〜地下十八階・1420時〜
地下十八階の光景は、あまりにも目を疑いたくなる有様だった。
出来損ない達の死体で埋め尽くされた廊下は、それらの死体から漏れ出た血液やら何やらで池が作られ、脱出を計ろうとする虫達が徘徊している。
それは、まさに死体に集る害虫その物だった。グレイブディッガー達は使える体を探し回り、新たな寄生者を拒むように、研究室から出てきたサーバント達の出来損ないは、魔皇達を追いながら虫達をはね除ける。
‥‥と、その出来損ない達もまた、流れ弾に当たってはね除けた虫達と同様に吹き飛ばされ、壁に叩き付けられる。
またあるモノは切り刻まれ、訳も分からないままに倒れ伏し、その切り裂いたモノから逃れた魔皇達によって踏みつけられる。
切る物と魔皇の攻防は一進一退。退きながら戦う魔皇達は、神速の斬撃を最短最速の動きで躱し、撃ち、受けながら確実に退いている。
それは押されているのか、追いつめられているのか‥‥
当人達にしか、分からないことであった。
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