この昨今――新東京における麻薬中毒患者の数がじわじわと増えてきている。
その理由は簡単だ。麻薬が街中に流されているからである。手頃な価格で、という注釈がつくのかもしれないが。
麻薬自身が勝手に自分から流れてゆくはずもなく、そこには何者かの手が入っているはずだ。実際に一般人へ売り捌く役割を担うのは密売人だし、どこかから入手してくるブローカーだって居るのだろう。もっと遡れば、誰かが麻薬を作っているから存在している訳で。
さて、そのような事態を重く見たGDHPは麻薬汚染の実態調査に乗り出すことにした。いったい今、どのくらいの範囲で麻薬が出回っているのかつかもうというのだ。
どのようにして調べるのか、今回は捜査官に一任されている。ただ、GDHPが本腰を入れて調査に乗り出しているということは、まだ表沙汰にしてはいけない。それはしかるべき時期に公表するとのことだ。
しかしGDHPが調査へ乗り出そうとしているのだから、それ以外の者でも勘のよい者はそろそろ自分から動き出しているのかもしれない。
さあ、どのような調査結果が出ることだろう――。
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