と押し付けて下さいましたよね。ですからこのくらいはして頂きませんと。‥‥あ、そこのテーブルは向こうにお願いしますよ」
「おし。おーい、密ー。これ運んどいてくれー」
「自分で運んで下さいっ」
ちょっと怒りモードで津和吹・拓斗(w3h462)が告げると、伝が冗談だと笑う‥‥わりには、目が残念がっている。
「気持ちよく送別するには、手を抜く訳には参りませんのよ。まじめにして下さいませ」
逢魔・クリスタ(w3h462)がたしなめると、伝は気の無い返事ながらも設置しだす。それを見ていた御神・咲夜(w3e857)がくすくすと笑う。
「確かに厄介事も押し付けられてたけど。伝には流伝の泉を管理し、各地の情報収集に勤しんでもらってたんだもの。たまにはゆっくり飲んでもいいんじゃない。なんなら付き合うわよ?」
「お、俄然やる気出たぞ♪」
軽い口調で返事すると、伝は打って変わった足取りで準備に勤しみだす。そのテーブル上に魔皇でも酔わせられる銘酒『魔皇一撃酒』まで用意されているのを見て、伊里月・ユキナ(w3i015)は怒りを通り越して呆れ果てる。
「結局、御自分が飲みたかっただけですか? 用意したなら仕方ないですけど。晶くん始めとして未成年者が多いのですから、お酒を勧めたり、妙な醜態は晒したりしないで下さいませね」
出来れば酒は出さずにいたかったユキナだが、渋々と承認する。それでも、念を入れて伝をたしなめるも、相変わらず軽い口調の伝では不安は残る。
「これで食事の用意は終わりです。後は会場を飾るぐらいですか? そろそろ晶くん達を呼びに行った方がいいのでは?」
「では、呼んで参りましょうか」
会場を見渡し、十六夜・さとり(w3e889)が告げると、拓斗が頷き、クリスタを伴って主賓二人を迎えに出かけた。
初夏の日差しは、瑠璃の空に浮かぶ海越しでも暖かく差し込んでくる。会場場所は瑠璃の外れにある屋外。
「きゃーきゃーきゃー☆」
普段は静かな部類に入る場所。なのだが、この日ばかりは賑やかな歓声が響き渡る。並ぶ料理の品数に、晶が諸手を上げて目を輝かせていた。
「あら、まぁ。ご配慮いただきありがとうございます」
「ありがとうございまーす」
深々と頭を下げて皆に礼を述べるシズカの横で、気もそぞろに晶もまた頭を下げている。妙にかしこばっている晶に柴田・こま(w3b515)はただ苦笑する
「思えば、晶くん達と一緒に居た時はいつもばたばたしてたような気がするし。最後くらい、のんびり一緒に過ごすのもいいですね」
言って、サンドウィッチの皿を晶に渡そうと仕掛けた時。
「シ・ズ・カさーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!」
ずどどどどどどどどど‥‥(中略)‥‥どどどどどどど。
静かさとは無縁の土煙を上げて、突っ走ってきたのは娘萌・眼鏡(w3b916)。思わずとーい目をして佇んだこまの前を素通りすると、シズカの前で見事に停止。その勢いのままにシズカに詰め寄る。
「シズカさん、アメリカ行くてホンマかいなっ!?」
「え、ええ。晶様の都合で」
「な、なんて事や‥‥」
あっさりと返答されて、眼鏡よろめく。
「せっかく、眼鏡っ娘のシズカさんと胸の話までする親しい仲になった言うのに‥‥。いや、そんな事より。このままでは日本の大事な文化『貧乳』が輸出された上、シズカさんが金髪のボインボインに改造されてまうやないかっ!!」
それは、由々しき事態である。‥‥多分。少なくとも彼にとっては。
「眼鏡様〜。やっと追いつきましたー」
そこへ眼鏡の後を追って逢魔・グラステール(w3b916)が現われるが、息も絶え絶えに地面にへたり込む。
「お、ええ所に来たな。‥‥晶くん、これ、アメリカ行きの餞別や! で、その代わりに、シズカさんと交換してくれへんか?」
「「ええええええっ!?」」
眼鏡が差し出したのはグラステール。いきなりのトレード申請に、逢魔二人が同時に声を上げる。
「何無茶をおっしゃるのですか、眼鏡様?! そんなの駄目に決まっております!」
「かまへんやん。同じフェアリーテイルの眼鏡でロングヘアーやし貧乳やし‥‥」
「「貧乳は余計です!!!」」
不満げな眼鏡に、やっぱり二人の声が揃う。そのやり取りを傍からじっと眺めていた晶だったが‥‥。
「うん、いいよ」
「「「ええ?!」」」
あっさりと承諾されて、逢魔二人はおろか、言いだしっぺの眼鏡までもが眼を見開いて声をあげた。が、それを見た後、晶がぺろっと舌を出す。
「って言ったら、眼鏡さん困るでしょ? もっと自分の逢魔を大切にしないと駄目だよ。‥‥って、これ前にボクが言われたんだけどね」
「眼鏡様、子供に諭されてますね」
くすくすと笑うグラステールに、眼鏡、罰が悪そうに視線を彷徨わせた。
「でも。本当にいろいろありましたよね? 最初は晶くんが瑠璃に迷い込んだ事から始まって。フォーチュン・モンスターとか、シズカさんとの出会いとか、挙げたらきりないです」
「少なかったようで、色々ありましたからね」
昔の話にさとりが懐かしさを感じて告げると、拓斗とクリスタもまた深く頷く。晶はといえば、フォーチュン・モンスターと聞き、可愛がっていたサーバントを思い出したのか、微妙な表情で俯いている。そんな晶を慰めるように、逢魔・アルシオン(w3e889)が頭を撫でる。
「そうそう。また一緒に遊ぼうと約束して、そのままにしてましたね。しんみりしていても仕方ありませんからね。何か楽しく遊びましょうか」
「定番のトランプにゲームもいくつか用意しておりますわ。またいつか逢えるのなら、明るくお別れしたいですしね」
言ってにっこりと微笑むユキナと対照的に、彼女の言葉で逢魔・カーラ(w3b515)がさらに表情を暗くさせていた。
「本当にお別れしてしまいますのね。また会えるっていつぐらいでしょうか」
「よく分かんない。お母さん次第だと思う」
首を捻って考え出す晶を横に、陰鬱にカーラはため息をつく。
「いざお別れとなると、何を話せば良いのか。‥‥わたくしはあまり賢くなくて、考えるより先に手が出る事も多くて、嫌な事も沢山してしまいましたわ。でも、晶は嫌わずに許してくれましたわね。それだけで、わたくしは涙が出るくらい嬉しかったですのよ? 好きになったモノに嫌われてしまう事は、わたくしには何よりも怖い事ですもの。どうか、この先もわたくしのような馬鹿でも許してあげられる、優しいニンゲンでいて下さいね。今生の別れになるかも知れませんけど、お元気で」
「そんな哀しい事言わないでよお」
がっしりと抱きしめてくるカーラを、泣きそうな顔で晶も抱きしめる。瑠璃近辺の関西地域では和平に向けた講和の動きが活発かしている反面、関東は激しい抗争が繰り広げられている。神帝となったマティアの動きも不明で、まだまだ予断は許されぬのが日本の実状。そして、海外にいたってはどういう動きになっているのか不明な点の方が多い。
「でも、実際どうなんです? ずっと向こうで暮らすつもりなのですか?」
「ボクは夏休みとかには戻ってきたいけど‥‥。でも‥‥」
緋井路・朔夜(w3b973)が問いかけると、晶は複雑そうに首を傾げた。遠慮がちに告げる晶に、朔夜は盛大に息を吐く。
「あのね、晶。僕ら子供が、親の都合に合わせるしかないのは仕方ないでしょうけど。どーっしてもこっちの皆の顔が見たくなったら、我侭言っていいんじゃないですか? 何たって我侭は子供の特権ですからね」
にこっと笑う朔夜に、晶は一瞬目を丸くする。
「そうですね。いつも我がままなのは困りものですけど、たまにならいいです。シズカさんだって普段はおとなしそうなのに、結構我がまま言って‥‥」
頷きながらこまはシズカに話を振ろうとするも、肝心のシズカが視界に入らなかった。
どこに行ったと思いきや、
「‥‥交換OKだなんて、あんまりですぅぅ」
地面に塞ぎこみ、延々と滅滅モードに落ち込んでいた。
「あれは晶くんの冗談だってば。いつまでもそんな事でどうするの? 向こうでのお勤めだって頑張るんだろう?」
諭しつつ、咲夜がシズカを抱き起こそうとする。そして、屈み込んだ拍子に、バサリとポケットから紙切れが数枚取り落ちた。
「何ですか? これ」
訝ってシズカが拾い上げたそれは女の子の写真。いや、女の子ではなく‥‥。
「これ、北斗だよね?」
問いただす晶に、逢魔・北斗(w3e857)は首が千切れそうな勢いで激しく否定を示す。のだが。
「て事は、やっぱり北斗なんだ。女の子だったの?」
「ちっがーーーーーーーーーーーーうっ!!」
真正面から問うてくる晶に北斗が顔を朱に大声を上げる。苛立ちも露わに北斗は咲夜を睨みつけるが、咲夜、すでに逃亡済み。
「でも、可愛らしく撮れてますね」
まじまじと見つめているシズカから女装写真を奪い取ると、北斗は怒りの場を持て余してやけ食いに走る。写真取られたシズカはといえば、妙に名残惜しそうに北斗を見つめてたり。
「つまらない事とかどうにも腹の立つこととかがあった時は憂さ晴らしもあった方がいいんですよ。今の彼みたいにね。
なんで、これ上げます。あれだけ大騒ぎしたんだから、加減は覚えましたよね? それで、ちょっと位の悪戯は大目に見てもらえる遊び仲間を増やしちゃいなさい」
「あ、ありがと」
言って、朔夜は晶に油性マジック赤黒二本ずつを渡す。
古城での忘年会。夜中に悪戯書きしてしこたま怒られた晶としては、何とも複雑な表情でそれを受け取る。
「じゃ、私からも。これ、お気に入りの懐中時計。これからもこの時計と一緒に、二人の時を刻んでいくんですよ」
さとりの差し出した時計を、晶は繁々と見つめた後に笑顔で礼を告げた。
「そうですね。では何もありませんが、私から一曲送らせて貰いましょうか」
こほん、と軽く咳払いをすると、アルシオンが浪々と歌いだす。元より音楽が得意なセイレーンだ。技術的にも申し分なく、披露が終わると誰とも無く拍手が起きた。
その後も、皆でゲームをしたり食事したりで楽しく時を過ごす。拓斗やユキナを中心に記念撮影などをしている内、辺りは暗くなってきた。
「そろそろいい頃合でしょうか? 伝さん、お願いしますね」
「へーへー。全くこういう時は存分に活用しおって。今度領収書で請求するぞー」
「逢魔が魔皇に使えるのは当たり前ですわよ。文句言わずに、さっさとして下さいな」
クリスタが告げると、酔ってクダをまいてた伝がさらにどこかへ連絡を入れる。と、辺りを照らす照明が一斉に落ちた。
何が始まるのか。不安と期待で晶が辺りを見回していると、遠方で甲高い音と共に煙が天高く昇る。一拍の後、夜空に大輪の花火を咲かせた。
伝の意地か密のプライドか。用意された花火は数多く、次々と打ち上げられていく。初夏の夜を彩る鮮やかな花火に、晶は目を輝かせて喜んでいた。
そして、別れの日が来る。空港まで見送りに来た魔皇らに、母親は気を利かせたか席を外した。
「晶、お元気で。さよなら」
ぎゅっと晶を抱きしめた後に、カーラは笑って手を振る。
「これ、僕の携帯番号とメルアド。いつでも連絡してよ♪」
「ちょうどよかった。これ、無駄にならないみたいね」
北斗が紙片を手渡すと、逢魔・ユキネ(w3i015)はシズカへアルミケースを手渡す。
「何でしょう? 開けてもいいですか?」
問いかけるシズカにユキネは変わらぬ表情で大きく頷く。訝りつつも、シズカは中身を確認し‥‥。
「こ、この、国際電話の契約済み書類はともかくとして、バストアップ最新法の本は一体‥‥?!」
「継続は力なり。向こうでも努力を忘れず頑張って頂戴」
しれっとした顔で告げるユキネの隣で、ユキナは苦笑いをしている。バストアップ計画はまだまだ終わりを見せない。
「あう、がんばります。けど、この晶様の攻略作戦書というのも‥‥。私、別に晶様に恋愛感情は抱いておりませんよ? ユキネさんが折角書いていただいたのですから、ありがたく頂戴しますけど」
「いるのかいらないのかどっちなの?」
言って、大事そうに懐にしまうシズカを、ユキネはジト目で見つめる。
「そういえば。シズカにぎゅっとされると嫌がるのに、カーラには不平言わないんだね? 晶はカーラの事どう思っているの? 好きは好きでも特別好き?」
シズカらのやり取りを横目で見ながら、北斗は晶を招き寄せて真剣な顔で問いただす。が、晶はただ首を傾げる。
「恋愛ってよく分かんない。でも、カーラは面白いし楽しいから好きだよ♪ あ、でも、北斗の女装のが可愛いと思う」
「それはきっぱりすっぱり忘れてくれっ」
悪戯たっぷりに告げる晶に、北斗は硬く拳を握る。
「心配しなくても、時が立ったら忘れるもんだよ。良くも悪くもね。別れても忘れられたくないなら、次にあった時、直ぐに思い出してもらえるような存在に成長する事。思い出そうと思ってもらえる価値を作れたなら、覚えていてもらえるはずですからね」
元気でがんばって、と、手を差し出す朔夜に、晶は頷いて手を握り返す。そこで、搭乗手続きのアナウンスが入り、母親が晶を呼んだ。
「これから先、道に迷う事があるかも知れません。けれど、二人の事を想い信じている方はたくさんいます。その事を忘れずに、確かに進んで下さい。そして、またいつかお会いいたしましょう」
「うん、またね。絶対だよ」
母親の元へと駆け寄る晶に拓斗が告げると、目に涙を溜めて晶はまた精一杯頷き手を振り返した。それを見て、さとりも思わず涙ぐみかける。アルシオンが心配して覗き込んできたが、涙を拭いて笑って答える。
「大丈夫。これが最後なんかじゃない‥‥。きっと、また会えますからね!」
それから。晶とシズカの乗った飛行機がアメリカに向けて離陸していった。楽しかった思い出と寂寥とした別れの思いを抱きながら、魔皇らは暫く空を見上げている。
「お二人共行っちゃいましたね。」
グラステールがぽつりと呟くと、眼鏡が気の無い返事を返す。
「寂しくなりますね」
「ああ、そうやな‥‥」
「‥‥眼鏡様って、実は私の事好きでしょ」
「ああ、そうやな、って。え?! な、何言うてん」
生返事をしていただけに、突然の告白に眼鏡はおおいにうろたえる。
「実は私もですよ♪」
グラステールは楽しげに笑うと、踵を返し先に隠れ家へと歩き出す。その後姿にまごつきながらも、眼鏡はその後を追いかけた。
そして。さらに後日。ユキネはシズカに電話を入れていた。その内容は、主に胸と晶の事についてだったり。
「胸はもういいです。えと、がんばってます。
晶様はやっぱり英語に苦労されてますね。でも、こちらの生活には慣れてきたようですよ。そうそう、ユキナさんから遊びに来られるとお手紙頂いて、とても楽しみにされてます。同封されてたお別れ会でのお写真もちゃんと受け取り‥‥と。あ!」
ここで、シズカは慌てた声を上げる。
「写真で思い出しました。
あの。つまらない物ですけど、皆様にお別れ会のお礼を用意させてもらいました。渡す時間があるか分からなかったので、伝様に預けたのですが受け取られました? ‥‥まだですか。それでは催促しておきますから、後で受け取って下さいませ」
その背後から、晶の声も伝わってくる。どうやら元気にやってるようだ。 |