■ネコ耳のキミを守るんだ! その5ニャ☆■
商品名 流伝の泉・キャンペーンシナリオ クリエーター名 マレーア
オープニング
●魔皇のアジトの片隅で
「‥‥というわけで由宇球場からの実況中継です。解説は引き続きこの私、2チャンネルTVの宇津田司能が担当させていただきますが‥‥おおっ! でました! サヨナラホームランです! 魔皇チーム、4−5で逆転勝ち! おや!? ハーン・ザ・ゴッドタイガーが背番号4番とやりあっています。何やら荒れ模様ですが‥‥おおっ! 出たぁ、大回転技だ! これはスクリュード○イバーかっ!! ハーン・ザ・ゴッドタイガー、倒れたまま起きあがりません! ピクリとも動きません!」
 敵将のグレゴールをぶちのめし、マスクの下で高笑いする学ラン男がTV画面に大写しになる。
「猛虎とは、そうこの俺だ! ふはははははは!!!」

 そんなTVを見ながら、猫耳病患者の五十里シンヤ少年はいじけていた。
「みんな、僕のことを忘れてる‥‥」
 やはり猫耳病患者の綾波リカが、シンヤの首にじゃれつきながら言う。
「ねぇ〜。シンヤ君がまた落ち込んでるよ〜」
「シンヤ君! 私の歌で勇気づけてあげる!」
 同じく猫耳病患者の矢並レイが、マイク片手に歌い始める。

 シンヤ君♪ 君にはこの俺♪ 矢並リカが♪ ついてるぞ♪
 シンヤ君♪ さあ今こそ♪ 力いっぱい♪ 抜け出すんだ♪
 キミをダメな♪ 人間にする♪ 腐った魔皇の♪ 世界から♪

「ほっといてよ!」
 思わずシンヤ少年は叫んだ。
「‥‥いいんだ。どーせ僕なんか、どーせ僕なんか‥‥」
 いじいじいじいじいじいじいじいじ‥‥。

●あたいは魔皇をやっつけるのら!
 はい、ここでCMです。
 ちゃららら〜ら♪ ちゃららら〜ら♪ ちゃららら〜ら〜♪ ら〜らら〜♪
 BGMは『地獄の黙○録』でおなじみのワーグナー作曲、『ワルキューレの奇行』‥‥え? タイトル違い?
 【山口県初の神帝軍直轄校、グレゴール・アカデミア開校!】
「目覚めよ若者よ、魔皇との戦いに立ち上がれ! 神帝軍は君を必要としているのだ!」
 山口県民の感情搾取により強大なパワーを我が物とした山口テンプルムは今、山口県の未来を担う若者の養成に向けて動き出した! 目指せ高級官僚!
 【少数精鋭の全寮制中高一貫エリート教育! 教師陣は全員、第一線で鍛え上げたグレゴール!】
「俺の名前を言ってみろぉぉぉーっ!!」
 あのビューチーカイザーが!
「俺のポエムを聞けぇぇぇーっ!!」
 あの破裏拳ポエマーが!
「保健体育の授業ならお任せよっ☆」
 あのヘルカッツェが!
「猛虎精神を叩きこめぇーっ!!」
 あのハーン・ザ・ゴッドタイガーが!!
 24時間体制で、全身全霊をもって生徒を教育! 山口県をリードする未来の指導者を育てあげるのだ!
「そのためのグレゴール講師による養成校です(ニヤリ)」
 学校長は元・某国際特務機関所属の技術者、あの五十里ゲンゾウ氏!

「‥‥というわけで、グレゴール・アカデミアの開校が間近にせまっておりますが、今日はそのグレゴール・アカデミアのキャンペーンガールに選ばれたアヤカ・モンゲラーさんにスタジオに来ていただいております。アヤカさん、どうぞ!」
「こんにちわなのら〜!」
 TV画面に登場したのは、笑顔がとってもまぶしい制服姿の女の子。頭のネコ耳がとってもチャーミング。この女の子こそ、山口県で4人目の猫耳病患者で、今や神帝軍のプロパガンダで売り出し中のアヤカ・モンゲラーである。
「さっそくですがアヤカさん。グレゴール・アカデミアの第一期生に志願なされたそうですね」
「そうなのら〜」
「アヤカさん、今のご感想は?」
「とってもうれしいのら〜」
「猫耳病というハンディを背負いながらも抱負を語るアヤカさんの存在は、他の猫耳病患者にとっての希望の星になると思いますが、今もなお猫耳病に苦しむ人たちに何かメッセージはありませんか?」
「みんな、がんばるのら〜!」
「それではアヤカさん、これからの抱負について、ぜひ!」
「あたしは絶対エリートになるのら〜! そして、悪い魔皇を一人残らずやっつけるのら〜!」

 TVのCMを見た魔皇たちは、一瞬絶句。しかし直ぐに、これから何をなすべきかについて全員の意見が一致した。
「こんな学校、ぶっ潰すしかねぇ!!」
シナリオ傾向 スチャラカ・萌え・出たとこ勝負
参加PC 二神・麗那
ミシュラ・デバンド
榊・紫翠
雷駆・クレメンツ
メレリル・ファイザー
紬・玄也
神薙・猛流
ヒシウ・ツィクス
ジェフト・イルクマー
ヴラド・ツェペシュ
風間・総一郎
緋月・玲
焔・龍牙
ネコ耳のキミを守るんだ! その5ニャ☆
●潰せ!
「ヤツらエリート教育にかこつけてグレゴールを養成する気か!?」
 グレゴール教師によるエリート養成校、すなわち神帝軍による若者の取り込みだ。生徒の中からグレゴールになる者だって出てくるだろう。
「親父失格な学校長とか、ポエムを酷評したらゴミ箱に叩き込む男とか、教師としてマズそーなヤツ多そうだし‥‥ほっとけねぇ」
「やっぱり、戦うしかないのね」
 愛する妻、逢魔・ティレイノア(w3a676)の問いかけに、雷駆・クレメンツ(w3a676)は答えて曰く。
「神魔の戦いとは断じて綺麗ごとなんかじぇねぇ。愛する者がある日突然に理不尽に殺されたりする‥‥そんな世界だ。ただの憧れとか大人の都合や組織の命令とかでガキどもに首を突っ込ませてイイモンじゃねぇっ!」

「来たぜ、ギルティ。いや、神薙よ」
 神薙・猛流(w3b435)の誘いに応じ、現れたビューチーは、不敵に笑いながら隣の席にどっかりと腰を下ろした。
「おまえならやって来ると思っていた。まずは乾杯だ」
「おう」
 酒を酌み交わしつつ、神薙は目の前にいる因縁の対戦相手と語り始めた。プロレスという人生を生きる一人の男として。
「俺も海外インディーでプロレスやってたが、それなりに夢ができてな‥‥それにお前も付き合って欲しい。新団体を旗揚げしたいんだよ。今は教師やってるんだって? 似合わないよ。レスラーはリング上のファイトでメッセージを放つものさ‥‥考えておいてくれるか?」
「はい、グラスが開いてますよ?」
 押し黙ったビューチーのグラスに酒を注ぐ逢魔・リーシェス(w3b435)。これは男同士の会話であることを心得ているから、余計なことは何も言わない。
「おう、ありがとよ」
 ビューチーは一気に飲み干すと、言った。
「まあいい。考えておこう。言っとくが、俺には『新間』も、リングの内も外も関係ねぇ。ド派手な場外乱闘になっちまおうが、俺は思う存分に戦えればそれでいいのさ」
 おいおい新日かよ。

●中継です
「今度は‥‥学校‥‥なのか? ‥‥やれやれ‥‥誰が‥‥通うんだよ‥‥こんな所に」
 グレゴール・アカデミアの校門の前で、妙齢の着物美人なTVリポーターがつぶやく。実はその正体は、例のごとく女装した榊・紫翠(w3a670)。
「学校がまだ正式に開校してないなら、一般生徒もいないかも‥‥って、あんなに来てるじゃない!」
 二神・麗那(w3a289)が呆れたようにつぶやいた。中学高校大学生くらいの若者たちが、あっちにもこっちにも。なぜかコスプレや萌えキャラ紙袋ぶら下げた姿もやけに目立つ。某アニメ専門学校か?
 影供をする逢魔・ディルロード(w3a289)も呆れ顔。
「今日は‥‥ずいぶんと‥‥にぎやかですね」
 紫翠がマイクを向けると、色々な声が返ってきた。
「今日から願書受付が始まるんです」
「ヘル様のサイン会もあるんです」
「開校記念の同人誌即売会でポエマーの詩集売ってるんです。僕は買わないけど‥‥」
 そんな光景を見て、ふとつぶやく逢魔・セラティス(w3c686)。
「グレゴールの学園ですか‥‥魔皇様の学校が出来たらどうなるんでしょうか?」
 すると横から突っ込みの声が。
「そういえば、魔皇塾ってのがありましたねぇ」
 ‥‥おいおい。

●復活ゴッドタイガー
『15:00、河川敷にて待つ 猛虎の苦露夜』
 果たし状を送った紬・玄也(w3b375)は、宿命の対戦相手をひたすら待ち続ける。
「来る! ヤツは必ず来る!」
「はぁ〜、こんなので誘き寄せられるくらいなら最初から苦労はしなさそうなものだけど‥‥って、本当にきちゃったよ」
 逢魔・ロンベルディ(w3b375)絶句。オー! オー! オー! とかけ声高く、病院ベッドを担ぎ出してやってきたのは猛虎軍団。生命維持装置やら点滴と栄養補給のチューブやらを体中にまとわりつかせたハーン・ザ・ゴッドタイガーの体が、ベッドの上でむくりと起きあがる。
「ハーン・ザ・ゴッドタイガー、ここに復活!」
「きたか‥‥さぁ、やろうかタイガー。俺と貴様、どちらが真の猛虎かを!!」
 そして壮絶な殴り合いが始まった。

●気分はもう‥‥
 グレゴール・アカデミア校長室のドアがいきなり蹴破られた。おお! 中は体育館のように広い。
 校長の椅子に居座った五十里ゲンゾウが、侵入者たちをじろりとにらみつけた。
「君たちは何者だね? どうやってここに入ってきた?」
「半ば強引に」
 ミシュラ・デバンド(w3a361)が、ドアの向こうで伸びている下っ端グレゴールを指さして言った。
「家電ゴール・ゲンゾウ。自分の子供すら満足に育てられないくせに、他人の子供を預かろうとは‥‥。それにだっ、ちゃんと電気代は払うようになったんだろうな?!」
 くってかかるヒシウ・ツィクス(w3b715)。
 ゲンゾウ、椅子からすっくと立ち上がる。
「またしても私を家電呼ばわりする気か、魔皇どもめ!」
 突き出された両の拳から神輝力の衝撃。逢魔・ステア(w3b715)がヒシウを『お姫様抱っこ』で時空飛翔。
「気をつけて。ヤツは手強いよ!」
「こちらからは手を出さないけど、応戦はする。その為のデアボリングコレダーだ」
 ヒシウ、ニヤリと笑い、デアボリングコレダーを装着した両手を組む。右手にノーマルDC、左手に真DC。
「くらえWデアボリングコレダー、ヘルアンドヘブン!」
 雄叫びと同時にド派手なスパーク。その攻撃を神輝力のフィールドで跳ね返し、ゲンゾウが不敵に笑う。
「それしきの電気花火、我が敵ではないわ!」
 どぉん! がらがらがらがら!
 校長室の壁と天井が崩れ落ちる。ミシュラが真撃破弾をぶっ放して、壁のコンセントをぶち壊したのだ。
「さて、正々堂々と勝負と行こうか」
「おのれ、魔皇め!!」
 挑発に出たミシュラに、ゲンゾウの怒りの拳が炸裂する。
「何っ‥‥!? ぐはぁ!!」
 そのまま校長室の外に吹っ飛ばされるミシュラ。
「この勝負、私の勝ちだ」
 言ってゲンゾウ、ばたりと倒れる。その体をつんつん突っついて、ヒシウが言う。
「今の一発で、力を使い果たしてやんの」

 視聴覚室。
「この生中継は見た者も多いと思う」
 緋月・玲(w3h207)が対ビューチー戦いのプロレスのビデオを若者たちに見せる。
「猫耳病患者の変わりに人質になると言った優しい女性を盾にする。こんな正義とはかけ離れたグレに何を教わるのだ?」
 すると若者の一人が言う。
「女子供相手にあそこまでやっちまうビューチーはすげぇ! ワルの魅力だぜ!」
「‥‥君、何か間違ってないか?」
 そこへ例のごとくビューチーカイザー出現!
「俺の名前を言ってみろぉぉぉーっ!!」
「きゃーっ! 暴力教師に殺されるーっ!!」
 萌えなセーラー服着たおネエたちが緋月の手といわず足といわずしがみついてきた。叫んでいるが顔が笑っている。
「魔皇のお兄様助けてーっ☆」
「待ってくれ君たち、これじゃ動けない!」
 そこへビューチーの巨体がのしかかる。
「くらえ逆エビ固めぇ!!」
「うぎゃああああーっ!!」
 緋月、絶叫。
「そこ! 危ないから下がってなさい!」
 リーシェスの誘導で乗り込んできたのは、ギルティカイザー。
「リングに案内しろ。ビューチー、貴様もレスラーならリングの上で戦え!」

「きゃーっ!! 変質者よっ!!」
 女子更衣室から悲鳴。下着やブルマやレオタードを抱えて飛び出した不審者は、相も変わらずナチ軍服のヴラド・ツェペシュ(w3f420)。
「猫耳病研究の為じゃ! 菌があるかどうか調査するのじゃ!」
「あたしのレオタード返すのら〜!」
 学園キャンギャルのアヤカ・モンゲラーがパイプ椅子振り回して追いかけてくる。そこへジェフト・イルクマー(w3c686)が立ちはだかる。
「ひょっとして君が、アスカ・モンゲラーか?」
「おまえは何者なのら〜!?」
「申し遅れたな、俺はジェフトって者だ。‥‥そうだな、しがない魔皇の一人とでも言えば解って貰えるか?」
「アヤカなのら〜。悪い魔皇は許さないのら〜!」
 アヤカのパイプ椅子攻撃をジェフトはひらりとかわし、全魔皇殻を召喚。しかし真フリーズスピア以外は敢えて捨て、唯一つの得物を手渡す。
「すまん。アヤカ・ランゲラー、君が魔皇を何で嫌いなのかは知らないが、話ぐらいは聞いてくれてもバチは当たらないだろう? もし、信用できなかったり嫌だったらその槍で俺を貫けばいい。十分に傷つけられるからな」
「魔皇は信用できないのら〜!」
 ぐさっ!
「おい‥‥」
 ジェフトは見た。スピアの先っちょが自分の腹にめり込んでいる。
 すぽっ。アヤカがスピアを引っこ抜く。
「きゃはははは! 魔皇の血なのら〜!」
 気が動転したアヤカ、血のついたスピアを振り回しながら走っていく。
「ま、待て! そんなもの振り回すな!」
 腹を押さえ、ジェフトは慌てて後を追う。

●ヘルカッツェと勝負よ☆
 焔・龍牙(w3i842)と逢魔・ノシューア(w3i842)、ただ今放送室占拠中。
「しかし玲も抜け目がないな! ヘルカッツェとマジョンナの会話をMDに録音して来るとは、早速利用させてもらうぞ! ノアこれを全館に流してくれ」
「分かりました。緊急放送を使用して全館に流します」
 ノシューア、MDを受け取り再生装置にセット。
「これで連中の悪巧みも白日の下にさらけ出されるか」
 やがてスピーカーからマジョンナとヘルカッツェのアヤしい声が流れ出す。
「うふふ、いっ〜ぱい入れてあげるわね☆」
「あ〜ん。そんなに入れちゃうの〜?」
「うふふふふふ、今度はた〜っぷりかき回してあげる☆」
 ぐっちょんぐっちょんぐっちょんぐっちょん‥‥このアヤしい物音は、もしや!?
「あ〜んもうガマンできな〜い!」
 龍牙とノシューアの額から冷や汗がたら〜り。
「これって‥‥放送してよかったの?」
「放送中止だ! 未成年だって聴いてるんだぞ!」
 龍牙が叫んだ途端、放送室のドアが開いて、萌えな若者たちが押し寄せてきた。
「最後まで放送してください!」
「僕たちには知る権利があるんだ!」
 パシィ〜ン! スピーカーから平手打ちの音。
「あ〜ん! いた〜い!」
「つまみ食いはやめなさい! たっぷりかき回したら冷蔵庫で8時間。そしたらおいしいプリンの出来上がりよ!」
 龍牙とノシューア、足から力が抜けてぶっ倒れる。
「プリン、だって‥‥?」
「あはははは‥‥」

「で、相も変わらず今回も俺は女装ですか‥‥」
 風間・総一郎(w3g774)、はぁとため息。
「もっちろん。今回も総クンには風間・悠姫になってもらいましょう♪ 」
 あっさり切り返す逢魔・レイナ(w3g774)。
「しかも担当はヘルカッツェ‥‥もう泣いて良いですか? ‥‥ダメですか」
 風間、もう凹みまくりで覚悟完了。そしてもう一人、緋月・玲もミニスカ・ブラウス白衣の女装、胸は得意のメイク技術で覚悟完了。しかし肝心のヘルカッツェが見つからない。
「どこだ!? どこだ!? ‥‥ここか!」
 調理実習室のドアをがらりと開ける。途端、石鹸の匂いがぷ〜ん。部屋のど真ん中にバスタブが鎮座し、その中でヘルカッツェが湯浴みしていた。
「あ〜も〜せっかちなんだから〜☆」
 気がつけば周囲に黒山の人だかり。真紅のバスタオルをまとったヘルカッツェが、お湯を滴らせながら近づいてくる。
「面倒なことは抜きにして、早いとこ勝負しましょ☆」
「おい、ちょっと待て‥‥」
「まさか、公衆の面前で‥‥」
 たじろぐ風間と緋月。
「さあ、女の武器で、勝負よ!」
 真紅のバスタオルがはらりと落ちる。
「あっ‥‥」
「うっ‥‥」
 ぱしぃ! ぱしぃ! 怯んだ隙にヘルカッツェのスパンキングフィンガー攻撃。
「うきゃ〜っ!!」
「ひえ〜っ!!」
 快楽の波に呑み込まれて悶絶する二人。見るとヘルカッツェのバスタオルの下には超ギリギリなセクシィ水着。
「所詮、女装じゃモノホンの女にかないっこないってことね☆」
 べしっ! 悠然とほざいたヘルカッツェに、レイナのクリーム・パイが命中。さらに、天然猫耳を生やした逢魔・ウィルベル(w3h207)の猫パンチ。嘘! 信じられないほど効いている。
「こんな技を使う保健の先生ですよ! こんなのに習ったらもう彼氏や彼女は出来なくなっちゃいます! 素敵な恋愛はまともな心からですわ!」
 とどめとばかりに逢魔・聖架(w3a670)
「この間は、よくもやってくれたわね! お仕置きよ!!」
 鎖でぐるぐる巻きにしてスパンキング。
 パシーン! パシーン! パシーン!
「痛ぁーい! お尻はやめてぇーっ!!」

●グレゴール・アカデミア崩壊?
「山口県にはもうまともなグレゴールはいないのかな‥‥」
 メレリル・ファイザー(w3a789)が呟いた。
「そんなグレゴールでも、後をついていく若者がいるんだから。どうしようもないわ。と・に・か・く‥‥この学校は潰すっきゃないわ」
 二神・麗那が答えて言う。戦いに備えて獣の鎧を準備する逢魔・モーヴィエル(w3a789)。
「そうだね。一般人はみんな外に避難させたし‥‥」
 彼女らは誰もいない多目的ホールを見渡し、うなずき合う。
「柱、何本か壊しておけば、後は勝手に壊れてくれそうだわ。さあ、いくわよ!」
 どぉん! 麗那は建物の柱に最初の一撃をお見舞いした。

 外では戦いが続いている。
 雷駆・クレメンツは妻ティレイノアと共に、宿敵・破裏拳ポエマーと対峙していた。その頭上にはためくは、雷駆が立てたるグランドクロスのX旗。
「ポエマー。おめぇはいい奴だ。助けてもらった借りもある。だがよ、オレはおめぇの衣装が気に入らねぇ。だから、その衣装を変えるってなら正式に結社グランドクロスのせんべい怪人ガチガッチーとサポート怪人骨っ娘ダンサーズV3(ぶいすりゃあ)の二人の名にかけて、総帥や秘密結社友の会に推薦し、新たな本物の怪人として推薦してもイイと本気で思ってる。魔皇ではなく現代のいち怪人として問おう。新たな自分に生まれ変わる気は無ぇか?」
「俺が生まれ変わるその時は、死して再び生まれ変わるその時なり!」
 戦旗を武器として構えたティレイノアが叫ぶ。
「感情搾取さえなかったらポエムの売上げだけで勝負できたのに‥‥!」
「待て! あれは‥‥!」
 三人、同時にそれに気づいた。ナチの軍服をまとい、多目的ホールの屋上に仁王立ちしたヴラド・ツェペシュの姿に。
「ふはははは! パチゴールを叩いて砕く! 余がやらねば誰がやる! 今こそ結社グランドクロスの伝統芸、旗立てを敢行じゃ!」
 眼下の戦いを見下ろすかのように、X旗が高々と翻る。
 まさにその時‥‥ぴしっ! ブラドの足下でひび割れの音が。そして遂に、多目的ホールは崩壊を始めた。
「アカデミアが‥‥」
「崩れていく‥‥」
 逢魔・ミレニス(w3a361)とセラティス、崩れ行くその有様をただ遠くから見つめるばかり。
「余のセリフがまだ終わっとらんのじゃああ!」
 ブラドの絶叫が虚空に木霊した。

 これで終わりにゃ。でも、番外編もあるにょ☆彡