「皆様、お久し振りです」
サーチャーのミスリは挨拶したかと思うと、すぐに資料を取り出して依頼の話に入る。
「以前魔皇様方に調査していただいた研究所から押収された資料に載っているスライム、その内の一種が発見されました。これの撃破をお願いします」
発見されたスライムは炎のブレスを吐くタイプだと言う。スライムが炎のブレス?と首を傾げる魔皇も居たが、ミスリは気にせず話を進める。
「分裂でもしたのでしょう、この種が4体です。炎は本体のどこからでも吐く事ができ、その威力は非常に高いのですが、範囲は広くないとの事です」
また、本体の動きや耐久力は通常のスライムと大差なく、思考も単純で、基本的には一番目立つ、或いは近くの敵を狙い、連携もないと言う。
つまり、警戒すべきはブレスだけと言う事だ。
「場所はちょうど山肌が露出した場所なので、ブレスによる延焼など、周囲の環境への心配はありません。確実に仕留めてください」
単純な戦闘であり、敵もさほど強力ではありませんが、決して油断はなさらぬよう。ミスリはそう言って、この場を締め括った。
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