‥‥最深部で息づくソレは、体内に入り込んだ異物を排除し、小さく笑みを浮かべた。
地上から入り込んできた蟻を、待ちかまえさせていた兵隊蟻で迎え撃った成果は上々だった。僅かに生き残っている者達も地上へと逃げ帰り始め、地下に残った者達も、間もなく蟻たちの餌食となって終わるだろう。
‥‥最初はそう思っていたのだ。だが、既にその認識は間違いであると言うことを、既に自身の本能で分かっている。
「さ〜て‥‥お客様が到着しているわけだし、誰から頂こうかね‥‥」
出来れば、分断した奴らが良い。ならば単独でこちらに向かっている者か。
まだまだ、この廃棄場には千に届く有象無象が蠢いている。まだどれ程の戦力を敵が残しているのかは分からないが、十分に打って出るだけの力だと言って良いだろう。
「‥‥っ」
目を閉じて策敵に勤しんでいたソレは、今後の方針を決めると、ゆっくりと右腕を“開いた”‥‥
|