新東京、神魔人学園――トリニティカレッジとも言われるそこは、様々な学校が集約した巨大学園である。初等部・中等部・高等部・大学部など普通の学校があるのは当然のこと、他にも神魔技術工科大学やパトモス軍学校などといった少し特殊な学校もある。
その特殊な学校の1つに、警察学校も含まれている。
警察学校では法学や逮捕術、実際の勤務についてなど、警察官として必要な学習が行われており、入学には高卒以上に相当する学力が必要である。そして卒業後は、GDHPや通常の警察に勤務することになるのだ。
もっともこれは警察官の卵たちについての話。中には警察官であっても、何らかの理由で再訓練を命じられてやってくる者も居るとか居ないとか。
師走・12月。現在の訓練生たちの卒業まであと10日ほどとなった。素材がよかったのか、あるいは教官たちの指導がよかったのか、今期の訓練生たちは優秀であると言われている。願わくば現場に出ても、潰れることなく成長していってほしいものだ。
さて――そんな時期に、警察学校より密かに通達が出ていた。それは、次期以降の訓練生のために、様々な角度よりの意見を聞かせてもらいたいというものであった。対象は教官だけかと思いきや、どうやら現場の警察官にも開かれているようだ。
各人の意見は、警察学校の一室にて1対多の形で聞くとのこと。もちろん1が意見を述べる者で、多が警察学校の幹部連だ。ちなみに、その場での発言はどのようなものであれ不問に処するという噂だ。
何故急にこんなことを、という疑問もあるだろう。それは恐らく、先日のソアル署での不祥事も関連しているのかもしれない。現職警察官が殺人を犯し、あまつさえ署の幹部が捜査妨害とも取れる行動に出ていたのだから……。
それでは今日もまた、警察学校の1日の様子を見てみよう――。
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