きっかけは酔っ払った上での喧嘩だった。しかし、酔っ払ってしまっていた『彼』は歯止めが利かなかった。そして、やりすぎてしまった。
『彼』は自分がした事に気付き怖くなり、逃げた。
今回の仕事は、暴れ回った末に逃走した魔皇を逮捕する事。
容疑者の名前は樋沼 康義。20歳前後で身長は170cmほど、やや色黒で身体つきはがっしりしている。
容疑者はビルシャスの居酒屋で酒を飲んだ末に他の客と喧嘩をして、結果としてその相手に重傷を負わせ逃走した。その際、店をメチャクチャにしてもいる。
居場所だが、現在はデモンズゲートに隠れている事が確認されている。彼の逢魔もデモンズゲートに居り、合流すると恐らく扇動し、逃がそうとするだろう。まだ、お互いに居場所が分かっていない様なので多少時間に余裕はあるものの、そうなる前に容疑者を逮捕してもらいたい。
デモンズゲートの路地裏の一角に『彼』‥‥樋沼 康義は隠れ、悩んでいた。
「どうする‥‥? いや、でも‥‥」
答えは、まだ出ない。樋沼は、買ってきた酒を一口飲み、気分を紛らわせた。
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