■【神魔狂奏曲】試作機を守れ■
商品名 アクスディアEX・デビルズネットワーク クリエーター名 とりる
オープニング
 王城寺原演習場――
 三つの町と村にまたがる、全国に5つしかない旧陸上自衛隊の大演習場である。
 その歴史は古く、1878年に旧陸軍の演習場となり、戦前から様々な演習が行われてきた。
 二度に渡る大戦、そして神魔戦線を経た今でも、それは続いており……



 ズシンという震動と共に象牙色のゼカリアが着地した。
『はいはい上出来ー。次いくわよ』
「ま、待ってくださいよー。もう疲れましたぁー、少し休憩をですね」
『ばーか、なに言ってんの。何のためのテストパイロットよ。ちゃんと仕事しなさい。じゃないとおやつ抜きにするわよ。それでもいいのかしらぁ?』
「えぇーそれは困りますぅー!」
 がしゃがしゃと両手を振るゼカリア。慌てたパイロットが一緒になって動かしているらしい。

「まったく、緊張感のかけらもないですね…」
 後方で待機している82式指揮通信車の中で溜息をつく秘書官兼オペレーターの中尉。
 今の会話はパトモス軍旧仙台基地副司令、高槻・文子博士と、試作機・MET−01のテストパイロット、萩原・月乃少尉によるものである。
 MET−01の機動実験のため、この演習場を訪れていた。

「じゃあ次行くわよ。テストプランB−3、用意…」
 文子が言いかけたそのとき――
「ちょっと待って下さい!センサーに反応が!」
「なに?またサーバントでも出た?」
「はい、その通りです。演習場内に多数の生体反応を確認。MET−01へ向かってきています」
(…半分冗談で言ったつもりだったんだけどねえ…)
『ひょえー!どどどどうしましょー!!』
 スピーカーから月乃のすっとんきょうな声が響く。
「ええい、うるさい!とにかく実験は中止!あんたはとっとと下がれ!…中尉、すぐに護衛部隊を出しなさい」
『ふわぁーい』
「了解しました」
 レーダーには敵を示す赤い光点が物凄い勢いで増大していく様子が映し出されていた。
「あと、至急援軍を要請してちょうだい。…そうね、デビルズネットワークがいいかしら」



「旧陸上自衛隊王城寺原演習場にて機動実験中の試作機が襲撃を受けました」
 サーチャー・クラヴィーアが真剣な表情で切り出した。

「ゼカリア一個小隊が護衛に付いていますが敵の規模から察するに壊滅は時間の問題と思われます。魔皇様方はこれの救援に向かってださい」
 サーバントによる物量戦術…白石の一件と同じ手口だ。

「敵は多数のサーバントです。まだ確認されてはいませんが、必ず近くに指揮官の神帝軍残党グレゴールが居るはずです。恐らくはネフィリムに搭乗していると思われます。可能であればこれを見つけ出し、優先的に撃破してください」
 指揮官のグレゴールさえ倒してしまえば、サーバントの統率が無くなり、戦いが少なからず有利になるはずである。

「試作機はとても貴重なものです。必ず守り通してください。以上です」
シナリオ傾向 殲騎戦 護衛 対多数戦闘
参加PC 彩門・和意
風見・真也
礼野・智美
月島・日和
【神魔狂奏曲】試作機を守れ
●迎撃

 ――ウォーエレファントの大群が迫っていた。
「撃て撃てーっ!!」
 横一列に並んだゼカリア小隊が果敢に35mmアサルトライフルを放って迎撃するも、やはり数が多く、数頭倒しただけで侵攻を止めるには至らない。そうこうしているうちに接近を許してしまう。
「総員!回避運動ー!!」
「う、うわあああああっ!!!!」
 突撃を喰らい転倒するゼカリア。3機はなんとかジャンプして避けたが、転倒した1機はそのまま群れに飲み込まれてしまう。機体は圧壊。パイロットも恐らく無事ではないだろう。
 ウォーエレファントの群れはUの字を描き反転して再び襲い掛かってきた。
 群れはターゲットをゼカリア小隊に絞ったようだ。まずは邪魔者から片付けようという考えなのか…とりあえず試作機から目をそらせたのはいいが、このままでは…
 小隊長の額に汗が伝う。そのとき――
 ドシュウウウウウウウウウウ!!!!
 轟音と共に太い光の筋が横一線にウォーエレファントの群れを薙ぎ払う。
「なにっ?」
 振り返った小隊長が見たものは、バスターライフルを腰溜めに構えた彩門・和意の殲騎、二重の虹の姿であった。
「大丈夫ですか?…1機足りませんね。くっ、もう少し早ければ…」
「和意様のせいではありませんわ」
 主を慰める逢魔の鈴。
「ありがとう、鈴さん。とにかく今はサーバントをどうにかするのが先決ですね」

「これ以上は…やらせません!!」
 続いて放たれる真撃破弾。猛烈な爆風が巻き起こり、多くのウォーエレファントを吹き飛ばす。
 純白のボディに花の彫刻が施された美しい騎体。月島・日和の殲騎、アシュナードだ。
 普段は穏やかな彼女だが、今日は珍しく怒っている。表情も硬い。
「なあ…気持ちは解るが…今は…」
 その様子に気付いた逢魔の悠宇が後ろから諭す。
「…うん、ごめん悠宇。もう少し冷静になるね」
「それならいい。俺はお前を信じているからな」
「うんっ!」
 彼の言葉に、強く頷く日和。

「試作機か。よほど大事な物らしいが……その前にゼカリア小隊か。大分押されているようだな。まあ良い。急ごう」
「そうですね。いまは成すべき事を……」
 風見・真也と逢魔・シャドウセンが駆る殲騎、ミスティミストが真ラピッドシューターを掃射し数頭を弾き飛ばす。

 真デヴァステイターを撃ちながら最後に現れたのは礼野・智美の殲騎、ブレイズだ。
「ここは私達に任せてもらおうか」
「お話は聞いています。ゼカリア小隊の皆さんは一旦下がって試作機の護衛に専念してください」
 逢魔のユフィラスが付け加える。

「援軍か…助かった。それではそうさせてもらう。…聞いての通りだ、全機、一旦下がれ!」
 小隊長が号令を出すと、3機のゼカリアは大破した1機を回収し、後退していった。

●優勢…しかし

「喰らえ!!」
 ドゴォォォォォン!!
 ミスティミストが放った真撃破弾が残っていた最後のウォーエレファント数頭を吹き飛ばした。
「これで終わりか?」
「そのようです」

「初撃で大幅に数を減らすことが出来たのが幸いしたようだな」
「ええ、あっけなかったですね」
 智美とユフィラスは満足げだ。

「しかし油断は出来ません。敵は物量戦術を取ってくるのですから…」
「そうだな。これだけとは思えない」
 依然緊張を崩さない構えの日和と悠宇。

「おや?通信ですよ皆さん」
「今、繋ぎますね」
 ふと、和意と鈴が言った。日和が事前に通信用の無線機を配っていたのである。

『聞こえてるー?あたしはパトモス軍旧仙台基地副司令高槻・文子』
 後方で待機している82式指揮通信車からの通信だ。

『とりあえず協力に感謝するわ。…でも残念なお知らせ、中尉』
『はい。敵の増援が接近しています。ドラゴンを含む多数の飛行ユニットです。注意してください』
『そういうわけ。あんた達も下がって護衛部隊と一緒に防衛線を構築してちょうだい。一匹も通しちゃダメよ。そんじゃよろしく』
『待って下さぃ!わたしも戦いますぅ!』
『却下』
 プツンと切れる通信。間の抜けた声は恐らく試作機のパイロット、萩原・月乃だろう。

「なんだったんだ今のは?」
「一刀両断されてましたね…」
 テンションについて行けず、唖然とする真也とシャドウセン。

「容赦ないな…」
「あはは…」
 智美とユフィラスも同様である。

「ともかく一旦下がりましょう」
「そうですね」
 日和の言葉に、和意が頷いた。


 一方その頃――
「やはりあの程度では役不足でしたね、後藤さん」
 潜ませておいた神帝の瞳からの映像を見ながらグレゴール・秋山が言った。
「うるさい!魔の者どもが出てくるなんて考えてなかったんだよ!」
 後藤と呼ばれた男――この男もグレゴールである、が憎らしげに吐き捨てる。

「十分に予想できた筈ですけれど?私のドラゴン達を向かわせました。これで…」
「俺も出る」
「は?」
「俺はお前みたいにちまちまやるのは大嫌いなんだよ!!」
「……」
「行くぜ」
 飛び立ってゆく派手な赤色のネフィリム。
 それを無表情に見つめる秋山。
「いいのですか?行かせてしまって」
 彼女のファンタズマが問う。
「ええ、構いません」
(ふっ…)
 純白のネフィリムの中で、秋山はファンタズマに悟られぬように嘲笑した。


「み、皆さん、準備はいいいいいですか?」
「あの、和意様…声が…震えています…」
「あっはっはっはっ!いやだなあ鈴さん。武者震いですよ武者震い!」

「そうだといいんだがな…」
 真也は溜息をついた。正面の空に目をやると、視界の大部分が黒々とした蠢くものに覆われていた。そう、蠢く点のひとつひとつが大コウモリである。まばらに見える色違いの部分はドラゴンだろう。暗雲の如きそれは、徐々に、しかし確実にこちらへ向かってきていた。

「真也様…」
「怖いか、セン?」
「いえ、真也様と一緒ですから、怖くはありません」
「俺もだ」
 後ろから回されたシャドウセンの手を強く握る真也。

「すごい数…あれが全部大コウモリだなんて…」
「ドラゴンも混じってるぞ」
「わかってるわよ」
「…日和」
「なに?」
「くれぐれも無茶はしてくれるなよ。俺が一番心配しているんだぞ、こら」
「…うふふ、ありがとう。大丈夫よ。それに殲騎に乗っているんだから死ぬ時は悠宇も一緒でしょ?」
「なっ!?」
「あははは」
 たじろぐ悠宇の様子に笑う日和。

「こちらは準備が整った。そちらはどうか?」
 ゼカリア小隊の隊長から通信が入った。
「こちらもOKだ」
 智美が返答する。
 試作機の正面左右をゼカリアが囲み、その前方に殲騎が展開するという布陣である。

「いよいよですね」
 ユフィラスが口を開く。
「ああ」
「必ずサーバントを指揮するネフィリムが居るはずです。まずはそれを探しましょう」
「よし、それじゃいくか!」
 そして、戦いの火蓋が切って落とされた――

●苦戦

「くっ!」
 ミスティミストがウィングドラゴンを狙って真凍浸弾を放つが大コウモリの大群が壁となって届かない。ラピッドシューターで蹴散らしてもすぐにまた集まってきてしまう。
 アシュナードも真マルチプルミサイルで片っ端から大コウモリを撃墜しているものの、一向に数が減らない。
 シャドウセンと悠宇が忍び寄る闇で行動力の低下を図るも、大コウモリは広く厚く展開しているのでとても全てをカバーすることは出来ない。
「やはり、ネフィリムをやるしか…」
 日和の顔にも焦りが見える。

「もう少し持ちこたえてください!すぐに見つけてみせます!」
「くそ!一体何処にいるんだ!!」
 ミスティミストとアシュナードがサーバントの迎撃、二重の虹とブレイズがネフィリムの探索という分担であった。

「お前達が探しているのは俺かぁ?」
 大コウモリの大群が割れ、そこから派手な赤い色をしたネフィリムが姿を現した。
 手にはマシンガン状の武器を携えている。
「ネフィリム…!」
「わざわざこっちから出向いてやったんだ!せいぜい楽しませてくれよ!魔属!!」
 そう言い放つと、赤いネフィリムはマシンガンを乱射してきた。
 すぐさま散開して回避する二重の虹とブレイズ。

「僕が突破口を開きます!その間に!」
「ああ!!」
 二重の虹がショルダーキャノンを放ち。赤いネフィリムに張り付いていた大コウモリを剥がす。
 そして鳥型魔獣殻・牡丹と合体したブレイズが真シルバーエッジを構えて突撃する。

「ふん、来るか!聖大剣<シャイニングクレイモア>!!」
 赤いネフィリムは流れるような動作でマシンガンを腰に仕舞いSFを使用。
 すると両手剣が出現し赤いネフィリムはそれを握ってブレイズの攻撃を受け止め、弾き返す。

「ぐあっ!!」
「ははは!どうした?!その程度か!!」
「…まだだ!!」
 再び攻撃を仕掛けるブレイズ。しかしまたしても受け止められてしまう。
「石にでもなってみるか?石像聴言<メガコアギュレイト>!!」
「ちぃっ!」
 足元から石化して行くブレイズ。だが咄嗟に真魔炎剣を使用して回復し、一旦下がって赤いネフィリムと距離を取る。
「石像聴言…あれは四国限定SFじゃなかったのか?!」
「同様のものを開発されていたのでしょうか…」
 危うく石化するところだった智美とユフィラスは冷や汗をかいた。

「違います!石像聴言は中級以上のグレゴールであれば普通に使ってきますよ!」
 和意が二人の言葉を正した。四国限定SFというのは恐らく名魂奪封<ネイムソウルスティール>のことだろう。石像聴言とそれは合わせて使用されていたのと、過去の四国での戦いでは石像聴言が頻繁に使用されていたため誤解を招いたのだろうか。

「そんなことより…く、またっ!!」
 再び赤いネフィリムに大コウモリの群れが張り付いてしまった。
「はははっ!!大したこと無いな!魔属!だが俺は手加減しないぜ!聖光翼陣<メガフレアケージ>!!」
 赤いネフィリムを中心として光輝く力場が形成されてゆく。

「ぐううううっ!!」
 身体がずっしりと重くなっていくのを感じる。非常にまずい…
 和意がそう思ったそのとき――
『MLRSを使うわ。すぐにそこから離れなさい』
「えっ?」
 高槻博士の声である。
『いいから早く!』
「りょ、了解!」
「わかったよ!」
 後退していく二重の虹とブレイズ。

 その様子を見た赤いネフィリムは…
「逃げるのか?ざまあねえな!!…ん?」
 轟音と共に何かが高速で飛んでくる。
 それがなんなのか理解する間もなく、赤いネフィリムの頭上で炸裂した。
 …降り注ぐ対神魔処理が施された鉄球の雨。ズタズタに引き裂かれる赤いネフィリム。無論、大コウモリなど有無を言わせず塵と化す。余裕をこいて超低空に浮遊していたのが運の尽きであった。


「……ちくしょおおお!!!!まだだ!俺はまだ終わらねえ!終わらねえんだ!!」
 風穴の開いた赤いネフィリムのコクピットで、額から皮肉にも同じ色の血を流しながら雄叫びを上げるグレゴール・後藤。彼のファンタズマも半死半生で虫の息。輝癒光球<シャインリカバー>で回復し、残った大コウモリを再び張り付かせつつ、ボロボロのネフィリムを立ち上がらせる。

「いい加減観念したらいかがです」
「投降するなら命までは取らんぞ」
 赤いネフィリムにアローくんの爪を向ける二重の虹と、真シルバーエッジを突きつけるブレイズ。

「うるせええええっ!!」
 狂ったようにマシンガンを乱射しはじめる赤いネフィリム。
「うわっ、手がつけられない」
「まるで手負いの獣…いや、そのままだな」

「とどめはわたしにお任せぇー!!」
 高速で突っ込んでくる象牙色のゼカリア…試作機・MET−01。
『ちょっと!あんたなにやってんの!!』
 高槻博士が叫ぶ。
「もう見てるだけなんてできません!わたしがやっつけます!」
『待ちなさい!』
「いやです!!」

「バカか!!こっちはてめえのその機体が目的で来てるんだよ!!」
 赤いネフィリムはまたSFで両手剣を作り出し、試作機に斬りかかる。
 しかし試作機はそれを横っ飛び宙返りのような奇怪な機動で避け続ける。
「くそっ!このっ!!」
 何度攻撃しても試作機にはかすりもしない。
「そこだあああ!!」
 赤いネフィリムの後方に回り込んだ試作機は35mmアサルトライフルをフルオートで発射し、大コウモリの鎧を剥がすと、ライフルを投げ捨て、両手でヴィブロブレードを抜く。その速度にまったく反応ができない赤いネフィリム。そして――
「ていやあああっ!!」
 火花を上げて赤いネフィリムの装甲に吸い込まれてゆく高周波振動の刃。
 赤いネフィリムは胴から真っ二つに断ち切られてしまった。
「バカなあああああっ!!?」


「ドラゴンは片付きました。そちらはどうですか?」
「まったく、毎度数ばかり出てきて困ったものだ」
 アシュナードとミスティミストがやってきた。
 月乃が赤いネフィリムを撃墜してからは、大コウモリは統制を失い散り散りとなった為、ドラゴンを倒すにはさほど時間は掛からなかった。

「ええ、この通り倒しはしたんですけどね…」
「強情な奴でな…」
 和意と智美の目の前には赤いネフィリムの上半身が転がっていた。
「何度も投降を呼びかけてるんですが、なかなか出てこなくて」
「コクピットは無事なはずなんだがな。おーい、出て来ーい」
「……」
 やはり反応は無い。
「よっぽどわたしにやられたのが悔しいんですね!ふふーん!」
 月乃がにっこり笑いながら言った。
「…ち、違う!誰がてめえなんか!!」
「おっ、反応があったな。ということは図星か」
 周囲が笑いに包まれる。が――
 突如飛来し、赤いネフィリムのコクピットに突き刺さる光の槍。
「が、あ…っ!?」
「これは?!」
「聖突槍…!?」
 和意が目を見開いた。
「どこかにもう1騎ネフィリムがいるはず!!探してください!!」

(貴方が敗北した場合は始末せよ、とのご命令でした。さようなら、後藤さん)


●戦いの結末…

「グレゴールはやはり死亡…ファンタズマはすでに消滅した後でした」
「……」
 あの後、全力で捜索したがもう1騎のネフィリムは発見することは出来なかった。
 試作機を守ることは出来たものの、後味の悪い結果になってしまった。
 皆、口を閉じて塞ぎこんでしまっている。

「なに黙り込んでるのよ。あんた達は任務を果たしたのよ。胸を張りなさい。個人的なお礼に牛タンでもご馳走してあげるわ。予想外のデータも取れたしね」
「わーい!やったー!」
 はしゃぐ月乃。
「あんたはダメ」
「ええっ!?なんでですかあ?!」
「命令違反。営倉入り1週間ね」
「そ、そんなあ!せっかくがんばったのにぃ!」
「それがダメなんじゃないのかな…」
 呆れる和意。

「敵の狙いは試作機なのか、それとも……まあ、今は休ませてくれ」
「せっかくですからご馳走になりましょうよ、真也様」
「ん?センがそう言うなら」
「うふふ」

 何はともあれ、作戦は成功した。しかし、敵の脅威が去ったわけではない。
 気を引き締める魔皇たちであった。